自主調査(調査報告)

サービス産業における労働生産性向上のポイント

2019/06/03 :自主調査(調査報告)

はじめに

サービス産業※は日本のGDPと雇用の7割を占め、その割合は緩やかな上昇傾向にある。一方、サービス産業の労働生産性は伸び悩んでおり、日本の経済成長にとって、労働生産性の向上が必要不可欠となっている。加えて、少子高齢化の進展などによる人手不足は深刻さを増しており、より一層、サービス産業の労働生産性向上が注目されてきている。

そこで、本稿では全国や新潟県内における労働生産性の現状を整理するほか、サービス産業の労働生産性向上の事例やポイントなどを紹介する。

※ 本稿におけるサービス産業とは、飲食業や宿泊業などのほか、卸・小売業や運輸業などを含む、いわゆる第3次産業全般を指す

1労働生産性の現状

(1)労働生産性とは

労働生産性には様々な定義や計算方法があるものの、経済産業省「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」では、労働生産性を「1人当たりの付加価値額」と定義している。そして、「1人当たりの付加価値額」は「付加価値額(営業利益と人件費、減価償却費の合計)」を「従業員数(もしくは労働時間数)」で割って算出している。

このため、本稿では労働生産性の向上を、「付加価値額」を増加させることや、労働時間やサービスを提供する工程を短縮させることとする。すなわち、企業が労働生産性を向上させるには、「付加価値額」を高めるとともに、労働時間や工程を少なくして効率を向上させるという視点を持つことが重要である。

(2)労働生産性の推移

長期的な労働生産性の推移を確認するため、内閣府「国民経済計算」をもとに当センターで労働生産性(付加価値額を労働時間数で割ったもの)を算出した。1995年を100とすると2017年には全産業で118.9に上昇している(図表1)。業種別にみると、製造業が170.1となり大幅に上昇している。一方、サービス産業は105.3にとどまっており、製造業との差は拡大している。

(3)新潟県は全国を下回る

総務省「平成28年経済センサス」をもとに2016年の全国の労働生産性(付加価値額を事業従事者数で割ったもの)をみると、全産業では536万円となっている(図表2)。業種別でみると、製造業は660万円である一方、サービス産業は506万円となり、製造業を154万円下回っている。

また、同様に新潟県の労働生産性をみると、全産業で436万円、製造業で506万円、サービス産業で405万円となっており、総じて全国を下回る状況にある。

さらに、新潟県の労働生産性を業種別に詳しくみると、「宿泊業・飲食サービス業」が198万円と最も低いほか、「生活関連サービス業・娯楽業」(261万円)や「サービス業(他に分類されないもの)」(306万円)なども低くなっている。

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新潟県の景気の現状と先行き見通し

2019/05/07 :自主調査(調査報告)

─緩やかに持ち直している県内経済─

1景気の現状と先行き

現 状

◎県内経済は緩やかに持ち直している

県内主要経済指標等から景気の現状を概観すると、設備投資は緩やかに増加している。生産活動や個人消費は緩やかに持ち直している。雇用状況は改善の動きに一服感がみられ、住宅投資は概ね横ばいで推移している。一方、公共投資は下げ止まっている。総じてみると、県内経済は緩やかに持ち直している。

新潟県が公表している景気動向指数(一致指数・7カ月後方移動平均)をみても、2018年第1四半期から緩やかな上昇基調にあることが確認できる(図表1)。

先行き

◎生産活動は弱含むことが懸念される
 
個人消費は、乗用車販売で消費増税前の駆け込み需要が期待されるなど、引き続き緩やかに持ち直していくと思われる。また、生産活動も緩やかに持ち直していくとみられるものの、米国の通商政策の影響などを受け、海外からの受注が減少しているとの声もあり、弱含むことが懸念される。一方、公共投資は政府の「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」により、国土強靭化に向けた取り組みを3年間で集中的に実施する方針が決定されたほか、県などで公共工事関連の予算が前年を上回っており、次第に持ち直していくとみられる。

2生産活動の現状と先行き

現 状

◎緩やかに持ち直している

新潟県の鉱工業生産指数(季節調整値)は、18年10−12月期に前期比0.8%低下の105.6となり、3四半期ぶりに前期をわずかに下回ったものの、高い水準で推移している(図表2)。これに続く19年1月の指数も106.8と18年10−12月期より上昇しており、生産活動は緩やかに持ち直している。

生産指数を業種別にみると、汎用・生産用・業務用機械は、国内の設備投資の増加を背景に回復している(図表3)。電子部品・デバイスは車載向けなどの受注が増加しており、前年を上回っている。金属製品は、建設用製品を中心に底堅く推移している。一方、輸送機械は、海外経済の不透明感などから受注が減少しており、弱めの動きがみられる。

先行き

◎外需を中心に弱含む可能性がある

生産活動の先行きを業種別にみると、汎用・生産用・業務用機械は、人手不足への対応として省力化・合理化を目的とした設備投資が続いており、堅調に推移すると思われる。金属製品は、首都圏の再開発やインバウンド拡大にともないホテルの建設などが増えていることから、建設用金属製品を中心に前年を上回るとみられる。食料品は、大手企業などで新工場の稼働が予定されているほか、新鋭設備導入による増産が相次いでおり、持ち直していくと思われる。一方、輸送機械は米国の通商政策や日米物品貿易協定(TAG)への懸念から、自動車を中心に下振れする可能性がある。

企業の受注残高が高水準にあるほか、設備投資意欲が底堅く推移していることなどから、内需を主導として生産活動は緩やかな持ち直しが続くとみられる。ただし、一部企業からは「海外からの受注が減少している」といった声が聞かれ始めるなど、世界経済の減速により外需を中心に弱含む可能性がある。

