2月2018

今すぐできる選りすぐりのアイデア 第23回

2018/02/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

商売で一番難しいこと

10年以上前にランチェスター経営戦略の第一人者である竹田陽一先生から次のことを教えていただきました。

「商売で一番難しいことは市場に存在する自社商品に関心の高い見込み客をみつけ出すことである」

つまり、ペットショップ経営者であれば市場にいる犬や猫や動物の好きな人で、ペットを買いたい気持ちのある人を特定するのが難しいということ。

エステサロンの経営者であれば市場にいる脱毛のことで悩んでいたり、痩身や美容に興味のある人を特定するのが難しいということ。

シニア向けの海外ツアーを中心に販売している旅行会社の経営者であれば市場にいる海外旅行に関心の高いシニアを特定するのが難しいということ。

行政書士の先生や税理士の先生であれば市場にいる相続対策や節税で困っている人を特定するのが難しいということ。

結婚式場の経営者であれば市場にいるこれから結婚式を挙げようとしている人を特定するのが難しいということ。

難しいというのは「労力と費用と時間がかかる」ということです。

数年前のこと、とある地方都市のホテルに宿泊しました。館内を歩いていたらホールでセミナーが開催されていました。入り口の看板には「初めての海外旅行セミナー」と書かれていて、セミナー会場には50名ほどの人たちがいました。

さて、その会場に居た人たちはどのようなことに興味を持った人たちでしょうか?

そうですね。「海外旅行」に興味のある人たちです。主催者は誰でしょうか?もちろん旅行会社です。つまり、このセミナーの主催者である旅行会社は商売で一番難しい「市場に存在する自社商品に関心の高い見込み客をみつけ出すこと」に成功しているわけです。

そのセミナーでは初めて海外に行く時に注意すべきこと、今人気のある観光スポット等が説明されたはずです。その後、初めて海外旅行に行く方向けに、企画されたパッケージツアーの説明がなされたはずです。

また、なぜここ数年、都市部で「相続対策セミナー」が多く開催されているのでしょうか?もちろん市場に存在する相続対策で困っている人を特定しているわけです。

そのセミナーでは相続問題事例や対策等が説明されるはずです。

主催者は誰でしょうか?お分かりになりますよね。

このような見込み客を集めるためのセミナーをフロントセミナーと呼びます。

さて、あなたの会社やお店でもフロントセミナーを開催してあなたの商品やサービスに関心のある人たちを集めるにはどうすればよいのでしょう。

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地域経済循環を生むために

2018/02/01 :観光イノベーションで地域を元気に

株式会社 井門観光研究所 代表取締役  井門 隆夫(いかど たかお)氏

─秋田県の挑戦─

1.秘湯をコンテンツに

秋田県北部にある大館市の天然秋田杉林のなかに、120年にわたり湯治客に親しまれた「日景(ひかげ)温泉」という一軒宿がある。アトピー等の皮膚炎が3日で治るといわれ、温泉は「霊泉」として多くの客を集めていた。ところが、酸性度の高い硫黄泉をかけ流す宿だったせいもあり、積年の建物の老朽化から、2014年夏、多くの温泉ファンに惜しまれながら長い歴史の幕を閉じることになった。

しかし、ファンの声が届いたのか、経営者として、地元で割烹を営む飲食業者が名乗りをあげ、2017年、3年ぶりに再開を果たした。前経営者から引き継いだ新たな日景温泉は建物を全面リニューアル、単価も倍以上にアップした。従来の湯治客は日帰り温泉で受けつつも、国内外の富裕層など新たな顧客層の開拓を計画している。

ここまで聞けば、美しいホワイトナイトの登場による美談として終わるだろう。もちろん、地域の名湯を再生しようと自ら手を挙げた地元愛と勇気には頭が下がるばかりである。

実はこのプロジェクトには、秋田の「秘湯」をコンテンツとして国内外に発信していこうという秋田県の戦略が隠されている。

全国的に訪日外国人が増加しているなかにあって、秋田県の外国人旅行者数は都道府県下位から数えたほうが早く、東北では最下位。しかし、隣県をみるとストーブ列車であったり、スノーモービルや農家民泊であったり、外国人を引きつけるコンテンツが当たっている。最近では、秋田犬の人気が急上昇中ではあるが、それだけでは心もとない。それに隣県には、大規模な温泉地があり、受入れ体制も整っている。一方の秋田県は、小規模な宿ばかりだ。

