9月2017

経営者セミナーを11月15日(水)に開催いたします

2017/09/04 :News

経営者セミナー

「吉越式会議」で増収増益を図る  ~トップダウンで働き方改革をすすめる~

講師:吉越事務所 代表  吉越 浩一郎 (よしこし・こういちろう)   氏

日時:平成29年11月15日(水)午後2時00分~3時30分(開場午後1時30分)

会場:万代シルバーホテル 5F 万代の間

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第18回

2017/09/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

市場で干物を買った話

青森県の八戸に講演に行ったときのこと。

講演後に主催企業の担当者であるN部長と一緒に海産物や名産特産品が販売されている大きな市場に行きました。市場の奥に1軒の干物屋がありました。

そこには八戸の海で獲れた魚介類が干物になってずらっと並んでいます(写真参照)。N部長がその干物屋の店先を覗き込んで、いくつかの商品を手にとってみていたら、お店の奥から年配の女性が出てきました。そしてその女性はす〜っとN部長の右横に近づいてきてこういいました。

「これ食べてって、食べてって」

年配の女性はそういいながら、一口で食べられるように小さくカットされた干物をN部長の目の前に差し出します。

N部長はそれを右手でつまんで食べました。するとその瞬間に女性がこういいました。

「これは八戸で今の時期が一番おいしいの。うまいでしょ」

N部長がいいます。

「たしかに美味しい」

女性がいいます。

「これは○○円。安いでしょ」

N部長が答えます。

「うん、安いね」

さらにN部長がいいます。

「これはつまみに最高だな。これ買おうかな」

女性はその商品を陳列台からさっととって、袋に入れてN部長に渡しながらこういいました。

「こっちもね、案外美味しいんだよ。これも人気あるんだ」

そういいながら、女性はまた別の一口サイズにカットされた干物をN部長の前に差し出しました。N部長はまたそれを右手でつまんで食べました。するとやはりその瞬間に女性がこういいました。

「午前中も東京から観光バスで来た人たちがみんなこれを買ってくれたんだ。これ○○円。うまいでしょ」

女性は自分でもその干物を食べながら、大きく首を縦に振ってうなずきながら「うまいね」「うん、うまい」と何度かいいます。

N部長もうなずきながら答えます。

「うん、これも美味いな」

女性がいいます。

「でしょ。うまいよねえ」

とやはり自分で大きく首を縦に振ってうなずき、納得したそぶりをみせながら、慣れた手つきでその干物が入った商品をビニール袋に入れて、N部長に渡しました。

その女性が差し出した2つめの干物の値段は1つめの干物よりも価格が高いものでした。N部長はその2つの干物を買いました…という何気ない話です。

干物屋の女性の販売テクニック

何気ない話!?

いえいえ、この女性はとても販売がうまい。彼女は人間心理をよく理解しています。

どこがうまいのか分かりますか?

まず、この女性はお客様であるN部長に対してお店のなかから声を掛けるのではなく、わざわざお店から出てきて横に立ったのです。お店のなかからお客様に向かって正面から声をかけるとその空間には売り手と買い手という役割ができあがってしまいます。この場合、無意識に売り手は「売ろう」とし、買い手は「納得するまでは買わない」という態度が生まれてしまいます。

ところが、この干物屋の女性はN部長の横に立ちました。横に立つのは相手に対する威圧感を無くすためです。また横に並んで一緒に商品をみながら「これは八戸で今の時期が一番おいしいの」と伝えることで女性は「売り手」ではなくN部長の仲間や友達、あるいはアドバイザーという役割を担う立場になっています。

また、この女性はN部長の右手側、つまり利き手側から商品を薦めるので、すっと手にとってもらいやすい。相手の右手側の場所を抑える、右手側に立つというのは実は交渉を有利に進めるためのスキルのひとつでもあります。

