自主調査(調査報告)

農業におけるICT活用の現状と展望

2017/04/03 :自主調査(調査報告)

─農作業の効率化や高付加価値化、人材育成に取り組む─

はじめに

近年、農業は高齢化の進展や従事者の減少などにより、担い手不足が深刻化している。さらに、農地の大規模化を背景として農作業の管理が複雑化している。

こうしたなか、農業に情報通信技術(ICT※1)を導入し、農作業の効率化や農作物の高付加価値化、人材育成などを進める動きがみられる。

そこで、本調査では農業におけるICT活用の現状と展望について探った。

1.農業におけるICTの活用

(1)農業におけるICTの活用とは

農業におけるICTの活用とは、一般に農業生産者等が農業現場にICTを導入することにより、農作物の生産から販売に至るまで一連の農作業の効率化や農作物の品質改善、人件費や資材費などの様々なコスト削減を進めることをいう。

農業におけるICTには、農作物を自動で収穫する農業ロボットや自動運転農機のほか、クラウドサービス※2 を利用したドローン、農業クラウドシステムなどがある。

なお、本調査では、農業現場において最も導入が進んでいるとみられる農業クラウドシステムについて取り上げる。

※1 Information and Communication Technologyの略

※2 一般に手元のコンピュータで利用していたデータやソフトウェアを、ネットワーク経由でサービスとして利用するもの。インターネット接続環境など最低限の環境を用意することでスマートフォンやタブレットといった端末からも様々なサービスを利用できる。

 

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RESASを使った分析例

2017/03/01 :自主調査(調査報告)

前頁までの寄稿で紹介されているとおり、国は「地域経済分析システム(RESAS:リーサス)」を提供している。本レポートでは、RESASを実際に使った村上市の創業に関する分析事例をまとめてみた。

村上市における創業に関する分析

はじめに

村上市では、雇用機会の創出と地域経済の活性化を図るために、創業支援に力を入れている。その具体的な支援として、「創業応援事業補助金」や9つの市内金融機関と連携し、市内で創業する事業者に初期資金の一部を支援する「村上市雇用創出型創業チャレンジ事業交付金」などの事業を推進している。本分析ではRESASを活用して、市内での創業の現状を確認するとともに、その背景や必要性を整理する。

分析結果

(1)創業比率の比較

村上市の創業比率※(2012年~14年)は3.49%となっている。これは全国平均(6.33%)を下回っているほか、新潟県平均(4.74%)をも下回っている(図表1)。

また、近隣の新発田市、胎内市、聖籠町、関川村と比較すると、関川村を上回っているものの、新発田市、胎内市、聖籠町を下回っている。

村上市の創業比率(2012年~14年)は、新潟県内の30市町村中18位、全国の1,741市区町村中1,267位と、いずれも中位~下位の間に位置している。

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2016 年下期新潟県企業動向調査

2017/02/01 :自主調査(調査報告)

足元の業況感は横ばい圏内で推移。ただし、先行きは慎重な見通し

1.業況感

(1)全産業

2016年7-9月期における県内企業の業況判断BSI(※)は▲22.1となった。原材料価格が低下し採算面が改善したことや、首都圏などで民間工事が好調であることなどから、同4-6月期の▲31.7から9.6ポイント上昇した(図表1)。

続く、16年10-12月期(含む実績見込み)は▲20.3となり、同7-9月期比で1.8ポイントの上昇にとどまり、足元では横ばい圏内での推移となった。

先行きを示す見通しBSIは、17年1-3月期が▲26.1、続く同4-6月期は▲26.5と16年10-12月期と比べてやや悪化が見込まれており、先行きは慎重な見通しとなっている。
(※)BSI(ビジネス・サーベイ・インデックス)とは、アンケートの回答結果を指数化したものである。本稿でのBSIとは、業況あるいは先行きの見通しなどが「良い」か「悪い」かという質問に対して「プラス(良い、増加等)」「普通(不変等)」「マイナス(悪い、減少等)」の3つの選択肢を用意して、「プラス」と回答した企業の割合から「マイナス」と回答した企業の割合を差し引いた数値のことをいう。

