10月2016

TPPで海外ビジネス環境はこう変わる

2016/10/03 :自主調査(調査報告)

─TPPの概要と今後のスケジュール─

はじめに

昨年10月に大筋合意した環太平洋パートナーシップ協定(Trans-Pacific Partnership:以下、TPP)では、広範な品目に及ぶ関税撤廃だけではなく、「完全累積制度」の導入などにより、中小企業等の海外展開を後押しするTPP参加国共通のルールを実現した。

そのため既に海外ビジネスを展開している大企業のみならず、現在は国内取引に留まっている中小企業等にも大きなビジネスチャンスをもたらす可能性が期待されている。

そこで本レポートでは、TPPの概要とTPP発効後の海外ビジネス展開上の効果、県内企業の海外ビジネスの展望などについて紹介する。

1.TPPの概要

TPPは日本、米国、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、ブルネイ、チリ、マレーシア、メキシコ、ペルー、シンガポール、ベトナムの環太平洋地域の12カ国が域内の関税撤廃などを進めて地域全体の経済活性化を目指す多国間の経済連携協定※(以下、EPA)である。

TPP協定が発効されれば、域内人口は約8億人、域内の国内総生産(以下、GDP)は世界全体の約4割(日本のGDPの6.1倍にあたる約3,100兆円、2014年時点)を占める結び付きの強い巨大な経済圏が誕生する(図表1)。

TPPは前文と30章で構成されている(後掲資料参照)。その内容は、関税の削減・撤廃の対象を定める原産地規則(製品がどの国で作られたかを特定する規則)、知的財産保護のほか、日本がこれまでに締結したEPAでは取り上げられたことがない労働者や環境の保護など多岐に渡る分野に及んでいる。

調査1
※ 経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)とは、自由貿易協定(FTA:FreeTrade Agreement)の要素(物品の関税削減・撤廃やサービス貿易の自由化)に加え、人の移動や投資、政府調達など幅広い分野で締結される協定。
日本は下記の15の国・地域との間でEPAを締結済み
[アジア] シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、ブルネイ、ベトナム、インド、モンゴル、ASEAN全体(インドネシアを除き発効)
[大洋州]オーストラリア
[中南米]メキシコ、チリ、ペルー
[欧 州]スイス(下線のある国はTPP参加国)

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外から見た新潟の魅力

2016/10/03 :感頭言

三菱商事株式会社 新潟支店 支店長 髙橋 和郎

2011年から5年間韓国ソウルで勤務し、この4月より新潟に参りました。

韓流ブームで日本人だらけの当時から状況は様変わりし、ソウルも今や中国人で溢れていますが、日本も中韓台、ASEANからの旅行者が激増し、本年の訪日外国人旅行者は2千万人を超える見込みとの事。観光は日本にとって今後の重要な産業になりそうです。

日本旅行の魅力について韓国人と会話をすると常に出るのは、美味しい日本料理やお酒、温泉旅館が何より楽しみで、さらに海に囲まれ冬は雪が降る変化に富んだ自然、歴史を伝える文化遺産や街並の情緒も大好きのようです。他のアジアの国の人たちも同様でしょう。 続きを表示…

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グラフで見る県内経済2016年10月(八月の新潟県経済)

2016/10/03 :グラフで見る県内経済

概況:横ばいで推移しているものの、一部に弱さがみられる県内経済。公共投資は減少しつつある

生産活動:弱含んでいる

無題6月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比2.6%上昇して100.8となった。出荷指数は同2.9%上昇して102.1となった。在庫指数は同0.2%低下して130.3となった。

はん用・生産用・業務用機械や化学は新興国経済の減速や円高の影響で、弱い動きとなっている。

電子部品・デバイスはスマートフォン向けなどで一部に明るさがみられるものの、全体としては低水準となっている。

一方、食料品は米菓や水産練り製品などを中心に、好調を維持している。

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緑水工業株式会社

2016/10/03 :探訪

献身的な努力を続け市民に安心で安全な水を提供する   緑水工業株式会社

県内で下水道処理施設の管理を民間で初めて受託した緑水工業株式会社。その後、上水道処理施設の管理にも進出し、現在では県内の上下水道処理施設の管理において多くの自治体から厚い信頼を得ています。

