3月2016

2016人事・労務セミナー「経営戦略としてのダイバーシティ」

2016/03/04 :過去の講演会

開催日

平成28年3月4日(金)

講 師

厚生労働省 政策評価に関する有識者会議委員(民間シンクタンク研究部長)

渥美 由喜(あつみ・なおき)氏

 

本稿は、2016年3月4日に開催された2016新潟経済社会リサーチセンター「人事・労務セミナー」の内容を要約したものです。

企業のワークライフバランスマネジメント、ダイバーシティ研究の第一人者であり、実際、5Kライフ(会社員・子育て・家事・介護・看護)を送られている渥美由喜氏より、経営戦略として個々の個性を活かすダイバーシティマネジメントがいかに重要であるかをお話いただきました。

はじめに

日本は今、ワークライフバランス(以下WLB)やダイバーシティのブームです。それでも、まだダイバーシティと聞くと「女性活躍支援」をイメージする人が多いようです。

そこでよく、「男性なのになぜこのテーマを研究しているのですか?」と不思議そうな顔で質問されます。私は生まれつき発達障害です。幼少時からの色々なエピソードを勘案すると、ADHD(注意欠陥多動性障害)とアスペルガー症候群の特徴が混在するグレーゾーンです。物心ついてからずっと生きづらさを感じてきました。したがって、女性さえ活躍できない社会・職場だと女性以上にマイノリティーな自分のような存在はさらに居場所がなく、自らの生存圏を確保するために研究を続けてきました。

私は今、東レの子会社の東レ経営研究所で管理職をしています。「日本企業のサラリーマンが仕事と介護や子育てをよく両立できますね」とよく聞かれます。
私が両立するうえで一番重要だと思うことは、バトンリレーの相手を増やすことです。バトンリレーの相手を増やすというのは、職場でも家庭でも1人でしようとせず、自分が抜けてもカバーできるバトンを渡せる相手を増やすことです。

例えば、今日は仕事で新潟におりますので、子ども達を保育園や学童保育に迎えに行くことはできません。そこでバトンを妻に渡して迎えに行ってもらうのです。妻も管理職として働いているので、2人とも仕事がカブってしまうこともあります。そうした時は弟夫婦に迎えをお願いすることもあります。弟夫婦も共働きで大変ですが、みんなで助け合って子育てや父の介護をしています。

父の介護では、常に見守らなくてはいけない時期もありましたが在宅勤務で対応しました。私はコンサルタントで自由に仕事ができ、在宅勤務をしやすいのではないかと思われる方がいらっしゃいますが実際は違います。基本的にお客様と対面でお話をする仕事ですから、在宅勤務はありえません。私は自分のパソコンと部下のパソコンをTV会議でつなげ、部下にお客様のところへ行ってもらい、自分は家で父の介護をしながらお客様と面談をしました。このように、ぎりぎりまで働く覚悟を決めればかなりのことができます。

今から23年前に銀行の子会社のシンクタンクに入社しました。朝、会社に行ったら部内会議午前2時スタートと書いてある長時間労働の職場でした。そんな職場でWLBの研究をしたいと申し出たのは22年前、入社2年目の時でした。日本では、まだ誰もWLBという言葉を使う人はいませんでしたので上司から許可はおりませんでした。やむなく、終業後の自分の時間を使って海外の論文を読み、有給休暇を使って国内外の先進企業のヒアリングに出かけました。そのようにして20数年WLBとダイバーシティを研究し、ようやく最近スポットライトが当たるようになりました。

今では東レ経営研究所で、シンクタンク業界で初めてWLBとダイバーシティの専門部署を立ち上げるまでになりました。

たまたま趣味で始めたことが当たったと思われるかもしれませんが、自分のアンテナに引っかかったことを自分なりに追求した結果がキャリアに結びつき、新規ビジネスになったと思います。これはあらゆる職種でもいえます。新しいことは職場でなく現場にあります。いかに職場以外にネットワークを張り巡らせ、関心のあることを追求するかが大切です。

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新潟県の景気の現状と先行き見通し

2016/03/01 :自主調査(調査報告)

─県内経済は横ばいで推移している。先行きは横ばい圏内での推移が続く─

1.景気の現状と先行き見通し

現 状

◎県内経済は横ばいで推移している
県内主要経済指標等から景気の現状を概観すると、生産活動や個人消費、雇用状況、住宅投資は概ね横ばいで推移している。設備投資は製造業を中心に生産能力増強や更新投資などで増加しているものの、公共投資は減少している。

