8月2016

2016リサーチ講演会「日本の未来を明るくするヒント」

2016/08/22 :過去の講演会

開催日

平成28年8月23日(火)

講 師

獨協大学教授・経済アナリスト

森永 卓郎(もりなが・たくろう)氏

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新潟県企業動向調査2016 年上期

2016/08/01 :自主調査(調査報告)

業況感は悪化。先行きは慎重な見通しが広がる

1.業況感

(1)全産業

─業況感は悪化。先行きは慎重な見通しが広がる-
2016年1-3月期における県内企業の業況判断BSI(※)は▲15.8となり、15年10-12月期の▲16.7から0.9ポイント上昇した(図表1)。前回調査時点における16年1-3月期の見通しBSI(▲27.5)を上回り、2期ぶりに「悪い」超幅が縮小した。

続く、16年4-6月期(含む実績見込み) は▲31.7となり、同1-3月期比15.9ポイント低下した。県内企業の業況判断BSIは14年7-9月期以降、概ね横ばい圏内で推移してきたが、中国経済の減速や公共工事の減少、暖冬少雪による季節商品の不振などの影響により16年4-6月期に大きく低下し、業況感は悪化した。

先行きを示す見通しBSIは、16年7-9月期が▲25.8となった。続く同10-12月期は▲24.0と横ばいが続くと見込まれており、先行きは慎重な見通しが広がっている。

調査1

(2)業種別

調査2業況判断BSIを業種別にみると、製造業は16年1-3月期が▲14.2となり、15年10-12月期比6.9ポイント上昇した(図表2)。続く16年4-6月期は▲28.7となり、同1-3月期比14.5ポイント低下した。内訳をみると、鉄鋼、金属製品などで上昇したものの、化学、一般機械、精密機械など多くの業種で低下した。

なお、最近の業況などに関して自由回答形式で尋ねると、製造業からは「中国経済の低迷などにより、当面は低調に推移するとみられる」(化学)、「ものづくり補助金の採択結果が発表される16年6月まで設備投資を控える動きや、原油価格下落による掘削機関連向けの不振などで業況は悪化した」(工作機械製造)といった声が挙げられた。

非製造業は16年1-3月期が▲16.9となり、15年10-12月期の▲13.7から3.2ポイント低下した。続く16年4-6月期は▲33.7となり、同1-3月期比16.8ポイント低下した。内訳をみると、全ての業種で低下した。

非製造業の業況については「公共工事が減少しているほか、民間工事も少なく業況は悪化している」(総合建設業)、「暖冬要因により、冬季の主力商品である灯油の販売が大きく減少した」(石油販売)などといった声があった。

先行きについては、製造業では16年4-6月期と比べてやや上昇する見通しである一方、非製造業は横ばい圏内で推移する見通しである。

(3)規模別

調査3業況判断BSIを規模別にみると、16年1-3月期は大企業が17.2、中堅企業が2.0、中小企業が▲18.6となり、いずれも15年10-12月期比で上昇した(図表3)。続く16年4-6月期は大企業が▲3.4、中堅企業が▲20.0、中小企業が▲33.8と同1-3月期に比べ、いずれも低下した。

先行きは大企業と中小企業は上昇するものの、中堅企業では横ばいを見込んでいる。

2.生産・売上、在庫

(1)生産・売上

─生産・売上は2期ぶりに低下─

調査416年1-6月期(以下、今期)の生産・売上BSI(「増加」-「減少」)は▲23.6となり、2期ぶりに低下した(図表4)。15年7-12月期(以下、前期)から12.5ポイント低下し、「減少」超幅が拡大した。

業種別にみると、製造業は▲19.6となり前期から11.0ポイント低下した。内訳をみると、窯業・土石、電気機械などが低下した。また、非製造業は▲26.3となり、前期から13.5ポイント低下した。卸売・小売など全ての業種で低下した。

生産・売上については「消費税引き上げ以降、需要が回復していない。また、足元は株価の下落により富裕層の需要が減少してきている」(ニット製造)、「経営者の高齢化や仕事の減少などで外注先の廃業が進み、大量注文を受けられない状況となっている」(金属製品製造)、「人口減少による市場の縮小に加えて、少雪の影響で除雪車などの整備需要が例年に比べて少なく、売上の減少が続いている」(自動車整備業)といった声があった。

