6月2017

特別調査 ─事業承継に関するアンケート調査─

2017/06/01 :自主調査(調査報告)

はじめに

会社の経営を後継者に引き継ぐ、いわゆる事業承継のタイミングを迎える企業が増えている。中小企業庁が2016年12月にまとめた「事業承継ガイドライン」と株式会社帝国データバンクの「中小企業の成長と投資行動に関するアンケート調査」(2015年12月、中小企業庁委託)によると、中小企業の経営者の年齢は、1995年頃には47歳前後が最も多かったが、2015年には66歳前後となってきている(図表1)。また、同ガイドラインによると、中小企業経営者の引退年齢は平均では67~70歳程度であるため、今後5年程度で多くの中小企業が事業承継のタイミングを迎えることが想定されている。

そこで、当センターでは県内の事業承継の状況を把握するために、県内企業1,000社を対象にアンケート調査を行った。以下はその結果である。

1.県内企業の事業承継の状況

(1)経営者の年齢

─「60歳以上」が半数超を占める─

県内企業に経営者の年齢を尋ねたところ、「60歳代」と回答した割合が40.4%と最も高く、以下「50歳代」(27.7%)、「40歳代」(15.6%)、「70歳以上」(13.5%)などの順となっている(図表2)。

なお、「60歳代」と「70歳以上」を合わせた『60歳以上』の割合は53.9%となり、全体の半数超を占めた。

(2)事業承継の予定

─『 事業承継を予定している』企業の割合は半数を超える─

事業承継の予定について尋ねたところ、「事業承継は当面予定していない」と回答した企業の割合が43.1%と最も高く、以下「事業承継を予定しており、後継者も決まっている(以下『後継者決定』)」(35.3%)、「事業承継を予定しているが、後継者が決まっていない(以下『後継者未決定』)」(21.4%)などの順となっている(図表3)。

このうち『後継者決定』と『後継者未決定』を合わせた『事業承継を予定している』企業の割合は56.7%となった。一方、「自分の代で廃業を考えている」は0.2%とごくわずかな割合にとどまった。

(3)後継者の予定

─『 後継者決定』先では「親族内承継」、『後継者未決定』先では「親族以外の役員・従業員への承継」がトップ─

①『後継者決定』と回答した企業

「(2)事業承継の予定」で『後継者決定』と回答した企業に後継者の予定を尋ねると、「親族内承継」の割合が81.2%と最も高く、以下「親族以外の役員・従業員への承継」(12.2%)、「外部からの招聘」(1.7%)などの順となっている(図表4)。

②『後継者未決定』と回答した企業

「(2)事業承継の予定」で『後継者未決定』と回答した企業に後継者の希望を尋ねると、「親族以外の役員・従業員への承継」の割合が43.6%と最も高く、以下「親族内承継」(32.7%)、「外部からの招聘」(6.4%)などの順となっている(図表4)。

後継者が決まっている場合と比べると、「親族内承継」の割合が48.5ポイント下回った一方で、「親族以外の役員・従業員への承継」が31.4ポイント上回った。

(4)事業承継における課題

─「後継者の育成」がトップ─

「(2)事業承継の予定」で『後継者決定』『後継者未定』と回答した企業に、事業承継において課題と感じていることを尋ねると(複数回答)、「後継者の育成」の回答割合が65.7%と最も高く、以下「社内体制の見直し」(45.8%)、「後継者への株式譲渡」(24.5%)、「取引先との関係維持」(23.1%)などの順となった(図表5)。

事業承継の予定別でみると、『後継者決定』と回答した企業では「後継者への株式譲渡」や「相続税・贈与税の負担」などのへの回答割合が、『後継者未決定』の企業に比べて高かった。一方、『後継者未決定』と回答した企業では「後継者の育成」や「借入金・債務保証の引き継ぎ」「役員や社員からの理解」などの回答割合が高かった。

~全文は以下のPDFをご覧ください。~

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第15回

2017/06/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

中小個人企業の基本戦略

中小個人企業の基本戦略のひとつに差別化がありますが、差別化とは言いかえると強い競合先や大手企業とは「まったく別なことをする」ということになります。しかし、人間は他の人(会社)と違ったことをすることに無意識に抵抗します。

