自主調査(調査報告)

2017年下期 新潟県企業動向調査

2018/02/01 :自主調査(調査報告)

業況感は大幅に改善  ─生産・売上と採算が改善─

1.業況感

(1)全産業

─業況感は、生産・売上の回復から大幅に改善─

2017年7−9月期における県内企業の業況判断BSI(※)は▲7.0となった。海外需要の増加により生産活動が回復基調にあるほか、個人消費も持ち直しているため、17年4−6月期の▲19.7から12.7ポイント上昇し、県内企業の業況感は大幅に改善した(図表1)。

続く、17年10−12月期(含む実績見込み)は▲7.1となり、同7−9月期比で▲0.1ポイントと概ね横ばいとなっている。

先行きを示す見通しBSIは、18年1−3月期が▲15.7、続く同4−6月期は▲14.0と、17年10−12月期の実績見込みに比べて低下しており、慎重な見通しとなっている。

(2)業種別

業況判断BSIを業種別にみると、製造業は17年7−9月期が1.4となり、同4−6月期比18.1ポイント上昇した(図表2)。消費税引き上げによる駆け込み需要があった14年の上期調査(14年1−3月期:13.0)以来3年半ぶりに「良い」超に転じた。

続く17年10−12月期は3.1となり、同7−9月期に比べてさらに1.7ポイント上昇した。内訳をみると、繊維や輸送機械などの業種で上昇したものの、木材・木製品や鉄鋼などで低下した。

なお、最近の業況などに関して自由回答形式で尋ねたところ、製造業からは「品質の良いメイドインジャパンの製品が見直されている」(繊維)、「ロシア、中国、中近東等を中心に海外向けの生産は好調である」(一般機械)といった声が聞かれた。

非製造業は17年7−9月期が▲12.9となり、同4−6月期比8.9ポイント上昇した。

続く同10−12月期は▲14.4となり、同7−9月期比1.5ポイント低下した。内訳では、運輸が上昇したものの、卸売やサービス他などで低下した。

非製造業の業況については「仕事の引き合いが多く右肩上がりに業績が向上している」(情報処理)、「個人消費が増加していると感じる。訪日外国人旅行客も好調である」(ホテル・旅館)といった声がある一方、「販売価格が変わらないなかで仕入価格が上昇しており業況が悪化している」(卸売)といった声が寄せられた。

先行きについては製造業、非製造業ともに、17年10−12月期に比べて低下する見通しとなっている。

(3)規模別

業況判断BSIを規模別にみると、17年7−9月期は大企業が21.2、中堅企業が▲8.8、中小企業が▲8.2となり、同4−6月期に比べ、いずれも上昇した。特に大企業で大幅に上昇した(図表3)。

続く同10−12月期は大企業が12.1、中堅企業が▲11.1と同7−9月期と比べて低下したものの、中小企業は▲7.9と横ばいで推移した。

先行きは大企業で低下するものの、中堅企業は一旦低下し再び横ばい圏内まで上昇する見通しである。中小企業は概ね横ばいで推移する見通しとなっている。

2.生産・売上

─生産・売上は2期連続で「減少」超幅が縮小─

17年7−12月期(以下、今期)の生産・売上BSI(「増加」−「減少」)は▲2.3となった(図表4)。同1−6月期(以下、前期)から11.8ポイント上昇し、2期連続で「減少」超幅が縮小した。

業種別にみると、製造業は10.5となり前期から17.6ポイント上昇した。内訳をみると、一般機械、電気機械などの業種で上昇した。また、非製造業は▲11.4となり、前期から7.7ポイント改善した。内訳では、運輸、建設で上昇した。

生産・売上については「携帯電話や自動車向け電気部品の売上が好調である」(電気機械)、「オリンピック関連や災害復旧などで仕事量が増加している」(建設)、「衣料品の販売高が前年を上回っている」(小売)といった声が聞かれた。

先行きを示す18年1−6月期(以下、来期)のBSIは▲9.5と今期に比べて7.2ポイントの低下となっている。

3.仕入・販売価格

(1)仕入価格

─2期連続で「上昇」超幅が拡大─

今期の仕入価格BSI(「上昇」−「低下」)は39.0となった(図表5)。前期から9.1ポイント上昇し、2期連続で「上昇」超幅が拡大した。

業種別にみると、製造業は44.6となり前期から10.9ポイント上昇した。内訳をみると、食料品、一般機械などの業種で上昇した。非製造業は35.0となり、前期を7.8ポイント上回った。内訳では、卸売、サービス他などで上昇した。

仕入価格については「原料が不足し価格が上がっている」(食料品)、「鉄、銅、プラスチックなど原材料が値上がりしている」(金属製品)、「中国からの輸入品に対して大幅な値上げ要請がきている」(卸売)といった声があった。

来期のBSIは38.9となり、今期に比べて0.1ポイントの低下と横ばいで推移する見通しとなっている。

(2)販売価格

─「上昇」超幅が拡大─

今期の販売価格BSI(「上昇」−「低下」)は7.0となった(図表5)。前期から6.9ポイント上昇し、「上昇」超幅が拡大した。

業種別にみると、製造業が0.7となり前期から4.4ポイント上昇した。また、非製造業も11.4となり前期から8.5ポイント上昇した。

販売価格については「大口の案件もあり販売価格が適正となった」(窯業・土石)、「販売単価が上昇している」(ホテル・旅館)といった声が寄せられた。

来期のBSIは7.7となり、今期に比べて0.7ポイント上昇と概ね横ばいで推移する見通しとなっている。

4.採 算

(1)採算

─2期ぶりに好転─

今期の採算BSI(「好転」−「悪化」)は▲8.2となった(図表6)。前期比8.6ポイント上昇し、2期ぶりに好転した。

業種別にみると、製造業は▲2.4となり前期比11.9ポイント上昇となった。内訳をみると、木材・木製品、鉄鋼などの業種で上昇した。非製造業は▲12.4となり、同6.2ポイント上昇した。内訳では、卸売、建設などの業種で上昇した。

採算については「公共工事設計労務単価の引き上げなどもあり工事採算は改善している」(建設)といった声がある一方、「仕入原料の価格が高騰しているものの、製品への価格転嫁ができず採算が悪化している」(食料品)といった声も聞かれた。

来期のBSIは▲11.8となり今期に比べ3.6ポイント低下する見通しとなっている。

(2)採算好転・悪化の理由

─ 好転要因では「売上数量の増大」「高付加価値製(商)品の比率拡大」が上位─

今期の採算が「好転」したと回答した企業にその理由を尋ねたところ(複数回答)、「売上数量の増大」(76.4%)の回答割合が最も高く、以下「高付加価値製(商)品の比率拡大」(18.2%)、「販売価格の上昇」(17.3%)、「経営の合理化」(15.5%)、「新製(商)品の開発・発売」(8.2%)などが続いた(図表7)。

なお、17年上期調査と比べると、「新製(商)品の開発・発売」と「売上数量の増大」の割合が高くなっている。

一方、今期の採算が「悪化」した理由では「売上数量の減少」(69.6%)の回答割合が最も高く、以下「仕入価格の上昇」(33.9%)、「人件費などの固定費負担の増加」(28.0%)、「販売価格の低下」(18.5%)などが続いた(図表8)。

なお、17年上期調査と比べると、「人件費などの固定費負担の増加」と「仕入価格の上昇」の割合が高くなっている。

5.雇 用

(1)全産業・業種別

─雇用の不足感が一層高まっている─

今期の雇用BSI(「過剰」−「不足」)は▲36.3となり、前期比6.7ポイント低下した(図表9)。継続的に雇用BSIの調査を開始した1993年下期調査以来、雇用の不足感が最も強くなった。

業種別にみると、製造業は前期比7.8ポイント低下し▲31.6となった。内訳をみると、一般機械や食料品などで雇用BSIが低下している。非製造業は前期比5.9ポイント低下し▲39.7となった。内訳では、建設、サービス他などで低下した。