そこに至るまでの経緯と今後の展望について家老社長からお話をうかがいました。

探訪[会社概要]
代表者 家老 俊一
所在地 長岡市
設立 1959年3月
社員数 403名
資本金 9,000万円
事業内容 上下水道関連施設の管理・バイオマス事業
URL http://www.ryokusui-k.co.jp

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第7回

2016/10/03 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていてもビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは・・・、お客様は「人」である、ということ。

そして人は「心」で好き嫌いを感じ、「心」で興味を抱き、「心」で買うか買わないかの行動を決定します。

そのためどんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の「心」に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

これは覚えなくてもよいです

私は講演会でよく次のような話をします。

「相手と良好なコミュニケーションを取るためには5つの要素があります。それは環境、行動、能力、状態、関係性です」

そして、ホワイトボードにペンで環境、行動、能力、状態、関係性と大きく書いてから、参加者の方に顔を向けて、こう言います。

「これは覚えなくてもよいです」

すると不思議なことが起こるのです。覚えなくてもよいです、と言っているにも関わらず会場内でメモを取る人が増えるのです。

話は変わりますが、あなたにはカリスマ性がありますか?リーダーシップの専門家オリビア・F・カバン氏の研究によるとカリスマ性に関して次の2つのことが分かっています。

(1)カリスマ性は生まれ持った能力や才能ではない。

(2)カリスマ性は非言語的な振る舞いが生み出す。

そして、オリビア・F・カバン氏の研究をもとにあなたが今日からすぐにカリスマ性を身につけるための実効性の高い方法を下記のレポートにまとめました。

▼『 あなたがカリスマ性を手に入れて人生を変える7つのこと。』

http://www.middleage.jp/charisma/rep_form.html

でも、上記にはアクセスしないで下さい。読まないでくださいネ。

・・・と、書くとアクセスしたくなるのが人情です。

またまた、話は変わりますが私の母は介護が必要な状態になってから以前にも増して頑固になりました。

ご飯を食べるときにポロポロと口からこぼすので

「もっとテーブルに近づいて食べてよ!」

と言ってもまったく言うことを聞きません。

でも、洗濯物を取り込んで、母の座っている近くに

それを置いて

「たたまなくてもいいからね」

と言ってその場を去ると、しばらくして母は洗濯物をたたみ始めます。 続きを表示…

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観光立国に必要な消費者教育

2016/10/03 :地域観光事業のススメ方

株式会社 井門観光研究所 代表取締役  井門 隆夫(いかど たかお)氏

─ブラック企業はなぜできる?─

1.日本の大学生

今夏、観光を学ぶ大学生31人をインターンシップに送り出した。インターンシップとは、社会に出る前の就業体験のことで、文部科学省が昨今打ち出している学生の「生きる力」、経済産業省の言葉では「社会人基礎力」の養成を目的としている。数日や1週間程度の「職場見学」程度のものもあるが、現場組織でスタッフとして認められるには最低でも3週間は必要で、全員3週間以上のインターンシップを地域(島根県隠岐、和歌山県龍神温泉、カンボジア等)で行った。インターンシップ先に共通するのは「観光資源は豊かだけれど、資源として認められてないものが多く、周囲にはコンビニ等もない自然の中の宿泊施設」で、最後に地域の観光振興に対する提案を行った。

私が学生を現場に送り出す目的は、「消費者(旅行者)としての経験しかない学生に、地域の生産者(サービス提供者)としての立場を理解してもらうため」その一点である。特に、経験するのは夏の最繁忙期であり、多くのお客様が来訪する。来る日も来る日も多忙に明け暮れ、参加学生からも「今日はお客様に来ないで欲しいと思った」という本音も出た。その経験が欲しいのである。

