感頭言

今、新潟に必要なこと

2017/11/01 :感頭言

三井物産株式会社 新潟支店 支店長   渡部 智明

現代社会で少子高齢化は、生活スタイルや価値観が変わった結果の不可逆的必然。従って、定住人口を増やしてマス経済拡大を妄想するよりも、単位生産性を上げて、ひとりひとりの豊かさや幸せ感を高めることが重要。

新潟の将来を考えれば地元優秀人材は「外」を経験させた方がいい。「外」から違う景色を見た者の限りない付加価値を生かすべき。しかし、一旦「外」へ出た優秀人材を戻すには、新潟を「外」より魅力ある故郷に磨き上げること、即ち、やり甲斐ある仕事と豊かで幸せを感じるコミュニティの存在が不可欠。

新潟には誇るべき愛すべきヒトがいる。稲作で培った共同作業のDNAがある。美しい自然や美味しいものがあるわりに、ほどほど便利で東京に近い。ただ、東京の誘惑は若者を容易に吸い上げる。高度成長期、地方が東京の下請けとして機能し、若者を輩出したおかげで、東京は海外との交流で利益を得た。今や、新潟⇔東京⇔海外の従属関係から、海外⇔新潟⇔東京というハブにリポジションすれば、新潟のチャンスとポテンシャルは開花する。

新潟は、首都圏を後背地とする日本海側本州最大の都市なので、関越自動車道と上越新幹線、更に港や空港を介して海外と結べば、産業集積、雇用創出ができ、子育て世代を集めて、社会インフラを整備した活気ある新しい街が生まれる。

その為には、世界から求められる新潟に変わる必要がある。従来型の作ったものを売るプロダクトアウトの発想から脱却し、現在の延長線上に将来を描かず、マーケットで売れるモノコトを創造する。AIやIoTを使ってイノベーションを起こし、コストダウンや生産性向上により、新しいシステムや産業を再構築すべき。伸び行くアジアの活気を自ら直接体感して、未来志向で自らを変えることが不可避。海外の優秀な留学生、研究員労働者を受け入れ、海外企業を誘致し、新潟港開港150周年において総力を結集し、真の意味で国際的にオープンな新しい新潟を実現することが望まれる。

海外に開かれた新潟、挑戦する新潟こそが、優秀な若者にとって魅力ある舞台であり、世界に羽ばたく未来の新潟が築けるものと信じている。

(わたなべ ともあき)

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林深ければ則ち鳥棲む

2017/10/02 :感頭言

日本銀行 新潟支店 支店長    武田 直己

新潟に着任して3か月あまりが経った。挨拶回りや面談のために県内各地を移動する途上、林の深いところでは鳥のさえずりが車中まで聞こえてくることに気が付いた。東京勤務の時には経験しなかったことだ。心和むと共に、次の言葉を思い出した。

「林深ければ則ち鳥棲み、水広ければ則ち魚遊ぶ」

読んで字の如く「林が深いときには多くの鳥が来て棲み、川の流れが大きいときには多くの魚が集まり泳ぐ」という意味だ。

この言葉を気に入ったのは、組織を運営する際の一つの参考になると思ったからだ。反対解釈すれば、少し分かりやすいか。浅い林には多くの鳥は棲みつかないし、狭い川には多くの魚は集まらない。組織の懐が浅く、間口が狭いようでは、多様な人材は集まらないし、育たない。その結果、組織は発展しない、と理解している。

このことは、企業などの一つの組織に限らず、地域、国といった単位でも当てはまる面があろう。

当地新潟県は、モノ作りを中心に、これまで多様な産業を発展させてきた。この面での人材の厚み、すなわち林の「深さ」や水の「広さ」は我が国でトップレベルだろう。ただし、今後人口減少社会の中で経済的豊かさを維持していく上では、より幅広い分野で人材を集め、育てていく必要があるのではないか。例えば、時代の変化を敏感に察知した製品・サービスを考案できる人材、世界中から訪問客を呼び寄せるべく当地の自然・文化・食の魅力を伝えることができる人材、安値競争に巻き込まれないためのセグメント選択とブランド構築を行うことができる人材など、それぞれの状況に応じて、人材を集め、育成していくことが望まれよう。

そのための特効薬はあるまいが、組織や地域を率いる立場の一人ひとりが各々の状況に応じた「深さ」と「広さ」の意味を真剣に考え続けることが出発点になろう。新潟県経済が、さらに多様な人材を引き寄せるために何が必要か、自分自身も引き続き考えていきたいと思う。