雇用については「人手不足により生産能力が不足している」(食料品)、「人手不足により受注が制限されている」(設備工事)、「業界全体で専門技術者が不足しており外注加工費が上昇している」(金属製品)などといった声があった。

(2)職種別

職種別の雇用BSIをみると、「専門・技術」で「不足」超幅が最も大きく、以下「営業・販売」「生産・建設」などが続いている(図表10)。

2017年上期と比べると、「専門・技術」「生産・建設」などの職種で「不足」超幅が拡大した。

6.設備投資

(1)設備投資計画

─17年度の設備投資額は、前年度をやや上回る見通し─

17年度における設備投資の実施企業割合(含む見込み)は57.9%となり、16年度実績を2.2ポイント上回る見込みとなっている(図表11)。

実施企業割合を業種別にみると、製造業が67.0%、非製造業が51.3%となった。内訳をみると、製造業では木材・木製品、電気機械などの業種で前年度を上回る見込みとなっている。非製造業では運輸、卸売などの業種で前年度を上回る見込みとなっている。

17年度の設備投資額(含む見込み)は、16年度実績比0.7%増となる見込みであり、17年上期調査(3.5%減)より上方修正されている(図表12)。

業種別にみると、製造業は同0.7%増となっている。内訳をみると、輸送機械、金属製品などの業種で増加している。また、非製造業も同0.6%増となっており、卸売、運輸などの業種で前年度を上回っている。

規模別にみると、大企業が前年度比13.7%減、中堅企業が同0.9%減となった一方、中小企業が同20.7%増となった。

(2)設備投資の目的

─「情報化(IT)投資」「店舗・工場等の新設・増改築」などが上昇─

17年度における設備投資の目的をみると(複数回答)、「既存機械・設備の入れ替え」(65.9%)の回答割合が最も高く、以下「生産能力増大のための機械・設備導入」(31.4%)、「省力化・合理化」(28.4%)などの順となっている(図表13)。

16年度実績と比べると、「既存機械・設備の入れ替え」「省エネルギー・環境問題への対応」などが低下した一方、「情報化(IT)投資」「店舗・工場等の新設・増改築」などが上昇した。

7.経営上の問題点

─3期連続で「人材不足」がトップ─

経営上の問題点を尋ねたところ(複数回答)、「人材不足」(57.6%)の回答割合が最も高く、以下「生産・受注・売上不振」(38.4%)、「先行き見通し難」(36.7%)、「競争の激化」(34.3%)などが続いている(図表14)。

17年上期調査と比べると、「仕入価格の上昇」「人材不足」「人件費の増加」の割合が上昇した一方、「生産・受注・売上不振」「先行き見通し難」「競争の激化」などの割合は低下した。

8.賃 金

(1)賞与・一時金の状況

─冬季の賞与・一時金は約3割の企業が増額に前向き─

17年度の冬季における賞与・一時金の支給について尋ねたところ、「未定」とする回答が多いものの、「増額する」と回答した企業の割合は16.8%、「増額を検討中」が14.4%となっており、これらを合わせた『増額に前向き』な企業の割合が31.2%となっている(図表15)。

(2)賃上げの状況

─約4割の企業がベースアップに前向き─

18年度におけるベースアップの実施予定を尋ねたところ、「未定」と回答した企業の割合が高いものの、「実施する」と回答した企業の割合と「実施を検討中」と回答した企業を合わせた『ベースアップに前向き』な企業の割合は38.3%となった(図表16)。一方、「実施しない」と回答した企業の割合は27.5%となっている。また、定期昇給を「実施する」と回答した企業と「実施を検討中」と回答した企業を合わせた割合は68.8%となった。

(3)賃金の引き上げ率

18年度にベースアップもしくは定期昇給を「実施する」または「実施を検討中」と回答した企業に、賃金の引き上げ率について尋ねたところ、「1.0%以上1.5%未満」(35.7%)の回答割合が最も高く、以下「1.5%以上2.0%未満」(25.2%)、「1.0%未満」(16.2%)などの順となった(図表17)。

9.最新のIT技術活用

(1)最新のIT技術活用の状況

─少数ながら「IoT」や「人工知能」などを活用─

IT技術が急速に進化をするなか、県内企業によるIT技術の活用状況について尋ねてみた。具体的には今後、普及が期待される「ドローン」「IoT」「人工知能」について以下のとおりまとめた。

①「ドローン」の具体的な活用状況

ドローンについて「既に活用している」と回答した企業は63社となっている(図表18)。「農場の状況を見るためにドローンを活用している」(食料品)、「空撮用にドローンを活用している」(印刷)といった声があった。

②「IoT」の具体的な活用状況

IoTについて「既に活用している」と回答した企業は24社となっている。「センサー内蔵の機械で、製造データを蓄積して生産効率を上げている」(窯業・土石)、「トラックに搭載したセンサーで運転履歴を取得し、実際にあった危険をデータ化することにより事故防止に活かしている」(運輸)といった声が寄せられた。

③「人工知能」の具体的な活用状況

人工知能について「既に活用している」と回答した企業は4社となっている。「測量したデータを建設機械に送るだけで、ある程度の作業を建設機械に搭載された人工知能が対応できるようにして、経験の浅い作業員でも操作ができるようになった」(建設)、「人工知能を利用して資産管理や資産運用のアドバイスを行う、ロボアドバイザーを導入した」(サービス他)といった声が聞かれた。

以上のように、「ドローン」「IoT」「人工知能」については、ごく一部の企業での活用にとどまっている。ただし、「今後活用したい」との回答も一定数あったため、今後の広がりに期待したい。

(2)IT技術を活用する上での課題

─「コスト負担が大きい」がトップ─

IT技術を活用するうえでの課題について尋ねたところ(複数回答)、「コスト負担が大きい」と回答した企業割合が40.6%と最も高く、以下「社員のIT活用能力が不足している」(37.8%)、「IT技術導入の費用対効果がわからない」(33.3%)、「IT技術を導入できる人材がいない」(31.7%)などの順となった(図表19)。

規模別にみると、大企業と中堅企業では「情報漏えい等セキュリティ面が不安」と回答する割合が中小企業に比べて高かった。

10.まとめ

─業況感は大幅に改善─

アンケート調査結果をみると、県内企業の「業況感」は17年7−9月期に大幅に上昇し、同10−12月期(含む実績見込み)は概ね横ばいで推移した。また、同7−12月期は同1−6月期と比べ「生産・売上」が改善し「採算」が好転している。一方、17年度の設備投資額は実施企業割合、投資額とも前年度をやや上回った。

業況感が改善した背景には、海外需要の増加により生産活動が回復基調にあることや、個人消費が持ち直していることなどがある。

一方、雇用BSIが前回調査よりも低下しており雇用の不足感が一層高まっているなかで、県内の業況感が引き続き改善していくのか今後の動向を注視したい。

(2018年1月 久住、江口(大))

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2018年新潟県経済を占う 県内主要団体に聞く

2018/01/04 :自主調査(調査報告)

明るさがみえ始めた県内景気─ 引き続き人材確保・育成、後継者問題への対応が課題─

2017年の新潟県経済を振り返ると、生産活動は海外経済の持ち直しから受注が増加し緩やかに回復した。また、個人消費は節約志向の高まりや天候不順から落ち込みなどがあったものの、家電製品や乗用車などの耐久消費財などを中心に明るい兆しがみられた。総じてみると、県内経済は持ち直している。

こうしたなか、当センターでは、県内の主な業界団体や商工会議所・連合商工会の42団体にご協力をいただき、2018年の見通しについて伺った。以下はその調査結果である。

1.2018年の国内景気見通し

─4割超の団体が「やや好転」の見通し─

新年(2018年)の国内景気の見通しを尋ねたところ、前年と比べて「変わらない」と予想する回答が22団体と最も多く、調査対象42団体(業界団体32団体、商工会議所・連合商工会10団体)のうち半数近くが現状維持で推移するとみている。