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(2)業種別

%e4%bc%81%e6%a5%ad%e5%8b%95%e5%90%91%e8%a1%a8%ef%bc%92業況判断BSIを業種別にみると、製造業は16年7-9月期が▲23.0となり、同4-6月期比5.7ポイント上昇した(図表2)。

続く同10-12月期は▲21.6となり、同7-9月期比1.4ポイント上昇した。内訳をみると、食料品などの業種で低下したものの、金属製品や化学などで上昇した。

なお、最近の業況などに関して自由回答形式で尋ねたところ、製造業からは「ロボット関連の受注が好調である」(一般機械)、「原材料価格が低下しており業況が回復している」(化学)といった声が挙げられた。

非製造業は16年7-9月期が▲21.4となり、同4-6月期比12.3ポイント上昇した。

続く同10-12月期は▲19.3となり、同7-9月期比2.1ポイント上昇した。内訳をみると、運輸では低下したものの、建設や卸売などで上昇した。

非製造業の業況については「民間工事は大都市圏で好調である」(建設)、「高付加価値商品の売上数量が増加したため業況は改善している」(卸売)などといった声があった。

先行きについては、製造業では横ばい圏内で推移する見通しである一方、非製造業は16年10-12月期と比べて低下する見通しである。

(3)規模別

%e4%bc%81%e6%a5%ad%e5%8b%95%e5%90%91%e8%a1%a8%ef%bc%93業況判断BSIを規模別にみると、16年7-9月期は大企業が▲12.5、中堅企業が2.1、中小企業が▲24.4となった。同4-6月期比では中堅企業や中小企業は上昇したものの、大企業は低下した(図表3)。

続く16年10-12月期は大企業が▲12.5、中堅企業が▲22.9、中小企業が▲20.4と同7-9月期と比べると、中小企業は上昇したものの、中堅企業は低下した。先行きは中堅企業では概ね横ばいで推移するものの、大企業や中小企業では低下を見込んでいる。

 

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2017年新潟県経済を占う 県内主要団体に聞く

2017/01/04 :自主調査(調査報告)

県内景気は横ばいながら、やや慎重な見通し人材確保・育成、後継者問題への対応が課題

2016年の新潟県経済を振り返ると、年初から年央にかけて個人消費は一部に明るさがみられた。年後半に入ると、住宅投資が増加に転じたものの、海外需要の減少から生産活動は弱含んだ。総じてみると、足元の県内経済は横ばいで推移しているものの、一部に弱さがみられる状況にある。

こうしたなか、当センターでは、県内の主な業界団体や商工会議所・連合商工会の42団体にご協力をいただき、2017年の見通しについて伺った。以下はその調査結果である

1.2017年の国内景気見通し

─約6割の団体が「変わらない」─
%e8%aa%bf%e6%9f%bb1新年(2017年)の国内景気の見通しは、前年と比べて「変わらない」と予想する回答割合が61.9%と最も高くなった。また、「やや悪化」(23.8%)と「悪化」(2.4%)を合わせた割合は26.2%となり、「やや好転」(9.5%)と「好転」(2.4%)を合わせた割合(11.9%)よりも高くなっている。

前年調査(2016年見通し)と比べると、「やや好転」と予想する回答割合が低下する一方、「変わらない」が上昇している。

2.2017年の県内景気見通し

─ 約6割の団体が横ばいの見通しながら、前年よりもやや慎重な見通し─

%e8%aa%bf%e6%9f%bb%ef%bc%92新年(2017年)の県内景気の見通しは、前年と比べて「変わらない」と予想する回答割合が61.9%と最も高くなった。また、「やや悪化」(31.0%)と「悪化」(2.4%)を合わせた割合は33.4%となり、「やや好転」(4.8%)と「好転」(0.0%)はわずかな割合にとどまった。

前年調査(2016年見通し)と比べると、「やや好転」と予想する回答割合が低下する一方、「変わらない」「やや悪化」が上昇している。県内景気の先行きについては、前年よりもやや慎重な見通しが示されている。