3設備投資の現状と先行き

現 状

◎緩やかに増加している

当センターが18年下期に実施した「企業動向調査」によると、18年度の設備投資額(含む見込み)は17年度実績比33.5%増加する見通しである(図表4)。

業種別にみると、一部大手企業の大型投資もあり、製造業は前年度実績比57.4%増となっている。また、非製造業も同7.1%増と上昇している。

18年度における設備投資の目的をみると(複数回答)、製造業では「既存機械・設備の入れ替え」の回答割合が最も高く、以下「生産能力増大のための機械・設備導入」「省力化・合理化」などの順となっている(図表5)。一方、非製造業では「既存機械・設備の入れ替え」の回答割合が最も高く、以下「店舗・工場等の新設、増改築」「情報化(IT)投資」などの順となっている。

なお、県内の工場建設や新規出店などを示す非居住用建築物着工床面積をみると、18年10−12月期は前年比33.3%増となり、4四半期連続で前年を上回っている(図表6)。

先行き

◎緩やかな増加傾向が続く

製造業では、工場などの大型投資や生産能力増大を目的とした投資が活発化している。一方、非製造業では人手不足感の強い状況が続いており、情報化(IT投資)や省力化・合理化に投資する動きがみられている。

19年度予算では、従来補正予算で講じられてきた「ものづくり・商業・サービス補助金」などの設備投資を促進する補助金制度が当初予算に組み込まれ、切れ目のない支援となっており設備投資を後押しすると期待される。加えて、人手不足の早期解消が見込まれないなか、省力化・合理化の動きは続くことから、設備投資は緩やかな増加傾向が続くと思われる。

4雇用の現状と先行き

現 状

◎改善の動きに一服感がみられる

18年10−12月期の有効求人倍率(パートを含む全数、季節調整値)は1.72倍となり、14四半期連続で前期を上回った(図表7)。ただし、その後の動きをみると、1月は1.68倍、2月は1.65倍と低下しており、高水準での推移が続いているものの、雇用状況は改善の動きに一服感がみられる。

先行き

◎改善が続くものの、テンポは緩やかになる

雇用の先行指標となる新規求人数(パートを含む全数・実数)をみると、18年10−12月期は前年比3.3%増と12四半期連続で前年を上回った(図表7)。続く19年1月も同4.8%増、2月も同1.7%増と増加傾向で推移している。

また「企業動向調査」によると、18年下期の従業員の過不足を示す雇用BSI(「過剰」−「不足」)は3期連続で低下しており、人手不足感の強い状況が続いている(図表8)。

一方で、新規求職者数(パートを含む全数・実数)は18年10−12月期に前年比3.1%減と33四半期連続で前年を下回っているものの、続く19年1月は同8.3%増、2月は同6.6%増と足元では増加に転じている。中越地域の大型小売店の閉鎖や企業整備の実施などの影響もあり、新規求職者数が今後増加することも考えられる。

そのため、県内の雇用状況は改善が続くものの、テンポは緩やかなものになるとみられる。

5個人消費の現状と先行き

現 状

◎緩やかに持ち直している

百貨店・スーパー販売額(全店)は、18年10−12月期に前年比1.3%増となり、6四半期連続で前年を上回った(図表9)。食料品を中心に堅調に推移している。また、家電大型専門店・ドラッグストア・ホームセンターの販売額を合計した専門量販店販売額(全店)は、18年10−12月期に前年比1.2%増となり、12四半期連続で前年を上回った(図表9)。なかでも、ドラッグストアは積極的な新店舗の出店が続いており、好調を維持している。

一方、乗用車新規登録・届出台数(軽含む)は、18年10−12月期に前年比6.1%増となった後、19年1−3月期に同2.3%減となった(図表9)。西日本豪雨など自然災害の影響や生産現場での人手不足などによる納車の遅れから、振れ幅が大きくなっている。

業態によって販売動向はやや異なるものの、個人消費全体としては緩やかに持ち直している。

先行き

◎緩やかな持ち直しが続く

百貨店・スーパー販売額は、引き続き堅調に推移すると思われる。百貨店では化粧品などが好調となっているほか、5月の10連休中の客数増加が見込まれる。スーパーにおいても、10連休中には行楽用の弁当やオードブルなどの売れ行きが伸びるとみられる。また、専門量販店販売額は、足元で4Kテレビへの買い替え需要がみられる家電大型専門店を中心に、前年を上回って推移すると思われる。さらに、乗用車新規登録・届出台数は、消費増税前の駆け込み需要が相応に期待されることから、前年をやや上回って推移すると思われる。

総じてみると、個人消費は緩やかな持ち直しが続くとみられる。

6住宅投資の現状と先行き

現 状

◎概ね横ばいで推移している

18年10−12月期の新設住宅着工戸数は、前年比6.4%増となった(図表10)。内訳をみると、分譲はマンションの新規着工が低調であったことから2四半期ぶりに前年を下回ったものの、持家が2四半期連続で前年を上回った。一方、貸家は長岡市や県央地区などで着工が増加したため3四半期ぶりに前年を上回ったものの、基調としては弱い動きが続いている。

その後の動きをみると、1月は前年比34.3%増、2月は同27.7%減となり、単月では振れが大きくなっているものの、概ね横ばいで推移している。

先行き

◎概ね横ばいで推移する

県内の住宅関連業者に対して足元の受注状況を聞き取りすると、前年並みで推移しているとの声が多く、持家や分譲については利便性の高い土地を中心に需要があり、持ち直しの動きが続くとみられる。一方、貸家は相続税対策が一巡し前年を下回って推移すると思われる。

また、14年4月の消費税増税時(以下、前回増税時)と比べて、引き上げ幅が小さいことや増税後の住宅取得支援策が充実していることなどから、増税前の駆け込み需要と増税後の反動減は前回増税時に比べると限定的とみられる。