総じてみると、県内経済は横ばいで推移している。

当センターが2015年11~12月に実施した「新潟県企業動向調査(以下、企業動向調査)」をみても、県内企業の業況感を示す実績BSIは14年7-9月期以降、概ね横ばい圏内で推移している(図表1)。

調査1

先行き

◎横ばい圏内での推移が続く

生産活動や雇用状況は、引き続き横ばいで推移するものとみられる。住宅投資は低金利などを背景に上向くことが期待されるものの、公共投資は今年度予算の執行状況や補正予算の規模などから低調に推移すると考えられる。

そのため県内経済は、横ばい圏内で推移する見込みである。

 

2.生産活動の現状と見通し

現 状

◎概ね横ばいで推移している

調査4新潟県の鉱工業生産指数(季節調整値)は、15年7-9月期に前期比0.5%低下の99.9となった(図表2)。その後の動きをみると、10月は前月比2.2%上昇、11月は同0.7%上昇となっており、生産活動は概ね横ばいで推移している。

業種別にみると、食料品は米菓や切り餅などの増産から、好調を維持している(図表3)。はん用・生産用・業務用機械は工作機械を中心に、堅調に推移している。一方、輸送機械は海外向けの船舶などの生産で動きがみられるものの、全体としては弱含んでいる。電子部品・デバイスは一部で明るさがみられるものの、依然として低水準で推移している。

先行き

◎横ばい圏内で推移していく

生産活動の先行きを業種別にみると、食料品は引き続き、米菓を中心に好調に推移していく見込みである。金属製品は2020年東京オリンピックを見据えたインフラ整備などが進んでいるため、作業工具や建設用金属製品などを中心に底堅く推移するとみられる。電子部品・デバイスは低水準ながらも、自動車部品の電子化による需要増などを背景に緩やかに持ち直すことが予想される。

一方、はん用・生産用・業務用機械は、海外からの受注減少のため、高水準ながらも弱含む可能性がある。輸送機械は船舶などで好調が続くものの、自動車部品は低調が続く見込みであり、全体としては低水準で推移すると考えられる。化学は中国の需要減少などから低調に推移するものと思われる。

全体を通してみると、生産活動は横ばい圏内で推移していくものと見込まれる。ただし、足元では外部環境の変化が激しくなってきており、県内の生産活動に与える影響を注意深くみていく必要がある。

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観光流動創造で新潟を元気に幸せに

2016/03/01 :感頭言

東日本旅客鉄道株式会社  執行役員新潟支社長  弭間 俊則 

新潟県には、食はもとより地酒、日本海の夕日、里山の棚田、匠など様々な地域資産があり、地方創生に向けこれまで以上に地域資産を活かし、観光の魅力を高めていく必要があると考えています。

昨年は、3月の北陸新幹線の金沢延伸及び上越妙高駅開業、春から秋に新潟アフターDC(デスティネーションキャンペーン)・山形アフターDCなど、一年を通して支社エリアである新潟・庄内の観光流動を創造する取り組みを進めてまいりました。その中で運行した「越乃Shu*Kura」「SLばんえつ物語」「きらきらうえつ」の「のって楽しい列車」は、地域の皆さまと一緒になっておもてなしを行った結果、全国の観光列車人気ランキングにおいて3列車とも上位にランキングされるなどお客さまからの評判も良く、多くのお客さまに「新潟の旅」を楽しんでいただくことができました。いずれの列車も6割以上が首都圏を中心とした県外からのお客さまというのも大きな特徴です。 続きを表示…

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グラフで見る県内経済2016年3月(一月の新潟県経済)

2016/03/01 :グラフで見る県内経済

概況:横ばいで推移している県内 力強さに欠ける個人消費

生産活動:概ね横ばいで推移している

グラフでみる県内経済11月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比0.7%上昇して102.2となった。出荷指数は同5.3%低下して97.8となった。在庫指数は同4.8%上昇して140.9となった。