先行き16年7-12月期(以下、来期)のBSIは▲22.6とほぼ横ばいにとどまり、低調に推移する見通しとなっている。

(2)在庫

─ほぼ横ばいで推移─

今期の製・商品在庫BSI(「過剰」-「不足」)は前期から0.3ポイント低下の5.8となり、ほぼ横ばいとなった(図表4)。

業種別にみると、製造業は6.4となり前期から1.1ポイント低下した。非製造業は5.3となり、前期から0.2ポイント上昇した。

来期は2.9へと低下し、適正化が進む見通しとなっている。

3.仕入・販売価格

(1)仕入価格

─仕入価格は4期連続で「上昇」超幅が縮小─

調査5今期の仕入価格BSI(「上昇」-「低下」)は12.1となった(図表5)。前期から3.9ポイント低下し、4期連続で「上昇」超幅が縮小した。

業種別にみると、製造業は6.1となり前期から8.2ポイント低下した。内訳をみると、化学、繊維、食料品などの業種で低下した。非製造業は16.2となり、前期から0.9ポイント低下した。内訳をみると、卸売、サービスなどの業種で低下した。

仕入価格については「原油価格の低下で原材料費が下がっている」(化学)といった声があった。

来期は18.1となり、上昇する見通しとなっている。

(2)販売価格

─販売価格は2期連続で「低下」超幅が拡大─

今期の販売価格BSI(「上昇」-「低下」)は▲8.4となった(図表5)。前期から3.9ポイント低下し、2期連続で「低下」超幅が拡大した。

業種別にみると、製造業が▲13.2となり前期から6.7ポイント低下した。また、非製造業は▲5.1となり前期から2.0ポイント低下した。

販売価格については「内需の縮小、中国経済の減速の影響などで自動車向けや建設機械向けの受注が減少し競争が激化しているなか、販売価格と品質への要求が一層高くなっている」(鍛造部品製造)、「原油価格の下落、価格競争などの影響により、販売価格は低下している」(石油販売)といった声があった。

来期は▲6.6となり、やや上昇する見通しとなっている。

4.採算・資金繰り

(1)採算・資金繰り

─採算・資金繰りともに3期ぶりに悪化─

調査6今期の採算BSI(「好転」-「悪化」)は▲18.1となった(図表6)。前期比7.6ポイント低下し、3期ぶりに悪化した。

業種別にみると、製造業は▲14.9となり前期比横ばいとなった。内訳をみると、窯業・土石、繊維、化学などの業種が低下した。非製造業は▲20.3となり、同12.3ポイント低下した。運輸・小売など全ての業種で低下した。

来期は▲20.3に低下し、採算は悪化するとの見通しとなっている。

今期の資金繰りBSI(「好転」-「悪化」)は▲7.0となった。前期から3.5ポイント低下し、3期ぶりに悪化した(図表7)。

業種別にみると、製造業は▲9.8となり前期から1.9ポイント低下した。内訳をみると、窯業・土石、繊維などが低下した。非製造業は▲5.1となり、前期比4.6ポイント低下した。運輸・小売など全ての業種で低下した。

来期は▲11.5と一段の低下が見込まれており、資金繰りは悪化する見通しとなった。

(2)採算好転・悪化の理由

─好転要因では「売上数量の増大」「経営の合理化」が上位─

調査8今期の採算が「好転」したと回答した企業にその理由を尋ねたところ(複数回答)、「売上数量の増大」(73.1%)の回答割合が最も高く、以下「経営の合理化」(19.2%)、「高付加価値製(商)品の比率拡大」(15.4%)、「販売価格の上昇」(14.1%)などが続いた(図表7)。

一方、今期の採算が「悪化」した理由では「売上数量の減少」(85.7%)の回答割合が最も高く、次いで「競争・競合の激化」(25.2%)、「人件費などの固定費負担の増加」(21.0%)、「販売価格の低下」(19.0%)などの順となっている(図表8)。