したがって、先行きの住宅投資は概ね横ばいで推移すると思われる。

7公共投資の現状と先行き

現 状

◎下げ止まっている

公共投資の発注動向を表す公共工事請負金額は、18年10−12月期に前年比5.3%増となった(図表11)。県などの発注が集中した月があったため、2四半期ぶりに前年を上回った。その後の動きをみると、1月は同9.1%減、2月は同10.9%増と一進一退の動きとなっていることから、公共投資は下げ止まっているとみられる。

先行き

◎持ち直していく

18年12月には、「国土強靱化基本計画」の見直しと「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」が閣議決定され、総事業費7兆円規模に達する予算が20年度までに計上されている。また、新潟県では19年度予算において「一段加速した防災・減災対策の推進」を重要項目として挙げており、公共工事関連予算は前年を大きく上回っている。河川改修や防砂費などを中心に、災害や事故を未然に防ぐための予算が増額されている。

一方、市町村の19年度予算をみると、財政規模の大きい新潟市、長岡市、上越市ともに公共工事関連予算は前年度を上回っていることから、公共投資は新年度予算の執行が始まれば、前年を上回り持ち直していくものとみられる。

(2019年4月 近 由夏)

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リノベーションを活用した賑わいづくりの現状と課題

2019/05/07 :自主調査(調査報告)

はじめに

人口の減少が進むなか、全国各地で空き家や空き店舗などの遊休不動産が増加している。また、中心市街地が空洞化する一方で、住居や店舗などの郊外化が進んできた。

このようななか、空き家や空き店舗をリノベーションし、新たな店舗や活動拠点として活用することに注目が集まっている。そして、リノベーションした店舗や拠点を地域内に広げることで、賑わいを取り戻すうごきが各地で出始めている。

本稿では、リノベーションを活用した賑わいづくりの現状を整理し、県内外における事例をふまえたうえで、その推進上の課題についてまとめる。

1リノベーションとは

(1)リノベーションとリフォームのちがい

リノベーションとは、既存の建築物を活かしながら大規模な改造を行なうものである。具体的には、増改築や建築物の用途変更等を行ないながら、建築物の資産価値を高める、または新しい価値を加えるのがリノベーションである。

一方、老朽化した建築物について、古い部分の補修や内外装の変更を行ない、新築に近い状態に戻すのがリフォームである。

(2)リノベーションまちづくりとは

中心市街地や商店街などに点在する空き家や空き店舗をリノベーションにより再生し、その再生を複数手がけるなどして地域全体の賑わいを取り戻すのが「リノベーションまちづくり」である。具体的には、再生した空き家や空き店舗などにおいて、雇用の創出や産業振興、コミュニティの活性化を図りながら、エリア内における地価や魅力などの価値を向上させていくものである。

一方、中心市街地や商店街などにおいて、既存の建築物を一新して、まちづくりをする方法として再開発がある。再開発とは、既存の建物や構造物を取り壊したうえで、都市計画などに基づいてまちづくりを行なうものである。

2リノベーションを活用した賑わいづくりの動向

(1 )リノベーションを活用した賑わいづくりが注目される背景

リノベーションを活用した賑わいづくりが注目される背景には、大きく3つのことがあると考えられる。

1つ目は、初期投資を抑えられることがある。空き家や空き店舗などの既存の物件を購入または賃借することから、新規の物件に比べて、一般的に投資額や家賃などの経費を抑えることができる。

2つ目は、空き家や空き店舗などを有効活用しようとする機運の高まりがある。住まいの取得や店舗の開業などに際し、新築にこだわらず、既存物件をDIY(Do It Yourself:自分で修繕を行なうこと)で改修して活用しようとする人が増えてきている。また、古民家や築年数の古い建築物などの価値が見直されてきている。

3つ目は、行政においても、まちなかを有効活用し、賑わいを創出するための施策を推進していることがある。中心市街地では空き家や空き地の増加により、多くの穴を持つスポンジのように都市の密度が低下する「都市のスポンジ化」が進んでいる所が増えつつある。その結果、住民生活の利便性低下や行政サービスの効率悪化などが顕在化している。このような地域の課題を解決するために、国土交通省では、小規模で柔軟な区画整理を活用しながら、まちなか空間を再編し、賑わいを創出する事業を進めようとしている。

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地域商社の現状と運営のポイント

2019/04/01 :自主調査(調査報告)

─地域経済の活性化に向けた打開策として、設立の動きが広がりつつある─

はじめに

近年、少子高齢化や人口減少などによる地域経済の縮小が懸念されている。そのようななか、地域経済の活性化に向けた打開策として、「地域商社」の取り組みが注目を集めている。

本稿では、地域商社の現状について整理するとともに、県内外の事例を踏まえ、その運営のポイントについてまとめた。

1地域商社の概要

(1)地域商社とは

中小企業庁の「中小企業白書(2015年版)」によると、地域商社は「全国ではなく、地域に密着して、地域資源の発掘、地域資源の活用法検討、市場調査、商品開発、販路開拓(商談・ビジネスマッチング)、販売促進活動、販売、メーカーへの販売情報の提供など、地域の生産者の活動を全面的にサポートするとともに、全国(海外)へ積極的に地域の商品(特産品等)を売り込んでいく取組または機能」とされている。

端的にいえば、地域商社とは地域資源を発掘し地域内外への販路を開拓していく存在であり、地域産品を取り扱う卸売業者や自治体が大都市で運営するアンテナショップなども含まれる。また、地域固有の観光資源を活用することで地域外から旅行者を呼び込み、飲食や物販サービスを提供する観光事業者なども地域商社の一つと考えられる。