しかし、秋田県は秘湯王国で、乳頭温泉郷、玉川温泉、男鹿温泉郷、小安峡(おやすきょう)温泉など個性的な温泉が数多くある。ただ、その多くは地元の湯治客を長らく相手にしてきたせいもあり、都市部の消費者や外国人旅行者を受け入れるには施設的に十分とはいえなかった。インバウンドを推進し、広い商圏の新たな顧客層を開拓するうえで、何とか施設をリノベーションしたい。それは、事業者とも思いは一緒だった。

そこで、秋田県では、総務省の地域経済循環創造事業交付金(ローカル10,000プロジェクト)を申請・活用し、産学金官の連携により、事業の「初期投資」に充当する最大5千万円の経費を捻出し、事業者を支援することとした。日景温泉もそのうちの1件である。

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第11回 上海/香港

2018/02/01 :海外現地レポート

香港  第四銀行コンサルティング推進部

広深港高速鉄道

香港では、このところ2つの大きなインフラプロジェクトに注目が集まっています。1つは香港、中国広東省珠海市およびマカオ(澳門)の3都市を結ぶ「港珠澳大橋」、もう1つは今年に開通する予定の「広深港高速鉄道」です。この2つのプロジェクトは、香港経済への大きな影響が予想されることもあって、建設工事の進捗状況が常に注目されてきました。

今回は、「広深港高速鉄道」の概要、および香港経済への影響などについてお伝えします。

広深港高速鉄道は、中国広東省広州市、同深圳市および香港の3都市を繋ぐ高速鉄道です。香港区間(全長約26キロメートル)では、起点として新たに西九龍駅(入出境検査所を含む)が建設中となっています。一方、中国本土の入り口である深圳の福田駅~広州南駅区間(全長約116キロメートル)は2015年12月に開通し、すでに高速鉄道が運行しています。

香港区間は2010年に着工、2017年7月時点で95%まで工事が進捗しており、2018年第3四半期には香港区間が完成し、全線が開通する見通しとなっています。

開通すると西九龍駅~広州南駅間が最短48分で結ばれます。香港の紅磡(ホンハム)駅~広州東駅間を結ぶ同様の越境列車(九広鉄路)はすでに運行していますが、約2時間を要するため、高速鉄道の開通により、移動時間が大幅に短縮されます。

また、広深港高速鉄道の開通により、総延長距離20,000キロメートル以上に及ぶ中国本土の高速鉄道ネットワークを利用し、中国本土各都市にアクセスすることが可能となります。具体的には、北京市(約8.5時間)、上海市(約7.5時間)、武漢市(約4.5時間)などの都市に、香港から乗り継ぎなしで直接アクセスすることが可能となる予定です。

香港政府は2017年7月、広深港高速鉄道の西九龍駅構内に香港と中国本土双方の入出境検査所を設ける制度(一地両検)案を発表しました。同制度の発案は、入出境検査所を香港と中国本土との境界に設置すると、乗客が一旦降車して入出境手続きを行なわなければならないため、高速鉄道の意義が薄れてしまうことが背景にあります。

しかし、同制度に対する反対の声もあがっています。民主派議員は、駅構内の中国本土の管轄区域では中国の法律が適用されるため、中国当局が警察権や司法権を行使できることから、一国二制度が脅かされると発言しています。そのほか、一部の香港市民の間でも、中国当局が香港域内での活動範囲を拡げることへの警戒感が高まっています。

広深港高速鉄道の完成によって、香港経済は様々な面でその恩恵を享受していくとみられます。そのため、これらのプロジェクトが相次いで開通する2018年は香港にとって大きな転換点であるといえます。

一方、香港が中国本土との関係をより一層強めることへの不安感や警戒感が一部の香港市民の間で高まっているのも事実です。香港政府は今後、中国本土からの経済的恩恵を享受しながらも中国本土への警戒感を強める複雑な民意をどのようにコントロールしていくのか、その動向が注目されます。

(香港派遣 相澤 寛行)

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タンレイ工業株式会社

2018/02/01 :探訪

抜群の生産管理体制と技術力により鍛造加工を進化させ発展をつづける                      タンレイ工業株式会社

産業用ロボット向けのベアリング製品の生産を中心に業績を急上昇させているタンレイ工業株式会社。その好業績を生み出した生産管理体制の構築や技術開発の取り組みなどについて、髙橋社長からお話をうかがいました。

