12月2016

2016年冬期消費動向調査

2016/12/01 :自主調査(調査報告)

─「消費支出」は3期連続で低下するも小幅な低下にとどまっており、概ね横ばい圏内で推移─

[定例調査]県内勤労者世帯の消費意識と今冬のボーナスについて
消費動向1新潟県内の個人消費は横ばいで推移している。個人消費関連の経済指標をみると、百貨店・スーパー販売額(既存店)は、前年並みで推移している(図表1)。また、専門量販店販売額(家電・ドラッグストア・ホームセンターの販売額合計、全店)や乗用車新規登録・届出台数(軽含む)も概ね横ばい圏内で推移している。

こうした個人消費関連の経済指標の動きを踏まえ、個人消費の実態を把握するために県内勤労者2,000人を対象に、収入や消費支出の状況、今後半年間における消費項目の増減、購入・支出を予定している商品等についてアンケート調査を実施した。

1.収入の推移

─収入は、2期連続で低下するも横ばい圏内─

〈半年前と比較した収入について〉
 
消費動向2半年前と比べて収入が「増えた」と回答した人の割合は13.5%、「減った」と回答した人の割合は16.3%となり、収入CSIは▲2.8となった(図表2)。収入CSIは、2016年夏の調査と比べて1.0ポイント低下している。収入CSIは2期連続で下落したものの、横ばい圏内で推移している。

〈今後半年間の収入について〉

今後半年間の収入についても同様に尋ねたところ、収入予想CSIは▲11.8となった(図表2)。収入予想CSIは、足元の収入を示す収入CSIと比べて9.0ポイント低下しており、「減りそう」と回答した人の割合がやや高くなっている。

注)CSI(Consumer Survey Index):アンケートの回答結果を指数化したもので、ここでは「増えた・増えそう」と回答した人の割合から「減った・減りそう」と回答した人の割合を差し引いた数値のことをいう。CSIは、収入・消費支出・生活実感が増加(改善)基調か減少(悪化)基調かといった「変化の方向」と、拡張・後退が速いか遅いかといった「変化のテンポ」を示すものである。

2.消費支出の推移

─ 消費支出は3期連続で低下するも小幅な低下にとどまっており、概ね横ばい圏内で推移─

消費動向3〈半年前と比較した消費支出について〉
 
半年前と比べて消費支出が「増えた」と回答した人の割合は32.3%、「減った」と回答した人の割合は6.2%となり、消費支出CSIは26.1となった(図表3)。16年夏の調査と比べて4.5ポイント低下し、消費支出CSIは3期連続で前回調査を下回ったものの、小幅な低下にとどまっており、概ね横ばい圏内で推移している。

〈今後半年間の消費支出について〉

今後半年間の消費支出についても同様に尋ねたところ、消費支出予想CSIは22.5となった(図表3)。消費支出予想CSIは、足元の消費を示す消費支出CSIと比べて3.6ポイント低下しており、先行きの消費に対して慎重な見通しが示されている。

3. 今後半年間における消費支出項目

─「増えそう」は「交通・自動車関係費」が上昇─

今後半年間の消費支出について「増えそう」な支出項目と「減りそう」な支出項目をそれぞれ尋ねた(複数回答)。

消費動向4〈消費支出が増えそうな項目〉

「増えそう」と回答した割合が最も高かったのは「食費(外食費を除く)」で、以下「教育費(学費・教材費等)」「保健医療費」などの順となっている(図表4)。

15年冬の調査に比べると、「交通・自動車関係費」の回答割合が上昇した。一方、「食費(外食費を除く)」の回答割合が5.4ポイント低下したほか、「衣料・履物」の回答割合も1.9ポイント低下している。

〈消費支出が減りそうな項目〉

消費動向5「減りそう」と回答した割合が最も高かったのは「娯楽費(趣味・書籍・旅行等)」で、以下「外食費」「小遣い(含む交際費)」などの順となっている(図表5)。

15年冬の調査と比べると、「衣料・履物」の回答割合が2.6ポイント上昇したほか、「食費(外食費を除く)」も1.4ポイント上昇している。前頁の〈消費支出が増えそうな項目〉でもみられたように、食費(外食費除く)や被服費の支出を減らそうとする姿勢がややうかがわれる。