(2)地域商社の役割

地域商社の役割は幅広く、事業内容や組織体制も一様ではない。しかし、いずれの地域商社においても、程度の差はあるものの、以下に挙げる3つの役割を担っている。

一つ目は「地域資源の発掘」である。地域には地域内外で稼げる魅力的な資源があるものの、地域で生活する住民にとっては当たり前のものとされ、その資源が活用されていないケースがある。地域商社はこうした地域資源を発掘する役割を担う。例えば、実際に生産者のもとに足を運び、地域の特色や特産品などの現状を把握することで、魅力的な地域資源を見つけ出していくことが期待されている。

二つ目は「地域産品の高付加価値化」である。地域商社は発掘した地域資源について、付加価値を引き出し、その魅力を磨いていく役割を負っている。具体的には、生産者の顔・生産過程の情報を発信することや地域独自のブランドを立ち上げてデザイン性の高い商品に仕上げていくことなどが求められる。

三つ目は「地域産品の販路開拓」である。これまでも地域産品を扱う卸売業者は数多くあったものの、主に大量生産が可能で安定的に供給できるものが取り扱われてきた。一方で、少量多品種の地域産品の多くは販路に恵まれてこなかった。こうした未だ知名度が低い地域産品について、地域内外の百貨店・スーパーや農産物直売所などに働きかけて販路を開拓していくことが期待されている。

(3)地域商社の類型

こうした役割を持つ地域商社を、主な活動内容により整理すると、「小売型」「卸売型」「観光型」の3つに分類することができる。

「小売型」とは道の駅や農産物直売所、通販サイトなど、地域内外に店舗や売り場を持ち、地域産品や地販売・提供している事業者を指す。なお、「小売型」については、対面販売を中心とした「直販型」とインターネット販売を中心とした「通販型」に分けられる。

「卸売型」は地域の生産者から地域産品を仕入れて地域内外の小売業者や卸売業者に販売する事業者を指す。

「観光型」は地域固有の観光資源を活用した観光商品の企画・販売を行うことで地域外から旅行者を呼び込む事業者を指す。

(4)国の取り組み

国は「まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、地域商社の設立・普及を重要な取り組み分野としており、さまざまな支援策を講じている。内閣官房まち・ひと・しごと創生本部などがまとめた「地域商社に関する支援メニュー」によれば、「組織・事業立ち上げ」「開発・ブランディング」「市場展開」の3分野で18事業に取り組んでいる(図表1)。

例えば「組織・事業立ち上げ」の分野では、地方創生推進交付金を使い、これまで100カ所以上の地域商社事業に対して組織設立や戦略策定事業等にかかる費用の一部を補助するなどの支援を行ってきた。また、約3カ月に1回の頻度で「地域商社協議会」を開催し、先行事業者による講演や、全国の先進的な事例紹介などを行っている。同協議会には、地域商社の設立・支援に関心のある自治体や民間事業者などが参加しており、事業者同士のマッチングや地域商社の取り組みに向けた機運の醸成を進めている。

「開発・ブランディング」「市場展開」の分野では、地域資源を活用した新商品・新サービスの開発や販路開拓を支援するため「ふるさと名物支援事業」などに取り組んでいる。同事業では、中小企業や小規模事業者等を対象として、市場調査費や新商品の開発にかかる材料費などの費用の一部を補助している。

なお、国によると他地域のモデルとなるような地域商社事業に取り組む「モデル的地域商社」の設立数は2017年度時点で16社となっており、国は地域商社の設立・普及の支援に引き続き取り組むことで、20年までに100社の設立を目指している。

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産業用ロボットの現状と活用状況

2019/03/01 :自主調査(調査報告)

─産業用ロボット導入を成功させるためのポイント─

はじめに

産業用ロボットは、これまで自動車産業や半導体産業などの大企業を中心に導入が進んできた。

しかし近年は、生産年齢人口の減少に伴う人手不足への対応や生産性の向上、作業従事者の負担軽減などに向けた取り組みとして、企業の規模・業種を問わず産業用ロボットを導入・活用する動きが広がりつつある。

本稿では、産業用ロボットの現状を確認するとともに、すでに産業用ロボットを導入している県内企業の活用事例を踏まえ、導入を成功させるためのポイントを整理する。

1産業用ロボットについて

(1)産業用ロボットとは

産業用ロボットは、一般に「センサーなどを用いて得られた情報を処理し、自立性を持って動く、産業に使用される機械」とされる。24時間安定した稼働が可能となるほか、人のように作業スピードに大きな差が生じない。さらに汎用性が高くさまざまな作業に対応させることが可能となるなど、産業用ロボットは、人手の確保が困難な企業にとっては頼りになる存在といえる。

なお、国内の規制により最大出力が80ワット以上の従来の産業用ロボットは、人との接触事故を回避するために製造ラインを柵で囲み、人の作業スペースと分離し活用することが定められていたが、技術革新による産業用ロボットの小型化や安全性技術の向上等を背景に、製造ラインを柵で囲むことが不要となったことから、人と産業用ロボットが共同で作業を行うことができる「協働ロボット」とよばれる産業用ロボットの普及が進んでいる。

(2)産業用ロボットの種類

産業用ロボットには多くの種類がある。ロボット本体に組み込まれている軸(関節)の数やモーター、取り付けるアーム(人間の手のように、掴む・放す・運ぶなどの作業をする産業用ロボットの腕)により分類され、作業できる範囲もそれぞれ異なる(図表1)。

主な産業用ロボットをみると、「垂直多関節ロボット」は、人間の腕のような構造を持ち、複雑な動きが可能なことから最も普及している。ロボットアームとも呼ばれ、汎用性が非常に高く、溶接や塗装、組立てなど幅広い工程で活用されている。