代 表 者 髙橋 十三夫

所 在 地 新潟市北区

創  業 1917年

社 員 数 270名

資 本 金 3,000万円

事業内容 鍛造品製造、金属加工

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2017年下期 新潟県企業動向調査

2018/02/01 :自主調査(調査報告)

業況感は大幅に改善  ─生産・売上と採算が改善─

1.業況感

(1)全産業

─業況感は、生産・売上の回復から大幅に改善─

2017年7−9月期における県内企業の業況判断BSI(※)は▲7.0となった。海外需要の増加により生産活動が回復基調にあるほか、個人消費も持ち直しているため、17年4−6月期の▲19.7から12.7ポイント上昇し、県内企業の業況感は大幅に改善した(図表1)。

続く、17年10−12月期(含む実績見込み)は▲7.1となり、同7−9月期比で▲0.1ポイントと概ね横ばいとなっている。

先行きを示す見通しBSIは、18年1−3月期が▲15.7、続く同4−6月期は▲14.0と、17年10−12月期の実績見込みに比べて低下しており、慎重な見通しとなっている。

(2)業種別

業況判断BSIを業種別にみると、製造業は17年7−9月期が1.4となり、同4−6月期比18.1ポイント上昇した(図表2)。消費税引き上げによる駆け込み需要があった14年の上期調査(14年1−3月期:13.0)以来3年半ぶりに「良い」超に転じた。

続く17年10−12月期は3.1となり、同7−9月期に比べてさらに1.7ポイント上昇した。内訳をみると、繊維や輸送機械などの業種で上昇したものの、木材・木製品や鉄鋼などで低下した。

なお、最近の業況などに関して自由回答形式で尋ねたところ、製造業からは「品質の良いメイドインジャパンの製品が見直されている」(繊維)、「ロシア、中国、中近東等を中心に海外向けの生産は好調である」(一般機械)といった声が聞かれた。

非製造業は17年7−9月期が▲12.9となり、同4−6月期比8.9ポイント上昇した。

続く同10−12月期は▲14.4となり、同7−9月期比1.5ポイント低下した。内訳では、運輸が上昇したものの、卸売やサービス他などで低下した。

非製造業の業況については「仕事の引き合いが多く右肩上がりに業績が向上している」(情報処理)、「個人消費が増加していると感じる。訪日外国人旅行客も好調である」(ホテル・旅館)といった声がある一方、「販売価格が変わらないなかで仕入価格が上昇しており業況が悪化している」(卸売)といった声が寄せられた。

先行きについては製造業、非製造業ともに、17年10−12月期に比べて低下する見通しとなっている。

(3)規模別

業況判断BSIを規模別にみると、17年7−9月期は大企業が21.2、中堅企業が▲8.8、中小企業が▲8.2となり、同4−6月期に比べ、いずれも上昇した。特に大企業で大幅に上昇した(図表3)。

続く同10−12月期は大企業が12.1、中堅企業が▲11.1と同7−9月期と比べて低下したものの、中小企業は▲7.9と横ばいで推移した。

先行きは大企業で低下するものの、中堅企業は一旦低下し再び横ばい圏内まで上昇する見通しである。中小企業は概ね横ばいで推移する見通しとなっている。

2.生産・売上

─生産・売上は2期連続で「減少」超幅が縮小─

17年7−12月期(以下、今期)の生産・売上BSI(「増加」−「減少」)は▲2.3となった(図表4)。同1−6月期(以下、前期)から11.8ポイント上昇し、2期連続で「減少」超幅が縮小した。

業種別にみると、製造業は10.5となり前期から17.6ポイント上昇した。内訳をみると、一般機械、電気機械などの業種で上昇した。また、非製造業は▲11.4となり、前期から7.7ポイント改善した。内訳では、運輸、建設で上昇した。

生産・売上については「携帯電話や自動車向け電気部品の売上が好調である」(電気機械)、「オリンピック関連や災害復旧などで仕事量が増加している」(建設)、「衣料品の販売高が前年を上回っている」(小売)といった声が聞かれた。

先行きを示す18年1−6月期(以下、来期)のBSIは▲9.5と今期に比べて7.2ポイントの低下となっている。

3.仕入・販売価格

(1)仕入価格

─2期連続で「上昇」超幅が拡大─

今期の仕入価格BSI(「上昇」−「低下」)は39.0となった(図表5)。前期から9.1ポイント上昇し、2期連続で「上昇」超幅が拡大した。

業種別にみると、製造業は44.6となり前期から10.9ポイント上昇した。内訳をみると、食料品、一般機械などの業種で上昇した。非製造業は35.0となり、前期を7.8ポイント上回った。内訳では、卸売、サービス他などで上昇した。