4. 今後半年間に購入・支出を予定している商品等

─ 耐久消費財では「スマートフォン」がトップ─

今後半年間で購入・支出を予定している商品等を、耐久消費財と非耐久消費財に分けて尋ねた(複数回答)。

消費動向6〈耐久消費財〉
 
耐久消費財では「スマートフォン」の回答割合が、15年冬の調査に続き最も高くなった(図表6)。以下「家電製品(冷蔵庫等)」「家具・インテリア用品」などの順となっている。

15年冬の調査と比べると、大きな違いはみられないものの、「乗用車」の回答割合が低下したほか、「家具・インテリア用品」「冷暖房機器」などの回答割合が低下している。

〈非耐久消費財〉

非耐久消費財では「婦人物衣料品」の回答割合が最も高く、以下「国内旅行」「紳士物衣料品」などの順となった(図表7)。

15年冬の調査と比べると、耐久消費財と同じく大きな違いはみられないものの、「スポーツ・アウトドア活動費」の回答割合が1.2ポイント上昇した。一方、「子供用衣料品」の回答割合が2.3ポイント低下したほか、「教育費(学習塾・家庭教師等)」も1.2ポイント低下している。

5.ボーナス支給予想

─ボーナス支給予想は、横ばいで推移─

消費動向8今冬のボーナスが昨年の冬と比べて「増えそう」と回答した人の割合は6.2%、「減りそう」と回答した人の割合は14.4%となり、ボーナス支給予想CSIは▲8.2となった(図表8)。15年冬の調査を0.7ポイント下回ったものの、小幅な低下にとどまっており、概ね横ばいで推移している。

今冬のボーナス支給予想CSIを年代別に15年冬の調査と比べると、10~20代、30代で「減りそう」と回答した人の割合が上昇している(図表9)。一方、40代で「増えそう」と回答した人の割合が上昇しており、年代によって回答が異なっている。

6.ボーナスの使途

(1)ボーナスの使途

─「預貯金等」がトップ、回答割合は低下─

消費動向10今冬にボーナス支給があると回答した1,121人を対象に、ボーナスの使途について尋ねたところ(複数回答)、「預貯金等」の回答割合が51.8%となり最も高くなった(図表10)。以下「生活費の補填」「買い物」などの順となっている。

15年冬の調査と比べると、「預貯金等」が1.7ポイント低下している。なお、15年冬の調査で増加した「買い物」「旅行・レジャー」などの余暇関連の支出意向は、堅調だった前年並みで推移している。

消費動向11ボーナスの使途を年代別にみると、全ての年代で「預貯金等」が第1位となった(図表11)。第2位は10~20代では「買い物」、30代、40代、50代、60代以上では「生活費の補填」となった。また、「預貯金等」「買い物」の回答割合は、高い年代ほど低くなっている。

(2)預貯金等の内訳

─「 普通預金」は横ばい。「定期預金」は4.1ポイント上昇─
 
消費動向12今冬のボーナスの使途で「預貯金等」と回答した581人を対象に、その内訳を尋ねたところ(複数回答)、「普通預金」と回答した人の割合が66.8%と最も高くなった(図表12)。次いで、「定期預金」が35.8%となり、15年冬の調査と比べると4.1ポイント上昇した。

7.まとめ

消費動向13今回の調査結果では、「消費支出」は3期連続で低下したものの、小幅な低下にとどまっており、概ね横ばい圏内で推移している。ただし、今後の支出については慎重な見通しが示されていることから、消費が弱含むことも懸念される。

こうした背景には、「収入」が15年の冬まで上昇基調にあったものが、足元では横ばいとなっており、収入の伸びを期待できない勤労者世帯が支出を抑える動きをとっていることなどが考えられる。

一方、食費(外食費を除く)や被服費などの支出を抑える意向がみられるものの、ボーナス使途をみると、「買い物」「旅行・レジャー」など余暇関連への支出意向は堅調であり、消費にメリハリをつける傾向もうかがえる。

収入が横ばいで推移するなか、景気に大きな影響を与える個人消費が、今後どのように推移するのか注視したい。
(2016年11月 齋藤 貴大)

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国内旅行に関するアンケート調査

2016/12/01 :自主調査(調査報告)

─県内消費者の約7割が過去1年以内に国内宿泊旅行を経験─

はじめに
全国的にみると国内宿泊旅行は堅調に推移している。観光やレクリエーション目的の1人あたりの旅行平均回数が持ち直し、平均泊数も増加している。
こうしたなか、新潟県内消費者の国内旅行の需要動向を把握するために、アンケート調査を実施した。

