新潟ビジネス最前線

新潟ビジネス最前線(22) ソフトウェア業

2017/05/01 :新潟ビジネス最前線

1.業界の現状

◎拡大するソリューションサービス市場

一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)がまとめた「2015年度ソフトウェアおよびソリューションサービス市場規模調査結果」によると、2015年度のソフトウェアを含むソリューションサービス※1の市場規模は5兆6,788億円となり、05年度(5兆3,069億円)から10%近く拡大している。

また、総務省「平成27年版情報通信白書」では、2030年頃までには自動車の自動走行や一般家庭における介護や家事を支援するロボットの実用化などを予想しているほか、社会の様々な場面でますますICT化が進むものと見通している。したがって、今後も、それらの実現を支えるソフトウェア開発は一層重要性が増していくものとみられる。

そこで、新潟県内におけるソフトウェア業の現状や最近の動きについてまとめた。

◎ソフトウェア業とは

ソフトウェア業とは、コンピュータのプログラムの作成、パッケージプログラムの作成、ゲームソフトウェアの作成及びその作成に関して調査、分析、助言を行う事業である。また、取り扱うソフトウェアの違いなどにより、受託開発ソフトウェア業、組込みソフトウェア業、パッケージソフトウェア業、ゲームソフトウェア業の4つに分類される。

◎県内ソフトウェア業の事業所数・売上高は増加基調

経済産業省「特定サービス産業実態調査」によると、調査年によって調査対象が一定ではないという制約はあるものの、新潟県内のソフトウェア業の事業所数は増加基調にある。15年には312となっており、06年(162)のほぼ2倍となっている(図表1)。

また、県内の調査対象事業所の年間売上高全体の推移をみると、10年に一時的な落ち込みはあったが、06年以降、総じて増加基調にある。15年には877億円となっており、06年(575億円)のほぼ1.5倍の水準にまで増加している。しかし、1事業所あたりの年間売上高をみると、06年から13年にかけて減少が続き、14年以降、回復基調にあるものの、15年には281百万円と06年(355百万円)の約8割の水準となっている(図表2)。

※1ソリューションとは企業などが抱えている問題をITシステムやビジネスモデルで解決することで、顧客が抱える問題点を分析し、必要なソフトウェア、ハードウェア、ネットワークをセットにしたシステムを提案・構築することをソリューションサービスという

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新潟ビジネス最前線(21) 鉄鋼製品卸売業

2017/02/01 :新潟ビジネス最前線

1.業界の現状

◎鉄鋼製品卸売業とは

%e3%83%93%e3%82%b8%e3%83%8d%e3%82%b9%e6%9c%80%e5%89%8d%e7%b7%9a%ef%bc%91鉄鋼製品卸売業とは仕入れてきた鋼材を、取引先の注文に合わせて裁断などの加工を行い、販売する事業者を指す。鉄鋼製品卸売業は一次卸と二次卸に分かれており、本稿では県内で大半を占める二次卸を中心に現状や最近の動きをまとめた(図表1)。

◎県内の普通鋼鋼材の受注量と事業所数の推移

%e3%83%93%e3%82%b8%e3%83%8d%e3%82%b9%e6%9c%80%e5%89%8d%e7%b7%9a2県内の鉄鋼需給をみると、流通量の多い普通鋼鋼材の受注量は2006年に78万7千トンあったが、リーマン・ショック後の09年には56万トンまで低下した(図表2)。10年以降、増減はあるものの65万トン前後で推移しており、リーマン・ショック以前の水準を回復していない。

一方、県内の事業所数は06年に256あったが、09年に234、12年には230へと減少した(図表3)。しかし、14年には251となり、リーマン・ショック前の水準に回復している。

長期的にみると、鋼材の受注量は建設分野での需要低下により減少傾向にある。一方、事業所数は他県からの進出や県内企業の商圏拡大、加工用の工場の新設などの動きもあり、堅調に推移している。 続きを表示…