ただし、前年調査(2017年見通し)と比較すると、「やや好転」と予想する回答が18団体と4割を超えており大幅に増えている。国内景気の見通しについては前年と比べ明るさがみられる結果となった。

2.2018年の県内景気見通し

─ 前年調査に比べて「やや悪化」と予想する回答が大幅に減少─

新年(2018年)の県内景気の見通しについては、前年と比べて「変わらない」と予想する回答が32団体と最も多くなった。次いで、「やや好転」が9団体、「やや悪化」が1団体となった。

前年調査(2017年見通し)と比較すると、「やや悪化」と予想する回答が大幅な減少となった。一方、「やや好転」が増えている。県内景気の先行きについては、国内景気に比べると慎重ではあるものの、やや明るい見通しとなっている。

3. 県内各業界・各商工会議所管内の業況判断

─業況見通しは明るさがみられる─

(1)2017年の業況

2017年の業況について好況か不況かを尋ねたところ、「どちらとも言えない」と回答した団体が42団体中20団体と最も多く、次いで「やや不況」が10団体、「やや好況」が8団体と続いた。また、「不況」は4団体となったが、「好況」の回答は無かった。

「不況」と「やや不況」を合わせた回答数は14団体あるものの、前年調査と比べて大幅に減少したことなどから、業況は改善しているとみられる。

2)2018年の業況見通し

2018年の業況見通しを尋ねると、「変わらない」と回答した団体が31団体と最も多く、7割を超える団体が横ばいの見通しを示した。以下「やや好転」が6団体、「やや悪化」が3団体、「悪化」が2団体となった。前年調査と比べると「やや悪化」の回答が減る一方、「やや好転」が増えている。業況の見通しについては前年に比べ明るさがみられる結果となった。

業況見通しについては、「安定政権の下、経済対策の推進により個人消費の回復や企業の設備投資等の拡大に期待したい」「民間の建物や設備の更新があり、受注は確保されると思われる」といった前向きな声があった。一方、「仕入コストの増加や人手不足が業況を押し下げる要因となる」「実質可処分所得が増加していないことや、競争が激しくなっていることで販売価格は上げられず厳しい状況となっている」といった慎重な声もあった。

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定例調査─2017年冬期新潟県消費動向調査 ─

2017/12/01 :自主調査(調査報告)

─ 「収入」は4期ぶりに上昇。「消費支出」に明るい兆し─

新潟県内の経済は持ち直しており、個人消費にも明るい兆しがみられる。足元の個人消費関連の経済指標をみると、専門量販店販売額(家電・ドラッグストア・ホームセンターの販売額合計、全店)や乗用車新規登録・届出台数(軽含む)は前年を上回って推移している。一方、百貨店・スーパー販売額(既存店)は、前年をやや下回って推移している(図表1)。

こうした個人消費関連の経済指標の動きを踏まえ、個人消費の実態を把握するため、県内の勤労者等2,000人(有効回答1,436人)を対象に、収入や消費支出の状況、今後半年間における消費項目の増減、購入・支出を予定している商品、ボーナス等についてアンケート調査を実施した。

 

1.収入の推移

─収入は横ばい圏内も、4期ぶりの上昇─

〈半年前と比較した収入について〉                                           

半年前と比べて収入が「増えた」と回答した人の割合は14.6%、「減った」と回答した人の割合は18.0%となり、収入CSI※は▲3.4となった(図表2)。収入CSIは横ばい圏内の動きではあるものの、17年夏の調査を0.2ポイント上回り、4期ぶりの上昇となっている。

〈今後半年間の収入について〉

今後半年間の収入についても同様に尋ねたところ、収入予想CSIは▲11.9となった(図表2)。収入予想CSIは、足元の収入を示すCSIと比べて8.5ポイント低くなっている。

※CSI(Consumer Survey Index)
アンケートの回答結果を指数化したもので、ここでは「増えた・増えそう」と回答した人の割合から「減った・減りそう」と回答した人の割合を差し引いた数値のことをいう。CSIは、収入・消費支出が増加基調か減少基調かといった「変化の方向」と、拡張・後退が速いか遅いかといった「変化のテンポ」を示すものである。

2.消費支出の推移

─先行きには、明るい兆しがみられる─

〈半年前と比較した消費支出について〉

半年前と比べて消費支出が「増えた」と回答した人の割合は32.0%、「減った」と回答した人の割合は6.4%となり、消費支出CSIは25.6となった(図表3)。消費支出CSIは17年夏の調査を3.2ポイント下回っており、2期ぶりの低下となっている。

〈今後半年間の消費支出について〉

今後半年間の消費支出についても同様に尋ねたところ、「増えそう」と回答した人の割合は33.0%、「減りそう」と回答した人の割合は7.3%となり、消費支出予想CSIは25.7となった(図表3)。

消費支出予想CSIは、足元の消費を示す消費支出CSIと比べて0.1ポイント高くなっている。予想CSIが足元の数値を上回ったのは、消費税の引き上げを控えた13年冬以来の8期ぶりであり、先行きには明るい兆しがみられる。

3.今後半年間における消費支出項目

─「増えそう」は「家具・家事用品」などが上昇─

今後半年間の消費支出について「増えそう」な支出項目と「減りそう」な支出項目をそれぞれ尋ねた(複数回答)。

〈消費支出が増えそうな項目〉

「増えそう」と回答した人の割合が最も高かったのは「食費(外食費を除く)」で、以下「教育費(学費・教材費等)」「住居費(修繕・維持管理費・家賃等)」などの順となっている(図表4)。

16年冬の調査と比べると、「家具・家事用品」の回答割合が2.5ポイント上昇しているほか、「住居費(修繕・維持管理費・家賃等)」「娯楽費(趣味・書籍・旅行等)」などの回答割合が上昇している。

〈消費支出が減りそうな項目〉

「減りそう」と回答した人の割合が最も高かったのは「娯楽費(趣味・書籍・旅行等)」で、以下「小遣い(含む交際費)」「外食費」などの順となっている(図表5)。

16年冬の調査と比べると、「衣料・履物」の回答割合が4.4ポイント低下しているほか、「外食費」「家具・家事用品」などの回答割合が低下している。

4. 今後半年間に購入・支出を予定している商品等

─耐久消費財では「生活家電」が13年ぶりのトップ─

今後半年間で購入・支出を予定している商品等を、耐久消費財と非耐久消費財に分けて尋ねた(複数回答)。

〈耐久消費財〉

耐久消費財では「生活家電(冷蔵庫等)」の回答割合が04年冬の調査以来、13年ぶりのトップとなった(図表6)。以下「スマートフォン」「家具・インテリア用品」などの順となっている。

16年冬の調査と比べると、「冷暖房機器」「薄型テレビ」「生活家電(冷蔵庫等)」の回答割合がわずかではあるものの上昇している。

〈非耐久消費財〉

非耐久消費財では「婦人物衣料品」の回答割合が最も高くなった(図表7)。以下「国内旅行」「紳士物衣料品」などの順となっている。

16年冬の調査と比べると、「貴金属・ハンドバック・靴」の回答割合が1.6ポイント上昇しているほか、「教育費(学習塾・家庭教師等)」「子供用衣料品」などの回答割合が上昇している。一方、「婦人物衣料品」の回答割合が2.6ポイント低下しているほか、「スポーツ・アウトドア活動費」「国内旅行」「自己啓発(稽古事・資格取得等)」などの回答割合が低下している。

5.ボーナス支給予想

─ボーナス支給予想は、横ばい圏内で推移─

今冬のボーナスが昨年の冬と比べて「増えそう」と回答した人の割合は6.3%、「減りそう」と回答した人の割合は17.1%となり、ボーナス支給予想CSIは▲10.8となった(図表8)。16年冬の調査を2.6ポイント下回っている。ただし、13年冬の調査からみると、基調としては横ばい圏内で推移している。