これは古来からの共存、協調の生活習慣が遺伝子にしみ付いているせいなのかもしれませんね。案外、他の人(会社)と違うことをするというのは言うは易く行うは難しいことです。

先日、テレビをみていたら一流ダンサーのAさんが登場しました。彼は世界的に有名なあるトップアーチストにあこがれてダンスを始めたのだそうです。Aさんがダンスを始めたので私はそれをみていました。Aさんのダンスは上手い、たしかに素人目にもすごいダンスです。おそらく万人の誰がみても「彼はダンスがとても上手だ」と評価すると思います。…でも、私は何か物足りない気がしました。

「なぜだろう?こんなに上手なのに?」

と考えました。

たしかにAさんのダンスの技能はすごいのだけれど、彼が目指したトップアーチストのダンスとその踊りがダブるのです。だから、ついAさんとそのアーチストのダンスを比較してしまいます。比較するとやはりトップアーチストのダンスにはかなわないのです。

多分、Aさんはその分野で一番になるのは難しいのではないか…そう感じました。

また、その番組にはダンスと空手とCGを組み合わせたパフォーマーのBさんも登場していました。Bさんは荒削りだし、まだまだ改善改良進化の余地はあるけれど、私はとても面白いと感じました。

「Bさんはどうしてこんなに面白いのだろう?」

と考えました。

それは…他の人と同じではなく、差別化しているからです。

Bさんは他の人がやっていないことをダンスにしているので、他のパフォーマーと比べることができないのです。

私はAさんよりもBさんのダンスの方がはるかに気に入りました。

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デュアルワークが拓く地域の未来

2017/06/01 :観光イノベーションで地域を元気に

株式会社 井門観光研究所 代表取締役  井門 隆夫(いかど たかお)氏

─仕事と観光の融合が導く「働き方改革」─

1.ブリージャーとは

官庁からの依頼で地域へのアドバイス業務が続いた。仕事をいただくのは有難い限りなのだが、その後の旅費精算が毎度の悩みの種。事務局と何度もやりとりをすることを考えると、受ける前から気持ちが沈む。例えば、こういう例が多い。広島での業務の翌日、東北へ飛んで同様の仕事。その際、広島・仙台間を空路で結べば、時間的にも費用的にも効率的で生産性が上がる。しかし、それぞれの発注官庁はいずれも東京からの往復新幹線代での精算を求めるため、それに従うと時間も費用も無駄にすることが多いのだ。

一方、欧米の成熟国家でトレンドとなりつつある仕事のスタイルが「ブリージャー(Bleisure)」。ビジネス(Business)とレジャー(Leisure)を合わせた造語で、発音を喜び(Pleasure)にかけている。この新語は、昨年から流行りはじめ、世界的なOTA(オンライン旅行予約サイト)のBooking.comの「2017年旅行トレンド予想」で堂々の2位に輝いた。ブリージャーとは「業務出張旅行のついでに現地観光旅行をしてくる旅のスタイル」で、以前から国際会議での「エクスカーション(会議の後のミニ観光)」等でも知られている形態である。

こうした旅ができるのは、ごく一部のエグゼクティブや個人事業主など、経費を自由に使える層というのがお決まりだった。しかし、企業としてこうしたスタイルを認めていかないと人材確保ができず、かつこちらのほうがより生産性が上がることが明らかになってきているのだろう。CNNニュースでは、「クライアントの現地を訪ねてビジネスを行う際、事前に現地で数日間くつろぐことにより、より現地の都市や文化の理解を得ることができ、かつ自分自身も癒されることで、その後の業務を効果的に行うことができる」という実体験が紹介されている。

日本でも、週末を利用して現地で温泉を楽しみ、その後に出張業務を行うということが当たり前になればよいが、そんな話をしただけで、現時点では経理上否定されるのは間違いない。日本の組織管理の制度は、「出張者は何か悪さをする」と「性悪説」にのっとっているためだ。ふたつの業務出張を合わせただけで旅費問題が起こる国。こんな状況では、生産性向上も地方創生も遠い道のりだが仕方ない。欧米を参考にしつつ、日本流の生産性向上と地方創生を考えていかねばならない。