仕入価格については「原料が不足し価格が上がっている」(食料品)、「鉄、銅、プラスチックなど原材料が値上がりしている」(金属製品)、「中国からの輸入品に対して大幅な値上げ要請がきている」(卸売)といった声があった。

来期のBSIは38.9となり、今期に比べて0.1ポイントの低下と横ばいで推移する見通しとなっている。

(2)販売価格

─「上昇」超幅が拡大─

今期の販売価格BSI(「上昇」−「低下」)は7.0となった(図表5)。前期から6.9ポイント上昇し、「上昇」超幅が拡大した。

業種別にみると、製造業が0.7となり前期から4.4ポイント上昇した。また、非製造業も11.4となり前期から8.5ポイント上昇した。

販売価格については「大口の案件もあり販売価格が適正となった」(窯業・土石)、「販売単価が上昇している」(ホテル・旅館)といった声が寄せられた。

来期のBSIは7.7となり、今期に比べて0.7ポイント上昇と概ね横ばいで推移する見通しとなっている。

4.採 算

(1)採算

─2期ぶりに好転─

今期の採算BSI(「好転」−「悪化」)は▲8.2となった(図表6)。前期比8.6ポイント上昇し、2期ぶりに好転した。

業種別にみると、製造業は▲2.4となり前期比11.9ポイント上昇となった。内訳をみると、木材・木製品、鉄鋼などの業種で上昇した。非製造業は▲12.4となり、同6.2ポイント上昇した。内訳では、卸売、建設などの業種で上昇した。

採算については「公共工事設計労務単価の引き上げなどもあり工事採算は改善している」(建設)といった声がある一方、「仕入原料の価格が高騰しているものの、製品への価格転嫁ができず採算が悪化している」(食料品)といった声も聞かれた。

来期のBSIは▲11.8となり今期に比べ3.6ポイント低下する見通しとなっている。

(2)採算好転・悪化の理由

─ 好転要因では「売上数量の増大」「高付加価値製(商)品の比率拡大」が上位─

今期の採算が「好転」したと回答した企業にその理由を尋ねたところ(複数回答)、「売上数量の増大」(76.4%)の回答割合が最も高く、以下「高付加価値製(商)品の比率拡大」(18.2%)、「販売価格の上昇」(17.3%)、「経営の合理化」(15.5%)、「新製(商)品の開発・発売」(8.2%)などが続いた(図表7)。

なお、17年上期調査と比べると、「新製(商)品の開発・発売」と「売上数量の増大」の割合が高くなっている。

一方、今期の採算が「悪化」した理由では「売上数量の減少」(69.6%)の回答割合が最も高く、以下「仕入価格の上昇」(33.9%)、「人件費などの固定費負担の増加」(28.0%)、「販売価格の低下」(18.5%)などが続いた(図表8)。

なお、17年上期調査と比べると、「人件費などの固定費負担の増加」と「仕入価格の上昇」の割合が高くなっている。

5.雇 用

(1)全産業・業種別

─雇用の不足感が一層高まっている─

今期の雇用BSI(「過剰」−「不足」)は▲36.3となり、前期比6.7ポイント低下した(図表9)。継続的に雇用BSIの調査を開始した1993年下期調査以来、雇用の不足感が最も強くなった。

業種別にみると、製造業は前期比7.8ポイント低下し▲31.6となった。内訳をみると、一般機械や食料品などで雇用BSIが低下している。非製造業は前期比5.9ポイント低下し▲39.7となった。内訳では、建設、サービス他などで低下した。

雇用については「人手不足により生産能力が不足している」(食料品)、「人手不足により受注が制限されている」(設備工事)、「業界全体で専門技術者が不足しており外注加工費が上昇している」(金属製品)などといった声があった。

(2)職種別

職種別の雇用BSIをみると、「専門・技術」で「不足」超幅が最も大きく、以下「営業・販売」「生産・建設」などが続いている(図表10)。

2017年上期と比べると、「専門・技術」「生産・建設」などの職種で「不足」超幅が拡大した。

6.設備投資

(1)設備投資計画

─17年度の設備投資額は、前年度をやや上回る見通し─

17年度における設備投資の実施企業割合(含む見込み)は57.9%となり、16年度実績を2.2ポイント上回る見込みとなっている(図表11)。

実施企業割合を業種別にみると、製造業が67.0%、非製造業が51.3%となった。内訳をみると、製造業では木材・木製品、電気機械などの業種で前年度を上回る見込みとなっている。非製造業では運輸、卸売などの業種で前年度を上回る見込みとなっている。

