酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

今すぐできる選りすぐりのアイデア 第23回

2018/02/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

商売で一番難しいこと

10年以上前にランチェスター経営戦略の第一人者である竹田陽一先生から次のことを教えていただきました。

「商売で一番難しいことは市場に存在する自社商品に関心の高い見込み客をみつけ出すことである」

つまり、ペットショップ経営者であれば市場にいる犬や猫や動物の好きな人で、ペットを買いたい気持ちのある人を特定するのが難しいということ。

エステサロンの経営者であれば市場にいる脱毛のことで悩んでいたり、痩身や美容に興味のある人を特定するのが難しいということ。

シニア向けの海外ツアーを中心に販売している旅行会社の経営者であれば市場にいる海外旅行に関心の高いシニアを特定するのが難しいということ。

行政書士の先生や税理士の先生であれば市場にいる相続対策や節税で困っている人を特定するのが難しいということ。

結婚式場の経営者であれば市場にいるこれから結婚式を挙げようとしている人を特定するのが難しいということ。

難しいというのは「労力と費用と時間がかかる」ということです。

数年前のこと、とある地方都市のホテルに宿泊しました。館内を歩いていたらホールでセミナーが開催されていました。入り口の看板には「初めての海外旅行セミナー」と書かれていて、セミナー会場には50名ほどの人たちがいました。

さて、その会場に居た人たちはどのようなことに興味を持った人たちでしょうか?

そうですね。「海外旅行」に興味のある人たちです。主催者は誰でしょうか?もちろん旅行会社です。つまり、このセミナーの主催者である旅行会社は商売で一番難しい「市場に存在する自社商品に関心の高い見込み客をみつけ出すこと」に成功しているわけです。

そのセミナーでは初めて海外に行く時に注意すべきこと、今人気のある観光スポット等が説明されたはずです。その後、初めて海外旅行に行く方向けに、企画されたパッケージツアーの説明がなされたはずです。

また、なぜここ数年、都市部で「相続対策セミナー」が多く開催されているのでしょうか?もちろん市場に存在する相続対策で困っている人を特定しているわけです。

そのセミナーでは相続問題事例や対策等が説明されるはずです。

主催者は誰でしょうか?お分かりになりますよね。

このような見込み客を集めるためのセミナーをフロントセミナーと呼びます。

さて、あなたの会社やお店でもフロントセミナーを開催してあなたの商品やサービスに関心のある人たちを集めるにはどうすればよいのでしょう。

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第22回

2018/01/04 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

笑う門には福きたる

新年明けましておめでとうございます。

年の初めに笑うとその一年が楽しく過ごせます。また仕事でもちょっと気の利いた小話や笑い話ができると場も和みます。そのため私は普段から小噺や笑い話を仕入れています。

2018年新春第一稿は私の好きなビジネスの場でも使える小噺を披露しますので、打ち合わせや懇親の席、または社内コミュニケーションの潤滑油としてご利用ください。

『お前と同じ年の頃には…』

スマホのゲームに夢中の息子にお父さんがいいました。

「アブラハム・リンカーンがお前と同じ年の頃には、暖炉の灯で勉強していたのだぞ」

すると息子がいいました。

「リンカーンがお父さんと同じ年の頃には、彼はアメリカ合衆国の大統領だったんだぞ」

『ゴルフ好き』

あるゴルフ好きの会社員が、天国でもゴルフができるのだろうか?と気になって仕方がなくなり神様に聞いてみました。

「神様!私は天国でもゴルフができるかどうか教えてください」

その夜、神様が枕元に立ってこういいました。

「質問に答えてしんぜよう。良い知らせと悪い知らせがある。

まず良い知らせからじゃ。天国には立派なゴルフ場があるぞ。安心しなさい」

会社員が聞きました。「では、悪い知らせとは何ですか?」

神様がいいました。

「実は君のスタートが明日の9時30分からだ」

『レストランにて打ち合わせ』

ドイツ人と日本人とイタリア人が一緒に食事をしながら打ち合せをしていました。

食後、3人はそれぞれこんなことを思っていました。

ドイツ人は割り勘にするといくらになるか計算していた。

日本人は3人分払うといくらになるか計算していた。

イタリア人はおごってくれたお礼をなんというか考えていた。

『集団行動』

ある豪華客船が沈みだしました。船長は乗客に早く海に飛び込むように指示を出しますが、みな怖がってなかなか飛び込みません。そこで船長は各国からきた旅行者にこういいました。