さらに、試食の干物が一口サイズにカットされているので手にとった後にすぐに口に放り込みやすい。小さな試食品とはいえ食べてしまうとそこには心理学の返報性の原理が働きN部長は女性に対して恩義を感じるようになります。

そして、女性は必ずN部長が干物を食べている瞬間に「これは八戸で今の時期が一番おいしいの。うまいでしょ」とか「午前中も東京から観光バスで来た人たちがみんなこれを買ってくれたんだ。これ○○円。うまいでしょ」と話しかけます。N部長は口に干物が入っているので反論はできないわけです。しかも、心理学的には人が飲み物や食べ物をのどに入れる瞬間に発した言葉は「飲み込みやすい」、つまり受け入れやすいといわれています。

もちろん「午前中も東京から観光バスで来た人たちがみんなこれを買ってくれたんだ」という台詞は「これは人気商品なのだ」ということを暗示しています。

さらに、最初に薦めた商品は安い、だから買いやすい。これは小さなものや安価なものから提供すると相手はそれを受け入れやすくなるという、フット・イン・ザ・ドアというセールステクニックです。

「こっちもね、案外美味しいんだよ。これも人気あるんだ」といって2つめの干物を薦めたのはクロスセルという販売手法になります。1つめを買ったお客様に類似の2つめを薦めることによって単価が上がるわけです。人が買い物で一番抵抗感を抱く瞬間は最初に商品を買うと決めるときです。ということはN部長が最初に「これはつまみに最高だな。これ買おうかな」と口にした直後には抵抗感が下がっているということです。その瞬間こそがまさに2つめの商品を薦める絶好のタイミングになります。あなたがスーツを買うとその場で「ワイシャツもいかがですか」「靴下も一緒にいかがですか」「鞄も今日はお買い得ですよ」と薦められるセールス手法と同じです。

N部長と話しながら、女性は自分でも干物を食べて大きく首を縦に振ってうなずきながら「うまいね」「うん、うまい」と何度かうなずいています。それにつられてN部長も大きくうなずいていますが、これはアナログマーキングといいます。こちらが大きく動作をして「美味い」といいながらうなずくと、それにつられてお客様もうなずくということです。うなずくということは「美味い」ということを認めたということになります。

実はこの女性の素晴らしいところはこの後でさらに3つめの商品も紹介してくれたことです。並の販売員は1つ売って終わりになります。優れた販売員はすぐに2つめを薦めます。この女性はなんと3つめの商品も薦めたのです。

「薦める」だけならコストはゼロです。もちろん、全てのお客様が薦められた商品の全てを買うわけではありませんが、薦めるだけなら広告も宣伝も営業活動費も不要です。実はこの日、N部長も私もこのお店で買い物をした以外には他のお店では一切買い物をしていません。すべてこの女性から買ったのです。

この女性はいつもこういった流れで販売をしているのだと思いますが、おそらく心理学やセールススキルを学んだわけではないでしょう。人間観察を何十年も行ってきた経験から導き出したオリジナルの販売手法のはずです。でも、この女性の販売手法は心理学理論やセールス理論に完全に一致しています。

どんな商品やサービスを扱っていても商売にはたったひとつの共通項があります。

それは…、お客様は人である、ということ。

人間心理を理解することはどんな商売とビジネスにも役立ちます。

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地方で起業するために

2017/09/01 :観光イノベーションで地域を元気に

株式会社 井門観光研究所 代表取締役  井門 隆夫(いかど たかお)氏

─若い人たちへのアドバイス─

1.地域おこし協力隊研修

今年度も地域おこし協力隊の起業・事業化研修が始まった。初回のメイン講師は十日町市の協力隊出身で、協力隊時代の事業も継続しながら移住支援や研修講師を手掛けるビジネスモデル・デザイナーの多田朋孔さんだ。