3. 県内各業界・各商工会議所管内の業況判断

─先行きは半数超が横ばいの見通し─

(1)2016年の業況

2016年の業況は、「やや不況」と回答した団体が42団体中21団体あり、全体の半数を占めた。

また、「不況」(9.5%)が4団体あり、「やや不況」(50.0%)を合わせた回答割合が全体の59.5%と約6割に達していることから、業況面ではやや厳しい1年であったとみられる。一方、「どちらとも言えない」(35.7%)が15団体、「やや好況」(4.8%)が2団体、「好況」は1団体もなかった。

(2)2017年の業況見通し

2017年の業況見通しは、「変わらない」と回答した団体が22団体、52.4%と最も多くなった。また、「やや悪化」(35.7%)が15団体、「悪化」(4.8%)が2団体となる一方、「やや好転」(7.1%)が3団体にとどまり、「好転」は1団体もなかった。

業況見通しについては、「政府の景気回復対策に期待したい」「オリンピック関連の需要に期待したい」といった前向きな声があった一方、「少子高齢化による国内需要の減少が懸念される」「世界経済の先行きに不透明感があり、輸出低迷が懸念される」といった慎重な声もあった。%e8%aa%bf%e6%9f%bb%ef%bc%93

 

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2016年冬期消費動向調査

2016/12/01 :自主調査(調査報告)

─「消費支出」は3期連続で低下するも小幅な低下にとどまっており、概ね横ばい圏内で推移─

[定例調査]県内勤労者世帯の消費意識と今冬のボーナスについて
消費動向1新潟県内の個人消費は横ばいで推移している。個人消費関連の経済指標をみると、百貨店・スーパー販売額(既存店)は、前年並みで推移している(図表1)。また、専門量販店販売額(家電・ドラッグストア・ホームセンターの販売額合計、全店)や乗用車新規登録・届出台数(軽含む)も概ね横ばい圏内で推移している。

こうした個人消費関連の経済指標の動きを踏まえ、個人消費の実態を把握するために県内勤労者2,000人を対象に、収入や消費支出の状況、今後半年間における消費項目の増減、購入・支出を予定している商品等についてアンケート調査を実施した。

1.収入の推移

─収入は、2期連続で低下するも横ばい圏内─

〈半年前と比較した収入について〉
 
消費動向2半年前と比べて収入が「増えた」と回答した人の割合は13.5%、「減った」と回答した人の割合は16.3%となり、収入CSIは▲2.8となった(図表2)。収入CSIは、2016年夏の調査と比べて1.0ポイント低下している。収入CSIは2期連続で下落したものの、横ばい圏内で推移している。

〈今後半年間の収入について〉

今後半年間の収入についても同様に尋ねたところ、収入予想CSIは▲11.8となった(図表2)。収入予想CSIは、足元の収入を示す収入CSIと比べて9.0ポイント低下しており、「減りそう」と回答した人の割合がやや高くなっている。

注)CSI(Consumer Survey Index):アンケートの回答結果を指数化したもので、ここでは「増えた・増えそう」と回答した人の割合から「減った・減りそう」と回答した人の割合を差し引いた数値のことをいう。CSIは、収入・消費支出・生活実感が増加(改善)基調か減少(悪化)基調かといった「変化の方向」と、拡張・後退が速いか遅いかといった「変化のテンポ」を示すものである。

2.消費支出の推移

─ 消費支出は3期連続で低下するも小幅な低下にとどまっており、概ね横ばい圏内で推移─

消費動向3〈半年前と比較した消費支出について〉
 
半年前と比べて消費支出が「増えた」と回答した人の割合は32.3%、「減った」と回答した人の割合は6.2%となり、消費支出CSIは26.1となった(図表3)。16年夏の調査と比べて4.5ポイント低下し、消費支出CSIは3期連続で前回調査を下回ったものの、小幅な低下にとどまっており、概ね横ばい圏内で推移している。

〈今後半年間の消費支出について〉

今後半年間の消費支出についても同様に尋ねたところ、消費支出予想CSIは22.5となった(図表3)。消費支出予想CSIは、足元の消費を示す消費支出CSIと比べて3.6ポイント低下しており、先行きの消費に対して慎重な見通しが示されている。