アメリカ人には「飛び込むとあなたは英雄ですよ」

イギリス人には「飛び込むとあなたは紳士ですよ」

イタリア人には「飛び込むと女性にモテますよ」

そして、日本人にはこういったそうです。

「みんな飛び込んでいますよ」

『無人島』

大型客船が沈没しました。各国の旅行者がそれぞれ男2人、女1人ずつ生き残り、無人島にたどりつきました。各国の人々は…。

イタリア人は男2人が女性をめぐって争い始めました。

フランス人の女性は男の1人と結婚し、もう1人の男と浮気しました。

ドイツ人の女性は男の1人と結婚し、もう1人は戸籍係をつとめました。

ロシア人の女性は愛していない男と結婚し、3人で嘆き悲しみ続けました。

日本人の男性は女性をどう扱ってよいか東京本社に携帯電話で指示を仰ぎました。

『抗議する日本人』

ある時、アメリカの新聞社が『日本人は優柔不断で、あいまいで、何をいいたいのか分からない、はっきり主張できない人種だ』というテーマで特集記事を組みました。

それを読んだ日本人らしき人からの次のような投書が新聞社に届きました。

「先日の特集についてですが、より幅広い議論とさらなる深い調査を検討していただいたうえで、もう少し前向きな記事になるよう善処いただけると幸いと存じますが、いかがお考えでしょうか。 匿名希望 より」

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第21回

2017/12/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

車は急に止まれない

小学生の頃、交通安全教室に参加しました。そこで警察官の方が次のようにいっていたことが忘れられません。

「飛び出すな。車は急に止まれない」

これを聞いた小学生の私は「なるほど!動いている車というものはブレーキを踏んでも急には止まれないのか」と納得したことを覚えています。外から力が作用しなければ止まっているものは静止したまま、反対に動いているものは等速度運動を続ける…慣性の法則ですね。

そして、私は大人になってから「急に止まれない」のは車だけではないことが分かりました。急に止まれないものそれは…人です。人は自分の行為に一貫性を保とうとします。そして一旦動き出したらその方向へさらに動きを進めようとします。このことは心理学の実験から確認されています。例えば次の実験が有名です。

心理学者が住宅街の家の庭に「安全運転」と書かれた巨大な看板を設置しようとします。そして各家庭を尋ねてこういいます。

「すいませんがお宅の庭に安全運転と書かれた看板を設置してもいいでしょうか?」

看板は大きなサイズだったので承諾してくれた家庭は17%しかありませんでした。家の庭に大きな看板を設置するのをほとんどの人は嫌がったわけです。

次に心理学者は別の家庭を尋ねてこういいます。

「すいませんが『安全運転をしましょう』と書かれたステッカーを窓に貼ってもらえませんか。サイズは8cmの小さなものです」

この依頼にはほぼ100%の家庭が承諾しました。

おそらく家人は

「こんな小さなサイズのステッカーを貼るくらいはお安い御用だ」

と考えたのだと思います。

面白いのはこの後です。

その数週間後、心理学者は後者のステッカーを貼ってくれた各家庭を尋ねてこういいます。

「すいませんがお宅の庭に安全運転と書かれた看板を設置してもいいでしょうか?」

この看板は例の巨大看板です。さて、このときはどれくらいの家庭が承諾してくれたと思いますか?

