自主調査(調査報告)

新潟県企業動向調査 2020年下期

2021/02/01 :自主調査(調査報告)

─業況感は2期連続で上昇するものの、依然として低い水準。先行きは悪化する見通し─

はじめに

新型ウイルス感染症(COVID-19)の影響により県内経済は厳しい状況が続いている。また、県内外で感染者数が増加しており、先行きについても不透明感が増している。

こうしたなか、県内景気の現状と先行きを把握するため、県内企業1,000社を対象にアンケート調査を実施した。

1業況感

(1)全産業

─2期連続で上昇するものの、依然として低い水準─

2020年7-9月期における県内企業の業況判断BSI(※)は▲43.7となった。20年4-6月期の▲52.8から9.1ポイント上昇した(図表1)。

続く20年10-12月期(含む実績見込み)は▲37.8となり、同7-9月期と比べて5.9ポイント上昇した。中国向けの輸出が一部で回復してきたことや各種GoToキャンペーン事業などの効果もあり、2期連続で上昇したものの、依然として低い水準にとどまっている。

先行きを示す見通しBSIは2021年1-3月期が▲49.1、続く同4-6月期は▲43.1と、20年10-12月期の実績見込みに比べて悪化が見込まれている。

(2)業種別

─ 製造業、非製造業ともに先行きは厳しい状況が続く見込み─

業況判断BSIを業種別にみると、製造業は20年7-9月期が▲52.5となり、20年4-6月期比ほぼ横ばいとなった(図表2)。

続く20年10−12月期は▲46.9と、同7-9月期に比べて5.6ポイント上昇した。窯業・土石や繊維などは低下したものの、電気機械や化学などが大きく上昇した。

なお、回答企業からは「新型ウイルスの影響で販売不振となり、販売店の在庫が増加しているため、受注が激減している」(繊維)との声がある一方、「高付加価値製品の受注が増加したことや、労働生産性を改善し、経費を削減したことにより損益は改善した」(電気機械)との声が寄せられた。

非製造業は20年7-9月期が▲36.9となり、20年4-6月期比15.3ポイント上昇した。

続く20年10−12月期は▲30.8と、同7-9月期に比べて6.1ポイント上昇した。建設は低下したものの、それ以外の業種はすべて上昇した。

非製造業からは「民間の設備投資の低迷で価格競争が厳しい」(建設)との声がある一方、「新型ウイルスの影響により、まとめ買いをする顧客が増えたため、客単価が上昇して売上高が増加した」(小売)といった声が聞かれた。

先行きは製造業、非製造業ともに厳しい状況が続くことが見込まれる。

(3)規模別

─すべての規模で先行きは厳しい状況が続く見込み─

業況判断BSIを規模別にみると、20年7−9月期は大企業が▲18.2、中堅企業が▲28.9、中小企業が▲46.0となり、20年4-6月期と比べてすべての規模で上昇した(図表3)。続く20年10-12月期は大企業が▲12.1、中堅企業が▲11.1、中小企業が▲41.1となり、同7-9月期比でいずれも上昇した。

先行きについてはすべての規模において低下する見通しとなっている。

2採算

─4期ぶりに上昇─

今期の採算BSI(「好転」-「悪化」)は▲32.1となった(図表4)。前期比8.7ポイント上昇し、4期ぶりに前期を上回った。

業種別にみると、製造業は▲38.4となり前期比4.3ポイント上昇した。木材・木製品や化学などは低下した一方、食料品や金属製品などは上昇している。非製造業は▲27.3となり前期比12.1ポイント上昇した。建設は低下した一方、運輸や小売などは上昇している。

来期のBSIは▲34.2となり、今期に比べ2.1ポイント低下する見通しとなっている。

3雇用

(1)全産業・業種別

─雇用BSIは2期連続で雇用の不足感が緩和─

正社員の充足状況をみると、今期の雇用BSI(「過剰」-「不足」)は前期比3.7ポイント上昇し、▲17.0となった。2期連続で上昇しており、雇用の不足感は緩和している(図表5)。