(たけだ なおみ)

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一人一人が輝いて生きる

2017/09/01 :感頭言

公益財団法人 新潟県女性財団  理事長      阿部 愛子

男女が互いに人権を尊重し、能力を認め合い、発揮し合って生き生きと充実した人生をおくることが出来る社会・暮らしは皆さんの願いだと思います。そんな男女共同参画社会の形成に寄与することを目的に、新潟県女性財団は平成5年に設立され、25年に公益財団法人に移行し暮らしやすい社会の実現を目指して活動しています。

市町村、活動団体そして新潟県のハッピーパートナー登録企業の皆様と一緒に県全体に男女共同参画社会が定着することをテーマに様々な取り組みを行っています。

男女雇用機会均等法が施行された30年前に比べ、社会の仕組みや意識も変わり、女性を管理職にという企業も増えてきましたが、国の目標値にはまだほど遠い数字です。その理由として、経営者からは「登用する人材がいない、いても辞退する」、あるいは「女性の絶対数が少ない、育ててこなかった」こと等があげられ、女性からは「育児・介護といった家庭的責任があるから」、「ロールモデルがいないので不安」という声が聞かれます。

両立支援やワークライフバランスの強化への取り組みも見られるようになりましたが、女性管理職には、24時間働きますという男性と同じ働き方をすることなく、女性としての働き方をしてほしいと願っています。そのことが男性の働き方も変え、仕事と個人の時間のバランスのとれた豊かな暮らしにつながっていくと期待しているからです。働き方を変えることで家事・育児・介護・地域活動等への参画も進み、男性の意識も変わり、男女が互いに責任を分かち合って、働き続けられる社会になっていくのではないでしょうか。

長年刷り込まれてきた意識、考え方や働き方を変えることは難しいことと思いますが、こういう考え方や生き方もあるということを理解し、挑戦しようとする人を応援する社会になってほしいものです。

(あべ あいこ)

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今こそ、新潟から世界へ

2017/08/01 :感頭言

日本貿易振興機構(ジェトロ)

新潟貿易情報センター 所長       小野澤 麻衣

「新潟県でコメを生産しており、海外に販売していきたいのですが、正直何から始めれば良いのか分かりません。」

とある会合で、新潟市内のコメ農家様からのこの言葉を聞いたのは今から約1年半前でした。海外市場の動向把握、輸出実務の習得、広報資料の作成、輸送手段の確保など、実際に海外に売るためには多くの準備が必要です。しかし、この農家様は、決して規模も大きくなく、すべてが初めてである中、支援機関のサポートを活用し、試行錯誤をへながら着実に準備を進められました。その後、東京での食品見本市で複数の海外バイヤーと商談し、メールや電話での交渉を重ね、商談から約半年後、見事にドイツ、スイスへの輸出を実現されました。

工業製品、伝統産品と並び、新潟県が有する農産品・食品の底力には、2年前に赴任して以来、毎日驚かされています。野菜、果物といった生鮮品はもちろんのこと、加工品も豊富です。醸造やコメの加工などの技術面でも特筆すべきものがあると感じています。底力があるだけに、国内市場ニーズがとても高いのだと思います。しかし、世界の食市場も、安心・安全、健康、福祉、防災といった他方面ニーズにより非常に高度化しており、日本の高品質な食材を求める声は日に日に増しています。

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全世界へ感謝。ジオパークのまち復興へ

2017/07/03 :感頭言

糸魚川市長      米田 徹

平成28年12月22日に発生した「糸魚川市駅北大火」に際しましては、発生以来、全国の皆様から、物心両面にわたり、心温まる励ましや多くのご支援を賜りましたことに、この場をお借りして、深く感謝を申し上げます。糸魚川駅北側の中心商店街で発生した火災は、冬場としては珍しいフェーン現象による強い南風にあおられ、火元から300メートルも離れた日本海沿岸まで延焼し、147棟、約4万平方メートルを焼失する大規模火災となりました。現在、平成29年8月を目途に「復興まちづくり計画」の策定に向けて取り組んでいるところであり、「災害に強い」「賑わいのある」「住み続けられる」まちの実現に力を注いでおります。

当市は、平成17年3月に、1市2町の合併により誕生し、北は日本海に面し、南は3千メートル級の山々に囲まれ、美しい景観と美味しい海山の産物など、自然の恵みが豊かなまちであります。ヒスイなどの貴重な鉱物資源をはじめフォッサマグナなど、特色ある地形や文化・地質を活用して地域振興につなげるジオパーク活動に取り組み、平成21年には日本で初めて「世界ジオパーク」に認定されました。