人も急に止まれない

ステッカーを貼ってくれた各家庭を尋ねて

「すいませんがお宅の庭に安全運転と書かれた看板を設置してもいいでしょうか?」

と再度お願いしたわけですが、このときはなんと76%の家庭が承諾してくれました。

このときの人間心理は次のようなものです。

一旦、小さな承諾をした人(小さなステッカーを貼る)は自分で自分のことを「私は安全運転について真面目に考えている人間である。交通安全を呼びかける活動を支持する人間でもある」と考え始めます。

そのため、その後に大きな依頼(大きな看板を設置する)を受けたときにも、やはり交通安全活動を支持する人間として応じるようになるのだそうです。簡単にいうと人は自分の行為と信念に一貫性をもたせようとして、さらに先に進む傾向があるということです。つまり「人も一旦走り出すと止まれない」ということ。

この人間心理をセールステクニックに応用したものが「フット・イン・ザ・ドア」と呼ばれる販売方法になります。「フット・イン・ザ・ドア」は段階的要請法と呼ばれ、「初めから大きな依頼をするよりも、まず小さな承諾を得て、その後に大きな依頼をした方が、人間はその依頼を承諾しやすい」という考え方です。

最終的な目的は「大きな依頼」を相手に受け入れてもらうことなのですが、最初からいきなり「大きな依頼」をするのではなく、まず「小さな依頼」をする。

そして、次に「中くらいの依頼」を行ない、最終的には「大きな依頼」の順で依頼を行なうと、一旦行動を起こした相手は最後の大きな依頼の承諾もしやすくなるということです。前述の「ステッカー」は「大きな看板の依頼」につながる「小さな依頼」だったということです。

たとえば、男女間の関係においても、いきなり「結婚してください」という大きな依頼をする人はいません。普通は「一度、お食事にでも行きましょう」という小さな依頼や小さなお願いからスタートして、デートを重ねて結婚にいたりますが、これも心理学的には「フット・イン・ザ・ドア」の考えと同じです。

もしかしたら、あなたも買い物に出かけて、最初にひとつめの商品を買うまではあれこれと店内で悩んだけれど、ひとつの商品を買ったら、その後に次々と買い物をしてしまった…という経験があるかもしれません。これも一旦行動を起こすと止まれないという人間心理なのです。

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第20回

2017/11/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

大きくみえる魚

小著「小さな会社が低予算ですぐできる広告宣伝心理術」の142ページで、サンマが実物以上に大きくみえるトレイのことについて書きました。普通、スーパーの鮮魚売り場で売られている魚はトレイより小さいですよね。でも、私の知っている鮮魚店では魚の方がトレイより大きい。

魚の方がトレイより大きいと魚が実物以上に大きく、しかも身厚にみえます。この鮮魚店の店主は「人間の心理」をよく分かっていますね…ということを書きました。実はこの時、その写真が手元に無かったので右のような絵をイラストレーターに描いてもらいました。

その鮮魚店は都内にあるのですが、先日、出張の際にお店の前を通ったらちょうどそのトレイに入れて販売されている魚をみつけたので写真を撮らせてもらいました(写真参照)。

どうでしょう。尻尾がトレイから右側にはみ出しているのが分かるでしょうか。これによって魚が大きくみえるのです。前にみた時は向かって左側に頭も飛び出していましたから、もっと迫力がありました。

人は比較してものをみます。これは無意識に行われます。そのため店頭で人は無意識にトレイと魚を比較します。魚がトレイから飛び出していると、比較して「大きくみえる」「身厚にみえる」のです。もしかしたら魚の味は他のお店と変わらないのかもしれません。でも、みせ方が他のお店とは大きく異なります。この鮮魚店はいつも店頭に人だかりができています。

その鮮魚店の近くの駅ビルに宝飾品店があります。そのお店の入り口脇のショーウィンドウにはきれいなネックレスがディスプレイされています。値段は90万円です。お店の前を通るとそのネックレスが必ず目に入ります。