今冬のボーナス支給予想CSIを年代別に16年冬の調査と比べると、30代では「増えそう」と回答した人の割合が上昇している(図表9)。一方、30代以外の世代では「減りそう」と回答した人の割合が上昇している。

6.ボーナスの使途

(1)ボーナスの使途

─「預貯金等」がトップで回答割合は上昇─

今冬にボーナス支給があると回答した1,036人を対象に、ボーナスの使途について尋ねたところ(複数回答)、「預貯金等」の回答割合が54.8%と最も高くなった(図表10)。以下「生活費の補填」「買い物」などの順となっている。

16年冬の調査と比べると、「預貯金等」「旅行・レジャー」などの回答割合が上昇している。一方、「買い物」「クレジット・借入金返済」などの回答割合が低下している。

ボーナスの使途を年代別にみると、10~20代では
「旅行・レジャー」「買い物」などの回答割合が、他の年代と比べて高くなっている(図表11)。一方、40代では「生活費の補填」「教育資金」の回答割合が、他の年代と比べて高くなっている。

 

(2)預貯金等の内訳

─「普通預金」「投資信託」が上昇─

今冬のボーナスの使途で「預貯金等」と回答した568人を対象に、その内訳を尋ねたところ(複数回答)、「普通預金」と回答した人の割合が72.5%と最も高くなった(図表12)。以下「定期預金」「投資信託」などの順となっている。

16年冬の調査と比べると、「普通預金」「投資信託」などの回答割合が上昇している。一方、「定期預金」「郵便貯金」などの回答割合が低下している。

まとめ

今回の調査結果によると今回の調査結果、「収入」は横ばい圏内の動きながら、4期ぶりに前回調査を上回った。そして、「消費支出」も先行きの見通しが上向いており、明るい兆しがみられる。

背景には、海外需要などの回復から生産活動が堅調を維持しており、県内経済が持ち直すなかで所定外労働時間が増加傾向であることに加え、有効求人倍率が高水準で推移するなど雇用状況が改善していることなどが考えられる。

また、「今後半年間に購入・支出を予定している商品等」の〈耐久消費財〉では、「生活家電(冷蔵庫等)」が13年ぶりにトップとなった。2009年以降に実施された「家電エコポイント制度」で購入した家電製品が買い替え時期を迎えており、消費の下支えが見込まれる。

さらに、「今後半年間における消費支出項目」の「増えそうな項目」では、「娯楽費(趣味・書籍・旅行等)」の回答割合が、「ボーナス使途」では「旅行・レジャー」の回答割合が16年冬の調査を上回っており、県内勤労者世帯の消費に対する前向きな姿勢がうかがえる。

今後、こうした明るい兆しが本格化し、消費が持ち直していくのか、その動向を注視していきたい。

(2017年11月 早川 寛人)

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特別調査─SNSの利用状況に関するアンケート調査─

2017/12/01 :自主調査(調査報告)

─全体の73.9%が利用。「衣料品」などの購入で参考─

はじめに

LINEやFacebookなどに代表されるソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」)の利用が急速に広がっている。全国におけるSNSの利用率は2012年には41.4%であったが、16年には71.2%※に達しており、上昇が続いている。

SNSは人と人とのコミュニケーションを支援するインターネット上の会員制サービスであり、個人間でのコミュニケーションや情報共有の手段となっている。また、SNSでは商品・サービスに関する情報もやり取りされており、利用率の上昇とともに、消費行動に与える影響も高まっているものと考えられる。

そこで、県内におけるSNSの利用状況の実態と消費行動への影響を調査するため、県内の勤労者等2,000人(有効回答1,386人)に対してSNSの利用状況に関するアンケート調査を実施した。

※ 「LINE」「Facebook」「Twitter」「mixi」「Mobage」「GREE」のうち、いずれかを利用している割合            (資料)総務省情報通信政策研究所「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」

1.SNSの利用状況

(1)SNSを利用している人の割合

─全体の73.9%がSNSを利用─

最近半年間において「L I N E」「F a c e b o o k」「Twitter」「Instagram」「Google+」「mixi」などのSNSを「利用している」と回答した人の割合(以下「利用している」)は73.9%となった(図表1)。

年代別にみると、若い年代ほど「利用している」と回答した人の割合が高くなっている。

(2)利用しているSNS

─「LINE」が94.6%─

SNSを「利用している」と回答した人がどのSNSを利用しているかをみると(複数回答)、「LINE」が94.6%と最も高くなった(図表2)。次いで、「Facebook」(36.8%)、「Twitter」(29.1%)などと続いている。

年代別でみると、若い年代ほど「LINE」「Twitter」「Instagram」「Facebook」の回答割合が高くなっている。一方、年代が上がるほど「Google+」の回答割合が高くなる傾向がある。

2.SNSの利用頻度

─「1日に複数回」が74.7%─

SNSを「利用している」と回答した人に、最近半年間におけるSNSの利用頻度を尋ねたところ、「1日に複数回」と回答した人の割合が74.7%と最も高くなった(図表3)。次いで、「1日に1回程度」(20.9%)、「1週間に1回程度」(3.8%)などと続いている。

年代別にみると、若い年代ほど利用頻度が高くなる傾向がある。

3.SNSの利用目的

─「家族・友人との報告・コミュニケーション」がトップ─
 
SNSを「利用している」と回答した人に、SNSを利用する主な目的を尋ねたところ(複数回答)、「家族・友人との報告・コミュニケーション」と回答した人の割合が89.9%と特に高くなった(図表4)。次いで、「趣味等に関する情報収集」(22.2%)、「ニュース等に関する情報収集」(21.9%)などと続いている。

年代別にみると、10~20代では「趣味等に関する情報収集」「写真・動画の発信・閲覧」「交友関係の拡大」の回答割合が、他の年代と比べて高くなっている。一方、60代以上では「ニュース等に関する情報収集」の回答割合が、他の年代と比べて高くなっている。

4. 商品・サービスを購入する際にSNSの情報を参考にした経験

─「参考にしたことがある」が59.7%─

SNSを「利用している」と回答した人に、商品・サービスを購入する際にSNSの情報を参考にしたことがあるかを尋ねたところ、「参考にしたことがある」が59.7%となったのに対し、「参考にしたことはない」は40.3%となった(図表5)。

年代別にみると、若い年代ほどSNSの情報を「参考にしたことがある」の回答割合が高くなる傾向にある。

5. 商品・サービスを購入する際に参考にしたSNS

─「LINE」が40.0%─

商品・サービスを購入する際にSNSの情報を「参考にしたことがある」と回答した人に、商品・サービスを購入する際に参考にしたSNSを尋ねたところ(複数回答)、「LINE」が40.0%と最も高くなった(図表6)。次いで、「Facebook」と「Instagram」( ともに27.7%)が続いている。

年代別にみると、10~20代、30代では「Instagram」「Twitter」の回答割合が、他の年代と比べて高くなっている。また、40代では「LINE」の回答割合が、50代、60代以上では「Google+」の回答割合が、他の年代と比べて高くなっている。

なお、「1−(2)利用しているSNS」の回答と比べると、10~20代では「Instagram」の順位が、50代、60代では「Google+」の順位が上がっている。

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定例調査─新潟県の景気の現状と先行き見通し ─

2017/11/01 :自主調査(調査報告)

─緩やかに持ち直している県内経済─

1.景気の現状と先行き

現 状

◎県内経済は緩やかに持ち直している

県内主要経済指標等から景気の現状を概観すると、生産活動は海外からの受注回復などにより持ち直しが続いている。雇用は人手不足感が強まり、一段と改善している。また、設備投資には持ち直しの兆しがみられる。一方、個人消費は横ばいで推移しており、住宅投資や公共投資では弱さがみられる。総じてみると県内経済は緩やかに持ち直している状況にある。