5.雇 用

(1)全体・業種別

─不足感の強い状況が続く─

調査9今期の雇用BSI(「過剰」-「不足」)は▲ 25.1となり、前期から3.1ポイント上昇した。(図表9)。2期ぶりに「不足」超幅が縮小したものの、依然として不足感の強い状況が続いている。

業種別にみると、製造業は前期比5.6ポイント上昇の▲16.6となり、7期ぶりに「不足」超幅が縮小した。内訳をみると、輸送機械、繊維などで雇用BSIが上昇している。非製造業も前期比1.4ポイント上昇の▲30.9となり、2期ぶりに「不足」超幅が縮小した。内訳をみると、建設、小売などの業種で雇用BSIは上昇した。

雇用については「技術者不足で売上が頭打ちになっている。外注先でも若手技術者が不足している」(金属製品製造)、「人手不足が深刻であり、残業代や人材募集経費が増加している」(貨物輸送)などといった声があった。

(2)規模別

調査10今期の雇用BSIを規模別にみると、大企業が▲17.8、中堅企業が▲48.0、中小企業が▲23.7となり、いずれも「不足」超幅が縮小した(図表10)。

(3)雇用不足への対処方法

調査11雇用について「不足」と回答した企業に、その対処方法を尋ねたところ(複数回答)、「正社員の中途採用」(63.0%)の回答割合が最も高く、以下「所定外労働時間(賃金)の増加」(39.0%)、「外注による対応」(37.5%)、「定年退職者の再雇用」(35.5%)などが続いた(図表11)。

(4)職種別

調査12職種別の雇用BSIをみると、「専門・技術」で「不足」超幅が最も大きく、以下「営業・販売」「生産・建設」などが続いている(図表12)。

15年上期と比べると、「専門・技術」「生産・建設」などの職種では「不足」超幅が縮小した。

6.設備投資

(1)設備投資計画

─16年度の設備投資額は、前年度を下回る見通し─

調査1316年度における設備投資の実施企業割合(含む計画)は55.3%となり、15年度実績を4.6ポイント下回る見通しとなっている(図表13)。

実施企業割合を業種別にみると、製造業が67.9%、非製造業が46.7%となった。内訳をみると、製造業では輸送機械、繊維、窯業・土石などで前年を下回る見込みとなっている。非製造業では全ての業種で前年を下回る見込みとなっている。

16年度の設備投資額(同)は、15年度実績比18.2%減となる見通しである(図表14)。

業種別にみると、製造業は15年度実績比7.3%減となっている。内訳をみると、精密機械、電気機械、輸送機械、化学などの業種で減少している。また、非製造業は同32.3%減となっており、全ての業種で減少している。

規模別にみると、大企業が15年度実績比8.7%増となった一方、中堅企業が同41.7%減、中小企業が同33.8%減となった。

設備投資については「15年末から先行きの不透明感が増し、取引先の設備投資意欲が低調になっている」(機械卸)、「企業からの引き合いが少なくなっており、取引先の設備投資が減少している」(総合建設業)などの声があげられた。

(2)設備投資の目的

─「土地購入」「省エネルギー・環境問題への対応」などが低下─

調査1516年度における設備投資の目的をみると(複数回答)、「既存機械・設備の入れ替え」(68.0%)の回答割合が最も高く、以下「生産能力増大の為の機械・設備導入」(31.3%)、「省力化・合理化」(24.6%)、「店舗・工場等の新設、増改築」(20.6%)、「情報化(IT)投資」(17.4%)などの順となっている(図表15)。

15年度実績と比べると、「土地購入」「省エネルギー・環境問題への対応」などが低下した一方、「情報化(IT)投資」「省力化・合理化」などが上昇した。

7.経営上の問題点

─3期ぶりに「生産・受注・売上不振」がトップ─

調査16経営上の問題点を尋ねたところ(複数回答)、「生産・受注・売上不振」(49.7%)の回答割合が最も高く、以下「人材不足」(45.5%)、「先行き見通し難」(44.2%)、「競争・競合の激化」(42.1%)などが続いている(図表16)。なお「生産・受注・売上不振」は3期ぶりに1位となった。