業種別にみると、製造業は前期比6.3ポイント上昇の0.3となった。8年ぶりにプラスとなり、製造業の雇用はほぼ適正水準となった。一方、非製造業は前期比1.4ポイント上昇し▲30.3となった。小売や卸売などの業種で低下した一方、運輸や建設で大幅に上昇したため、雇用の不足感がわずかに和らいでいる。

回答企業からは「業界全体の人材不足、人手不足の状況は変わらない」(建設)といった声が聞かれた一方、「新型ウイルスの影響で業績が悪化しているため、部門によって労働力過剰がみられる」(輸送機械)との回答もあった。

(2)職種別

─「営業・販売」などで雇用の不足感が緩和─

職種別の雇用BSIをみると、「専門・技術」で▲35.9となり不足感が最も強く、以下「営業・販売」(▲19.3)、「生産・建設」(▲14.0)などが続いている(図表6)。

前期と比べると、「運輸」などで不足感が拡大した。一方、「営業・販売」などで不足感が緩和している。

4新規学卒者を対象とした正社員の採用活動について

─前年度並みとする企業が5割超─

新規学卒者を対象とした正社員の採用活動(2021年4月入社)について前年度と比べてどのような予定となっているか尋ねてみると、「前年度並み」が56.1%と最も高くなった(図表7)。また、「増やす」「やや増やす」を合わせた『増加予定』と回答した企業の割合は27.3%となった。一方、「やや減らす」「減らす」を合わせた『減少予定』と回答した企業の割合は16.6%となった。

業種別にみると、『増加予定』の企業の割合は非製造業が製造業を上回った。一方、『減少予定』の企業の割合は製造業が非製造業を上回った。

規模別でみると、大企業は他の規模に比べて『減少予定』の割合が高くなっており、新規学卒者の採用について慎重になっていることがうかがえる。

5設備投資

(1)設備投資計画

─20年度の設備投資額は前年度比22.1%減の見通し─

20年度における設備投資の実施企業割合(含む見込み)は56.4%となり、19年度実績を3.3ポイント下回る見込みとなった(図表8)。実施企業割合を業種別にみると、製造業が66.5%、非製造業が48.7%となっている。

20年度の設備投資額(含む見込み)は、19年度実績比22.1%減と前年度を下回る見通しとなった。新型ウイルスの影響による需要の減少や先行き不透明感の高まりから、設備投資に対する慎重な姿勢がみうけられる。

業種別にみると、製造業は19年度実績比16.2%減となった。内訳をみると、鉄鋼、化学のみが増加し、それ以外の業種は減少している。なかでも電気機械や精密機械などが大きく減少している。一方、非製造業は同32.7%減となった。建設、小売が増加しているものの、運輸、卸売などは減少している。

規模別にみると、大企業が19年度実績比31.6%減、中堅企業が同19.7%減、中小企業が同19.4%減とすべての規模で減少しており、大企業の落ち込みが特に大きくなっている。

(2)設備投資の目的

─「既存機械・設備の入れ替え」が7割超─

20年度における設備投資の目的をみると(複数回答)、「既存機械・設備の入れ替え」(71.1%)の割合が最も高く、以下「生産能力増大のための機械・設備導入」(28.6%)、「省力化・合理化」(28.3%)などの順となった(図表9)。19年度実績と比べると大きな差はみられなかった。

6経営上の問題点

─「生産・受注・売上の不振」が9期ぶりにトップ─

経営上の問題点を尋ねたところ(複数回答)、「生産・受注・売上の不振」(58.9%)と「先行き見通し難」(55.6%)の割合が特に高くなった(図表10)。このうち、「生産・受注・売上の不振」は2016年5月の調査以来、9期ぶりにトップとなった。20年上期調査と比べると、「先行き見通し難」「取引先の経営不振」などの割合が低下した一方、「競争・競合激化」などの割合が大幅に上昇している。