1.国内旅行の現状

(1)国内宿泊旅行の経験率の推移

─ 観光・レクリエーション旅行は毎年5割以上が経験─

国内旅行1観光庁の「旅行・観光消費動向調査」をみると、過去1年以内に宿泊を伴う国内旅行に1回以上行った人の割合(全国平均)、いわゆる「旅行経験率」(2015年)は帰省や出張を含む旅行全体で62.08%となった。また、旅行全体から帰省と出張を除いた観光・レクリエーション旅行に限ると53.17%となっている(図表1)。

(2) 観光・レクリエーション旅行の旅行平均回数・平均泊数

─平均泊数は近年増加傾向─

国内旅行2次に、国内宿泊旅行のうち、観光・レクリエーション旅行について1人あたりの「旅行平均回数」をみると、15年には1.35回/人(全国平均)となり、2年ぶりに増加に転じた(図表2)。また、旅行1回あたりの1人あたり「平均泊数」は15年には1.68泊/人回(全国平均)となり、近年増加傾向にある。

このように、旅行経験率はやや低下傾向にあるものの、旅行平均回数の持ち直しに加え、平均泊数も増加傾向にあり、日本国内の宿泊旅行は堅調に推移していることがうかがえる。

 

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男女共同参画社会について

2016/12/01 :感頭言

新潟県副知事 北窓 隆子

今年度は、男女雇用均等法施行30周年かつ女性活躍推進法が施行された年でもある。法律等の実効性についての議論もあるが、そもそも何故、女性の活躍推進が望まれているのか考えてみたい。

まず最初に、人口減少期の日本において潜在的な労働力として期待されていることが挙げられる。女性の労働力率のM字型カーブの解消が言われて久しい。

次に、ダイバーシティ推進の観点からの必要性である。行政サービスの受け手や企業が提供する商品やサービスの消費者の半分は女性である。女性の視点を意識した商品やサービスの提供につなげるために、意思決定のあらゆる場に女性が加わることが望ましい。 続きを表示…

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グラフで見る県内経済2016年12月(十月の新潟県経済)

2016/12/01 :グラフで見る県内経済

概況:横ばいで推移しているものの、一部に弱さがみられる県内経済 力強さに欠ける生産活動

生産活動:弱含んでいる

県内経済8月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比2.5%低下して96.0となった。出荷指数は同0.5%低下して97.7となった。在庫指数は同1.4%低下して130.1となった。

はん用・生産用・業務用機械や化学は海外需要の減少や円高の影響で、弱い動きとなっている。

電子部品・デバイスはスマートフォン向けなど一部に明るさがみられるものの、全体としては低水準となっている。

一方、輸送機械は自動車部品を中心に持ち直しの動きがみられる。

 

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サトウ産業株式会社

2016/12/01 :探訪

消費者の豊かな食生活と健康を願い安心・安全・正直に惣菜をつくる サトウ産業株式会社

製粉業で創業し、現在ではカップサラダなどを中心とした惣菜を製造しているサトウ産業株式会社。県内の多くのスーパーの店頭で当社の商品が並ぶほか、近年では北関東のスーパーでも多く取り扱われています。

惣菜をはじめられた経緯や現在の取り組みについて佐藤社長からお話をうかがいました。

探訪[会社概要]
代表者 佐藤 総一郎
所在地 魚沼市
創業 1964年
社員数 280名(パート従業員含む)
資本金 2,200万円
事業内容 サラダ・和惣菜・カット野菜の製造卸
URL http://www.satosangyo.

写真:「消費者の方やスーパーなどのお取引様に支えられてきた」と語る佐藤社長

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今すぐできる選りすぐりのアイデア第9回

2016/12/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていてもビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは・・・、お客様は「人」である、ということ。

そして、人は「心」で好き嫌いを感じ、「心」で興味を抱き、「心」で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の「心」に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

誕生日はウレシイ

酒井さんフェイスブックを利用している方はご存知だと思いますが、画像にあるようにフェイスブックの利用者には、その日に誕生日を迎える友達を記したメールが届きます。

私はこの連絡メールをチェックして、誕生日のお祝いメッセージを友達のタイムラインに投稿します。

すると、当たり前ですがその友達は喜んでくれます。

また、私は大切な人の誕生日を打ち合わせの場や飲み会の席でそれとなく聞き出します。そして、相手に分からないようにメモを取ったり、スマホに誕生日を書き込んでおきます。