15年下期調査と比べると、「生産・受注・売上不振」「人件費の増加」などの割合が上昇した一方、「人材不足」「仕入価格の上昇」の割合は低下した。

8.賃 金

(1)賃上げの状況

─約3割の企業がベースアップを実施─

調査1716年度における賃上げの状況(ベースアップ、定期昇給)について尋ねたところ、ベースアップを「実施した」と回答した企業の割合は28.7%となった(図表17)。また、定期昇給を「実施した」と回答した企業の割合は56.1%となった。

なお、ベースアップを「実施した」と「実施を検討中」を合わせた「賃上げに前向き」な回答割合は38.7%となり、前年同時期に行った「2015年上期企業動向調査」と比べると、6.9ポイント下回っている。

(2)賃金の引き上げ率

─引き上げ率は「1.0%以上1.5%未満」が最も高い─

調査1816年度にベースアップもしくは定期昇給を「実施した」「実施を検討中」と回答した企業に、賃金の引き上げ率について尋ねたところ、「1.0%以上1.5%未満」(24.2%)の回答割合が最も高く、以下「2.0%以上2.5%未満」(23.2%)、「1.5%以上2.0%未満」(22.7%)などの順となった(図表18)。

(3)賃金の引き上げ理由

─「処遇改善により人材の定着化を図るため」が6割─

調査1916年度にベースアップもしくは定期昇給を「実施した」「実施を検討中」と回答した企業に賃金の引き上げ理由を尋ねたところ(複数回答)、「処遇改善により人材の定着化を図るため」(63.7%)の回答割合が最も高く、以下「社内規定に基づく賃上げの実施」(32.2%)、「人材確保(採用)のため」(31.3%)、「労使関係の安定のため」(31.0%)などが続いた(図表19)。

(4)賞与・一時金の状況

─夏季の賞与・一時金増額は1割弱の企業が実施─

調査2016年度における賞与・一時金の支給について尋ねたところ、「未定」とする回答が多いものの、夏季の賞与・一時金を「増額する」と回答した企業の割合は7.7%、「増額を検討中」が12.6%、「据え置く」が37.7%となった(図表20)。

なお、夏季の賞与を「増額する」「増額を検討中」を合わせた「増額に前向き」な回答割合は、前年同時期に行った「2015年上期企業動向調査」と比べると、3.7%ポイント前年を下回った。

9.まとめ

─業況感は悪化。先行きは慎重な見通しが広がる─

調査21アンケート調査結果をみると、県内企業の「業況感」は、16年1-3月期にわずかに上昇した後、同4-6月期に大幅に低下し、業況感は悪化した。また、16年1-6月期の「生産・売上」「採算・資金繰り」も前期から悪化しており、16年度の「設備投資」も前年度実績を下回る見込みとなった。

背景には中国をはじめとする海外経済の減速や公共工事の減少、暖冬少雪の影響などの複数の要因が重なったことがあると思われる。

先行きについても慎重な見通しが示されているものの、「米国市場向けが堅調に推移しており、今後も期待できる」(精密機械)、「大型の補正予算が期待できるため、受注増加が見込まれる」(総合建設業)などの前向きな声もあった。

円高の進行や英国のEU離脱問題などの懸念材料があるなかで、県内経済が持ち直していくかどうか注視していきたい。
(2016年7月 銀山 敏行)

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素晴らしき新潟に乾杯!!

2016/08/01 :感頭言

株式会社ダイヤメット 代表取締役社長 安竹 睦実

昨年の12月に岐阜からの転勤で、初めて新潟の地を踏んだ。出身が静岡で、前勤務地も岐阜ということもあり、どちらかというと太平洋側で育ち生活をしていたという認識がある。赴任前には周りの皆から掛けられる声は寒くて大変な処に行きますね、であった。

実際、新潟に来てみると確かに寒い。最低気温は岐阜とそれほど変わらないが、太陽が顔を出す時間がほとんど無いため、体感気温が5℃位下がる気がする。毎日が雪か雨か曇りである。岐阜では冬の間、加湿器を使用していたが、こちらでは除湿機が欠かせない。当初はなんとも大変な処に来たものだと思った。 続きを表示…