なぜ、観光産業が「3K」と呼ばれ、給与の割に仕事がきついといわれたり、あるいは、もっと広く、世の中でなぜ「ブラック企業」が生まれたりするのか。その点を考えて欲しいのだ。

それは「サービス価値に対して価格が低い」ためだ。言い換えれば「消費者が強い」のだ。消費者主導の観光を設計している限り、実は地域は発展しない。観光にも限界がくる。生産者主導で設計し、消費者が追認する地域づくりこそが今求められているのだが、多くの地域がやっているのは「消費者への迎合」だ。こうした傾向を改め、日本を観光で豊かにするためのイノベーションを起こしたい。それこそが観光を学ぶ学生の使命であり、観光学部・学科を設置する大学の役割だと思っている。

しかし、インターンシップの最後で行われる成果発表の過半数は残念な発表に終わる。その多くが「コンビニがあれば、お客様満足度が高まる」「二次交通が不便なので、バスを増便すべき」「オフを解消するために若者が集まるイベントを開催したい」といったもので、「そのお金どこから出てくるの?」「収益は考えてみた?」というものばかりだからだ。あくまでも都市の消費者発想でしかなく、地域資源の価値や地域の事業者・生産者の立場すら想像できていない。インターンシップ先の皆様には申し訳ない限りなのだが、これから教室で議論すべきことが山ほどできる。

しかし、インターンシップでの現場経験があってこそ、実体験と本来提案すべきイノベーティブな発想が結びついていくので、もう少し時間をいただければ幸いである。 続きを表示…

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2016年度下期マーケット海外頼みに戻った日本市場

2016/10/03 :マーケットレポート

第一生命経済研究所首席エコノミスト 嶌峰 義清(しまみね・よしきよ) 氏

※ 本稿は、2016年9月6日現在で執筆されたものです。

1.上期市場の振り返り

2016年度上半期のマーケットは、米国経済が明るさを強める一方で、中国経済の停滞やイギリスのEU離脱騒動に代表される不透明な国際情勢など、景気にとって好材料と悪材料とが混在するなかで方向感に欠ける展開となった。

上半期のマーケットにとってもっとも大きなトピックスは、6月下旬に行われたEU離脱の是非を問うイギリスの国民投票だった。離脱支持票が反対票を上回るという予想外の結果に、グローバルマーケットはリーマン・ショック時を彷彿とさせるような混乱状態に陥る局面もみられた。しかし、当時のように金融市場が機能停止に陥るようなことはなく、市場の混乱も1週間ほどでおおむね沈静化した。EU域内経済への直接的な影響は限定的なうえ、イギリスがEUから離脱するまでには最低でも2年程度の時間を要すること、交渉次第ではイギリス経済への影響を少なくすることができること、などが市場の混乱を限定的なものにとどめたと考えられる。

一方で、米国経済が明るさを増したことで、世界的に景気に対する不安感は幾分後退した。日本やユーロ圏などの量的緩和政策をはじめとした世界的な金融緩和状態が続いたことによる低金利もあり、イギリスのEU離脱問題などで一時的な混乱はあったものの、世界的には株式市場は堅調に推移した。

日本では、米国金利の低下がドル安圧力を高め、円高が進んだ。さらに、消費税率引き上げ以降続いている景気の低迷もあって、株価は低調な推移となった。

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第34回 「爆買い」の先へ/上海夜猫子事情

2016/10/03 :チャイナレポート

「爆買い」の先へ

【はじめに】

今年に入ってから日本の新聞や雑誌で「中国人による『爆買い』失速」「インバウンドブームの終焉」といったキーワードを目にする機会がある。こうした報道からは、中国経済の失速により、訪日旅行自体が失速している様な印象を受けるが実際はどうなのか。本稿では最近の中国人旅行客の動向についてまとめていきたい。