17年度の設備投資額(含む見込み)は、16年度実績比0.7%増となる見込みであり、17年上期調査(3.5%減)より上方修正されている(図表12)。

業種別にみると、製造業は同0.7%増となっている。内訳をみると、輸送機械、金属製品などの業種で増加している。また、非製造業も同0.6%増となっており、卸売、運輸などの業種で前年度を上回っている。

規模別にみると、大企業が前年度比13.7%減、中堅企業が同0.9%減となった一方、中小企業が同20.7%増となった。

(2)設備投資の目的

─「情報化(IT)投資」「店舗・工場等の新設・増改築」などが上昇─

17年度における設備投資の目的をみると(複数回答)、「既存機械・設備の入れ替え」(65.9%)の回答割合が最も高く、以下「生産能力増大のための機械・設備導入」(31.4%)、「省力化・合理化」(28.4%)などの順となっている(図表13)。

16年度実績と比べると、「既存機械・設備の入れ替え」「省エネルギー・環境問題への対応」などが低下した一方、「情報化(IT)投資」「店舗・工場等の新設・増改築」などが上昇した。

7.経営上の問題点

─3期連続で「人材不足」がトップ─

経営上の問題点を尋ねたところ(複数回答)、「人材不足」(57.6%)の回答割合が最も高く、以下「生産・受注・売上不振」(38.4%)、「先行き見通し難」(36.7%)、「競争の激化」(34.3%)などが続いている(図表14)。

17年上期調査と比べると、「仕入価格の上昇」「人材不足」「人件費の増加」の割合が上昇した一方、「生産・受注・売上不振」「先行き見通し難」「競争の激化」などの割合は低下した。

8.賃 金

(1)賞与・一時金の状況

─冬季の賞与・一時金は約3割の企業が増額に前向き─

17年度の冬季における賞与・一時金の支給について尋ねたところ、「未定」とする回答が多いものの、「増額する」と回答した企業の割合は16.8%、「増額を検討中」が14.4%となっており、これらを合わせた『増額に前向き』な企業の割合が31.2%となっている(図表15)。

(2)賃上げの状況

─約4割の企業がベースアップに前向き─

18年度におけるベースアップの実施予定を尋ねたところ、「未定」と回答した企業の割合が高いものの、「実施する」と回答した企業の割合と「実施を検討中」と回答した企業を合わせた『ベースアップに前向き』な企業の割合は38.3%となった(図表16)。一方、「実施しない」と回答した企業の割合は27.5%となっている。また、定期昇給を「実施する」と回答した企業と「実施を検討中」と回答した企業を合わせた割合は68.8%となった。

(3)賃金の引き上げ率

18年度にベースアップもしくは定期昇給を「実施する」または「実施を検討中」と回答した企業に、賃金の引き上げ率について尋ねたところ、「1.0%以上1.5%未満」(35.7%)の回答割合が最も高く、以下「1.5%以上2.0%未満」(25.2%)、「1.0%未満」(16.2%)などの順となった(図表17)。

9.最新のIT技術活用

(1)最新のIT技術活用の状況

─少数ながら「IoT」や「人工知能」などを活用─

IT技術が急速に進化をするなか、県内企業によるIT技術の活用状況について尋ねてみた。具体的には今後、普及が期待される「ドローン」「IoT」「人工知能」について以下のとおりまとめた。

①「ドローン」の具体的な活用状況

ドローンについて「既に活用している」と回答した企業は63社となっている(図表18)。「農場の状況を見るためにドローンを活用している」(食料品)、「空撮用にドローンを活用している」(印刷)といった声があった。

②「IoT」の具体的な活用状況

IoTについて「既に活用している」と回答した企業は24社となっている。「センサー内蔵の機械で、製造データを蓄積して生産効率を上げている」(窯業・土石)、「トラックに搭載したセンサーで運転履歴を取得し、実際にあった危険をデータ化することにより事故防止に活かしている」(運輸)といった声が寄せられた。