回答企業からは以下の声があった。「新型ウイルスの影響で訪問による営業活動が制限されているため、新規案件の打ち合わせが難しい状況が続いている」(精密機械)、「業務用の調理器具の売上が不振となっている」(金属製品)、「新型ウイルス感染拡大に伴う各種イベントの中止により、売上高が減少している」(小売)、「新型ウイルス感染拡大により、工事の中止、遅延、資材の納入遅れ等が発生したため、業況の悪化がみられる」(建設)、「新型ウイルス感染症により、ビジネス客、旅行客、レジャー客等が減少した影響でホテルなどに対する清掃業務の売上高が減少した」(サービス他)といった売上の不振に関する回答が多く寄せられている。

まとめ

今回の調査結果をみると、20年7-9月期、同10−12月期の「業況感」は2期連続で上昇となったものの、依然として低い水準が続いている。

先行きを示す見通しBSIは悪化が見込まれており、経営上の課題でも「生産・受注・売上の不振」が2016年5月の調査以来、9期ぶりにトップとなるなど、依然として厳しい状況が続いていることがうかがえる。

足元では、緊急事態宣言が再発出されている地域があるなかで、新型ウイルスによる影響の長期化が予想されることなどから、県内経済の本格的な回復には相応の時間を要すると思われる。

(2021年1月 江口 大暁)

全文PDFtip_pdf

このページのトップへ

新型ウイルス感染症(COVID-19)が県内経済に及ぼす影響調査(2020年下期)

2021/02/01 :自主調査(調査報告)

─20年10−12月期の『売上高が減少』した企業は6割超─

はじめに

最近の県内経済の経済指標等をみると、生産活動は低水準ながら持ち直しつつある。電子部品デバイスでテレワークや5G関連の受注がみられるほか、食料品は量販店向けを中心に堅調に推移している。また、個人消費も巣ごもり消費や政府の消費喚起策の効果などから、上向きつつある。ただし、足元では新型ウイルスの感染が拡大していることなどから、先行きの不透明感が増している。

こうしたなか、県内企業1,000社を対象に、新型ウイルスの影響を把握するため、2020年5月の調査に続き、2回目のアンケート調査を実施した。

1新型ウイルスの企業活動への影響

(1)全産業

─『マイナスと判断』している企業の割合は約8割─

すべての企業に2020年11月現在の新型ウイルスの企業活動への影響を尋ねたところ、「マイナスの影響がある」と回答した企業は50.0%、「ややマイナスの影響がある」は29.3%となり、この両者を合計した『マイナスと判断』している企業の割合は79.3%となった(図表1)。一方、「影響はない」が13.9%、そして「ややプラスの影響がある」「プラスの影響がある」を合わせた『プラスと判断』している割合は6.8%にとどまった。

調査対象などに違いがあるため単純に比較はできないものの、前回調査(2020年5月調査)との比較では『マイナスと判断』と回答した企業の割合が5.6ポイント減少した一方、「影響はない」と『プラスと判断』を合わせた割合は5.6ポイント増加している。依然としてマイナスの影響を受けている企業が多いものの、影響が緩和している企業も一部にみられる。

(2)業種別

─『マイナスと判断』した企業の割合は製造業で高い─

業種別にみると、『マイナスと判断』している企業の割合は製造業で82.9%、非製造業で76.4%となり、製造業の割合が非製造業を上回った。前回調査との比較では、製造業は4.3ポイント、非製造業では6.9ポイント低くなっている。

さらに詳しくみると、製造業で『マイナスと判断』している企業の割合は酒類、木材・木製品、一般機械、電気機械、精密機械(いずれも100.0%)で特に高くなったほか、輸送機械(92.3%)、鉄鋼(90.9%)で9割を超えた(図表2)。一方、その他食料品・飲料(53.3%)、窯業・土石(66.7%)などでは比較的低くなっている。

これに対して、非製造業で『マイナスと判断』している企業の割合は飲食業(100.0%)などで特に高くなった。一方、食品スーパーなどが含まれる大型小売店(25.0%)や測量・建設コンサルタント(43.8%)などでは低くなっており、業種間で大きな差がみられた。

続きを表示…

このページのトップへ

2021年新潟県経済を占う 県内主要団体に聞く

2021/01/18 :自主調査(調査報告)