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新潟ビジネス最前線⑳ 配達飲食サービス業

2016/12/01 :新潟ビジネス最前線

1.業界の現状

◎配達飲食サービス業とは

配達飲食サービス業とは、顧客の求める場所において調理した飲食料品を提供する事業及び調理した飲食料品を顧客の求める場所に届ける事業である。前者には学校や保育園、病院、介護施設等での「給食事業」が該当する。後者は「フードデリバリー事業」と呼ばれるもので、宅配ピザ屋、仕出し料理屋、配食サービス(弁当・惣菜の宅配)などが該当する。

◎県内では事業所数・従業者数ともに増加

最前線1全国では、配達飲食サービス業の事業所数が2009年から12年にかけて大幅に増加した(図表1)。事業所数は足元14年には減少したものの、従業者数は一貫して増加傾向にあるため、配達飲食サービス業の市場は拡大しているとみられる。

新潟県では、配達飲食サービス業の事業所数、従業者数ともに増加傾向で推移している。

配達飲食サービス業の市場拡大は、以下に示したような要因から、給食提供のニーズ、フードデリバリーのニーズがそれぞれ高まっているためとみられる。

◎学校、病院で給食の外部委託が増加

給食事業に関しては、学校や病院で給食業務を外部に委託する割合が増加している(図表2)。外部委託の目的は、調理士等の雇用に関するコストや食材仕入コストの低減などである。

◎介護施設からの外部委託も増加

最前線2介護施設からの給食業務の委託も増えているとみられる。背景には高齢化に伴う介護施設数の増加がある(図表3)。介護施設で食事を提供する場合があり、学校や病院の場合と同様に、給食業務を外部へ委託する施設がある。

◎弁当・料理の宅配ニーズが増加

フードデリバリー事業に関しては、専業主婦世帯数の減少などから、職場で弁当を購入する機会や自宅でフードデリバリーを注文する機会が増えているとみられる(図表4)。

また、高齢者を中心に、1人暮らし等で少量の料理を無理に作る必要はないと考えてフードデリバリーを注文するケースが増えているとみられる。 続きを表示…

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新潟ビジネス最前線 ⑲ 学習塾

2016/11/01 :新潟ビジネス最前線

1.業界の現状

◎学習塾とは

最前線1学習塾とは、主に小学生や中学生、高校生を対象に学校教育の補修学習や家庭学習の補完的役割を果たしている教育・学習支援業のひとつである(図表1)。

最前線2学習塾はその指導方針から、学校の授業を先取りし、主に難関校受験を目指す塾生の指導を行う「受験・進学型」、塾生もしくは塾生が通う学校の学習進度に応じた指導を行う「補習型」、「受験・進学型」及び「補習型」の両方に対応する「総合型」の3つに大別できる(図表2)。また、指導方式からも「集団指導」「個別指導」「自立学習」の3つに大別することができる。

◎少子化等により市場は伸び悩み

最前線3昨今、学習塾業界は少子化等による需要減少から市場が伸び悩んでいる。

経済産業省の「特定サービス産業実態調査」によると、2015年の全国の学習塾の売上高は9,282億円となった(図表3)。また、受講生数も373万人となり、本調査が公表された09年以降、いずれも概ね横ばいで推移している。

一方、新潟県の動向をみると、売上高は13年以降、減少傾向にあるものの、受講生数は09年以降、6万人前後で推移している(図表4)。

◎本県の学習塾は個人経営が8割

最前線5学習塾を組織形態別にみると、全国では会社経営が概ね3割、個人経営等が概ね7割で推移している(図表5)。新潟県をみると、会社経営が2割前後、個人経営等が8割前後で推移しており、全国と比べて個人経営の割合が高くなっている(図表6)。

最前線7続いて指導方式別にみると、全国では集団指導の割合が概ね7割弱、個別指導が4割強で推移している(図表7)。新潟県をみると、13年以降、集団指導の割合は増加傾向にあるものの、個別指導は低下傾向にある(図表8)。なお、事業所数の割合は集団指導と個別指導を重複してカウントしている事業所があるため、合計しても100%にならない。 続きを表示…