地域おこし協力隊とは、都市などに住んでいた地域外の人材を地域社会の新たな担い手として受け入れ、最長3年間自治体に所属して地域力の維持・強化を図るメンバーで、全国に約4千名の隊員がいる。任期終了後には地域で起業する隊員も少なくなく、起業したい事業の一番人気は、空き家を活用したゲストハウスやカフェ等の宿泊・飲食業だ。こうした隊員に向けて、微力ながら筆者も研修会で起業サポートを行っている。

私が起業志望の隊員に向けて事業化のアドバイスとしてお伝えしていることは、「持続可能な事業を考えること」、「客数を追わないこと」、「マルチタレントになること」、そして「セレンディピティをつかむこと」の4点。「そんな考え方では事業は大きくならない」と思われるかもしれないが、地域おこし協力隊の皆さんには、理解していただきやすい。なぜなら、これまで「そうではない考え方」を続けてきた都会の企業で一度は働いた経験があるからだ。

「これまでと同じではいけない」、そう思ったからこそ、地域の門をたたいたと思う。

最初からすべてうまくいく事業などない。手元資金も多くはないだろう。小さく始めて、周囲を巻き込み、育てていく。若いからこそできる特権を活かして欲しいと願っている。

2.持続可能な事業とは

「持続可能」という言葉は環境保全の場面でよく使われるが、その意味は「資源を維持できる範囲で活用すること」である。同様に、経済の文脈でこの言葉を説明すれば、「需要を超えない範囲で供給すること」。いいかえれば「競争しないで商売できること」だ。需要が人口とともに自然に増加し、せっせと供給量を増やしてきたこれまでの200年間、失ってきた発想である。

供給が需要を超える供給過剰の状態になると、商品はコモディティ化し、どんなに努力して差別化しても注目されないジレンマに陥る。地域の「旅館」という商品もまさにその状態だ。そうなると、商品を売るためのコスト競争となり、押し売り営業するパワーを持った、より資本の大きな企業が勝つ。地域を売ることも同じで、どんなに素晴らしい観光資源でも、需要より供給が大きいと結局は予算の大きな自治体が勝つ仕組みになっている。

では、どうすれば、供給量より需要の大きい商品を作ることができるのか。それは「顕在需要」を追わず、徹底して「潜在需要(あったらいいな)」を開拓することしかない。

200年以上前の江戸時代、灰を売る「灰買い」、桶を修繕する「たがや」、キセルを売る「羅宇屋」と様々な職人がいた。江戸時代も人口が伸びず、自立のために人々は「あったらいいな」を生み出し、商売にしていった。人口が減る時代には持続可能な経済を創り出していくしかないのである。

研修では、潜在需要をみつけるワークとして、「需要側(消費者等)」の悩みや課題と「供給側(生産者等)」の悩みのマッチングを行う。

例えば、「運転代行業の少ない田舎では安心して飲める店がない」という消費者の悩みと、「田舎で代行業は儲からない」という生産者の悩みをつなげ、軽トラを居酒屋にする『移動屋台』というアイディアを考えていた協力隊の柴田君。移動屋台はできなかったけれど、民宿の納屋を借りてバーを造った。飲み疲れても隣ですぐ寝ることができる『泊まれるバー』というコンセプトで、夜遅くまで働く人たちに向けた潜在需要開拓を始めている。

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第6回 上海/シンガポール

2017/09/01 :海外現地レポート

シンガポール   第四銀行コンサルティング推進部

異国の地から故郷を想うシンガポールにおける新潟県人のつながり

異国の地で生活するということは不安が大きいものですが、そんななかで同郷の人々とつながりを持てることはとても心強いものです。在留邦人登録数が3万7千人を超えるここシンガポールでは、各都道府県の県人会、大学の同窓会、スポーツのサークルなど、日本人による多くのコミュニティが結成されており、交流を深めています。そんななか、新潟県にゆかりのある人々は「シンガポール新潟県人会」を結成し、精力的に活動をしています。今回は、新潟県人会を中心に、新潟県人のシンガポールでの結びつきについてご紹介します。