新潟県が公表している景気動向指数(一致指数・3カ月後方移動平均)をみても、2016年後半より緩やかに上昇していることが確認できる(図表1)。

 

先行き

◎持ち直しの動きが広がる

生産活動は新興国や先進国の景気回復などから受注が回復しており、引き続き緩やかに上昇していく見込みである。また、個人消費は依然として日常品に節約志向がみられる。一方、2009年以降に実施された「家電エコポイント制度」や「エコカー補助金制度」などを受けた耐久消費財が買い替え時期を迎えており、個人消費の押し上げ効果が期待される。したがって県内経済は、今後、持ち直しの動きが広がると思われる。

ただし、海外の政治・経済情勢や国内政局の不透明感から株価や為替の変動リスクが懸念されており、その動向を注視する必要がある。

2.生産活動の現状と先行き

現 状

◎持ち直している

新潟県の鉱工業生産指数(季節調整値)は、17年4-6月期に前期比3.9%上昇の104.5と、3四半期連続で前期を上回っており、生産活動は持ち直している(図表2)。

生産指数を業種別にみると、はん用・生産用・業務用機械や電子部品・デバイスが、自動車向けやスマホ向けの生産増加などから好調に推移している(図表3)。また、輸送機械は自動車部品で北米向けや中国向けなどが堅調となっており、底堅い動きとなっている。

先行き

◎緩やかに上昇していく

生産活動の先行きを業種別にみると、はん用・生産用・業務用機械や電子部品・デバイスは海外からの受注が回復していることなどを背景に好調が続くものとみられる。金属製品は東京オリンピック・パラリンピックに向けたインフラ整備や首都圏の再開発などから、作業工具や建設用金属製品を中心に堅調に推移すると思われる。また、食料品は健康志向や中食などへの需要に対応した新商品の開発・販売などから、米菓や水産練製品を中心に底堅く推移するとみられる。

総じてみると、外需関連企業では海外からの受注回復などから持ち直しが鮮明となっていることに加え、内需関連企業でも堅調に推移していることから、生産活動全体としては緩やかに上昇していくものと思われる。

3.設備投資の現状と先行き

現 状

◎持ち直しの兆しがみられる

当センターが2017年上期に実施した「企業動向調査」によると、17年度の設備投資額(含む計画)は前年度実績比3.5%減少する見込みとなっている(図表4)。なお、16年度の設備投資額は15年度実績比6.6%減少となっており、これに比べると17年度の減少幅は縮小している。

規模別にみると、大企業では17年度の設備投資額(含む計画)が前年度を下回っているものの、中堅企業では前年度実績比30.7%増、中小企業でも同9.1%増となっている。

また、17年度における設備投資の目的をみると(複数回答)、製造業では「既存機械・設備の入れ替え」の回答割合が最も高く、以下「省力化・合理化」「生産能力増大の為の機械・設備導入」などの順となっている(図表5)。また、非製造業では「既存機械・設備の入れ替え」の回答割合が最も高く、以下「店舗・工場等の新設・増改築」「情報化投資」などの順となっている。

先行き

◎持ち直す

製造業では従業員の作業負担を軽くするための設備導入がみられるほか、非製造業ではセルフレジの導入など、人手不足やIoTに対応するための設備投資の動きも広がっていることから、設備投資は今後、持ち直していくものと思われる。

4.雇用の現状と先行き

現 状

◎一段と改善している

17年4-6月期の有効求人倍率(パートを含む全数、季節調整値)は1.51倍となり、7四半期連続で前期を上回った(図表6)。その後の動きをみると、7月は1.52倍、8月は1.51倍となり、引き続き高水準で推移している。

先行き

◎高水準が続く

雇用の先行指標となる新規求人数(パートを含む全数・実数)をみると、17年4-6月期は前年比7.5%増と6四半期連続で前年を上回っている。一方、新規求職者数(同)は17年4-6月期に同5.1%減となり、27四半期連続で前年を下回っている(図表6)。

また「企業動向調査」によると、17年上期の雇用BSI(「過剰」-「不足」)は前期比横ばいとなったものの、依然として人手不足感の強い状況が続いている(図表7)。

企業側の採用意欲が高まる一方、求職者数の減少傾向が続いており、県内の有効求人倍率は当面、高水準が続くものとみられる。

5.個人消費の現状と見通し

現 状

◎横ばいで推移している

百貨店・スーパー販売額(全店)は、17年4-6月期に前年比0.3%減となった(図表8)。足元ではハロウィンなど特別なイベントの際に消費支出が旺盛となる、いわゆる「ハレ消費」は好調となっているものの、日常品では節約志向が続いており横ばいで推移している。

一方、家電大型専門店・ドラッグストア・ホームセンターの販売額を合計した専門量販店販売額(全店)は、17年4-6月期に前年比0.9%増となり、6四半期連続で前年を上回った(図表8)。ホームセンターなどの販売額は前年を下回っている一方、新店舗出店が続くドラッグストアは好調が続いている。

乗用車新規登録・届出台数(軽含む)は、17年7-9月期に前年比7.8%増となり、4四半期連続で前年を上回った(図表8)。昨年、燃費不正問題などで低迷していた反動などから軽乗用車が好調に推移している。

総じてみると、個人消費は横ばいで推移している。

先行き

◎明るい兆しがみられる

百貨店・スーパー販売額は、日常品の節約志向を背景に、引き続き横ばいで推移するものと思われる。

専門量販店販売額は、業種によって差があるものの、新規出店が続いているドラッグストアを中心に、堅調に推移するとみられる。

乗用車新規登録・届出台数は、軽乗用車で新型車の販売効果もみられ、引き続き堅調に推移すると見込まれる。

また、2009年以降に実施された「家電エコポイント制度」などにより増加した耐久消費財の買い替え時期が訪れ始めており、個人消費全体の押し上げ効果も期待される。

一方、物価の変動に対して、賃金が上昇しているかどうかを示す指標である実質賃金指数(現金給与総額・事業所規模5人以上)をみると、17年4-6月期は前年比0.2%増と2四半期ぶりに前年を上回った(図表9)。その後の動きをみると、7月は前年比0.6%増となり、前年をわずかながらも上回る状況が続いており、個人消費にプラスの効果を与えることが期待される。

以上のことから、今後、個人消費は明るい兆しがみられると思われる。

6.住宅投資の現状と見通し

現 状

◎弱含んでいる

17年4-6月期の新設住宅着工戸数は、前年比0.7%増と2四半期ぶりに増加したものの、力強さに欠け、弱含んだままにある(図表10)。持家は2四半期連続で前年を下回ったものの、貸家は2四半期ぶりに前年を上回った。

その後の動きをみると、7月は前年比28.3%減、8月は同4.7%増となっており、一進一退の動きとなっている。

先行き

◎減少傾向となる

県内の新設住宅着工戸数は、昨年が高水準であったことから今後、その反動が見込まれる。また、持家は住宅ローンの金利上昇が見込まれないことから、様子見ムードが広がっているほか、貸家は相続税対策による需要の一服や、供給過剰感から建築を控えるケースもみられるため、先行きの住宅投資は減少傾向をたどると思われる。

7.公共投資の現状と見通し

現 状

◎弱含んでいる

公共投資の発注動向を表す公共工事請負金額は、17年4-6月期に前年比7.6%減となった(図表11)。3四半期ぶりに前年を下回っており、弱含みで推移している。

ただし、その後の動きをみると、7月は前年比12.3%減となったものの、8月は同19.5%増となり、17年度予算が本格的に執行され始めてきているものと思われる。

先行き

◎横ばいで推移

17年度の県や市町村の公共工事関連予算は補正予算も含めると前年度とほぼ同水準となっていることなどから、今後は概ね横ばいで推移するものと思われる。

(2017年10月 江口 大暁)

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自主調査─公共施設の効率的な維持管理に向けて─

2017/11/01 :自主調査(調査報告)

