感頭言

成長を考える

2018/02/01 :感頭言

財務省関東財務局 新潟財務事務所長       斉藤 友博

我々世代の子供の頃ですが、「流星号、応答せよ、流星号」と腕時計に向かって声を出して、自動車型タイムマシンを呼ぶというアニメの主人公の真似が流行りました。これは、50年ほど前にテレビで放映されたSFアニメで、30世紀の未来からやってきたタイムトラベラーの話です。

30世紀は抽象的な未来ですが、子供の頃の20世紀から既に21世紀へと時代も変わり、スマートフォン(パソコン)から冷蔵庫にある食材で夕飯のレシピを作成し、AI搭載の炊飯器でお米を炊くというようにICTが生活に浸透しているのが現代です。

腕時計はスマートウォッチとなり自動車の遠隔操作が可能に、それどころかレベル5の完全自動運転化が目前まできていて、子供の頃に真似たアニメの世界が夢から現実になりつつあります。

第4次産業革命によって、新たな変革をもたらす社会とはどのようなものになっていくのでしょうか。農林水産業は、ICT化で少子化を物ともせず今以上の生産性を上げ、家庭まで直接繋がる販売網と高付加価値品の開発で新たなビジネス市場を切り開いている。空には、ドローンが物流の一翼を担って所狭しと飛び交っている。未来の新潟は、「田園工業観光都市」として機能する先駆的な地域に変わっている等々、夢は膨らみます。

新潟に住んで7か月、当地を知るにはまだまだ時間が必要ですが、産業、観光資源、食の文化など、新潟の魅力を未来に伝えるには、夢を見るだけではなく将来をきちんと見据え地域活性化を実施していくことが大切ではないかと思っております。理想の未来を叶えるため、新潟財務事務所も地域のプラットフォームとしての役割を活かして、新潟の魅力発信に取り組んでまいります。

(さいとう ともひろ)

 

 

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AIのもたらす社会を考える

2018/01/04 :感頭言

一般財団法人   新潟経済社会リサーチセンター     理事長    曽山 稔

新年は「おめでとうございます」のロボットの声で目覚め、新聞は平均寿命が100歳となった記事を伝えている。テーブルに座れば、お屠蘇も注いでくれる。今日の予定は、と問えば、着用しているメガネレンズのスクリーンに瞬時に打ち出される。着ているシャツを通じて食後の血圧等の健康データが病院へ瞬時に通知される仕組みである。夕食にはたまに分厚いステーキでも、と思うものの、ロボットにチェックされ、たとえ外食しても入店時に健康データの提出を求められる決まりからこの数値では入れてもらえそうもない、と断念する。というような、社会が来るかもしれない。

ところで、昨今、ICT(情報技術)の進展やディープラーニングの機能によってAI(人工知能)が学習能力を持ち、飛躍的に「発達」することにより、人間の脳(知性)はAIに凌駕されるのではないか、更にはそのAIを超えるAIが出現するのでは、と世の中が騒がしい。

今、日本は大きな転換期を迎えている。人口減少や少子化・高齢化といった問題がボディーブローのように重くのしかかり、生産年齢人口の減少、即ち人手不足が経済成長の制約要因になりつつある中で、他の先進国と比較して、労働生産性が低く、イノベーションの分野での見劣りが課題となっている。労働生産性を向上させ、地方創生を確実なものにするためには、「働き方改革」や「人づくり革命」を推し進め、AIやICT技術を活用した「第四次産業革命」と呼ばれる大きな時流をどのように捉えていくか、喫緊の課題である。

AIの進展によって大失業時代が到来すると言われている。しかしながら、技術によって失われる労働力、労働需要を人間しか出来ない仕事の分野へ開発・シフトさせ吸収することで新たなビジネスチャンスも生まれる。これまで労働生産性の点では首都圏よりも劣っているものの高度な技術を持ち、柔軟性を備えた中小・零細企業の集積である地方にこそ、そのヒントがある。求められるのは行政の強いリーダーシップであり、経営者の失敗を恐れない強い意思と、ブレない覚悟である。

願わくば、AIがもたらす社会は住み易く希望が持てる社会であることを初夢で見てみたい。

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未来を信じて

2017/12/01 :感頭言

株式会社 日本政策投資銀行 新潟支店長  佐藤  紳文 

えらく世間が騒がしい。

地域紛争に環境問題、大国間の利害の衝突、成長を求める中での競争と協調、利益優先主義による不正と完全なる優勝劣敗の構造、そして成熟社会の中での人口減少と生産力の低下、騒がしさを挙げれば枚挙にいとまがない。

日々の暮らしにおいても、誰もが寸暇を惜しみ「今」を獲得することに余念がない。我先にと、知恵を働かし、身体を動かし、生の追求に追われることに余儀なくされているようにも見受けられる。ご縁を頂き、新潟に暮らし通算10年を超えることになったが、ご当地新潟も、ご多分に漏れず、人口減少や地域間競争等の中で将来への不安にさいなまれているようである。

人間の思考は、「過去」と「他」との比較により構築されることを学んできたが、現在の状況は、「過去」と「他」からの推察だけでは容易には解決しがたく、頭を抱え、目を覆いたくなるような状況なのかも知れない。