また「水平多関節ロボット」は、水平方向にアームが動く産業用ロボットである。英語では「selective compliance assembly robot arm」となり、その頭文字をとって「スカラ(SCARA)ロボット」とも呼ばれている。3つの軸(関節)を持ち、水平方向へのスムーズで滑らかな動きが特徴であることから部品の押し込み作業、半導体の搬送、基板の組立てなどに適している。

このほか「パラレルロボット」は、リンク(アームとロボット本体を繋ぐ部分)がパラレル(並列)に設置された産業用ロボットである。複数のモーターの出力を1点に集中させることにより高速動作が可能なため、部品の仕分けや部品を探し出し選び取るピッキングなどに活用されている。

なお上記のように、産業用ロボットは軸の種類や構造からアーム等の可動範囲、速度、精度などの特性が異なる。そのため、導入を予定している作業にはどのような産業用ロボットが適しているのか、事前によく検討することが重要となる。

(3)専用機と産業用ロボットの違い

 産業用ロボットの特徴を工作機械に代表される専用機と比べて示すと、まず専用機は、特定の作業を行うために設計・製作された文字通り専用の機械をいう(図表2)。特定の用途に特化させることで作業スピードや精度において高い性能を追求できるが、一般に特注品となることから初期投資は高額となる場合が多い。

一方、産業用ロボットは、特定の作業のために作られた専用機とは異なりパワーやスピードが劣る場合もあるが、産業用ロボットを起動させるためのプログラミング(主にロボットシステムの構築)を行うことにより、作業内容を自由に変更できるなど汎用性を持った機械であることが大きな特徴となっている。

なお、現時点では、パワーや作業スピードが勝る専用機の方が産業用ロボットより普及が進んでいる。ただし、産業用ロボットは、その汎用性の高さからある程度の作業変更には柔軟に対応できるとともに、繰り返しや大量の作業も行うことができる。そのため、産業用ロボットのメリットを十分活かしつつ得意とする領域を正確に見定めることが可能となれば、導入後は大きな成果を期待できる。

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新潟県企業動向調査2018年下期

2019/02/01 :自主調査(調査報告)

─業況感は四年半ぶりの高水準。先行きは慎重な見通し─

1業況感

(1)全産業

─業況感は4年半ぶりの高水準。先行きは慎重な見通し─

2018年7−9月期における県内企業の業況判断BSI(※)は▲2.9となった。海外需要が堅調であるほか、東京オリンピック・パラリンピックに向けた建設需要がみられたことなどから、18年4−6月期の▲8.5から5.6ポイント上昇し、県内企業の業況感は改善した(図表1)。

続く、18年10−12月期(含む実績見込み) は1.2となり、同7−9月期と比べてさらに4.1ポイント上昇した。消費税率引き上げによる駆け込み需要があった14年上期調査(14年1−3月期:20.0)以来、4年半ぶりの高水準となった。

先行きを示す見通しBSIは19年1−3月期が▲12.8、続く同4−6月期は▲13.7と、18年10−12月期と比べて悪化が見込まれており、先行きは慎重な見通しとなっている。

(※)BSI (ビジネス・サーベイ・インデックス)とは、アンケートの回答結果を指数化したものである。本稿でのBSI とは、業況あるいは先行きの見通しなどが「良い」か「悪い」かという質問に対して「プラス(良い、増加等)」「中立(不変等)」「マイナス(悪い、減少等)」の3つの選択肢を用意して、「プラス」と回答した企業の割合から「マイナス」と回答した企業の割合を差し引いた数値のことをいう。

(2)業種別

業況判断BSIを業種別にみると、製造業は18年7−9月期が10.4となり、18年4−6月期比12.8ポイント上昇した(図表2)。

続く18年10−12月期は15.9となり、同7−9月期に比べてさらに5.5ポイント上昇した。内訳をみると、繊維や窯業・土石、食料品といった業種で上昇している。

なお、最近の業況などに関して自由回答形式で尋ねたところ、製造業からは「工場設備投資やマンション・ホテル建設等の旺盛な民需により出荷が好調となっている」(窯業・土石)、「災害への警戒感が高まり保存食の需要が増えた」(食料品)、「スマートフォン用部材の販売が好調である」(化学)といった声がある一方、「一部の半導体関係の受注が急ストップした」(精密機械)、「鋼材、ボルト等の確保が難しくなり、生産に悪影響が出ている」(金属製品)、「米中貿易摩擦の影響が出てきた」(一般機械)といった声が寄せられた。

非製造業は18年7−9月期が▲12.0となり、同4−6月期比0.9ポイント上昇とほぼ横ばいで推移した。

続く18年10−12月期は▲8.9となり、同7−9月期比3.1ポイント上昇した。内訳では、建設や小売などで上昇している。

非製造業の業況については「東京オリンピック関連需要による首都圏の建設工事が依然堅調に推移している」(建設)との声がある一方、「地震等の天災が相次ぎ宴会などが自粛ムードである」(卸売)といった声が聞かれた。

先行きについては製造業、非製造業ともに18年10−12月期と比べて低下する見通しとなっている。

(3)規模別

業況判断BSIを規模別にみると、大企業では、18年7−9月期が13.8となり同4−6月期比10.8ポイント上昇した後、同10−12月期が10.3とやや低下した(図表3)。中堅企業では、同7−9月期が▲2.0と同4−6月期比4.2ポイント低下し、同10−12月期が▲7.7とさらに低下した。中小企業では、同7−9月期が▲3.8と同4−6月期比6.1ポイント上昇し、同10−12月期が1.6とさらに上昇した。