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新潟ビジネス最前線 ⑱ 情報サービス業

2016/09/01 :新潟ビジネス最前線

1.業界の現状

◎増加基調にある国内民間部門の情報化投資

最前線1総務省「ICTの経済分析に関する調査」(2015年3月)によると、国内民間部門の情報化投資(05年価格)は増加基調にある。00年に10.7兆円であった国内民間部門の情報化投資額は、少しずつではあるが年々増加を続け、13年には16.3兆円にまで増加している(図表1)。

また最近では、クラウドコンピューティングやIoT、AIなど情報サービスに関する新たな技術が開発・実用化されつつあり、今後も情報化投資の増加が続くものと見込まれる。

このようななか、情報化投資を陰で支える情報サービス業の役割がますます増していくとみられることから、新潟県内における情報サービス業の現状や最近の動きについてまとめた。

◎情報サービス業とは

最前線2総務省「日本標準産業分類」によると、情報サービス業は、通信業や放送業、インターネット附随サービス業、映像・音声・文字情報制作業の4業種とともに情報通信業に分類される業種のひとつである。そして、情報サービス業は、大きくソフトウェア業と情報処理・提供サービス業とに分けられる。

情報サービス業には、ソフトウェア業と情報処理・提供サービス業のいずれかのみを事業領域としている企業と、両方を事業領域として兼業している企業が含まれるほか、場合によってはインターネット附随サービス業を兼業している場合もある。

本レポートでは、ソフトウェア業と情報処理・提供サービス業とを合わせた「日本標準産業分類」上の情報サービス業に、インターネット附随サービス業も合わせたものを情報サービス業と位置づけることとした(図表2)。そのうえで、ソフトウェア業と情報処理・提供サービス業およびインターネット附随サービス業の3つを事業領域として網羅している企業を中心に整理している。

◎兼業比率の高い情報処理・提供サービス業

最前線3経済産業省「特定サービス産業実態調査」をもとに、ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業、インターネット附随サービス業それぞれについて、主業と兼業の状況を事業所数でみてみた。

事業所数でみると、全国では3業種とも兼業割合が30%~40%台であるのに対し、新潟県では、ソフトウェア業で48.7%、情報処理・提供サービス業で71.4%、インターネット附随サービス業で58.6%と全国の水準を上回っている。

つまり、新潟県では3業種とも兼業の割合が高く、なかでも情報処理・提供サービス業では、兼業化が進んでいるとみられる(図表3)。 続きを表示…

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新潟ビジネス最前線⑰ 木造建築工事業

2016/08/01 :新潟ビジネス最前線

1.業界の現状

◎住宅着工数は減少傾向

最前線1住宅の着工戸数は長期的に減少傾向を続けている。国土交通省「建築着工統計」によると、全国の「持家」と分譲住宅の「一戸建」の着工戸数の合計は、2015年に40万6,990戸となり、消費税引き上げ前の駆け込み需要があった1996年の79万1,490戸をピークに減少傾向にある(図表1)。また、新潟県の「持家」と分譲住宅の「一戸建」の着工戸数の合計は、2015年に7,027戸となり、全国と同様に1996年の1万6,857戸をピークに減少傾向にある(図表2)。なお、この間の減少幅は全国(▲48.5%)よりも新潟県(▲58.3%)の方が大きくなっている。

◎事業所数も減少傾向

最前線3住宅の建築を主とする木造建築工事業の全国の事業所数は、2012年に4万7,764となり、01年と比べると48.4%減少している(図表3)。また、新潟県の事業所数は、12年に1,938となり、01年に比べると40.7%減少している。なお、12年の新潟県の木造建築工事の事業所数を従業者数別でみると、5人以下が77.5%となり、小規模の事業所が大半を占めている(図表4)。