もし、お店に婚約指輪を買いにきた社会人カップルがこのネックレスをみたとします。「うわっ!高い!」と感じるはずです。その後、店内で婚約指輪の価格を目にすると相対的に安く感じることが多くなります。これも人は比較して価格の高さ安さを感じるからです。

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第19回

2017/10/02 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

重さで質が変わる

先日、我が家のトイレの壁紙を張り替えるために工務店の社長がカタログを持ってきてくれました。そのカタログはとても分厚く、手に取るとずっしりと重みがありました。そのカタログを見ながら、私は掲載されている壁紙がどれもしっかりした品質があるように感じられることに気がつきました。

心理学の実験結果からも明らかになっているのですが、資料は分厚く、重いほうが高級感や重厚感が相手に伝わることが分かっています。だから、もしあなたがお客様に資料を手渡すときにはその重みにも注意を払うべきです。たとえばパソコンで作成した紙の資料をそのまま渡す場合と、その資料を厚みのあるファイルに綴じて渡すのとではお客様が受け取る印象が大きく変わるということです。

私はこの実験結果を初めて知ったときに

「紙の厚みや重さで印象がそれほど変わるのかな?」

と半信半疑でしたが、多くの人と名刺交換をするようになってから、その効果を実感しました。ぺらぺらの薄い名刺をもらうとなんだか相手が軽く思えるのです。反対に厚みのある名刺をもらうと相手の存在も重く、大きく感じるのです。

もちろん、人を名刺の厚みや重さで判断してはいけませんが、人間にはそういう傾向があるのだと理解していると交渉やプレゼンテーションに臨む姿勢が変わってきます。

私は、人間というのは資料は分厚く、重いほうが高級感や重厚感を感じるということを知ってから、企画書を提出するときは必ず厚みのあるファイルで製本してプレゼンテーションを行うようになりました。企画書の内容も要点は最初の数ページで理解できるように書きますが、その企画の背景となった補足資料などをわざと添付して企画書自体のページ数を増やして、厚みを増しています。

なにごとも軽薄短小化が好まれて、重・厚・長・大は避けられる時代ですが、「重要」「重大」「大切」という言葉には重みや大きさを意味する漢字が使われていますし、「軽率」「浅はか」「薄っぺら」などは軽さや薄さを意味する漢字が使われています。このことからも人は重さ、大きさ、厚み、軽さ、薄さにある種のイメージを抱いていることが分かります。そのため、高額商品のカタログや会員権、保険証券等は厚みのある高級紙で送られてくるわけです。

選択肢が多いと思考が停止する

社長が持ってきてくれたその壁紙のカタログには、何百種類もの柄や色やデザインの壁紙見本が掲載されていました。あまりに数が多いので家内が悩んでいました。

「どれがいいかな。どれがいいだろう?」

…結局、写真の壁紙に決定しました。

なぜ、何百種類ものなかからこの壁紙に決定したのか?それはあらかじめ工務店の社長が分厚いカタログに

「お宅にはこれが良いと思います」

という候補となる3~4種類の壁紙に付箋紙(ふせんし)を貼ってくれていたからです。

家内は数多くの種類をチェックしましたが、結局は社長が付箋紙を貼ってくれた種類のなかから選んだわけです。

一般には選択肢が多いほど自分の好きなものがみつかり、満足度が上がるように思われますが、これも心理学の実験結果から考えると事実は逆です。人は選択肢が多いと判断が難しいので思考が停止し、選べなくなることが分かっています。

選択肢は3つ程度が最も判断が容易になります。日本には松・竹・梅、大・中・小、特上・上・並といった選択肢が用意されていることが多いのですが、私たち日本人はこのことも経験的に知っていたのかもしれません。

また、あまりに選択肢が多いとお客様は「後悔する」ことが多くなることも分かっています。選択肢が多いとほとんどの人は決断した後に次のように思うのです。

「はたしてこの選択で良かったのだろうか?他のものを選んだ方が良かったのではないだろうか?」

つまり、決定後も選ばなかった他の選択肢の可能性について考えてしまい、結果的に満足度が低下してしまう傾向があるのです。

もちろん業種によって、あるいは競合との差別化要因として豊富な品揃えが必要なこともあります。また、1つや2つしか選択肢が無いと「手抜きをしている」ように感じることもあります。