シンガポール新潟県人会は1990(平成2)年に設立されました。当時のシンガポールは、製造業の進出が多い時代で、県人会も当初のメンバーは製造業関係者が中心でした。ところが、シンガポールの経済発展により産業構造は変化、製造業の拠点は中国などへと移管されたために、製造業の方々はシンガポールを去りました。新潟県人会もメンバーは減少し、苦しい時代を迎えましたが、現会長の野村さんをはじめとした永くシンガポールに暮らしている方々の尽力により会は守られ、現在に至るまで続いています。

現在では、職業も年齢層も多様なメンバーが所属しています。新潟県人会には特別な参加資格はなく、新潟を愛する心を持つ人なら、出身地や国籍を問わず、誰でも参加できます。活動は、数か月に一回の会合(飲み会)や、日本人会主催のソフトボール大会への参加など、幅広く行なわれています。会合は和やかな雰囲気で行われ、参加者は郷土の日本酒を片手にふるさと談議に花を咲かせ、気づいた時には何本もの瓶が空になっています。

シンガポールにおける新潟県人は県人会で集まって郷愁に浸るだけにとどまらず、シンガポールの人々にもっと新潟を知ってもらいたいと精力的な活動をしている人もいます。去る7月25日から29日、シンガポール随一のリゾートホテル「シャングリ・ラ ラサセントーサ」にて新潟の酒とそれに合わせたコース料理を楽しめるイベントが開催されました。このイベントは、このホテルのシェフで、新潟県出身の堰さんが企画をしたものです。堰さんは「新潟は食に関してすごくいいものを持っている。これを広めたい。」といいます。新潟の良さを知ってもらいたいという気持ちを、シェフとしての立場から実行しようと、堰さんはこのようなイベントを企画したのです。

シンガポールにおける新潟の知名度は現在のところ高くはなく、またこのイベントも今回が最初の取り組みであり、まだまだ発展途上といえます。しかしながら、シンガポールには多くの新潟県人がいること、シンガポールは平均所得が高く日本からみたインバウンド効果が期待できる国であることから、シンガポールにおいて新潟を広めることは、我々シンガポールにいる新潟県人が故郷のためにできる使命の一つといえるでしょう。離れたことで分かった故郷の良さ。それをシンガポールに伝えるシンガポールの新潟県人は、遠く離れた異国の地から新潟を応援する良きサポーターです。

(シンガポール派遣 野澤 広樹)

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栃尾ニット株式会社

2017/09/01 :探訪

ジャージー生産のパイオニアとして業界をリードする        栃尾ニット株式会社

ジャージー生地の生産に県内でいち早く取り組むとともに、独自の編み方で生地の高機能化を果たしヒット商品を生み出している栃尾ニット株式会社。その開発の経緯や、現在の取り組みについて、稲田社長からお話をうかがいました。

代 表 者 稲田 育彦

所 在 地 見附市

創  業 1963年

社 員 数 30名

資 本 金 3,375万円

事業内容 ニット生地の製造・販売

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定例調査━BCP(事業継続計画)の効果的な策定・運用ポイント

2017/09/01 :自主調査(調査報告)

─BCPの実効性を高めるために─

はじめに

2011年3月の東日本大震災や昨年4月の熊本地震など、ここ数年の間に立て続けに発生した大規模災害は広域的かつ甚大な被害をもたらした。直接的な被害はもとより、サプライチェーンの寸断による部品不足や計画停電などの影響により、数多くの企業が操業の中断を余儀なくされた。

こうした大規模災害への備えとしてBCP(事業継続計画)を策定・運用する企業が増えてきている。近年はBCPを「災害時の対応計画」だけでなく、平常時における経営の効率化や取引先との関係強化、企業価値の向上など、企業の経営戦略に欠かせない取り組みとして位置付ける動きもみられる。