③「人工知能」の具体的な活用状況

人工知能について「既に活用している」と回答した企業は4社となっている。「測量したデータを建設機械に送るだけで、ある程度の作業を建設機械に搭載された人工知能が対応できるようにして、経験の浅い作業員でも操作ができるようになった」(建設)、「人工知能を利用して資産管理や資産運用のアドバイスを行う、ロボアドバイザーを導入した」(サービス他)といった声が聞かれた。

以上のように、「ドローン」「IoT」「人工知能」については、ごく一部の企業での活用にとどまっている。ただし、「今後活用したい」との回答も一定数あったため、今後の広がりに期待したい。

(2)IT技術を活用する上での課題

─「コスト負担が大きい」がトップ─

IT技術を活用するうえでの課題について尋ねたところ(複数回答)、「コスト負担が大きい」と回答した企業割合が40.6%と最も高く、以下「社員のIT活用能力が不足している」(37.8%)、「IT技術導入の費用対効果がわからない」(33.3%)、「IT技術を導入できる人材がいない」(31.7%)などの順となった(図表19)。

規模別にみると、大企業と中堅企業では「情報漏えい等セキュリティ面が不安」と回答する割合が中小企業に比べて高かった。

10.まとめ

─業況感は大幅に改善─

アンケート調査結果をみると、県内企業の「業況感」は17年7−9月期に大幅に上昇し、同10−12月期(含む実績見込み)は概ね横ばいで推移した。また、同7−12月期は同1−6月期と比べ「生産・売上」が改善し「採算」が好転している。一方、17年度の設備投資額は実施企業割合、投資額とも前年度をやや上回った。

業況感が改善した背景には、海外需要の増加により生産活動が回復基調にあることや、個人消費が持ち直していることなどがある。

一方、雇用BSIが前回調査よりも低下しており雇用の不足感が一層高まっているなかで、県内の業況感が引き続き改善していくのか今後の動向を注視したい。

(2018年1月 久住、江口(大))

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グラフで見る県内経済2018年2月(十二月の新潟県経済)

2018/02/01 :グラフで見る県内経済

概況:持ち直しの動きが広がる県内経済。個人消費は持ち直している

生産活動:回復している

10月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比0.4%上昇して101.8となった。出荷指数は同0.7%上昇して102.0となった。在庫指数は同0.9%上昇して125.0となった。

はん用・生産用・業務用機械や輸送機械は、海外からの受注が増加していることなどから高水準で推移している。

食料品は米菓や包装米飯などの増産から好調に推移している。

電子部品・デバイスは、スマートフォンや車載向けで需要が増えており持ち直している。

金属製品は、暖房機器の増産などで堅調に推移している。

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成長を考える

2018/02/01 :感頭言

財務省関東財務局 新潟財務事務所長       斉藤 友博

我々世代の子供の頃ですが、「流星号、応答せよ、流星号」と腕時計に向かって声を出して、自動車型タイムマシンを呼ぶというアニメの主人公の真似が流行りました。これは、50年ほど前にテレビで放映されたSFアニメで、30世紀の未来からやってきたタイムトラベラーの話です。

30世紀は抽象的な未来ですが、子供の頃の20世紀から既に21世紀へと時代も変わり、スマートフォン(パソコン)から冷蔵庫にある食材で夕飯のレシピを作成し、AI搭載の炊飯器でお米を炊くというようにICTが生活に浸透しているのが現代です。

腕時計はスマートウォッチとなり自動車の遠隔操作が可能に、それどころかレベル5の完全自動運転化が目前まできていて、子供の頃に真似たアニメの世界が夢から現実になりつつあります。

第4次産業革命によって、新たな変革をもたらす社会とはどのようなものになっていくのでしょうか。農林水産業は、ICT化で少子化を物ともせず今以上の生産性を上げ、家庭まで直接繋がる販売網と高付加価値品の開発で新たなビジネス市場を切り開いている。空には、ドローンが物流の一翼を担って所狭しと飛び交っている。未来の新潟は、「田園工業観光都市」として機能する先駆的な地域に変わっている等々、夢は膨らみます。

新潟に住んで7か月、当地を知るにはまだまだ時間が必要ですが、産業、観光資源、食の文化など、新潟の魅力を未来に伝えるには、夢を見るだけではなく将来をきちんと見据え地域活性化を実施していくことが大切ではないかと思っております。理想の未来を叶えるため、新潟財務事務所も地域のプラットフォームとしての役割を活かして、新潟の魅力発信に取り組んでまいります。

(さいとう ともひろ)

 

 

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