だから、先述の社長の付箋紙のように、たくさんの選択肢はあってもいいけれど、お客様に提案するときは選択の幅を狭めてあげると、お客様の心のなかに「たくさんの選択肢のなかから自分で選んだ」という印象を残すことができ、意思決定のスピードが上がり、さらに「後悔すること」も少なくなります。

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第18回

2017/09/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

市場で干物を買った話

青森県の八戸に講演に行ったときのこと。

講演後に主催企業の担当者であるN部長と一緒に海産物や名産特産品が販売されている大きな市場に行きました。市場の奥に1軒の干物屋がありました。

そこには八戸の海で獲れた魚介類が干物になってずらっと並んでいます(写真参照)。N部長がその干物屋の店先を覗き込んで、いくつかの商品を手にとってみていたら、お店の奥から年配の女性が出てきました。そしてその女性はす〜っとN部長の右横に近づいてきてこういいました。

「これ食べてって、食べてって」

年配の女性はそういいながら、一口で食べられるように小さくカットされた干物をN部長の目の前に差し出します。

N部長はそれを右手でつまんで食べました。するとその瞬間に女性がこういいました。

「これは八戸で今の時期が一番おいしいの。うまいでしょ」

N部長がいいます。

「たしかに美味しい」

女性がいいます。

「これは○○円。安いでしょ」

N部長が答えます。

「うん、安いね」

さらにN部長がいいます。

「これはつまみに最高だな。これ買おうかな」

女性はその商品を陳列台からさっととって、袋に入れてN部長に渡しながらこういいました。

「こっちもね、案外美味しいんだよ。これも人気あるんだ」

そういいながら、女性はまた別の一口サイズにカットされた干物をN部長の前に差し出しました。N部長はまたそれを右手でつまんで食べました。するとやはりその瞬間に女性がこういいました。

「午前中も東京から観光バスで来た人たちがみんなこれを買ってくれたんだ。これ○○円。うまいでしょ」

女性は自分でもその干物を食べながら、大きく首を縦に振ってうなずきながら「うまいね」「うん、うまい」と何度かいいます。

N部長もうなずきながら答えます。

「うん、これも美味いな」

女性がいいます。

「でしょ。うまいよねえ」

とやはり自分で大きく首を縦に振ってうなずき、納得したそぶりをみせながら、慣れた手つきでその干物が入った商品をビニール袋に入れて、N部長に渡しました。

その女性が差し出した2つめの干物の値段は1つめの干物よりも価格が高いものでした。N部長はその2つの干物を買いました…という何気ない話です。

干物屋の女性の販売テクニック

何気ない話!?

いえいえ、この女性はとても販売がうまい。彼女は人間心理をよく理解しています。

どこがうまいのか分かりますか?

まず、この女性はお客様であるN部長に対してお店のなかから声を掛けるのではなく、わざわざお店から出てきて横に立ったのです。お店のなかからお客様に向かって正面から声をかけるとその空間には売り手と買い手という役割ができあがってしまいます。この場合、無意識に売り手は「売ろう」とし、買い手は「納得するまでは買わない」という態度が生まれてしまいます。

ところが、この干物屋の女性はN部長の横に立ちました。横に立つのは相手に対する威圧感を無くすためです。また横に並んで一緒に商品をみながら「これは八戸で今の時期が一番おいしいの」と伝えることで女性は「売り手」ではなくN部長の仲間や友達、あるいはアドバイザーという役割を担う立場になっています。

また、この女性はN部長の右手側、つまり利き手側から商品を薦めるので、すっと手にとってもらいやすい。相手の右手側の場所を抑える、右手側に立つというのは実は交渉を有利に進めるためのスキルのひとつでもあります。