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グラフで見る県内経済2016年8月(六月の新潟県経済)

2016/08/01 :グラフで見る県内経済

概況:横ばいで推移しているものの、一部に弱さがみられる県内経済  生産活動は弱含んでいる

生産活動:弱含んでいる

県内経済4月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比0.9%上昇して99.5となった。出荷指数は同0.4%低下して99.7となった。在庫指数は同1.1%低下して136.1となった。

はん用・生産用・業務用機械や化学は新興国経済の減速などを背景とした輸出の減少により、弱含んでいる。

電子部品・デバイスはスマートフォン向けで前年を下回っており、低水準で推移している。

食料品は米菓や包装米飯などを中心に、好調を維持している。

 

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岩村養鶏株式会社

2016/08/01 :探訪

国内の養鶏業と日本人の健康を支える  岩村養鶏株式会社

物価の優等生といわれて、昔から価格が安定している卵を産む鶏の雛を生産している岩村養鶏株式会社。

全国トップクラスのヒヨコの生産量を誇る同社が生産規模を拡大してきた経緯とこれからの展望について岩村社長からお話をうかがいました。

探訪[会社概要]
代表者 岩村 忠衛
所在地 新発田市
設立 1961年12月(創業:1921年)
社員数 90名(グループ計250名)
資本金 2,400万円
事業内容 採卵用雛(レイヤー雛)、ワクチン卵生産
URL http://www.iwamura-yokei.jp

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今すぐできる選りすぐりのアイデア第5回

2016/08/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていてもビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは・・・お客様は「人」である、ということ。

そして人は「心」で好き嫌いを感じ、「心」で興味を抱き、「心」で買うか買わないかの行動を決定します。

そのためどんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の「心」に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

寒風の八戸駅

そろそろ新潟も暑い日が続くようになってきましたので、今日は少し涼しいお話を・・・。

ある寒い冬の日のこと。私は猛吹雪の中、北陸新幹線に乗って大宮に行き、そこから東北新幹線はやてに乗り換えて八戸に向かいました。およそ大宮から約2時間30分で八戸に到着。

東北新幹線の八戸駅に初めて降り立った時の私の感想。

「意外に雪が少ない」

後日、地元の方に教えて頂いて分かったのですが、青森県は太平洋側の南部地方と日本海側の津軽地方では降雪量も気候も人も言葉も全然違うのだそうですね。そして、太平洋側の八戸では雪はあまり積もらないとのこと。

そして、次に感じたことは・・・

「想像以上に寒い!」

私はバリカンで髪を刈っているので駅に降り立った瞬間に後頭部がキンキンに冷えて、寒さで頭がズキズキと痛くなりました。私は今まで新潟は寒い寒いと思って生きてきましたが八戸の寒さは桁が違いました。

「寒い、寒い、寒い」

とブルブル震えながら私は八戸駅東口の下りのエスカレーターに乗りました。エスカレーターを降りたその目の前に一人の女性がほっぺを真っ赤にして立っていました。彼女は寒さの中、立ちながら両手を差し出してエレベーターから降りてくる人たちを待っていました。

「あれ?彼女は何をしているのだろう?こんな寒風の中で」

彼女の前を通り過ぎるときに、私は彼女が両手で抱えている小さな器に何かのかけらのようなものが入っているのが見えました。

「えっ?何だろう?」

っと私は思いました。

次の瞬間、彼女は私に両手を伸ばしてこう言いました。

「よかったらどうぞ」 続きを表示…

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世代を超えて商圏を広げよう

2016/08/01 :地域観光事業のススメ方

株式会社 井門観光研究所 代表取締役  井門 隆夫(いかど たかお)氏

─音楽業界にみるマーケティング─

1.翼はいらない

6月18日、「AKB48総選挙」が行われた。諸兄にとってふだんは興味ないことかもしれないが、今年は新潟で開催されたこともあり、注目された方も多いのではないだろうか。