先行きは中堅企業でやや上昇するものの、大企業や中小企業では低下する見通しである。

2生産・売上

─生産・売上は4年半ぶりの高水準─

18年7−12月期(以下、今期)の生産・売上BSI(「増加」−「減少」)は1.7となった (図表4)。同1−6月期(以下、前期)から5.5ポイント上昇し、消費税率引き上げによる駆け込み需要があった14年上期調査(14年上期:1.9)以来、4年半ぶりに高い水準となった。

業種別にみると、製造業は12.2となり前期から8.0ポイント上昇した。内訳をみると、窯業・土石、金属製品などが上昇している。また、非製造業は▲5.6となり、前期から4.0ポイント上昇した。内訳では、卸売、小売などで上昇している。

生産・売上については「設備導入により増産となった」(金属製品)、「外国人旅行者の宿泊が増えている」(サービス他)といった声が聞かれた。

先行きを示す19年1−6月期(以下、来期)のBSIは、▲14.8と今期に比べて大幅に低下する見通しとなっている。

3仕入・販売価格

(1)仕入価格

─4期連続で上昇─

今期の仕入価格BSI(「上昇」−「低下」)は48.3となった(図表5)。前期から2.3ポイント上昇し、4期連続で上昇した。

業種別にみると、製造業は58.1となり前期から3.2ポイント上昇した。内訳をみると、金属製品、繊維などの業種で上昇している。非製造業は41.5となり、前期を1.9ポイント上回った。内訳では、建設、サービス他が上昇している。

仕入価格については「材料費、梱包(副資材)費の高騰により利益が減少している」(金属製品)、「資材の値上がりにより収益性の悪化がみられる」(建設)との声があった。

来期のBSIは46.0となり、今期に比べて2.3ポイント低下する見通しとなっている。

(2)販売価格

─5期連続で前期を上回る─

今期の販売価格BSI(「上昇」−「低下」)は10.4となった(図表5)。前期から1.3ポイント上昇し、5期連続で前期を上回った。

業種別にみると、製造業が8.1となり前期から3.2ポイント上昇した。また、非製造業は12.0となり前期から0.1ポイント低下と概ね横ばいで推移している。

販売価格については「販売価格の上昇により採算が好転している」(木材・木製品)、「高額商品への関心は高くなっている」(繊維)といった声がある一方、「荷主から運賃改定の良い回答は得ているものの、実施時期が先延ばしになっている」(運輸)といった声が寄せられた。

来期のBSIは11.5となり、今期に比べて1.1ポイント上昇する見通しとなっている。

4採 算

(1)採 算

─2期ぶりに改善─

今期の採算BSI(「好転」−「悪化」)は▲9.0となった(図表6)。前期比2.6ポイント上昇し、2期ぶりに改善した。

業種別にみると、製造業は▲4.4となり前期比6.4ポイント上昇した。内訳をみると、食料品、窯業・土石などの業種で上昇している。非製造業▲12.2となり、同0.1ポイント低下した。内訳では、建設、サービス他で低下している。

採算については「5年ほど高どまりしていた仕入れ価格が低下し利益が出やすくなった」(食料品)、「販売価格の上昇により採算が好転している」(木材・木製品)といった声がある一方、「資材、労務費の値上がりにより収益性が悪化している」(建設)、「残業抑制により外注割合が上昇している。人件費上昇のため外注単価もアップしている」(その他製造)、「西日本豪雨の影響で関西方面からのお客様が減少し採算が悪化した」(サービス他)といった声も聞かれた。

来期のBSIは▲13.7となり、今期に比べ4.7ポイント低下する見通しとなっている。

(2)採算好転・悪化の理由

─ 好転要因では「売上数量の増大」「販売価格の上昇」、悪化要因では「売上数量の減少」「仕入価格の上昇」が上位─

今期の採算が「好転」したと回答した企業にその理由を尋ねたところ(複数回答)、「売上数量の増大」(74.4%)の回答割合が最も高く、以下「販売価格の上昇」(25.6%)、「高付加価値製(商)品の比率拡大」(16.7%)、「経営の合理化」(14.4%)などが続いた(図表7)。

なお、18年上期調査と比べると、「販売価格の上昇」の割合が大きく伸びたほか、「経営の合理化」などの割合がやや高くなっている。

一方、今期の採算が「悪化」したと回答した企業にその理由を尋ねたところ(複数回答)、「売上数量の減少」(71.3%)の回答割合が最も高く、以下「仕入価格の上昇」(37.3%)、「人件費などの固定費負担の増加」(26.0%)などが続いた(図表8)。

なお、18年上期調査と比べると、「販売価格の低下」や「輸入品との競合」などの割合がやや高くなっている。

5雇 用

(1)全産業・業種別

─雇用の不足感が一層高まる─

正社員の充足状況をみると、今期の雇用BSI(「過剰」−「不足」)は▲ 41.5となり、前期比2.9ポイント低下した(図表9)。継続的に雇用BSIの調査を開始した1993年下期調査以来最も低い水準となり、雇用の不足感は一層強くなっている。

業種別にみると、製造業は前期比2.2ポイント低下し▲33.0となった。内訳をみると、食料品や化学などで雇用BSIが低下している。非製造業は前期比3.1ポイント低下し▲47.3となった。内訳では、サービス他、建設などで低下している。

雇用については「人材不足により生産性低下を招いている」(その他製造)、「人員不足により時間外労働が増え、人件費も増加した」(サービス他)、「技術者が不足している」(建設)などといった声があった。

(2)職種別

─「生産・建設」「運輸」などで不足感が拡大─

職種別の雇用BSIをみると、「専門・技術」で▲42.8となり不足感が最も強く、以下「生産・建設」(▲33.9)、「営業・販売」(▲32.1)などが続いている(図表10)。