幼少の頃、パイロットを夢見た私は、その後自分の視力をはじめとする身体能力の限界を知るに至り、その方向性を大きく転換し、文学を志し、職業としては教員としてその資格も取得したが、最後には現在の職を選択するに至った。

今に思えば、その曲折は自己や世間を知る知恵・経験に欠けていたとの指摘は甘んじて受け入れざるを得ないと思うが、おそらく「過去」と「他」との比較の思考では今の自分は存在し得なかったのだと思う。私を突き動かしてきたものは、当時何も持ち得ていない中にあって、自分の「未来」に対する憧憬のようなものだけが原動力だったように思う。

低成長時代で将来に期待が持ちにくいということが言われるが、真にそうであろうか。何も無く、未来以外なかった時代と知恵と守るべきものが増えすぎたことによる違いでもあるのではないか。

私は、新潟の未来を信じている。新たな知識も、経験も、他の意見も必要ない。

必要なのは、ただ一つ、純粋に未来を夢見て、未来を大いに語り、その未来に向けて、疑うこと無く突き進むことである。道は必ず拓ける。

(さとう なおふみ)

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今、新潟に必要なこと

2017/11/01 :感頭言

三井物産株式会社 新潟支店 支店長   渡部 智明

現代社会で少子高齢化は、生活スタイルや価値観が変わった結果の不可逆的必然。従って、定住人口を増やしてマス経済拡大を妄想するよりも、単位生産性を上げて、ひとりひとりの豊かさや幸せ感を高めることが重要。

新潟の将来を考えれば地元優秀人材は「外」を経験させた方がいい。「外」から違う景色を見た者の限りない付加価値を生かすべき。しかし、一旦「外」へ出た優秀人材を戻すには、新潟を「外」より魅力ある故郷に磨き上げること、即ち、やり甲斐ある仕事と豊かで幸せを感じるコミュニティの存在が不可欠。

新潟には誇るべき愛すべきヒトがいる。稲作で培った共同作業のDNAがある。美しい自然や美味しいものがあるわりに、ほどほど便利で東京に近い。ただ、東京の誘惑は若者を容易に吸い上げる。高度成長期、地方が東京の下請けとして機能し、若者を輩出したおかげで、東京は海外との交流で利益を得た。今や、新潟⇔東京⇔海外の従属関係から、海外⇔新潟⇔東京というハブにリポジションすれば、新潟のチャンスとポテンシャルは開花する。

新潟は、首都圏を後背地とする日本海側本州最大の都市なので、関越自動車道と上越新幹線、更に港や空港を介して海外と結べば、産業集積、雇用創出ができ、子育て世代を集めて、社会インフラを整備した活気ある新しい街が生まれる。

その為には、世界から求められる新潟に変わる必要がある。従来型の作ったものを売るプロダクトアウトの発想から脱却し、現在の延長線上に将来を描かず、マーケットで売れるモノコトを創造する。AIやIoTを使ってイノベーションを起こし、コストダウンや生産性向上により、新しいシステムや産業を再構築すべき。伸び行くアジアの活気を自ら直接体感して、未来志向で自らを変えることが不可避。海外の優秀な留学生、研究員労働者を受け入れ、海外企業を誘致し、新潟港開港150周年において総力を結集し、真の意味で国際的にオープンな新しい新潟を実現することが望まれる。

海外に開かれた新潟、挑戦する新潟こそが、優秀な若者にとって魅力ある舞台であり、世界に羽ばたく未来の新潟が築けるものと信じている。

(わたなべ ともあき)

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林深ければ則ち鳥棲む

2017/10/02 :感頭言

日本銀行 新潟支店 支店長    武田 直己

新潟に着任して3か月あまりが経った。挨拶回りや面談のために県内各地を移動する途上、林の深いところでは鳥のさえずりが車中まで聞こえてくることに気が付いた。東京勤務の時には経験しなかったことだ。心和むと共に、次の言葉を思い出した。

「林深ければ則ち鳥棲み、水広ければ則ち魚遊ぶ」

読んで字の如く「林が深いときには多くの鳥が来て棲み、川の流れが大きいときには多くの魚が集まり泳ぐ」という意味だ。

この言葉を気に入ったのは、組織を運営する際の一つの参考になると思ったからだ。反対解釈すれば、少し分かりやすいか。浅い林には多くの鳥は棲みつかないし、狭い川には多くの魚は集まらない。組織の懐が浅く、間口が狭いようでは、多様な人材は集まらないし、育たない。その結果、組織は発展しない、と理解している。

このことは、企業などの一つの組織に限らず、地域、国といった単位でも当てはまる面があろう。

当地新潟県は、モノ作りを中心に、これまで多様な産業を発展させてきた。この面での人材の厚み、すなわち林の「深さ」や水の「広さ」は我が国でトップレベルだろう。ただし、今後人口減少社会の中で経済的豊かさを維持していく上では、より幅広い分野で人材を集め、育てていく必要があるのではないか。例えば、時代の変化を敏感に察知した製品・サービスを考案できる人材、世界中から訪問客を呼び寄せるべく当地の自然・文化・食の魅力を伝えることができる人材、安値競争に巻き込まれないためのセグメント選択とブランド構築を行うことができる人材など、それぞれの状況に応じて、人材を集め、育成していくことが望まれよう。