食料品は米菓や切餅などの増産から、好調を維持している。

はん用・生産用・業務用機械は工作機械を中心に堅調に推移している。

輸送機械は海外向けの船舶などの生産で動きがみられるものの、全体としては弱含んでいる。

電子部品・デバイスは一部に明るさがみられるものの、依然として低水準で推移している。

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株式会社 ぽんしゅ館 新潟

2016/03/01 :探訪

新潟の魅力を食で語る「越後のお酒ミュージアム」 株式会社 ぽんしゅ館 新潟

新潟県の特産品の魅力を「食」で語ることにより生産者から消費者に繋ぐのが当社の基本的な役割だとする株式会社ぽんしゅ館新潟。

別会社の越後湯沢店の開設から20年を経過し、新潟店を新設するまでの経緯と、お店の役割について社長にお聞きしました。

[会社概要] 探訪
代表者 高村 秀夫
所在地 新潟市
設立 2013年11月
社員数 4名(パートナー15名)
資本金 6,100万円
事業内容 酒小売、観光土産物小売、居酒屋
URL http://ponshukan.com/

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第60回

2016/03/01 :酒井とし夫の街でみつけた商売繁盛のヒント

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、酒井とし夫です。私は自分で商売をしながら経営戦略や戦術を学ぶにつれて、こんなことを思うようになりました。

「日常生活で何気なく見ているモノやコトの中にこそ、よく考えられた集客ノウハウや広告宣伝、販促、マーケティングのテクニックがぎっしり詰まっている」

スーパーに置かれている買い物かごの位置にはちゃんと理由があります。街の繁盛店の店頭ワゴンに並ぶ商品にはオーナーの意思と意図が現れています。店舗のレイアウトはその企業の膨大な調査と経験の集大成です。POP、値決め、色使いはその企業やお店の試行錯誤とテストマーケティングの結果です。毎日、目にするチラシ、DM、雑誌、TV、新聞、書籍、ホームページには読み手の興味と関心を引く効果的なコピー作成ノウハウが凝縮されています。

そんな日常生活の中で私が見つけた商売に役立つヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

ひと言で客単価倍増

酒井さん1地元の中華料理屋に妻とラーメンを食べに行ったときのこと。

隣のテーブルに家族連れが座りました。おじいさん、おばあさん、お母さん、お父さん、そして小さなお子さんの5人。

注文を取りにきた女性スタッフにおじいさんがこう言いました。

「餃子をちょうだい」

すると女性スタッフがこう言いました。

「餃子はおひとつでよろしいですか?」

一瞬考えたおじいさんは家族を見まわして

「じゃあ2つもらおうかな」

と答えました。

私は隣の席で五目ラーメンを食べながらこの会話を聞くとはなしに聞いていたのですが、ふとあることを思い出しました。

そういえば、私も餃子を注文したのですが、確かそのときにも女性スタッフは「餃子はおひとつでよろしいですか?」

と聞いていたような気がしました。

しばらくすると男性2人組がお店に入ってきました。1人の男性が言いました。

「海老ラーメンとブラック焼きそば!それから餃子ね」

すると女性スタッフがやはりこう言ったのです。

「餃子はおひとつでよろしいですか?」

・・・おそらく、このひと言は完全にセールストークとしてルール化されているのです。

「餃子はおひとつでよろしいですか?」

たったこの一言を言うだけで単価が上がる確率がぐんと増えているのです。

もちろん、全員が2皿とか3皿オーダーするわけではないけれど、たった一言が売上アップ、客単価アップに貢献していることは間違いありません。

ちょっとした一言が大きな差を生みますね。 続きを表示…

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データで読む将来の地域観光

2016/03/01 :地域観光事業のススメ方

株式会社 井門観光研究所 代表取締役  井門 隆夫(いかど たかお)氏

─シニア宿泊客が消えていく─

1.データを読み取る

井門さん1DMO(Destination Marketing Organization)設立の動きが各地で生まれている。DMOとは、各地の地域観光をマネジメントする新組織体で、従来の観光協会と違い、運営の財源を加盟事業者の会費ではなく収益事業による自主財源を主体としていくものだ。観光庁が「今後DMOを通じて地域を支援していく」と発表したので、各自治体が組織設立に向けて準備を始めた。

DMOの重要な任務が「マーケティングデータの収集と分析」である。その他にも、「多様な関係者を巻き込み、地域観光をデザインすること」や「民間手法を導入して収益事業を計画し実行すること」等があるが、まずはマーケティングデータを集め、今後の地域観光市場がどうなっていくかを明らかにし、目標を定めていかなくてはいけない。そのためにも、本号でも、基礎的なデータをいくつか提供してみたい。それは「消えゆくシニア市場」についてだ。