3. 今後半年間における消費支出項目

─「増えそう」は「交通・自動車関係費」が上昇─

今後半年間の消費支出について「増えそう」な支出項目と「減りそう」な支出項目をそれぞれ尋ねた(複数回答)。

消費動向4〈消費支出が増えそうな項目〉

「増えそう」と回答した割合が最も高かったのは「食費(外食費を除く)」で、以下「教育費(学費・教材費等)」「保健医療費」などの順となっている(図表4)。

15年冬の調査に比べると、「交通・自動車関係費」の回答割合が上昇した。一方、「食費(外食費を除く)」の回答割合が5.4ポイント低下したほか、「衣料・履物」の回答割合も1.9ポイント低下している。

〈消費支出が減りそうな項目〉

消費動向5「減りそう」と回答した割合が最も高かったのは「娯楽費(趣味・書籍・旅行等)」で、以下「外食費」「小遣い(含む交際費)」などの順となっている(図表5)。

15年冬の調査と比べると、「衣料・履物」の回答割合が2.6ポイント上昇したほか、「食費(外食費を除く)」も1.4ポイント上昇している。前頁の〈消費支出が増えそうな項目〉でもみられたように、食費(外食費除く)や被服費の支出を減らそうとする姿勢がややうかがわれる。

4. 今後半年間に購入・支出を予定している商品等

─ 耐久消費財では「スマートフォン」がトップ─

今後半年間で購入・支出を予定している商品等を、耐久消費財と非耐久消費財に分けて尋ねた(複数回答)。

消費動向6〈耐久消費財〉
 
耐久消費財では「スマートフォン」の回答割合が、15年冬の調査に続き最も高くなった(図表6)。以下「家電製品(冷蔵庫等)」「家具・インテリア用品」などの順となっている。

15年冬の調査と比べると、大きな違いはみられないものの、「乗用車」の回答割合が低下したほか、「家具・インテリア用品」「冷暖房機器」などの回答割合が低下している。

〈非耐久消費財〉

非耐久消費財では「婦人物衣料品」の回答割合が最も高く、以下「国内旅行」「紳士物衣料品」などの順となった(図表7)。

15年冬の調査と比べると、耐久消費財と同じく大きな違いはみられないものの、「スポーツ・アウトドア活動費」の回答割合が1.2ポイント上昇した。一方、「子供用衣料品」の回答割合が2.3ポイント低下したほか、「教育費(学習塾・家庭教師等)」も1.2ポイント低下している。

5.ボーナス支給予想

─ボーナス支給予想は、横ばいで推移─

消費動向8今冬のボーナスが昨年の冬と比べて「増えそう」と回答した人の割合は6.2%、「減りそう」と回答した人の割合は14.4%となり、ボーナス支給予想CSIは▲8.2となった(図表8)。15年冬の調査を0.7ポイント下回ったものの、小幅な低下にとどまっており、概ね横ばいで推移している。

今冬のボーナス支給予想CSIを年代別に15年冬の調査と比べると、10~20代、30代で「減りそう」と回答した人の割合が上昇している(図表9)。一方、40代で「増えそう」と回答した人の割合が上昇しており、年代によって回答が異なっている。

6.ボーナスの使途

(1)ボーナスの使途

─「預貯金等」がトップ、回答割合は低下─

消費動向10今冬にボーナス支給があると回答した1,121人を対象に、ボーナスの使途について尋ねたところ(複数回答)、「預貯金等」の回答割合が51.8%となり最も高くなった(図表10)。以下「生活費の補填」「買い物」などの順となっている。

15年冬の調査と比べると、「預貯金等」が1.7ポイント低下している。なお、15年冬の調査で増加した「買い物」「旅行・レジャー」などの余暇関連の支出意向は、堅調だった前年並みで推移している。