18年上期調査と比べると、「生産・建設」「運輸」などの職種で不足感が拡大した。

(3)正社員不足への対処法

─7割以上の企業が「中途採用の実施」と回答─

「(1)全産業・業種別」で、正社員の充足状況が「不足」と回答した企業に正社員不足への対処法を尋ねたところ(複数回答)、「中途採用の実施」(75.2%)の回答割合が最も高く、以下「新卒採用の実施」(42.9%)、「定年延長や再雇用などによる雇用延長」(20.6%)、「非正社員(パート、派遣社員)の募集」(14.6%)などが続いた(図表11)。

6賞与・一時金の状況

─ 賞与・一時金の増額に前向きな企業の割合は前年を下回る─

18年度の冬季における賞与・一時金の支給について尋ねたところ、「未定」とする回答が多いものの、「増額する」と回答した企業の割合は10.3%、「増額を検討中」が18.6%となっており、これらを合わせた『増額に前向き』な企業の割合は28.9%となっている(図表12)。

ただし、前年同時期に行なった17年下期調査と比べると、『増額に前向き』な企業の割合は2.3ポイント下回っている。

7設備投資

(1)設備投資計画

─18年度の設備投資額は前年度を上回る見通し─

18年度における設備投資の実施企業割合(含む見込み)は61.7%となり、17年度実績を4.1ポイント上回る見込みとなっている(図表13)。

実施企業割合を業種別にみると、製造業が73.0%、非製造業が53.9%となった。

18年度の設備投資額(含む見込み)は、17年度実績比33.5%増となる見通しであり、18年上期調査(20.8%増)より上方修正されている(図表14)。

業種別にみると、製造業は一部大手企業の大型設備投資もあり、17年度実績比57.4%増となっている。内訳をみると、その他製造、精密機械などの業種で増加している。また、非製造業も同7.1%増となっており、サービス他、運輸などの業種で増加している。

規模別にみると、すべての規模で17年度実績を上回っており、大企業が前年度比74.9%増、中堅企業が同2.0%増、中小企業が同10.7%増となった。

なお、19年度の設備投資計画は、現時点では未確定とする企業が含まれていることもあり、実施企業割合、投資額とも前年度実績を下回る見通しとなっている。ただし、前年同時期調査(17年下期調査)での実施企業割合(18年度計画:45.2%)、投資額の前年度比増減率(18年度/17年度:▲37.5%)をそれぞれ上回っている。

(2)設備投資の目的

─「 情報化(IT)投資「」省エネルギー・環境問題への対応」などが上昇─

18年度における設備投資の目的をみると(複数回答)、「既存機械・設備の入れ替え」(66.7%)の回答割合が最も高く、以下「生産能力増大のための機械・設備導入」(27.9%)、「省力化・合理化」(24.9%)などの順となっている(図表15)。

17年度実績と比べると、「情報化(IT)投資」「省エネルギー・環境問題への対応」などが上昇した一方、「既存機械・設備の入れ替え」「土地購入」などが低下した。

8経営上の問題点

─5期連続で「人材不足」がトップ─

経営上の問題点を尋ねたところ(複数回答)、「人材不足」(64.3%)の回答割合が最も高く、以下「仕入価格の上昇」(37.7%)、「先行き見通し難」(35.1%)、「生産・受注・売上不振」(33.9%)、「競争の激化」(28.2%)、「人件費の増加」(26.5%)などが続いている(図表16)。

18年上期調査と比べると、順位に大きな変化はないものの、「競争の激化」「生産・受注・売上不振」「先行き見通し難」などの割合がやや低下した。

9軽減税率制度導入の準備状況

─ 3割超の企業が軽減税率制度導入の準備に未着手─

19年10月1日から、消費税率引き上げと同時に実施される予定となっている軽減税率制度導入の準備状況を尋ねたところ、「準備が必要な業務はない(対象品目を取り扱っていない)」(32.4%)と回答した企業の割合が最も高く、以下「準備に取り掛かり始めている」(30.6%)、「準備に取り掛かっていない」(27.5%)、「準備に何が必要かわからない」(5.0%)、「準備は完了している」(0.9%)などとなっている(図表17)。

なお、「準備に取り掛かっていない」と「準備に何が必要かわからない」を合わせた『軽減税率制度導入の準備が未着手』の企業の割合は3割を超えている。

まとめ

─業況感は改善するも先行きは慎重な見通し─

アンケート調査結果をみると、県内企業の「業況感」は18年7−9月期、同10−12期連続で上昇した。

一方、先行きを示す見通しBSI(19年1−3月期、同4−6月期)は18年10−12月期と比べ悪化している。原材料価格の高騰などによる仕入価格の上昇や人手不足が企業の採算を圧迫していることに加えて、米中貿易摩擦が懸念されることなどから、先行きについては慎重な見方が示されている。

今後、こうした懸念材料に警戒しながら、米中間の交渉経緯の行方や米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策、為替動向などを注視していく必要があろう。

(2019年1月 久住 正人)

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正社員の中途採用に関する経営者アンケート調査

2019/02/01 :自主調査(調査報告)

─新潟経済社会リサーチセンター・ホクギン経済研究所 共同調査─

一般財団法人 新潟経済社会リサーチセンターと株式会社 ホクギン経済研究所は2018年10月1日の「第四北越フィナンシャルグループ」設立後、初の試みとして、特別調査「正社員の中途採用に関する経営者アンケート調査」を共同で実施した。

要旨

〇正社員の中途採用活動の有無

─8割超の企業が正社員の中途採用活動を「実施したことがあり、今後も実施したい」との意向─

過去3年間(2015年12月から現在までの間)で正社員の中途採用活動を実施したかどうかを尋ねたところ、「実施したことがあり、今後も実施したい」と回答した割合は83.9%となった。業種別にみると、「実施したことがあり、今後も実施したい」と回答した割合は、製造業で81.1%、非製造業で85.7%となっている。