─みえる化と複合化、住民・民間事業者との協働が鍵─

はじめに

日本国内では、高度成長期に整備した数多くの公共施設が老朽化している。そのため、多くの自治体が財政難に直面するなか、公共施設の維持・更新や統廃合を適切に進めていくことが課題となっている。

本調査では、新潟県内における公共施設の現状を整理するとともに、県内外における公共施設の先進的な有効活用の事例をふまえたうえで、これからの公共施設の効率的な維持管理のポイントをまとめてみた。なお、本調査における公共施設とは、いわゆる箱モノを中心とした建築物や公園、プールなどを指し、上下水道や道路、橋梁などのインフラ施設は含めないこととする。

1.公共施設を取り巻く環境

(1) 国が主導する公共施設の老朽化対策

国は、公共施設の老朽化対策に動いている。公共施設等の老朽化対策に関する国全体の取り組みとして、2013年に「インフラ長寿命化基本計画(以下、『基本計画』)」を策定した(図表1)。そして14年に、地方自治体に対し「公共施設等総合管理計画(以下、『行動計画』)」を策定するよう要請した。

「行動計画」とは、過去に建設された公共施設が大量に更新時期を迎えるにあたり、地方自治体の厳しい財政状況と人口減少をふまえ包括的な対応策をまとめたものである。

この「行動計画」の対象となる公共施設は、地方自治体が所有する全ての施設である。そして、今後30年程度の総人口や年代別人口の見通しと、中長期的な維持管理・更新等のコストの見通しをふまえ、公共施設の数や延床面積等の削減に関する数値目標の設定に努めることなどが求められている。

さらには、個別施設ごとに具体的な維持管理や更新等の時期、内容などを盛り込んだ「個別施設計画」をできるだけ早期に策定することも求められている。

(2) 公共施設等総合管理計画の策定状況

17年3月末現在、「行動計画」は、国内の都道府県および政令指定都市では全自治体が策定済みである。一方、市区町村については98.1%の自治体が策定している。

新潟県の状況をみると、新潟県ならびに30市町村すべてが策定済みとなっている。ただし、「行動計画」のなかで、公共施設の数や延床面積等において削減数量や目標年度を具体的な数値で明示している自治体は、31自治体のうち8自治体のみとなっている。具体的な数値目標を掲げている市町村の例をみると、「40年間で2割の総量(延床面積)の縮減」(柏崎市「柏崎市公共施設等総合管理計画」)、「維持更新に必要な金額の30%縮減」(魚沼市「魚沼市公共施設等総合管理計画」)、「全体面積25%程度の縮減を目指す。新規整備の場合は、複合化等を基本とする」(胎内市「胎内市公共施設等総合管理計画」)などのようになっている。

2.公共施設の現状

(1)都道府県別の公共施設の現状

総務省「公共施設状況調」などをもとに、都道府県別の公共施設の現状をみてみる。現状整理に際しては、自治体が削減の数値目標の指標として掲げている公共施設延床面積(各都道府県の市町村所有分の合計で、都道府県所有分は含んでいない)を用い、人口規模を加味した住民1人あたり面積で分析している。なお、一般的に住民1人あたり面積が大きいほど、公共施設の保有が多いと考えられる。

住民1人あたり面積が最も小さい都道府県は東京都(1.99㎡)で、以下、埼玉県(2.27㎡)、神奈川県(2.41㎡)、千葉県(2.47㎡)、静岡県(3.18㎡)などとなっている(図表2)。

一方、住民1人あたり面積が最も大きい都道府県は島根県(7.06㎡)で、以下、北海道(6.61㎡)、高知県(6.00㎡)、鹿児島県(5.84㎡)、秋田県(5.84㎡)などとなっている。

新潟県の住民1人あたり面積は4.80㎡で全国の水準(3.78㎡)を約1.0㎡上回っている。これは、面積の小さい順でみると、全国で29番目となっており、全国的にみて新潟県の住民1人あたり面積はやや大きいとみられる。

(2)新潟県内における公共施設の現状
次に、新潟県の住民1人あたり面積を市町村別にみてみる。

住民1人あたり面積が最も小さい市町村は新潟市(3.42㎡)で、以下、新発田市(3.77㎡)、五泉市(3.80㎡)などとなっている(図表3)。

また、上記の新潟県全体の住民1人あたり面積(4.80㎡)を基準にしてみると、「平成の大合併」による1市町村あたりの延床面積の増加もあり、30市町村中21市町村が県全体の水準を上回っている。

(3) 公共施設の効率的な維持管理に向けた問題点

以上のように、新潟県の住民1人あたり面積は全国水準を上回っているほか、市町村によっては、新潟県の住民1人あたり面積の水準をも大きく上回っている所もみられる。

そこで、県内の各市町村が策定した「行動計画」の内容を確認するとともに、県内の自治体に聞き取り調査をした結果などをふまえ、県内の公共施設の効率的な維持管理に向けた問題点について、以下のとおり整理した。

①庁内・住民の合意形成が難航

ほとんどの市町村の「行動計画」には、公共施設の総量や維持費を削減することが明記されている。そして、その基本方針に基づき「個別施設計画」の策定に着手している市町村がほとんどである。

しかし、「個別施設計画」の策定に際しては、個別施設ごとに、個別施設に関連する庁内の部署はもとより、利用者である地域住民の理解が求められる。

その際、削減の対象となる個別施設については、庁内・住民とも削減反対の意見が出やすく、合意までに時間がかかる場合や、容易に合意が得られないことも多くなっている。その結果、「個別施設計画」の策定が進まず、具体的な対策に乗り出せないという問題がある。

②総量が削減されない懸念

新潟県内の市町村の「行動計画」をみると、計画的に公共施設の現状維持や修繕等を進めることで、公共施設の長寿命化を図る方針を盛り込んだものが多くなっている。長寿命化自体は問題ではないが、長寿命化と併せて、統廃合に取り組まないと総量削減(公共施設の数と延床面積の削減)が進まないことが懸念される。

③施設統廃合後の跡地の賃貸・売却等が困難

公共施設の統廃合を進めると、遊休施設や遊休地が発生するケースが多い。その賃貸・売却を検討すると反対意見が表明され、容易に賃貸・売却に向けた手続きに入れない場合があるほか、そもそも賃貸・売却先の確保が難しいこともあるとみられる。

また、遊休地に新たな公共施設の設置を要望されるケースもあり、遊休地の賃貸・売却等が進みにくい場合もある。

(4)県内における公共施設の有効活用事例

このようななか、県内において遊休施設を有効活用している事例として、本稿では南魚沼市の事例をみてみる。

【南魚沼市     旧議場を活用したコールセンター

◎合併により空きスペースが発生

南魚沼市は、2004年11月に旧六日町と旧大和町が合併して誕生した。その後05年10月に、旧塩沢町が編入合併することで現在に至っている。

この合併により、旧3町の行政組織や保育園・小学校などが統廃合されることで、旧3町が有していた役場庁舎の一部や保育園・小学校などの施設のなかに遊休施設が生じた。

一方、07年4月に、改正地方自治法が施行され、行政財産である庁舎の一部を長期的かつ安定的に貸し付けることが可能になった。これを受けて、同市では、遊休施設となった行政財産の一部または全部について、民間事業者などとの間で賃貸借契約を結べる素地が整った。

◎旧町議会議場にコールセンターを誘致

同市では、上記のような遊休施設の有効活用とは別に、新たな産業・企業誘致にも注力していた。その案件の一つとして、ヤマト運輸株式会社(東京都)からのコールセンター進出の打診があり、同市は積極的かつ親身に同社からの相談に対応していた。

このようななか、同市から旧塩沢町役場(現在の南魚沼市塩沢庁舎)の遊休部分をいくつか紹介する過程で、旧町議会議場部分をヤマト運輸に賃貸することとなった。

賃貸借契約に際しては、公用部分の改修は同市が費用を負担し、旧議場部分はヤマト運輸が費用を負担して改修工事を行なった。これにより、同市は改修にかかる費用負担を抑えることができた。また、ヤマト運輸も企業立地に関する同市と新潟県からの補助制度を活用することができた。