そこで本レポートでは、BCP策定の必要性や実効性を高めるためのポイントを整理するとともに、BCPを有効に活用する県内外の事例や専門家の意見をまとめた。

1.BCP(事業継続計画)の概要

(1)BCPとは

BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは、企業が地震や水害などの自然災害や感染症の流行など不測の事態により被害を受けても、重要な事業(製品・サービスの提供)を中断させない、または中断しても可能な限り早急に再開するように、事前に取り決めておく計画のことである(図表1)。

(2)BCP策定・運用の必要性

緊急事態が発生した際に有効な手段を打つことができなければ、倒産や事業縮小を余儀なくされる可能性がある。そうした状況を回避するためには事前の対策でもあるBCPを策定し、運用することで、緊急時にあっても重要な事業の継続・早期復旧を図ることが極めて重要である。

また、BCPを策定・運用する過程で自社の強みや弱みの把握、優先すべき事業の絞り込み、取引先や顧客との関係強化にもつなげることが可能となることから、経営面においてプラスの効果をもたらすものと思われる。

参考までに2016年版中小企業白書において、BCPの策定・運用により、どのような効果が得られたか尋ねた結果をみると、「経営資源の把握」と回答した割合が53.6%と最も高くなっている(図表2)。また「人材育成」(31.7%)、「経営陣と従業者間のコミュニケーションの改善」(28.9%)などが上位に挙げられている。

(3)防災計画とBCPの違い

防災計画とBCPの大きな違いは、防災計画が人命の安全や建物等の物的被害の軽減などを目的に作成するのに対し、BCPは重要な事業の継続・早期復旧に主眼を置いて作成する点である(図表3)。

またBCPでは、本社や工場など特定の拠点に留まらず、社外の取引先など重要な事業に関わるすべての業務が対象となる。被害状況をみながら場当たり的な復旧を行うのではなく、あらかじめ復旧までの目標時間を定めておく点、代替先を確保しておく点、情報・データのバックアップを実施しておく点なども特徴となっている。

BCPの主な項目例は下記の通りである(図表4)。具体的な項目としては「どのような災害を想定した計画であるのか」を明確にしたうえで、事前の対策となる「代替方法の確保」「優先業務の特定」「安否確認の方法」などのほか、災害時の対処として、いつまでに復旧を遂げるかという「復旧目標時間の設定」、早期復旧に向けて取引先との「相互応援協定」などを盛り込んでおくことが一般的である。

2.BCPの策定状況

政府は、2010年6月に閣議決定された新成長戦略のなかで、企業のBCP策定率を20年までに大企業でほぼ全て、中堅企業では50%との目標を掲げている。以下に現時点における企業のBCPの策定状況をまとめる。

(1)大企業、中堅企業のBCP策定状況

内閣府が16年に実施した「企業の事業継続及び防災の取り組みに関する実態調査」によると、BCPを「策定済みである」と回答した企業と「策定中である」と回答した企業を合わせた割合は、大企業で75.4%となった(図表5)。一方、中堅企業では42.0%となっている。

政府目標に対して、大企業は25ポイントほど、中堅企業でも8ポイントほど下回っている。

(2)中小企業のBCP策定状況

16年版中小企業白書によると、BCPを「策定済み」と回答した企業と「現在策定中」と回答した企業を合わせた割合は24.7%であった(図表6)。一方、「策定していない」と回答した企業の割合は64.4%にのぼっている。

以上に示した大企業、中堅企業及び中小企業の調査結果を規模別にみると、調査が異なるため単純比較はできないものの、企業規模が小さいほど「策定済み」と回答した企業の割合が低くなっている。

(3)新潟県内企業のBCP策定状況

新潟県内企業のBCP策定状況を帝国データバンク新潟支店が公表した調査結果(17年5月調査)でみると、「策定している」「現在、策定中」と回答した企業を合わせた割合は16.7%であった(図表7)。一方「策定していない」と回答した企業の割合は56.1%と半数を超えており、県内企業においてもBCPを策定する企業は一部にとどまっているものとみられる。