観光関連のデータを収集していると気づくことがある。

井門さん2例えば、図表1は日本人の「宿泊旅行実施率」と「1回あたり旅行費用(交通+宿泊)」の推移をグラフ化したものだ。これをみると、2010(平成22)年まで「宿泊旅行実施率」が年々下がってきていることがわかる。翌年、少し回復するものの上下を繰り返し、上昇までは至らない。「旅行費用」はV字回復したが、「宿泊旅行実施率」は下がったままだ。10(平成22)年の大きな落ち込みは、リーマン・ショック後の景気の悪化。14(平成26)年は消費税引き上げの影響だろう。

どの世代が原因になっているか気になり、作成してみたのが図表2だ。実線に注目して欲しい。黒色実線がシニア(50~79歳)男性、赤色実線がシニア女性だ。

いずれも10年前に比べると、10ポイント以上、宿泊旅行実施率が大きく下がっている。とりわけ、シニア女性の需要は下がる一方。10年前は世代別シェアトップだったものが、いまや「F1世代」と呼ばれる若年層(20~34歳)女性にトップを奪われて数年が経つ。

すなわち、「シニア世代(特に女性)の宿泊旅行実施率の減少が全体に響いている」といえる。シニア世代が消えつつあるのだ。皆さんの地域ではどうだろうか。 続きを表示…

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新潟ビジネス最前線⑭ 織物業

2016/03/01 :新潟ビジネス最前線

1.業界の現状

◎衣類は海外からの大量流入が続く

最前線1経済産業省「製造業をめぐる現状と課題への対応(2015年4月)」などによると、日本国内で流通する衣類のうち輸入品が占める割合を表す「衣類の輸入浸透率」(数量ベース)は96.8%(2013年)となっている(図表1)。国内で流通する衣類のうち海外で生産されたものがほぼ100%を占め、国内で生産されたものはわずかとなっている。ただし、金額ベースの「衣類の輸入浸透率」をみると、こちらも上昇傾向にはあるものの、70%台であることから、高額品の生産が国内で行われているものと推察される。

以上のように海外から衣類が大量に輸入されるなか、その材料となる生地を生産する国内の織物業を取り巻く環境も厳しさを増している。そこで、綿や合成繊維(以下、合繊)などの織物産地である栃尾・見附地域を中心に新潟県内における織物業の現状や最近の動きをまとめた。

◎過去の生産水準から最大1/14の水準まで減少

最前線2経済産業省「生産動態統計年報(繊維・生活用品統計編)」などをもとに、国内の綿織物と合繊織物の生産の推移をみると、衣類の輸入浸透率が急速に上昇し始めた1990年代以降、綿織物・合繊織物とも生産量は大きく減少している。直近の2014年には、綿織物が1990年の水準の1/10以下となる131百万㎡、合繊織物も約1/3となる834百万㎡にまで減少している(図表2)。

一方、新潟県などがまとめた「新潟県繊維産地概要」によると、県内の綿織物と合繊織物の生産量は、全国同様大きく減少している。

最前線32013年の綿織物は1990年の水準の約1/14となる677千㎡、合繊織物も約1/8となる15,344千㎡へと、全国を大きく上回るペースで減少している(図表3)

◎企業数・従業者数も大幅減

前掲の「新潟県繊維産地概要」をもとに、県内の主要産地である栃尾・見附地域の企業数・従業者数の推移をみると、90年の企業数・従業者数は2地域合計で235社・2,452人であったが、2000年には、103社・1,598人と約1/2ないしは約2/3の水準まで減少した。

最前線4その後も減少が続き、13年には企業数が48社、従業者数が608人となり、企業数は1990年の約1/5、従業者数は同じく約1/4の水準にまで減少している(図表4)。

また、2地域の企業数について、従業者数別・織機台数別の構成比の推移をみると、従業者数が「101人~300人」「301人以上」や、織機台数が「101台~300台」「301台以上」などの大規模な企業の比率は低下傾向にある。また、「10人以下」や「1台~10台」など、小規模な企業の比率も低下している。結果として、従業者数が「31人~50人」「51人~100人」や、織機台数が「31台~50台」「51台~100台」など、中規模な企業の比率が上昇している(図表5)。 続きを表示…

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