〇正社員の採用状況

─半数以上が予定人数に達していない─

採用活動を実施した先に採用状況を尋ねてみると、「予定していた人数を下回った」と回答した割合が55.7%と最も高く、半数を超えた。一方、「予定どおりの人数だった」と回答した割合が42.3%、「予定の人数を上回った」の割合が2.0%となり、これらを合わせた『予定以上の人数だった』の割合は44.3%となった。規模別にみると、「予定していた人数を下回った」の割合が大企業で50.0%、中堅企業で72.9%、中小企業で54.5%となり、すべての規模において半数以上が予定の採用人数に達していなかった。水準に差はあるものの、企業の規模に関わらず採用活動は厳しいことがうかがえる。

〇採用段階での課題

─「応募が少ない」が7割超─

採用段階での課題を尋ねたところ(複数回答)、「応募が少ない」(74.2%)と回答した割合が7割を超えて最も高くなった。以下「応募者が自社に適した人材かの見極めが難しい」(46.1%)、「応募者のスキルや能力が採用基準に達しない」(33.8%)などが続いている。

はじめに

新潟労働局の「労働市場月報」によると、県内における正社員の有効求人倍率(2017年度・原数値・平均)は1.10倍となった(図表1)。リーマン・ショック後の10年度から上昇傾向が続いており、統計の公表が始まった05年度以来、最も高い水準となっている。また、県内企業からは人手不足に直面しているとの声が多数あがっており、企業の中途採用に対する意欲は高まっている。

そこで、県内における正社員の中途採用活動の現状と課題を把握するために、県内企業1,440社(有効回答768社)を対象に当センターとホクギン経済研究所が共同でアンケート調査を行った。以下はその結果である。

1正社員の中途採用活動の有無

─ 8割超の企業が正社員の中途採用活動を「実施したことがあり、今後も実施したい」との意向─

過去3年間(2015年12月から現在までの間)に正社員の中途採用活動を実施したかどうかを尋ねたところ、「実施したことがあり、今後も実施したい」と回答した割合は83.9%となった(図表2)。以下、「実施したことがなく、今後も実施するつもりがない」(6.9%)、「実施したことがあるが、今後は実施するつもりがない」(4.7%)、「実施したことはないが、今後は実施したい」(4.6%)となった。

「実施したことがあり、今後も実施したい」と回答した企業の割合を業種別にみると、製造業が81.1%、非製造業が85.7%となっている。特に、運輸(95.1%)、建設(94.5%)、一般機械(91.7%)、金属製品(88.1%)などで高くなった。

規模別では大企業で86.2%、中堅企業で86.4%、中小企業で83.5%となり、大きな差はみられなかった。

なお、「実施したことがあり、今後も実施したい」と「実施したことはないが、今後は実施したい」を合わせた『今後実施したい』の割合は88.5%となった。

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2019年新潟県経済を占う 県内主要団体に聞く

2019/01/04 :自主調査(調査報告)

県内景気は横ばいながらやや慎重な見通し。人材確保・育成、消費税増税・軽減税率制度への対応が課題

はじめに
2018年の新潟県経済を振り返ると、住宅投資や公共投資は弱い動きが続いた一方、海外経済の回復などから生産活動は緩やかに持ち直し、設備投資は増加傾向に推移した。総じてみると、足元の県内経済は緩やかに持ち直している状況にある。

こうしたなか、当センターでは、県内の主な業界団体や商工会議所・連合商工会の42団体にご協力をいただき、2019年の見通しについて伺った。以下はその調査結果である。

1.2019年の国内景気見通し

─先行きには慎重な見方が広がる─

新年(2019年)の国内景気の見通しを尋ねたところ、前年と比べて「変わらない」と予想する回答が26団体と最も多く、調査対象42団体(業界団体32団体、商工会議所・連合商工会10団体)のうち6割超の団体が現状維持で推移するとみている(図表1)。

ただし、前年調査(2018年見通し)と比較すると、「好転」「やや好転」が減少する一方、「やや悪化」が増加するなど慎重な見方をする団体が増えている。

2.2019年の県内景気見通し

─前年に比べやや慎重な見通し─

新年(2019年)の県内景気の見通しについては、前年と比べて「変わらない」と予想する回答が27団体と最も多くなった(図表2)。ただし、「やや好転」が3団体にとどまる一方、「やや悪化」は12団体となった。

前年調査(2018年見通し)と比較すると、「やや好転」や「変わらない」と予想する回答が減少する一方、「やや悪化」が増加している。県内景気の先行きについては、前年と比べてやや慎重な見通しが示されている。

3. 県内各業界・各商工会議所管内の業況判断

─ 業況見通しは「やや好転」「変わらない」が減少する一方、「やや悪化」が増加─
(1)2018年の業況

2018年の業況について好況か不況かを尋ねたところ、「どちらとも言えない」と回答した団体が42団体中22団体と約半数を占めた。一方、「好況」が1団体、「やや好況」が6団体となったのに対して、「やや不況」が10団体、「不況」が3団体となった(図表3)。

(2)2019年の業況見通し

2019年の業況見通しを尋ねると、「変わらない」と回答した団体が26団体と最も多く、次いで「やや悪化」が14団体、「やや好転」が2団体となった(図表3)。前年調査と比べると、「やや好転」「変わらない」の回答が減る一方、「やや悪化」が増えている。

業況見通しについては、「東京オリンピック需要はまだ旺盛である」「消費税増税前の駆け込み需要が期待される」といった前向きな声がある一方、「原材料価格や人件費が上昇しており、経費が増加している」「消費税増税後の景気悪化や消費税の軽減税率制度への対応が負担となる」「米国の通商政策の影響が懸念される」といった慎重な声もあった。

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