このような状況のもと、新潟県では災害時でも県内企業が事業を円滑に継続できるよう、他県の企業との相互連携を行う「お互いさまBC連携ネットワーク」の取り組みを進めており、既に1組合と4社がBCP協定を締結している。

(4)BCPを策定しない理由

16年版中小企業白書において、中小企業がBCPを策定しない理由について尋ねた結果をみると、「スキル・ノウハウ不足」と回答した割合が49.7%と最も高くなっている(図表8)。このほか「自社では特に重要ではない」(33.9%)、「人手不足」(31.8%)などが上位に位置している。

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特別調査─働き方改革に関するアンケート調査─

2017/09/01 :自主調査(調査報告)

はじめに

働き方改革をめぐる動きが加速している。政府は今年3月、「働き方改革実行計画」を取りまとめ、9つの検討テーマを示した(図表1)。今後、関連法の改正などが進められるものとみられ、企業によっては長時間労働の是正などを求められる可能性がでてきている。一方、人材不足が続くなか、優秀な人材の確保・定着のために働き方改革に注目している企業は多い。そこで、当センターでは県内企業における働き方改革に関する取組状況を把握するために、1,000社を対象にアンケート調査を行なった。

なお、質問にあたり政府の掲げる9つの検討テーマを、企業側の観点から4つのテーマに捉え直し、「非正規雇用労働者の処遇改善」「多様な人材の活用」「柔軟な働き方に向けた勤務形態の導入」「所定外労働時間の削減」について、現在の取組状況などに関して尋ねた。

 

1.非正規雇用労働者の処遇改善

(1)非正規雇用労働者の雇用状況

─「雇用している」が7割半ば─

県内企業に対し非正規雇用労働者※の雇用状況について尋ねると、「雇用している」が75.9%となった一方、「雇用していない」は24.1%であった(図表2)。

規模別にみると、大企業と中堅企業では9割以上の企業で、非正規雇用労働者を雇用している結果となった。

(2) 非正規雇用労働者の処遇改善に向けた取組状況

─「正社員への登用」がトップ─

前頁(1)で非正規雇用労働者を「雇用している」と回答した企業に、非正規雇用労働者の処遇改善に向けた取組状況について尋ねると(複数回答)、「正社員への登用」が52.6%と最も高くなった(図表3)。以下「正社員並みの福利厚生制度の適用」(37.2%)、「職務や職能等に応じた評価・賃金制度の導入」(25.5%)などの順となった。

規模別でみると、大企業や中堅企業では「正社員への登用」を実施している割合が、中小企業と比べて高くなった。一方、中小企業では「正社員と非正規雇用労働者の賃金格差の縮小」を実施している企業の割合が、大企業や中堅企業と比べて高かった。

なお、自由回答で尋ねたところ、非正規雇用労働者への処遇改善に関して、「育児などで非正規となっていた社員に、子供の手間があまりかからなくなったタイミングで正社員契約に切り替えてもらった」(木材・木製品製造)といった声が挙げられた。

2.多様な人材の活用

─「65歳以降の再雇用・勤務延長制度の導入」がトップ─

多様な人材の活用状況について尋ねると(複数回答)、「65歳以降の再雇用・勤務延長制度の導入」が44.0 % と最も高く、以下「65歳までの定年延長」(31.6%)、「障がい者の雇用」(19.7%)、「高年齢者(55歳以上)の新規採用」(16.8%)などの順となった(図表4)。

規模別でみると、大企業では「障がい者の雇用」「女性管理職・役員の増加」などの割合が、中堅企業や中小企業と比べて高くなった。一方、中小企業では「65歳以降の再雇用・勤務延長制度の導入」「65歳までの定年延長」などと回答した企業の割合が、大企業や中堅企業と比べて高かった。