【1人当たりの消費金額は減少するも訪日客数は増加】

全国百貨店協会が発表している「全国百貨店売上高概況」をみると、訪日外国人による売上高や購買単価は下落傾向にある。中国からの訪日客の動きについて詳しくみていくと、円高の進行、海外で購入した贅沢品を中国に持ち込む際の関税の引き上げ、中国の空港での税関検査の厳格化などを理由に贅沢品の購入は減少している。しかし、スキンケア商品、オムツなどの日用品については、昨年関税の引き下げ対象となったため依然として根強い人気がある。こうした状況をふまえると中国人旅行客による日本での買い物需要がなくなったわけではない。

2016年7月20日に日本政府観光局(JNTO)が発表した、16年上半期の訪日外国人の累計は前年同期比28.2%増の1,171万人となり過去最高を更新した。中国からの訪日客数も、前年同期比41.2%増の307万人と過去最高となっている。増加要因としては訪日ビザの発給要件の緩和、クルーズ船の寄港増加、日中間の地方航空路線の拡大、国・自治体による訪日旅行プロモーションの効果などがあげられる。

総じてみると、消費金額で減少しているが訪日客数は増加しており、中国人旅行客が日本から離れているわけではない。

【広がる日本旅行へのニーズ】

チャイナ1上海市内の旅行代理店に最近の中国人旅行客の動向について旅行形態別に話を聞いた。要点は以下のとおりである。「個人旅行の割合が団体旅行の割合を上回っている」「個人旅行は上海やその近隣都市に住む、日本旅行の経験があるリピーター客に人気」「団体旅行は内陸部や東北部など地方都市に住んでいて、初めて日本を旅行する人が申し込むケースが多い」「個人旅行で人気のプランは『郷土料理の食べ歩き』や『ローカル線での記念撮影』など」「リピーター客の参加が多い個人旅行は『その土地でしか経験できないこと』『鉄道、カメラなど趣味を楽しめる』といったプランを盛り込むことが重要」「顧客のニーズは拡大している。その土地ならではの観光情報を日本の自治体、企業からどんどん提供してほしい」「団体旅行は初めて日本に旅行する人向けの商品が中心」「初心者向けの商品で特に人気があるのはクルーズ船を利用したツアー」
「クルーズ船での移動は目的地まで乗り換えの必要がない点、お土産等たくさんの荷物を運べる点が評価されている」「団体旅行のなかで注目の旅行プランは教育機関による交流旅行」「交流旅行とは中国の小・中学生が吹奏楽、サッカーなどの文化・スポーツ活動や太鼓・三味線等の伝統芸能を通じて、日本の小・中学生と親睦を深める企画」

【口コミ情報がカギ】

現在、中国では「WeChat(微信)」と呼ばれるSNSが普及している。日本で人気のあるLINEと同じ様なサービスである。SNSを幅広い年齢層の人々がコミュニケーションの手段として利用しており、SNSを利用した「観光情報」の共有が進み、これまでなかった旅行ニーズが創り出されている。多様化する旅行ニーズを取り込むためには、まず「中国のインターネット旅行サイトに掲載されている口コミ情報」やブログといった媒体から中国人旅行客が興味を持っている情報や嗜好に関する情報を収集し、彼らがSNSを通じて情報を共有したくなるサービスを開発することが有効ではないだろうか。自分達が気づいていない、地元の観光資源を外国人の目を通じて発掘していくことは、決して無駄なことではないと思われる。

【地方にもインバウンドのチャンス】

チャイナ2「中国人をはじめとする外国人旅行客は東京、大阪などの大都市や九州、北海道などの有名観光地にしか興味がない」「地方の零細企業、地方の自治体にはインバウンドなんて関係ない」こうした意見をお持ちの方あると思うが、ここで方を少し変えてみてはいかがだろうか。たしかに、中国人観光客にとって大都市での買い物は、品質の良い日本製品を購入するチャンスであり、人気の観光コースである。しかし、日本を訪れたことがあるリピーターが増加している今、「モノ」だけでなく各地で体験する「コト」への関心が高まっているのは、先の上海市内の旅行代理店での話のとおりである。