このヤマト運輸との旧議場の賃貸借契約により、同市にとっては大きく2つの効果があった。

1つ目は、賃貸による家賃収入を得ることができたことである。家賃収入は年間約1,200万円で、他にも法人市民税の収入も得ることができている。

2つ目は、地元雇用の拡大につながったことである。100名規模の新たな雇用の場を市内に作ることができた。

◎他の遊休施設にも展開

同市では、上記の事例の他にも、いくつかの行政庁舎や廃校となった校舎等の一部または全部を民間事業者や各種団体などに賃貸等している。これにより、公共施設の有効活用を図ることで家賃収入という新たな財源を確保している。

今後も、遊休施設が発生する可能性があることから、同市では引き続き遊休施設に関する情報発信と、借り手に関する情報収集に努めていきたいとしている。

3.県外における管理運営事例

全国には、国による指針が示される前から、独自で公共施設の削減や効率的な維持管理に取り組んできた自治体がある。本稿では、施設の有効活用や統廃合を積極的に進めてきた秦野市(神奈川県)と公共施設の複合化に取り組んでいる習志野市(千葉県)の2つの事例を紹介することとする。

【(1)神奈川県秦野市 市役所敷地内へのコンビニ誘致他

◎市役所敷地内にコンビニ誘致

秦野市は、全国でもいちはやく公共施設の再配置に取り組んだ自治体として知られている。

同市は、庁舎の敷地の一部を2007年から定期借地契約でコンビニエンスストアに賃貸している。同市は土地のみを貸し付けているもので、建物はコンビニエンスストアが建設したものである。店内には同市の観光協会も同居しており、同市の土産品や名産品も販売している。また、市民向けに住民票の受け取りや図書館で借りた書籍の返却、市の刊行物などの購入を24時間可能にしており、住民サービスを向上させているうえ、賃料収入を市庁舎の維持修繕費にあて、市の財政を補っている。

◎コンビニエンスストア誘致を契機に公共施設の再配置を検討

コンビニエンスストアへの賃貸事業を契機に、公共施設の有効活用について検討を始めた同市は08年、市内の公共施設の再配置を検討する専任部署を設置した。そして09年に、将来の人口構成や財政状況、公共施設の現状分析と課題をまとめた「公共施設白書」を公表した。さらにその1年半後には、施設更新の優先順位や目標値を定めた「公共施設再配置計画(以下、『再配置計画』)」を策定した。

「再配置計画」では、公共施設の再配置に関する基本方針として、①更新投資を除き、新規投資は凍結、②市内施設総量の圧縮(残す施設は、義務教育、子育て、行政事務の3つを優先)、③余剰施設は売却・賃貸、④市内施設は専任部署が一元的にマネジメントを行なう、という4つの方針を掲げた。さらに、施設総量の数値目標として、今後40年間で延床面積を31%減らすことを明示している。そして、「公共施設白書」や「再配置計画」の内容については、市報やホームページなどで市民に周知してきた。また、住民説明会の場などにおいて、それらに明示された客観的なデータを使っての説明を心がけてきた。

◎住民サービスの向上を担保した再配置
同市は「再配置計画」にもとづき、住民サービスの機能を維持しながら施設総量を順次減らしている。廃止できるものから地道に廃止を進めるとともに、住民サービスの維持・向上も視野に入れた目玉となる公共施設の再配置事業を進めている。

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働き方改革の現状と推進のポイント

2017/10/02 :自主調査(調査報告)

はじめに

働き方改革に関する動きが加速している。政府は今年3月に「働き方改革実行計画」をまとめ、長時間労働の是正などの9つの検討テーマを示した。また、秋には残業時間の上限規制などが盛り込まれた基本法が国会に提出される見込みであり、企業によっては対応を迫られる可能性も出てきている。

そこで、当センターでは働き方改革に向けた取組状況を把握するため、県内企業を対象にアンケート調査を実施し、先月の「センター月報9月号」にその結果をまとめた。今月号では先進的な取り組みを行なっている県外企業の事例を中心に、働き方改革の現状や推進のポイントについてまとめた。

1.働き方改革の背景

(1)労働時間の高止まり

働き方改革に関する動きが進んでいる背景としては、労働時間の高止まりがあげられる。厚生労働省「毎月勤労統計」によると、全国及び新潟県の一般労働者の平均月間総実労働時間は、リーマン・ショックの影響で労働時間が一時的に減少した2009年を除くと、概ね横ばいで推移している(図表1)。

労働時間の短縮が進まないため、社員の健康被害につながるケースが生じているほか、育児・介護と仕事の両立が難しい状況が続いており、女性のキャリア形成にも悪影響を及ぼしている。さらには、労働生産性が改善されない一因ともなっている。

(2)人口の減少

2つ目の背景としては、人口の減少があげられる。総務省「国勢調査」と国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」によると、全国の総人口は10年の1億2,806万人をピークに減少に転じており、30年に1億1,913万人になると予測されている(図表2)。同様に新潟県の総人口も1995年をピークに減少している(図表3)。

なかでも、生産活動に従事しうる生産年齢人口(15~64歳)は、総人口よりも早い95年をピークに減少しており、今後、さらなる労働力人口の減少が見込まれている。また、新潟県の生産年齢人口も、全国より早い85年をピークに減少に転じている。

したがって、労働力を確保するためには、意欲があっても育児などで働くことができない女性や、元気な高齢者に活躍してもらう必要性が一段と高まっている。そのため、育児・介護と仕事を両立できる労働環境の整備が求められている。

(3)人材不足
3つ目の背景としては、企業での人材不足があげられる。厚生労働省「一般職業紹介状況」によると、足元7月の全国の有効求人倍率(季節調整値)は1.52倍となり、バブル期の最高値であった1.46倍(90年7月)を上回って推移している(図表4)。また7月の新潟県の有効求人倍率(季節調整値)も、全国と同じ1.52倍となっている。

景気の回復が続き、企業の求人数が増加していることに加え、生産年齢人口の減少で求職者数が減少していることもあり、労働力市場における需給は逼迫している。このような売り手市場のなかで、採用を有利に進めるために、労働環境の整備に注目する企業は多い。

2.働き方改革とは

(1)政府が進める働き方改革

今年3月に政府は「働き方改革実行計画」をまとめた。そのなかで9つの検討テーマが掲げられ、政府が進める改革の方向性が示された(図表5)。今後、これらのテーマに沿って、具体的な法整備が進められる予定となっている。

(2) 企業における4つの取り組みテーマとその効果、並びに県内企業の取組状況

政府の示した方向性に沿って労働環境を実際に整備するのは企業である。そこで、本稿では政府が推進する9つのテーマを企業側から捉え直し、下記のとおり4つにまとめた。

また、2017年5月に当センターが実施した「2017年上期 新潟県企業動向調査」(以下、「企業動向調査」)において、4つのテーマにおける取組状況について県内企業1,000社にアンケートを行なった。その概況も先月号に続けて紹介する。

①労働生産性の向上による長時間労働の是正

労働生産性の向上による長時間労働の是正とは、業務の見直しや早帰りの実施、省人化に向けた設備・システム投資などを行なうことを指す。企業にとっては、ムダの排除や社員の健康増進による労働生産性の向上が望める。

なお、「企業動向調査」によると、所定外労働時間の削減(長時間労働の是正)について「取り組んでいる」と回答した企業の割合は70.8%となり、このうち『どちらかというと削減された』と回答した企業は72.6%、『どちらかというと削減されていない』と回答した企業は27.5%であった。一方、所定外労働時間の削減について「取り組んでいない」と回答した企業は23.0%だったほか、「所定外労働は行なっていない」と回答した企業は6.3%であった。