なお、自由回答では、「65歳以上の社員が複数勤務している。在宅勤務も含め、年齢に応じた仕事を担当してもらい支障なく働いてもらっている」(印刷業)といった声が寄せられている。

3. 柔軟な働き方の実現に向けた勤務形態の導入

─「時差出勤制度」がトップ─

柔軟な働き方の実現に向けた勤務形態の導入状況について尋ねると(複数回答)、「時差出勤制度」が19.3%と最も高く、以下「育児や介護以外の事由で利用できる短時間勤務制度」(17.8%)、「フレックスタイム制度」(9.3%)などの順となった(図表5)。

規模別でみると、大企業では「育児・介護以外の事由で利用できる短時間勤務制度」「フレックスタイム制度」「休業中の従業員に対する職場復帰支援制度」などの割合が、中堅企業や中小企業に比べて高かった。

なお、自由回答では、「介護のため退職に陥りそうな社員がいたが、労働環境を整備した結果、継続して働いてもらえるようになった」(卸売)、「以前は結婚・出産すると退職する社員が多かったが、育休制度の拡充や短時間勤務制度を導入したことで、働き続ける社員が増えた」(小売)といった声が寄せられている。

4.所定外労働時間の削減

(1)所定外労働時間の削減に向けた取組状況

─「取り組んでいる」が7割─

所定外労働時間(以下、残業)の削減に向けた取組状況を尋ねたところ、「取り組んでいる」と回答した割合が70.8%と最も高く、以下「取り組んでいない」(23.0%)、「所定外労働は行なっていない」(6.3%)の順となった(図表6)。

規模別にみると、大企業では100%、中堅企業でも93.6%の企業が残業の削減に取り組んでいるとの結果となった。

(2)削減状況

─『どちらかというと削減された』先は72.6%─

前頁(1)で残業の削減に取り組んでいると回答した企業に、その結果を尋ねたところ、「削減された」「やや削減された」を合わせた『どちらかというと削減された』と回答した企業の割合は72.6%となった(図表7)。一方、「あまり削減されていない」「削減されていない」を合わせた『どちらかというと削減されていない』と回答した企業の割合は27.5%であった。

なお、規模別では大きな差はみられなかった。

(3)取組内容

─「実態(実際の労働時間等)の把握」がトップ─

①全体

前頁(1)で残業の削減について「取り組んでいる」と回答した企業に、その取組内容について尋ねたところ(複数回答)、「実態(実際の労働時間等)の把握」と回答した企業の割合が65.7%となり、最も高くなった(図表8)。以下「業務の見直し・効率化」(62.7%)、「経営トップからの継続的な呼びかけ」(42.2%)などの順であった。

②削減状況別
残業の削減に向けた取組内容を残業の削減状況別にみると、『どちらかというと削減された』先では、「経営トップからの継続的な呼びかけ」「業務の見直し・効率化」「業務の分散・平準化」などの割合が、『どちらかというと削減されていない』先に比べて高くなった(図表8)。

なお、自由回答では、「ITの活用により残業時間を正確に把握したうえで残業が多い社員に対し、個別に指導を行なった。その結果、残業を大幅に削減することができた」(総合建設)、「半年先の業務量を予測し、繁忙が予想されるときは、あらかじめ協力会社に依頼をすることで、業務量を分散させている」(精密機械)などといった声が寄せられている。

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グラフで見る県内経済2017年9月(七月の新潟県経済)

2017/09/01 :グラフで見る県内経済

概況:緩やかに持ち直している県内経済。生産活動は持ち直している

生産活動:持ち直している

5月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比1.4%低下して103.4となった。出荷指数は同3.4%低下して100.2となった。在庫指数は同3.1%上昇して129.5となった。

はん用・生産用・業務用機械や電子部品・デバイスは、自動車関連やスマホ向けの生産増加などから好調となっている。

金属製品は、建設用金属製品などが横ばいに推移している。

輸送機械は、自動車部品を中心に底堅い動きとなっている。

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