消費動向11ボーナスの使途を年代別にみると、全ての年代で「預貯金等」が第1位となった(図表11)。第2位は10~20代では「買い物」、30代、40代、50代、60代以上では「生活費の補填」となった。また、「預貯金等」「買い物」の回答割合は、高い年代ほど低くなっている。

(2)預貯金等の内訳

─「 普通預金」は横ばい。「定期預金」は4.1ポイント上昇─
 
消費動向12今冬のボーナスの使途で「預貯金等」と回答した581人を対象に、その内訳を尋ねたところ(複数回答)、「普通預金」と回答した人の割合が66.8%と最も高くなった(図表12)。次いで、「定期預金」が35.8%となり、15年冬の調査と比べると4.1ポイント上昇した。

7.まとめ

消費動向13今回の調査結果では、「消費支出」は3期連続で低下したものの、小幅な低下にとどまっており、概ね横ばい圏内で推移している。ただし、今後の支出については慎重な見通しが示されていることから、消費が弱含むことも懸念される。

こうした背景には、「収入」が15年の冬まで上昇基調にあったものが、足元では横ばいとなっており、収入の伸びを期待できない勤労者世帯が支出を抑える動きをとっていることなどが考えられる。

一方、食費(外食費を除く)や被服費などの支出を抑える意向がみられるものの、ボーナス使途をみると、「買い物」「旅行・レジャー」など余暇関連への支出意向は堅調であり、消費にメリハリをつける傾向もうかがえる。

収入が横ばいで推移するなか、景気に大きな影響を与える個人消費が、今後どのように推移するのか注視したい。
(2016年11月 齋藤 貴大)

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国内旅行に関するアンケート調査

2016/12/01 :自主調査(調査報告)

─県内消費者の約7割が過去1年以内に国内宿泊旅行を経験─

はじめに
全国的にみると国内宿泊旅行は堅調に推移している。観光やレクリエーション目的の1人あたりの旅行平均回数が持ち直し、平均泊数も増加している。
こうしたなか、新潟県内消費者の国内旅行の需要動向を把握するために、アンケート調査を実施した。

1.国内旅行の現状

(1)国内宿泊旅行の経験率の推移

─ 観光・レクリエーション旅行は毎年5割以上が経験─

国内旅行1観光庁の「旅行・観光消費動向調査」をみると、過去1年以内に宿泊を伴う国内旅行に1回以上行った人の割合(全国平均)、いわゆる「旅行経験率」(2015年)は帰省や出張を含む旅行全体で62.08%となった。また、旅行全体から帰省と出張を除いた観光・レクリエーション旅行に限ると53.17%となっている(図表1)。

(2) 観光・レクリエーション旅行の旅行平均回数・平均泊数

─平均泊数は近年増加傾向─

国内旅行2次に、国内宿泊旅行のうち、観光・レクリエーション旅行について1人あたりの「旅行平均回数」をみると、15年には1.35回/人(全国平均)となり、2年ぶりに増加に転じた(図表2)。また、旅行1回あたりの1人あたり「平均泊数」は15年には1.68泊/人回(全国平均)となり、近年増加傾向にある。

このように、旅行経験率はやや低下傾向にあるものの、旅行平均回数の持ち直しに加え、平均泊数も増加傾向にあり、日本国内の宿泊旅行は堅調に推移していることがうかがえる。

 

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県内における起業の増加に向けて

2016/11/01 :自主調査(調査報告)

─起業家に寄り添う支援体制─

はじめに

政府は、地方創生の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、「2020年までの5年間の累計で若い世代の安定した雇用を約11万人創出」するとしており、これを実現するための具体的な施策のひとつとして起業支援を掲げている。日本の現在の開業率は世界的にみて低水準となっているため、政府は地方創生の取り組みのなかで、地方自治体や産業支援機関に対し、起業促進の数値目標を立ててもらうことで、これまで以上に厚く支援するよう促している。新潟県にとっても起業促進は重要な課題であるため、本レポートでは県内における起業支援のあり方について調査した。

「起業」と「創業」に意味の違いはないが、本レポートでは原則として「起業」と表記する。ただし、「にいがた創業応援セミナー」や「創業比率」「創業支援事業計画」「にいがた創業アワード」「女性創業応援やまぐち株式会社」のような固有名詞については、本来の名称に従い「創業」と表記する。