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地方発で夢のある新潟の未来を

2017/06/01 :感頭言

新潟県建設業協会 会長    植木 義明

長年、一つ所に暮らしているとその地域に内在する魅力や潜在的な可能性に気づかず、ただ漫然と日々を送ってしまいがちです。

私も高校卒業後転居を繰り返し、現在は十数年新潟で暮らしていますが、昨今あらためて思うのは、この地の豊かな自然とゆったりと流れる時間のなかで、より人間らしい生活ができているという実感です。毎年、栃尾の山に仲間と山菜採りに出掛け、自ら採取し味わうということは、なかなかな贅沢なことだと感じています。

以前、東京に住んでいた頃は満員電車に揺られ、季節の変化にも鈍感でした。東京オリンピック・パラリンピックをひかえ、首都圏への人口集中が更に進むような状況にはなっていますが、あらためて地方圏の魅力を再認識しても良いのではないかと思います。

私は、1980年代後半から3年程米国ワシントン州シアトル市に設立した、当社の建設不動産系の現地法人に駐在していました。

シアトル市は大都市ではないですが、新潟と同じ北西部の海岸沿いに位置し、風光明媚な海・山・湖があり、住みたい街ランキングで常に上位に選出されている街です。

しかも、著名な企業が多数創業した地であり、旅客機製造業のボーイング社(1916年創業)、パソコンのOS分野のMicrosoft社(1975年創業)がつとに有名です。私の住んでいた家から数マイル先の湖畔にはMicrosoft社創業者のビル・ゲイツ氏の豪邸が建っていました。

さらに、1990年代中頃になるとスターバックスコーヒー、そしてあのアマゾン社(1995年創業)もこの地から有名企業の仲間入りをはたしています。

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北陸新幹線を生かしたまちづくり

2017/05/01 :感頭言

上越商工会議所  会頭    髙橋   信雄

新潟県に上越新幹線が開業したのが1982(昭和57)年、35年が経過しました。一昨年、北陸新幹線が延伸し、長野-金沢間が開業。上越市には上越妙高駅が誕生し、新潟県に二つの新幹線が走る事になりました。新潟県を二分する新幹線とも言われましたが、上越・北陸両新幹線をどう生かしていくかが今後の大きな課題でもあります。

現在、北陸新幹線は敦賀まで建設中ですが、その先は小浜-京都ルートが決定し、大阪までのルートがほぼ固まりました。東海道新幹線と繋がり、本州環状新幹線となれば上越妙高駅は北陸新幹線の新潟県駅としてその役割と機能は更に重要になると考えています。

上越市は、北陸新幹線が開業し、3年目を迎える年になりますが、上越妙高駅一日の乗降客数は4千人を維持し、当初の予想を上回って順調に推移しています。遅れていた駅周辺の開発も徐々に進み、駅前、東西区域の約80%が計画検討されています。そして、新幹線開業とともに上越市全域でのまちづくりでは、高田公園の中に新築される厚生産業会館、30年ぶりに全面改築し日本海をテーマとした21世紀の新水族博物館、開府400年を機に改めて上越の歴史を振り返ろうとリニューアルする歴史博物館と言った上越市の施設が建設中であり、道路インフラでは上信越自動車道の4車線化、上越魚沼地域振興快速道路も2年後には一部開通となります。

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「命と暮らしを守り、現在と未来への責任を果たす」 県政の実現に向けて

2017/04/03 :感頭言

新潟県知事 米山隆一

昨年10月、県民の皆様の御信託を得て、新潟県知事に就任いたしました。「命と暮らしを守り、現在と未来への責任を果たす」県政の実現に向け、全力で取り組んでまいります。

現在、本県を含めた地方に共通の課題が、地方再生と人口減少問題への対応です。現状においては、人口減少問題を乗り越え、安定的で持続可能な未来を実現するための即効薬も、特効薬も、確定的には見い出されていません。一見、遠回りのようにみえても、県民一人一人の幸福を可能な限り増やし、一人一人の不幸を可能な限り減らしていくため、幸福の源である命と暮らしを守ると同時に、「現在と未来への責任」を果たす県政を実現することによって、新潟県の総合力を高め、魅力に溢れる新潟県を創り上げ、次世代に引き継いでいくことが、県政の王道であろうと考えております。 続きを表示…

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