今回は、厳しい環境にある新潟県内の木造建築工事業の現状と最近の動きについて、大手ハウスメーカー以外の中小規模の事業所を中心にまとめた。 続きを表示…

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新潟ビジネス最前線⑯ 林 業

2016/07/01 :新潟ビジネス最前線

1.業界の現状

◎国産材のシェアは回復傾向

ビジネス1日本では戦後、高度経済成長に伴って木材の需要が高まったことから国産材の価格が高騰し(図表1)、各地の天然林が伐採された。伐採した山にスギなどが植林され人工林へと変わる一方で、高騰した国産材に代わり海外から輸入された外材の活用が進んだ(図表2)。

その後、需要減少により国産材の価格が低下したこともあり、現在は国産材のシェア(木材自給率)が回復してきている。

◎増え続ける森林資源

日本は国土の約3分の2を森林が占める世界有数の森林大国である。林野庁「森林資源の状況」によれば、日本の森林資源量(樹木の幹の体積)は2007年から12年までの5年間で470百万?(約2.0% /年)増加している。同5年間の日本の木材輸入量は約266百万?であるため、仮に輸入外材の全てを国産材で代替しても、まだ森林資源量は増加を続けると考えられる。

◎新潟県は県産材の利用が少ない

ビジネス3新潟県は全国6位の森林面積を持ちながら、木材生産の産出額は全国32位にとどまっており、森林資源の活用が進んでいない(図表3)。

新潟県内の製材工場等における素材(丸太)の入荷量をみると、自県材の割合は35.8%と全国平均の60.0%を下回っている(図表4)。 続きを表示…

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新潟ビジネス最前線⑮ 作業工具製造業

2016/06/01 :新潟ビジネス最前線

1.業界の現状

◎作業工具とは

ビジネス最前線写真1作業工具とは、しめる、つかむ、たたくといった主に手作業用の工具(Hand Tool)の総称であり、土木・建設、電気工事、自動車整備等の作業現場のほか、一般家庭のDIYなど幅広い分野で使用されている(右写真)。

作業工具の製造工程には、原材料となる鋼材の切断、鍛造、機械加工、熱処理、研磨、めっき・塗装など様々な工程がある。一般に熱処理等は外注を利用する場合が多い。また、鍛造や機械加工においても多様な形状やサイズによっては、外注が利用されるケースがある。

◎県内作業工具出荷額の推移は全国とほぼ同様の動き

1ビジネス最前線図経済産業省の「工業統計調査」において、全国の作業工具の出荷額(従業者4人以上の事業所)の推移をみると、2008年までは増加傾向にあったが、いわゆる「リーマン・ショック」などの影響から09年以降、3年間は低調に推移した。しかし、12年に入ると東日本大震災の復興需要に備えた増産や円安を背景とした輸出増加などから出荷額は684億円と大幅に増加した。

13年の出荷額は615億円とやや減少したものの14年は701億円となり、12年以降は概ね横ばいで推移している。

続いて同省の「生産動態統計」で作業工具の主な種類別の生産量をみると、14年は「スパナ・レンチ」が4,125万個と最も多く、次いで「ドライバー」が3,840万個、「プライヤー・ペンチ」が769万個などとなっている(図表2)。

なお、新潟県の作業工具出荷額の推移をみると、全国とほぼ同じ動きとなっている(図表3)。

ビジネス最前線図3事業所数(従業者4人以上の事業所)の推移をみると、全国、新潟県ともに緩やかな減少傾向にある(図表1、3)。

ビジネス最前線図4◎都道府県別にみた位置付け

14年における新潟県の作業工具製造業の位置付けを都道府県別にみると、出荷額は大阪府に次いで2位、事業所数、従業者数はいずれも全国1位となっている(図表4)。

なお、作業工具は新潟県三条市と大阪府の東大阪市周辺が国内の2大産地となっており、この2府県で全国の出荷額の5割強を占めている。 続きを表示…

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