さらに、試食の干物が一口サイズにカットされているので手にとった後にすぐに口に放り込みやすい。小さな試食品とはいえ食べてしまうとそこには心理学の返報性の原理が働きN部長は女性に対して恩義を感じるようになります。

そして、女性は必ずN部長が干物を食べている瞬間に「これは八戸で今の時期が一番おいしいの。うまいでしょ」とか「午前中も東京から観光バスで来た人たちがみんなこれを買ってくれたんだ。これ○○円。うまいでしょ」と話しかけます。N部長は口に干物が入っているので反論はできないわけです。しかも、心理学的には人が飲み物や食べ物をのどに入れる瞬間に発した言葉は「飲み込みやすい」、つまり受け入れやすいといわれています。

もちろん「午前中も東京から観光バスで来た人たちがみんなこれを買ってくれたんだ」という台詞は「これは人気商品なのだ」ということを暗示しています。

さらに、最初に薦めた商品は安い、だから買いやすい。これは小さなものや安価なものから提供すると相手はそれを受け入れやすくなるという、フット・イン・ザ・ドアというセールステクニックです。

「こっちもね、案外美味しいんだよ。これも人気あるんだ」といって2つめの干物を薦めたのはクロスセルという販売手法になります。1つめを買ったお客様に類似の2つめを薦めることによって単価が上がるわけです。人が買い物で一番抵抗感を抱く瞬間は最初に商品を買うと決めるときです。ということはN部長が最初に「これはつまみに最高だな。これ買おうかな」と口にした直後には抵抗感が下がっているということです。その瞬間こそがまさに2つめの商品を薦める絶好のタイミングになります。あなたがスーツを買うとその場で「ワイシャツもいかがですか」「靴下も一緒にいかがですか」「鞄も今日はお買い得ですよ」と薦められるセールス手法と同じです。

N部長と話しながら、女性は自分でも干物を食べて大きく首を縦に振ってうなずきながら「うまいね」「うん、うまい」と何度かうなずいています。それにつられてN部長も大きくうなずいていますが、これはアナログマーキングといいます。こちらが大きく動作をして「美味い」といいながらうなずくと、それにつられてお客様もうなずくということです。うなずくということは「美味い」ということを認めたということになります。

実はこの女性の素晴らしいところはこの後でさらに3つめの商品も紹介してくれたことです。並の販売員は1つ売って終わりになります。優れた販売員はすぐに2つめを薦めます。この女性はなんと3つめの商品も薦めたのです。

「薦める」だけならコストはゼロです。もちろん、全てのお客様が薦められた商品の全てを買うわけではありませんが、薦めるだけなら広告も宣伝も営業活動費も不要です。実はこの日、N部長も私もこのお店で買い物をした以外には他のお店では一切買い物をしていません。すべてこの女性から買ったのです。

この女性はいつもこういった流れで販売をしているのだと思いますが、おそらく心理学やセールススキルを学んだわけではないでしょう。人間観察を何十年も行ってきた経験から導き出したオリジナルの販売手法のはずです。でも、この女性の販売手法は心理学理論やセールス理論に完全に一致しています。

どんな商品やサービスを扱っていても商売にはたったひとつの共通項があります。

それは…、お客様は人である、ということ。

人間心理を理解することはどんな商売とビジネスにも役立ちます。

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第17回

2017/08/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

納得がいかない!私も手に入れたい

人間は自分が本来手にすべきものを手に入れられずに、自分と似ている他者がそれらを手に入れたことが分かった場合には不満が生じます。

具体的には以下のようなことに気づいた場合です。

「同期の彼の給料の方が自分よりはるかに多い」

「隣の同い年のご主人が高級車に乗っている」

「同級生だった彼女が毎年海外旅行に行ってバカンスを楽しんでいる」

簡単にいうと人間は自分と同じような環境、立場にある人が、自分が手に入れていないものを手にしたことが分かると不満が生じるということです。これを心理学的には利己的な相対的略奪感といいますが、この感情は行動のための強いエネルギーとなります。