1.地域における起業の意義

調査1政府は、「日本再興戦略」の「日本産業再興プラン」において、『開業率が廃業率を上回る状態にし、米国・英国レベルの開業率・廃業率10%台(現状は約5%)を目指す』としており、起業を促進して開業率を上昇させ、経済の新陳代謝を高めていく方針を掲げている。

起業の意義について、2011年の「中小企業白書」では、①起業が促す経済の新陳代謝と新規企業の高い成長力、②雇用の創出、③起業が生み出す社会の多様性という3つをあげている。同白書の分析によれば、06年10月2日から09年7月1日までに新設された事業所数は事業所数全体の8.5%に過ぎないが、雇用創出では全体の37.6%を占めており、新設事業所の雇用創出効果が非常に大きいことが分かる(図表1)。

また、内閣府の「日本経済2015-2016」では、従業員数の増加については、『設立10年未満の比較的新しい企業が5割程度寄与』していることを指摘し、『我が国の企業部門における雇用創出力を高めるために起業活動を促し、新規企業を増やすことが重要』としている。

2.起業を取り巻く環境の変化

調査2「中小企業白書」によると、起業希望者の人数は2000年代に入り減少傾向にあり、12年の起業希望者の人数は1987年の半分未満の水準まで減少している(図表2)。一方で、起業家(過去1年間に起業した人)の人数はまだそれほど大きく減少していないが、今後は起業希望者の減少による起業家の減少が懸念される。

調査3一方、「ベンチャー白書」から起業資金の調達面をみると、日本のベンチャーキャピタル等の投資件数は、リーマン・ショックのあった2008年に急落し、その後は低調に推移している(図表3)。

 

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TPPで海外ビジネス環境はこう変わる

2016/10/03 :自主調査(調査報告)

─TPPの概要と今後のスケジュール─

はじめに

昨年10月に大筋合意した環太平洋パートナーシップ協定(Trans-Pacific Partnership:以下、TPP)では、広範な品目に及ぶ関税撤廃だけではなく、「完全累積制度」の導入などにより、中小企業等の海外展開を後押しするTPP参加国共通のルールを実現した。

そのため既に海外ビジネスを展開している大企業のみならず、現在は国内取引に留まっている中小企業等にも大きなビジネスチャンスをもたらす可能性が期待されている。

そこで本レポートでは、TPPの概要とTPP発効後の海外ビジネス展開上の効果、県内企業の海外ビジネスの展望などについて紹介する。

1.TPPの概要

TPPは日本、米国、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、ブルネイ、チリ、マレーシア、メキシコ、ペルー、シンガポール、ベトナムの環太平洋地域の12カ国が域内の関税撤廃などを進めて地域全体の経済活性化を目指す多国間の経済連携協定※(以下、EPA)である。

TPP協定が発効されれば、域内人口は約8億人、域内の国内総生産(以下、GDP)は世界全体の約4割(日本のGDPの6.1倍にあたる約3,100兆円、2014年時点)を占める結び付きの強い巨大な経済圏が誕生する(図表1)。

TPPは前文と30章で構成されている(後掲資料参照)。その内容は、関税の削減・撤廃の対象を定める原産地規則(製品がどの国で作られたかを特定する規則)、知的財産保護のほか、日本がこれまでに締結したEPAでは取り上げられたことがない労働者や環境の保護など多岐に渡る分野に及んでいる。

調査1
※ 経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)とは、自由貿易協定(FTA:FreeTrade Agreement)の要素(物品の関税削減・撤廃やサービス貿易の自由化)に加え、人の移動や投資、政府調達など幅広い分野で締結される協定。
日本は下記の15の国・地域との間でEPAを締結済み
[アジア] シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、ブルネイ、ベトナム、インド、モンゴル、ASEAN全体(インドネシアを除き発効)
[大洋州]オーストラリア
[中南米]メキシコ、チリ、ペルー
[欧 州]スイス(下線のある国はTPP参加国)

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