そのための特効薬はあるまいが、組織や地域を率いる立場の一人ひとりが各々の状況に応じた「深さ」と「広さ」の意味を真剣に考え続けることが出発点になろう。新潟県経済が、さらに多様な人材を引き寄せるために何が必要か、自分自身も引き続き考えていきたいと思う。

(たけだ なおみ)

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一人一人が輝いて生きる

2017/09/01 :感頭言

公益財団法人 新潟県女性財団  理事長      阿部 愛子

男女が互いに人権を尊重し、能力を認め合い、発揮し合って生き生きと充実した人生をおくることが出来る社会・暮らしは皆さんの願いだと思います。そんな男女共同参画社会の形成に寄与することを目的に、新潟県女性財団は平成5年に設立され、25年に公益財団法人に移行し暮らしやすい社会の実現を目指して活動しています。

市町村、活動団体そして新潟県のハッピーパートナー登録企業の皆様と一緒に県全体に男女共同参画社会が定着することをテーマに様々な取り組みを行っています。

男女雇用機会均等法が施行された30年前に比べ、社会の仕組みや意識も変わり、女性を管理職にという企業も増えてきましたが、国の目標値にはまだほど遠い数字です。その理由として、経営者からは「登用する人材がいない、いても辞退する」、あるいは「女性の絶対数が少ない、育ててこなかった」こと等があげられ、女性からは「育児・介護といった家庭的責任があるから」、「ロールモデルがいないので不安」という声が聞かれます。

両立支援やワークライフバランスの強化への取り組みも見られるようになりましたが、女性管理職には、24時間働きますという男性と同じ働き方をすることなく、女性としての働き方をしてほしいと願っています。そのことが男性の働き方も変え、仕事と個人の時間のバランスのとれた豊かな暮らしにつながっていくと期待しているからです。働き方を変えることで家事・育児・介護・地域活動等への参画も進み、男性の意識も変わり、男女が互いに責任を分かち合って、働き続けられる社会になっていくのではないでしょうか。

長年刷り込まれてきた意識、考え方や働き方を変えることは難しいことと思いますが、こういう考え方や生き方もあるということを理解し、挑戦しようとする人を応援する社会になってほしいものです。

(あべ あいこ)

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今こそ、新潟から世界へ

2017/08/01 :感頭言

日本貿易振興機構(ジェトロ)

新潟貿易情報センター 所長       小野澤 麻衣

「新潟県でコメを生産しており、海外に販売していきたいのですが、正直何から始めれば良いのか分かりません。」

とある会合で、新潟市内のコメ農家様からのこの言葉を聞いたのは今から約1年半前でした。海外市場の動向把握、輸出実務の習得、広報資料の作成、輸送手段の確保など、実際に海外に売るためには多くの準備が必要です。しかし、この農家様は、決して規模も大きくなく、すべてが初めてである中、支援機関のサポートを活用し、試行錯誤をへながら着実に準備を進められました。その後、東京での食品見本市で複数の海外バイヤーと商談し、メールや電話での交渉を重ね、商談から約半年後、見事にドイツ、スイスへの輸出を実現されました。

工業製品、伝統産品と並び、新潟県が有する農産品・食品の底力には、2年前に赴任して以来、毎日驚かされています。野菜、果物といった生鮮品はもちろんのこと、加工品も豊富です。醸造やコメの加工などの技術面でも特筆すべきものがあると感じています。底力があるだけに、国内市場ニーズがとても高いのだと思います。しかし、世界の食市場も、安心・安全、健康、福祉、防災といった他方面ニーズにより非常に高度化しており、日本の高品質な食材を求める声は日に日に増しています。

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全世界へ感謝。ジオパークのまち復興へ

2017/07/03 :感頭言

糸魚川市長      米田 徹

平成28年12月22日に発生した「糸魚川市駅北大火」に際しましては、発生以来、全国の皆様から、物心両面にわたり、心温まる励ましや多くのご支援を賜りましたことに、この場をお借りして、深く感謝を申し上げます。糸魚川駅北側の中心商店街で発生した火災は、冬場としては珍しいフェーン現象による強い南風にあおられ、火元から300メートルも離れた日本海沿岸まで延焼し、147棟、約4万平方メートルを焼失する大規模火災となりました。現在、平成29年8月を目途に「復興まちづくり計画」の策定に向けて取り組んでいるところであり、「災害に強い」「賑わいのある」「住み続けられる」まちの実現に力を注いでおります。

当市は、平成17年3月に、1市2町の合併により誕生し、北は日本海に面し、南は3千メートル級の山々に囲まれ、美しい景観と美味しい海山の産物など、自然の恵みが豊かなまちであります。ヒスイなどの貴重な鉱物資源をはじめフォッサマグナなど、特色ある地形や文化・地質を活用して地域振興につなげるジオパーク活動に取り組み、平成21年には日本で初めて「世界ジオパーク」に認定されました。

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