また、総選挙に先立ち、総選挙投票券付きCDとしても発売されたシングル「翼はいらない」を聴いてみて欲しい。プロデューサーの秋元康が、おそらくこの曲に仕掛けたであろう企てが興味深い。

実は、楽曲販売を収益源とするAKB48の人気も一時ほどの勢いがなくなってきている。ネット上に無料の音源があふれ、楽曲販売にテコ入れが求められている今、この曲には世代の幅を広げようとしたマーケティング戦術が仕掛けられていたと思う。なぜかといえば、昭和生まれの私の耳に妙に残ることに気づいたからだ。もしかしたら認知科学を応用し、50~60年代生まれの耳に残るような音階・メロディーで作曲されていたかもしれない。

「翼はいらない」という曲名もまさに「昭和」だ。70年代に人気を博したフォークグループ「赤い鳥」が歌い、71年にリリースされた「翼をください」を意識して作ったのではないかと思った。おそらく、その通りではないだろうか。

高度成長期の真っただ中、「今、私の願いごとがかなうならば、翼が欲しい」と歌った赤い鳥に対して、言葉を返すように「翼はいらない。夢があればいい。大地を踏みしめながらゆっくり歩こう」とAKB48。 続きを表示…

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第33回 上海ディズニーランド開園/交通マナー改善中!

2016/08/01 :チャイナレポート

上海ディズニーランド開園

「上海ディズニーランド(以下:SDL)」が6月16日に正式オープンした。中国本土で初、アジアでは日本と香港に次いで3番目のディズニーランドである。世界のディズニーリゾートのなかで一番の高さ(地上60m、20階建てマンションと同じ)を誇る「EnchantedStorybook Castle」をはじめ、「世界初」のアトラクションが多数登場している。

【概 要】

「SDL」は上海の東の玄関口「浦東国際空港」と市中心部の中間地点、中心部から東に約20km、地下鉄で約40分の位置にある。園内は6つのテーマランドに分かれ、全てのエリアに世界初の技術を用いたアトラクションが用意されている。主なものを紹介すると、高さ60mと世界のディズニーランドの城のなかで一番の高さを誇る「魔法にかかったおとぎの城」や同じく世界初となる「パイレーツ・オブ・カリビアン」のテーマランド「treasure cove」、「アナと雪の女王」のショーを行う「ファンタジーランド」など、多数のアトラクションが用意されている。

開園当初のテーマパークの敷地面積は約116haとされており、東京ディズニーリゾートの約100haを少し上回る程度だが、3期に分かれる計画が全て終了すると約400haまで拡張され、世界最大のディズニーランドとなる予定である。地元紙によれば、第2期の拡張工事はすでに着工しており、「トイ・ストーリー」のアトラクションなどが追加される予定となっている。

チケット価格はレギュラー(平日)370元(約6,700円)、ピーク(土日祝日、夏休み)499元(約9,000円)、東京ディズニーランド(以下:TDL)と比較すると少し割高である。なお、オープンから6月30日までのチケット価格はグランドオープン期間に該当するためピーク時と同じ499元が適用されている。一般的なチケットの入手方法は、運営する「上海ディズニーリゾート」の公式サイトやWeChat(中国のSNS)、中国国内の提携旅行会社を利用して購入する。

【開園時の反応】

開園の模様は日本国内でも大きく報道されたが、一部のマスコミでは「路上にゴミを捨てる」「トイレ以外の場所で用を足す」といったマナーの悪さや「待ち時間が長い」様子を切り取り面白おかしく伝えられた。

中国国内では、「園内はこまめに清掃されておりキレイだった。路上にゴミを捨てる人は見かけなかった」「トイレのマナーの問題は待ち時間の長いアトラクション付近で発生していた。簡易トイレの整備が追い付けば、問題は解消されるだろう」「待ち時間については正確な予想待ち時間の表示と適切な誘導ができていないため、若干混乱を招いていた感じはある。その点は今後の運用課題かもしれないが、スタッフの習熟で解消されるだろう」など肯定的にとらえる人が多い。マナーの悪さや改善点がある点は否定できないが、短期間に水準をここまで上げてきた事実にむしろ感心させられる。