その友達の誕生日にはプレゼントを贈ります。誕生日当日までは黙っていて、いきなりプレゼントを持って行ったり、電話をしたり、メールをしたりします。

当たり前ですがみんな喜んでくれます。

ちょっとしたプレゼントでも、カードでも、メールでも、電話でも『お誕生日おめでとう!!』と伝えると本当にみんな嬉しそうです。

人が一番うれしい誕生日は『自分の誕生日』。

人が一番よく覚えている誕生日はもちろん『自分の誕生日』です。人が案外覚えていないのは『自分以外の人の誕生日』です。そして、覚えていてくれると一番うれしいのは『自分の誕生日』です。

もし、あなたが誰かに喜んでもらいたいと思うなら、その人が1年で一番うれしい1日のひとつは間違いなく誕生日なのだから、その日に何か行動しない手はないですよね。それはかなり喜んでもらえる確率が高い行動になります。

そして、商売人、ビジネスマンとしてもその日はお客様に喜んでいただき、しかも相手に良い印象を深く残してもらえる1年で大切な1日でもあります。

大企業はお客様の数が多すぎて、一人ひとりのお客様や取引先の誕生日にお祝いをすることは事実上不可能です。

でも、小さな会社やお店ならやる気だけあれば簡単にできます。 続きを表示…

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一人旅のすすめ

2016/12/01 :地域観光事業のススメ方

株式会社 井門観光研究所 代表取締役  井門 隆夫(いかど たかお)氏

─増える一人旅、宿も歓迎する理由─

1.一人旅下見ツアー

新聞で「ひとり旅を応援」という小さな広告を見かけた。一人旅のツアーの広告かと思えば、少し違う。「羽田の集合場所めぐり」というこの日帰りツアー。実は、「一人旅ツアーに参加しようと思うが、旅をしていなかったので最近の空港や駅の様子もわからないし、集合場所まで一人でたどりつけるか心配」という方々に向けた「一人旅ツアーの集合場所下見ツアー」なのだ。

新聞の記事などによると、ツアーはほぼ満席で、参加者は60~70代のシニアが中心のようだ。一人旅の行き先は国内外様々なので、羽田空港の国内線・国際線出発ロビーや東京駅を下見してまわる。

下見ツアーがあるということは、もちろん、その本番である一人旅ツアーもあり、近年どんどん増加しているという。なかには、夫婦で参加するのだが寝室は一人ずつがよいと、一人旅ツアーに参加する夫婦が過去におり、現在では「完全なるお一人様限定」ツアーのほかに、「夫婦で参加し寝室はシングル」ツアーまであるというから、まさに「お一人様」全盛期に入りかけているといえるだろう。 続きを表示…

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第35回 便利さの向こう側/中国の食品安全とビジネスチャンス

2016/12/01 :チャイナレポート

便利さの向こう側

チャイナレポート上海で最近、人気がでてきている自転車のレンタルサービスを紹介します。白とオレンジ色のちょっと目を引く自転車が、今年の夏頃から市中心部でよくみられるようになりました。この新しい自転車レンタルサービス名を、「MOBIKE(摩拜单車)」といいます。

このサービスは、ウーバーの元上海区総経理王暁峰氏の新しいチームが「目的地まで最後の1キロを解決!」をコンセプトに開発され、上海市、北京市を手始めに開始されました。

従来の自転車レンタルサービスでは、指定された駐輪場から駐輪場の間の移動に限られていましたが、MOBIKEは「点から点」の移動ができることが特徴です。

MOBIKEの利用方法について紹介します。まず利用開始時に、スマートフォンでアプリをダウンロードし、299元(4,784円(1元=16円))のデポジットを差入れます(デポジットはもちろんオンライン支払)。利用料金は1元/30分(16円)。支払いは微信や支付宝(中国大手のモバイル決済アプリ)のネット決済を利用します。次に具体的な利用方法では、実名認証(中国人はIDカードの写真を送信、外国人の場合はパスポートの顔写真が必要)を行い、アプリを起動します。アプリを開くと、地図画面に自分の居場所の近くにある利用可能な自転車が表示されます。そのなかから利用したい自転車を選んで、予約ボタンを押すと、その自転車は15分間保留されます。選んだ自転車が置いてある場所へ行きます。みつからない場合は画面のRingボタンを押すと自転車から音が出ます。自転車をみつけたら、アプリ画面下の「解除」ボタンを押すと、バーコードスキャンの画面になり、自転車に付いているバーコードをスキャンして暫く待つと、自動で開錠され利用開始です。返却時は後輪の固定鍵をロックするだけ、3回ビープ音が鳴れば、スマホアプリにより返却手続きの完了が通知されます。MOBIKEの返却場所は、歩道上に表示されている囲まれたスペース内であればどこに駐輪してもよく、非常に便利です。