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第3回 香港/シンガポール

2017/06/01 :海外現地レポート

香港  第四銀行コンサルティング推進部

イノベーションで注目される都市「深圳」

香港と隣接する中国本土の都市「深圳」は、現在、「中国のシリコンバレー」とも呼ばれ、ハードウェア系の新興企業が生まれている街として世界から注目されている。かつて小さな漁村であったこの街は、1980年に中国初の経済特区に指定されてからわずか40年ほどで急速な発展を遂げ、今もなお進化し続けている。今回は、イノベーション都市「深圳」の今をお伝えする。

深圳からメイカーが次々と誕生している。

メイカー(maker) とは、デジタルファイル、CADや3 Dプリンタなど新しいツールやサービスを活用することで、従来多くの経営資源を持つ製造企業(メーカー)にしかできなかったモノづくりを一人や少人数で行う人々や企業のことをいう。

一般消費者向けのドローン製造で世界シェア約7 割を誇る「DJI」は、近年、深圳で生まれたメイカーの代表企業である。他にも、組み立てるだけでロボットや3 Dプリンタができるパーツやプログラミングシステムを開発販売する「Makeblock」や小型のコンピュータを開発販売する「LeMaker」など、まだ「DJI」ほどの認知度はないが、急成長している企業が多数誕生している。

そもそもなぜ今、「DJI」をはじめとする新興企業が深圳で誕生しているのか。その理由は主に3 つあげられている。1 つ目は、完成されたサプライチェーンの存在である。深圳は経済特区に指定されて以降、外資による製造業への投資を呼び込み、加工・輸出型のビジネスモデルを構築することで急速に発展してきた。当地への製造業の産業集積により、「世界の工場」と呼ばれるまでに充実していったサプライチェーンは現在、メイカーたちの試作開発や少量生産などへの対応を可能にしている。2 つ目は、メイカーの取り組みを資金面で支えてくれる投資家が増えている。前述の「Makeblock」は世界的なスマホメーカーであるファーウェイなど当地の大手企業からの出資により、支えられている。3 つ目は、メイカーを支援するサービスの充実である。深圳市政府は使用しなくなった工場跡地に、文化・クリエイティブ産業を振興するための拠点を整備するほか、メイカー同士による開発スペースの提供や部品供給など、お互いに製品開発を可能にするサービスを提供するなどしている。

深圳の現在の発展に至るまで、香港が果たしてきた役割は大きい。特に、経済特区として深圳が外資系企業の進出に開放される際には、地理的に香港と隣接していることが大きな要因であった。最近では昨年、深圳と香港の両証券取引所間の株式相互取引制度「深港通(しんこうつう)」が開始され、中国本土以外の投資家も香港を経由し、深圳企業への投資が可能となった。深圳証券取引所には新興企業向け市場もあり、今後ますますの成長が期待される前述のような企業が上場する可能性も高い。

そして、今年1 月には香港・深圳両地の境界に位置する香港側の落馬洲(Lok Ma Chau)地区にハイテク産業団地「港深創新・科技園(香港・深圳イノベーション&テクノロジーパーク)」を香港政府・深圳市共同で建設すると発表した。国内外のハイテク企業や研究・教育機関、優秀な人材を誘致し、お互いに新たな経済成長の起爆剤とする計画である。中国全体の成長減速が懸念されるなか、香港と経済的にもますます結びつきを強め、急速に発展していく深圳は、日系企業にとっても新たなビジネスチャンスが期待できる可能性を秘めており、その動向を今後も注目していく必要があるだろう。

(香港派遣 泉田 雄)