②柔軟な働き方がしやすい環境整備

柔軟な働き方がしやすい環境整備とは、時短勤務やテレワークの導入などにより、育児・介護と仕事の両立が行ないやすい勤務制度を充実させることや、副業・兼業の容認などにより柔軟な働き方がしやすい環境を整備することなどである。企業にとっては、社員の定着による離職率の低下、フルタイムでは働けない人材の活用といった効果が期待される。

「企業動向調査」において、柔軟な働き方の実現に向けた勤務形態の導入状況について尋ねると、「時差出勤制度」が19.3%と最も高く、次いで「育児や介護以外の事由で利用できる短時間勤務制度」が17.8%となった。柔軟な働き方がしやすい環境整備に向けて各種勤務制度を導入している企業の割合は、他の3テーマに比べて、やや低い傾向がみられた。

③多様な人材の活用

多様な人材の活用とは、女性や高齢者の活躍促進、障がい者の雇用推進、外国人材の活用などの取り組みを行なうことを指す。企業にとっては、多様な人材の確保や多様な人材による新たな視点からの商品開発、イノベーションの創出といった効果が望める。

「企業動向調査」によると、多様な人材の活用についての取組状況については、「65歳以降の再雇用・勤務延長制度の導入」が44.0%と最も高く、次いで「65歳までの定年延長」が31.6%となり、高齢者の活躍を推進している企業の割合が高かった。一方、「障がい者の雇用」や「女性管理職・役員の増加」については規模によって差がみられた。

④処遇改善による非正規雇用労働者の活躍促進

処遇改善による非正規雇用労働者の活躍促進とは、非正規雇用労働者の正社員登用や、同一労働・同一賃金などに取り組むことである。企業にとっては、非正規雇用労働者のモチベーションアップ、定着率の向上、人材確保といった効果が期待できる。

「企業動向調査」によると、非正規雇用労働者の処遇改善の取組状況については、「正社員への登用」が52.6%と最も高かった一方で、「正社員と非正規雇用労働者の賃金格差の縮小」は10.5%にとどまった。

「企業動向調査」によると、残業の削減には県内企業の多くが取り組んでいるのに対して、柔軟な働き方がしやすい環境整備に向けた勤務制度の導入に関しては低い水準にとどまった。このように県内企業では各テーマへの取組状況には差がみられたほか、自由回答には「働き方改革に取り組み始めたばかり」という声も多かった。

そこで、県外において働き方改革に対し先進的に取り組み、成果が出ている事例を、各テーマに沿って4つ紹介する。なお、事例は規模や業種のバランスを考慮して取り上げている。

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定例調査━BCP(事業継続計画)の効果的な策定・運用ポイント

2017/09/01 :自主調査(調査報告)

─BCPの実効性を高めるために─

はじめに

2011年3月の東日本大震災や昨年4月の熊本地震など、ここ数年の間に立て続けに発生した大規模災害は広域的かつ甚大な被害をもたらした。直接的な被害はもとより、サプライチェーンの寸断による部品不足や計画停電などの影響により、数多くの企業が操業の中断を余儀なくされた。

こうした大規模災害への備えとしてBCP(事業継続計画)を策定・運用する企業が増えてきている。近年はBCPを「災害時の対応計画」だけでなく、平常時における経営の効率化や取引先との関係強化、企業価値の向上など、企業の経営戦略に欠かせない取り組みとして位置付ける動きもみられる。

そこで本レポートでは、BCP策定の必要性や実効性を高めるためのポイントを整理するとともに、BCPを有効に活用する県内外の事例や専門家の意見をまとめた。

1.BCP(事業継続計画)の概要

(1)BCPとは

BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは、企業が地震や水害などの自然災害や感染症の流行など不測の事態により被害を受けても、重要な事業(製品・サービスの提供)を中断させない、または中断しても可能な限り早急に再開するように、事前に取り決めておく計画のことである(図表1)。

(2)BCP策定・運用の必要性

緊急事態が発生した際に有効な手段を打つことができなければ、倒産や事業縮小を余儀なくされる可能性がある。そうした状況を回避するためには事前の対策でもあるBCPを策定し、運用することで、緊急時にあっても重要な事業の継続・早期復旧を図ることが極めて重要である。

また、BCPを策定・運用する過程で自社の強みや弱みの把握、優先すべき事業の絞り込み、取引先や顧客との関係強化にもつなげることが可能となることから、経営面においてプラスの効果をもたらすものと思われる。

参考までに2016年版中小企業白書において、BCPの策定・運用により、どのような効果が得られたか尋ねた結果をみると、「経営資源の把握」と回答した割合が53.6%と最も高くなっている(図表2)。また「人材育成」(31.7%)、「経営陣と従業者間のコミュニケーションの改善」(28.9%)などが上位に挙げられている。

(3)防災計画とBCPの違い

防災計画とBCPの大きな違いは、防災計画が人命の安全や建物等の物的被害の軽減などを目的に作成するのに対し、BCPは重要な事業の継続・早期復旧に主眼を置いて作成する点である(図表3)。

またBCPでは、本社や工場など特定の拠点に留まらず、社外の取引先など重要な事業に関わるすべての業務が対象となる。被害状況をみながら場当たり的な復旧を行うのではなく、あらかじめ復旧までの目標時間を定めておく点、代替先を確保しておく点、情報・データのバックアップを実施しておく点なども特徴となっている。

BCPの主な項目例は下記の通りである(図表4)。具体的な項目としては「どのような災害を想定した計画であるのか」を明確にしたうえで、事前の対策となる「代替方法の確保」「優先業務の特定」「安否確認の方法」などのほか、災害時の対処として、いつまでに復旧を遂げるかという「復旧目標時間の設定」、早期復旧に向けて取引先との「相互応援協定」などを盛り込んでおくことが一般的である。

2.BCPの策定状況

政府は、2010年6月に閣議決定された新成長戦略のなかで、企業のBCP策定率を20年までに大企業でほぼ全て、中堅企業では50%との目標を掲げている。以下に現時点における企業のBCPの策定状況をまとめる。

(1)大企業、中堅企業のBCP策定状況

内閣府が16年に実施した「企業の事業継続及び防災の取り組みに関する実態調査」によると、BCPを「策定済みである」と回答した企業と「策定中である」と回答した企業を合わせた割合は、大企業で75.4%となった(図表5)。一方、中堅企業では42.0%となっている。

政府目標に対して、大企業は25ポイントほど、中堅企業でも8ポイントほど下回っている。

(2)中小企業のBCP策定状況

16年版中小企業白書によると、BCPを「策定済み」と回答した企業と「現在策定中」と回答した企業を合わせた割合は24.7%であった(図表6)。一方、「策定していない」と回答した企業の割合は64.4%にのぼっている。

以上に示した大企業、中堅企業及び中小企業の調査結果を規模別にみると、調査が異なるため単純比較はできないものの、企業規模が小さいほど「策定済み」と回答した企業の割合が低くなっている。

(3)新潟県内企業のBCP策定状況

新潟県内企業のBCP策定状況を帝国データバンク新潟支店が公表した調査結果(17年5月調査)でみると、「策定している」「現在、策定中」と回答した企業を合わせた割合は16.7%であった(図表7)。一方「策定していない」と回答した企業の割合は56.1%と半数を超えており、県内企業においてもBCPを策定する企業は一部にとどまっているものとみられる。

このような状況のもと、新潟県では災害時でも県内企業が事業を円滑に継続できるよう、他県の企業との相互連携を行う「お互いさまBC連携ネットワーク」の取り組みを進めており、既に1組合と4社がBCP協定を締結している。

(4)BCPを策定しない理由

16年版中小企業白書において、中小企業がBCPを策定しない理由について尋ねた結果をみると、「スキル・ノウハウ不足」と回答した割合が49.7%と最も高くなっている(図表8)。このほか「自社では特に重要ではない」(33.9%)、「人手不足」(31.8%)などが上位に位置している。

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