サービスの利用上幾つかの禁止事項が設定され、利用者に対するマナーの啓蒙を図る仕組みがあります。禁止事項の例として、自分の鍵を使って施錠することの禁止、自宅や住宅街への持ち込み禁止などがあり、禁止事項に違反した場合は交通違反点数のように20点の減点(最初の持ち点は100点)がされます。持ち点が80点以下になると、MOBIKEの利用料は、100倍の100元/30分間(1,600円)まで跳ね上がります。更に、違反をしている自転車を申告すると加点される制度もあるなど、中国らしいルールが設定されています。

上海市では今年の春から、交通マナーの改善強化運動が開始され市内中心部の多くの道路が駐停車禁止区域となり、多くの人が困っていた状況にあったので、このサービス利用者数は現在、急増しています。交通マナーの改善運動に対する課題解決として生まれたこの便利な新サービス。自転車運転マナーという新たな問題を生じさせないか少し心配です。
(上海駐在員事務所 范 文佳)
(注:寄稿時 1元=16円)

中国の食品安全とビジネスチャンス

【はじめに】

中国国内では政府による積極的な対策強化にも関わらず食品偽装事件が発生し、「食の安全」が強く求められていることは周知の通りであるが、個人所得の増加を背景に「食の安心」に高い意識を持つ人々も年々増加している。全国的にみても食品製造業が多い新潟県にとって中国における食品安全への取り組みがビジネスチャンスとなるか考察してみたい。

【中国の輸入食品規制】

東日本大震災に伴う原発事故の影響から、中国政府は2011年4月9日以降、新潟県を含む日本の10都県(福島、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野)産の食品の輸入を停止している。輸入停止から既に5年が経過するが、解除する見通しはたっていない。新潟県の食料品を中国国内市場へ直接、輸出することは残念ながらできない。

【中国の食品安全】

中国では、食の安全に関する問題の発生が続いたため、「史上最も厳格」といわれている「改正食品安全法」が2015年10月に施行された。同法では食品安全のトレーサビリティ体制構築や違法行為に対する罰則強化など管理範囲が強化されているが、法改正が行われた背景には、中国の消費者における食の安全に対する意識の浸透と高まりがある。食品の安心安全と同時に味に対する意識が高いといわれている日本の消費者市場で戦っている日本企業にとって、その能力を活かせる新たな市場となるのではないだろうか。

【深化する日本料理市場】

チャイナレポート2上海における日本料理の広がりを考えると、「飲み食べ放題システム」と「訪日観光客増加」がポイントとしてあげられる。

「飲み食べ放題システム」とは、簡単にいえば日本食バイキングである。バイキングは高級ホテルを除けば日本料理店以外にはほとんどみられず、多種多様な料理を安価に楽しめる機会を提供するこのシステムは外国の料理になじみの浅い人のなかに、広く深く日本料理を浸透させる仕組みとなっている。近年の中国人訪日観光客の増加により、うなぎ料理などの専門店、個人営業の居酒屋や小料理屋など販売チャネルの多様化が起き日本料理市場がより深化してきている。上海市内の動向だけで市場全体の動きを判断することはできないが、他の都市でも同じ様な発展パターンがみられ、今後の方向性を示すものとして考えてもよいのではないか。

【新潟県企業の可能性】

新潟県の食品製造業のなかで、既に中国国内で製造販売を行い、売上が順調に拡大している企業が存在している。県内には多様な食品製造業が存在し、現在の中国市場が求めているモノ、サービス、ノウハウを保有している企業が存在する可能性は高い。さらに、食品製造業を支えるサプライチェーンにおけるさまざまな関連分野(原材料、計測器や生産設備、包装、物流管理など)の企業においても、中国市場の抱える課題を解決することができるであろう。中国の食の安全問題と日本食の深化をキーワードに自社の可能性を検討してみてはいかがだろうか。
(上海駐在員事務所 柄澤 雄)

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