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マルニ西脇 株式会社

2017/06/01 :探訪

オリジナルジーンズづくりで地域文化発信の旗手を担う

県内ではじめてオリジナルブランドのジーンズをつくり、品質の良さや地域資源を活用したブランドづくりにより県内外にファンを増やし続けているマルニ西脇株式会社。

先代からジーンズ販売店を引き継ぎ、オリジナルジーンズづくりをはじめられた経緯や、現在の取り組みについて西脇社長からお話をうかがいました。

代 表 者 西脇 謙吾

所 在 地 妙高市

創  業 1972年

社 員 数 7名

資 本 金 1,300万円

事業内容 ジーンズ他各種ウエア

製造販売

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県内におけるIoT活用の現状と導入のポイント

2017/06/01 :自主調査(調査報告)

─「つなぐ」「つながり」で付加価値を創造─

はじめに
今後IoTが普及し、これまでインターネットにつながっていなかった機械・器具等がつながることで、IoT導入が企業の競争力の差につながる可能性が高まっている。こうしたなか、先行して導入を進める企業や、IoT端末の開発やソフトウエアサービスに注力する企業も出てきている。

そこで、先行してIoTを導入・活用している県内企業を紹介し、現状とポイントをまとめた。

1.IoTの現状

(1)IoTとは

総務省「情報通信白書」を参考にすると、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)とは、あらゆる「モノ」がインターネットにつながり、情報のやり取りをすることで、「モノ」のデータ化やそれに基づく自動化等が進展し、新たな付加価値を生み出すことをいう。

(2)IoTの全体像

従来のインターネット上の情報は、人間がパソコンや携帯端末に入力した情報を基本としていた。しかし、IoTでは「モノ」の情報がセンサー等で自動的に収集され、インターネットにより、情報を発信するようになった(図表1 )。つまり、IoTが設置されている端末(機械)は、原則としてセンサー機能を有する。

その後、蓄積されたデータは人間もしくはコンピューターが分析し、IoT利用者に通知され情報として活用される。また、必要に応じてIoTが設置されている端末にも情報がフィードバックされ、結果に応じたとるべき行動が指示される場合もある。

 

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グラフで見る県内経済2017年6月(四月の新潟県経済)

2017/06/01 :グラフで見る県内経済

概 況:持ち直しの兆しがみられる県内経済

生産活動:緩やかに持ち直している

2月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比0.2%低下して99.7となった。出荷指数は同0.8%上昇して99.7となった。在庫指数は同0.1%低下して121.8となった。

食料品は米菓などを中心に堅調に推移している。

はん用・生産用・業務用機械や電子部品・デバイスは海外からの受注回復などを背景に緩やかに持ち直している。

輸送機械は自動車部品を中心に底堅い動きとなっている。

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地方発で夢のある新潟の未来を

2017/06/01 :感頭言

新潟県建設業協会 会長    植木 義明

長年、一つ所に暮らしているとその地域に内在する魅力や潜在的な可能性に気づかず、ただ漫然と日々を送ってしまいがちです。

私も高校卒業後転居を繰り返し、現在は十数年新潟で暮らしていますが、昨今あらためて思うのは、この地の豊かな自然とゆったりと流れる時間のなかで、より人間らしい生活ができているという実感です。毎年、栃尾の山に仲間と山菜採りに出掛け、自ら採取し味わうということは、なかなかな贅沢なことだと感じています。

以前、東京に住んでいた頃は満員電車に揺られ、季節の変化にも鈍感でした。東京オリンピック・パラリンピックをひかえ、首都圏への人口集中が更に進むような状況にはなっていますが、あらためて地方圏の魅力を再認識しても良いのではないかと思います。

私は、1980年代後半から3年程米国ワシントン州シアトル市に設立した、当社の建設不動産系の現地法人に駐在していました。

シアトル市は大都市ではないですが、新潟と同じ北西部の海岸沿いに位置し、風光明媚な海・山・湖があり、住みたい街ランキングで常に上位に選出されている街です。

しかも、著名な企業が多数創業した地であり、旅客機製造業のボーイング社(1916年創業)、パソコンのOS分野のMicrosoft社(1975年創業)がつとに有名です。私の住んでいた家から数マイル先の湖畔にはMicrosoft社創業者のビル・ゲイツ氏の豪邸が建っていました。

さらに、1990年代中頃になるとスターバックスコーヒー、そしてあのアマゾン社(1995年創業)もこの地から有名企業の仲間入りをはたしています。

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