そのほか、園内の飲食サービスでは観光地価格ということもあり、市中に比べ2~3倍になっている。TDLと比較して特段高い印象はないといった意見や味も良いという意見を多く聞く。

中国市場での人気を測る代表的なバロメーターはウェブ上の反応である。SNSサイト「微信(WeChat)」や「微博」に寄せられている反応をみると、「乗り物が楽しくて大満足」「食べ物がおいしかった」「スタッフの対応がとても親切」と好意的なものが多く評判は上々のようだ。また、TDLを経験している中国人のなかでも「遜色無く十分に楽しめた」との声が多い。

【モノからコト消費】

中国の中央銀行である中国人民銀行は本年2月に現在の中国経済を「重工業の高成長により、個人所得のレベルは向上している。今後、個人の消費、サービスの要求は、医療、教育、レジャー文化等のサービス分野に対し、より多くを求める形になっている」と表現した。実際、世界中から中国国内へ様々なモノが輸入され、大都市ではモノが溢れかえり、都市住民の多くが物質的な豊かさを享受している。上海など代表的な都市ではその程度は日本を上回っている。このような環境下で開業を迎えたSDLの意味は大きい。中国市場がモノ消費からコト消費へ変化する時代の象徴のひとつといえるのではないだろうか。SDLの良質なサービスが中国国内のサービス業の発展や水準の向上へつながる触媒となるか、その行方に注目したい。
(上海駐在員事務所 柄澤 雄)

交通マナー改善中!

上海市では、3月から交通違反の取り締りが強化されています。交通違反や交通マナーの改善、さらには渋滞緩和を図るため従来から取り締り強化運動は行われていますが、今年の活動は従来と少し異なるようです。

まず、公安局は違法駐車やナンバープレートの偽装、歩行者の信号無視などに対し、集中的な取り締まりを従来にない規模で行っています。「上海市文明交通3年行動計画(2016-18年)」のなかでは、市民に対してドライブレコーダーの映像やSNS(WeChat)、短信(ショートメッセージ)などで当局へ交通違反行為の通報を推奨するなど体制を強化しています。

また、市中心部の道路では、境界ブロック(歩道と車道の境界線)が一晩にして黄色に塗られました。この表示は「駐車禁止」ではなく、「停車禁止」を意味します。この色が塗られた道路では、わずか数秒間でも停車が禁じられます。もし、警察官に発見されると200元(約3,600円)の罰金のほかに、3点の減点(中国では運転免許保有者には12点が与えられ、1年間に合計12点を減点された場合、15日以内に交通安全の講習をうけなければならない)が課せられます。

さらに、市内全域ではこれまで無法地帯だった交差点で警官が睨みをきかせています。このような運動の結果、5月中の上海市の交通違反検挙者数は1日あたり平均11.7万人を記録したと地元紙は報道しました(ちなみに、新潟県における交通違反検挙数は平成26年度実績で10.4万件)。

検挙の強化に加え、公安局は4月中旬から、信号無視をした市民(含む外国人)12人の顔や現場写真、発生した場所などをSNSで公開し始めました。映像では目隠し加工はなく、知人であれば誰であるかすぐに特定できます。

市統計局によると、96.7%の市民が今回の取り締まり強化に賛成し、78.1%の市民が「取り締まりの実施効果が認められる。または効果が出る」と答えたとの結果が出ています。「交通マナーでどんな行為が一番改善してほしい点か」という設問に対しては、1位「歩行者の信号無視」47.2%、2位「自転車やバイクの交通違反」40.9%、3位「自動車の違法駐車」36.2%であるとしています。

上海は国際的な大都市として、交通システムが日々進化する一方で、交通安全や交通マナーの向上が追い付かず従来から課題となっていました。今回の運動が市民に受け入れられている理由として、今まで違反行為が見過ごされてきたことや交通マナーに対する市民意識の高まりを反映している結果ということができるかもしれません。

日本から中国へ来られる方々、くれぐれも中国のマナーに慣れないようご用心ください。
(上海駐在員事務所 范 文佳)

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