現在、中国の航空会社では中国の地方都市から日本の地方都市への旅行者を増やすため、旅行会社、公共交通機関運営団体等と連携し、様々な施策を展開している。人気路線である中国の大都市と日本の大都市を結ぶ路線の運営に注力するだけでなく、地方都市に住む人に日本旅行のニーズを喚起するため懸命に努力している。こうした中国企業と日本の地方にある都市や企業が連携し、新たなビジネスチャンスを生み出していくことができるのではないだろうか。

円安を受けて急拡大した贅沢品の大量購入はなくなったが、品質の良い日本製の生活用品は中国市場で根強い人気があり、日本を訪れて買い物をしたいと思う中国人旅行客がいなくなったわけではない。また、新たな旅行ニーズも生まれてきている。「爆買い」の先にある新たな商機は身近にあるのではないだろうか。新潟県内企業や自治体がインバウンド需要を取り込むためのヒントを引き続き探していきたい。
(上海駐在員事務所 柄澤 雄)

上海夜猫子※事情

チャイナ3日本では、深夜にお腹が空いた時に行く場所といえば、コンビニや遅くまで営業している居酒屋さんでしょうか?上海にも夜食文化があります。中国語では夜食のことを「夜宵(イエシャオ)」と呼びます。夜宵といえば、かつては小さな店で提供される蘭州(ランジョウ)ラーメンや麻辣湯(マーラータン)、羊肉の串焼きなどが一般的だったのですが、ここ数年では、中華料理店など本格的な店舗で深夜営業を行う店が増え、夜食業界は多様化してきています。

また、上海の夜食事情では、「夜市(イエシ)」の存在をぬきに語ることができません。「夜市」とは、夕方から深夜まで営業している露店が並ぶ地域のことです。有名な中国台湾の夜市と同じようなものと言えば分かりやすいでしょうか。上海市内で人気がある「夜市」は、市内西部地区では「臨汾路夜市」、市内東部地区では「昌里路夜市」が挙げられます。夜市では、アクセサリー、生活雑貨、衣類などさまざまな屋台がならび、しかも激安価格で売られていますが、やはり「食」、特に、B級グルメが人気です。

数ある夜食店のなかで、上海の夜猫子達、特に若い夜猫子世代の間では「夜にだけ営業する朝食メニューの店(夜市豆浆油条店)」がブームになっています。上海の朝食定番メニューと言えば「大餅 (ダービン)」や「油条 (ヨウティヤオ)」があります。「大餅」とは、薄くの伸ばした小麦粉生地に油を塗って何層にも重ねて焼いたもので、甘い味と塩味の2種類があります。「油条」とは、小麦粉をこねて発酵させたものを細長く伸ばして油で揚げた揚げパンのようなものです。

この夜のみの朝食メニュー店は夜7時に開店し、午後9時頃から行列ができ始め、夜が深まるほど賑わいます。店内ではビールの代わりに豆乳(砂糖がたっぷり入った甘いものやしょっぱいもの)を片手に、大餅や油条を多くの若い夜猫子達がほおばっています。

話は少しずれますが店舗の中央に書かれている文字「本店支持 微信付款、支付宝付款(モバイルペイメントに対応しています)」があります。中国ではこのような店舗でも消費者ニーズに応える形でキャッシュレス化が広く浸透しています。面白いですね。

夜に朝食メニュー?と思うかもしれません。上海では15年くらい前までは街のいたるところに豆乳や油条、粥などを売る小さな店がたくさんあったのですが、パンとコーヒーの西洋の朝食文化、コンビニなどの新しい小売形態が日常生活に浸透してきたこと、また、食に対する安心、安全対策が強化されてきたことにより、このような伝統的な小店舗は次第に姿を消していきました。世界中から流入するさまざまな新しいモノ、コトに常に触れている若い世代が子供の時に食べていた豆乳や油条など伝統的な食文化を楽しむ姿からは、失ってよいもの、よくないものを考えさせられます。

※ 夜猫子(イエマオズ)中国語で夜更かしする人のことです。

(上海駐在員事務所 范 文佳)

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