「私にだってそれを手に入れる権利があるのに、あの人がそれを手に入れていて、私が手に入れていないのは納得がいかない。私もそれを手に入れたい」

という気持ちが行動につながるわけです。

例えば、セールスの場であなたがどんなに良い提案をしても、相手が「自分とは関係がない」「自分には必要が無い」「みんな同じようなものだ」と思っている間は相手は行動にはいたりません。そのような場合に相対的略奪感をベースにしたセールステクニックが役立ちます。

具体的な事例をあげましょう。もし、あなたが金融商品や資産形成の説明を行っていたとして、「これらの金融商品は今が買い時です」「あなたのために資産形成のアドバイスをします」という説明では相手が行動を起こしてくれることはほとんどありません。しかし、次のような話をすると相手の気持ちのなかに相対的略奪感が生まれます。

「こちらに資料があります。ご覧ください。実はあなたと同世代である40歳代の平均年収は○○円で、持ち家保有率は○○パーセントです。その資産価値は平均○○千万円です。『えっ、そんなにあるの?』と思われる方が多いかもしれませんね。でも、これは○○総研が発表している統計データです。

もし、今のあなたにこれだけの資産が無いとしても、これから3年であなたが年収を増やし、マイホーム等の資産を手に入れることは不可能ではありません。本来であれば毎日毎日会社のために真面目に働き、家族のために心身をすり減らして働いているあなたこそがこのような幸せを手に入れるべきなのです。

現状で同年代並みの資産が無かったとしても、それは今までのあなたの努力や頑張りが悪いのでもなく、あなたのやってきたことが間違っていたからでもありません。それは、単に資産の築き方の要点を知っているか知らないかの差です。今、40代の方にお勧めのサービスがありますが、そのお話をさせていただいてもよろしいでしょうか?」

といった説明をします。

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第16回

2017/07/03 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

波長が合えば馬が合う

先輩から電話がありました。

「(大きな声で)どうも!ご無沙汰しています。先輩、お元気ですかー?」

とハイテンションで電話に出る私。

しばらくして、講演会主催者の方から電話がありました。

「(小さな声で)はい、こんにちは。酒井です」

とややトーンを落として電話に出る私。

夕方になって親交のある社長から電話がありました。

「どうも、どうも。こんばんは…(ボソボソ…)」

と小声で電話に出る私。

私は電話を受けると相手の声の大きさやスピード、ペースに合わせて同じようなトーンで応対します。もちろん徐々にいつもの自分の話し方に戻しますが、最初の数分は必ず相手に合わせます。相手がハイテンションなら自分もハイテンションで相手の高揚した状態に合わせます。相手が低い声ならこちらもやや低い声で対応します。相手がくだけた話し方であればこちらもくだけた口調で会話をします。

これを心理学ではペーシングといいます。日本語でいうと相手と波長を合わせる、相手と息を合わせるということになります。このペーシングよってお互いに好意や信頼関係が生まれ、話しやすくなります。

もし、あなたが比較的声の大きな方であれば、相手が小さな声でモゴモゴとしゃべっていたら

「なんだこの人は。元気の無い人だな」

と思うはずです。

反対にあなたが比較的冷静沈着な方であれば、相手が大きな声で早口でしゃべっていたら

「なんだこの人は。落ち着きの無い人だな」

と思うはずです。

お客様も同様です。小声で話すお客様に向かって、いきなりあなたが元気よく大きな声で話すとお客様は威圧感を感じます。最初はお客様のペースに同調し、徐々にいつものあなたの元気さを出すようにすると相手もつられて元気になります。一方、元気のよいお客様に冷静に対応するとお客様はあなたに熱意の無さを感じますので、最初から元気よく対応します。

人は自分と同じ声の大きさやスピード、ペースを持つ人に安心感を抱きます。相手と波長を合わせる、息を合わせると…お互いに“馬が合う”ようになるのです。

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