─極めて厳しい1年となった前年からの持ち直しに期待新型ウイルスの影響長期化が懸念される一方、「ウィズ/アフターコロナ」を見据えた新たな取り組みへの着手も─

はじめに

感染症の世界的な感染拡大に伴う経済活動の停滞から、年前半は急速に悪化した。その後、経済活動の段階的な再開や政府による各種経済対策の効果により、生産活動や個人消費は低水準ながら緩やかに持ち直しつつある。総じてみると、足元の県内経済は持ち直しの動きがみられる状況にある。ただし、本格的な冬を前に新型ウイルスの感染者が増加しており、景気の先行きが懸念されている。

こうしたなか、当センターでは県内の主な業界団体や商工会議所・連合商工会の42団体にご協力をいただき、2021年の見通しについてうかがった。以下はその調査結果である。

1.2021年の県内景気見通し

─厳しかった前年から持ち直す見通し─

 

新年(2021年)の県内景気の見通しを尋ねたところ、前年と比べて「やや好転」と予想する回答が17団体と最も多く、調査対象42団体の約4割を占めた(図表1)。以下「変わらない」が13団体、「やや悪化」が9団体、「悪化」が2団体、「好転」が1団体と続いている。新型ウイルスの影響から国内外経済が急激に減速するなか、2020年の県内景気は極めて厳しい1年となった。2021年は新型ウイルスの影響が続くものの、経済活動の正常化やワクチン実用化に向けた動きへの期待から、前年に比べて徐々に持ち直していくとの見方が多いようである。

続きを表示…

このページのトップへ

新潟県消費動向調査 2020年冬期

2020/12/01 :自主調査(調査報告)

─新型ウイルスの影響により「ボーナス支給予想」は大幅に低下。「消費支出」は低水準ながらも3期ぶりに上昇─

はじめに

新潟県内の個人消費関連の経済指標等をみると、新型ウイルスの影響による巣ごもり需要を背景に、食料品や日用品の販売増加が続いており食品スーパーなどが堅調となっている。一方、外食や旅行・観光などのサービス業は厳しい状況が続きながらも緩やかな持ち直しの動きがみられており、足元の個人消費は持ち直しつつある。

こうしたなか、個人消費の実態と先行きの動向を把握するため、9月中旬から下旬にかけて県内勤労者400人(有効回答400人)を対象に、収入や消費支出の状況、ボーナスの支給予想、キャッシュレス決済の利用動向等についてインターネットによるアンケート調査を実施した。

注: 調査方法、調査の回答者数などの変更により、調査結果に不連続が生じているため、過去調査との比較は参考値となる

1収入の推移

─ 横ばいとなり、低水準での推移が続く─

半年前と比べて収入が「増えた」と回答した人の割合は5.0%、「減った」と回答した人の割合は28.2%となり、収入CSIは▲23.2となった(図表1)。収入CSIは20年夏の調査(以下、前回調査)と比べ横ばいとなり、低水準での推移が続いている。

なお、回答者からは半年前との収入の変化について新型ウイルスの影響をあげる声が多く寄せられた。「新型ウイルスの影響で勤務先の業績が良くなり臨時ボーナスが出た」(20代女性)といった声がある一方、「一時帰休の実施で週休3日となったことに伴い、給料が減少した」(50代男性)との声が寄せられるなど、収入への影響は勤務している業種ごとに違いがみられた。

今後半年間についても同様に尋ねたところ、収入予想CSIは▲24.5となった。足元のCSIと比べて1.3ポイント低下しているものの、引き続き横ばい圏内での推移が見込まれている。

2消費支出の推移

─ 過去最低水準での推移が続くものの、3期ぶりに上昇─

半年前と比べて消費支出が「増えた」と回答した人の割合は16.0%、「減った」と回答した人の割合は19.5%となり、消費支出CSIは▲3.5となった(図表2)。消費支出CSIはマイナス圏での動きが続いているものの、過去最低水準となった前回調査と比べて6.5ポイント上回り、3期ぶりに上昇した。

消費支出については「外食など出かける機会が徐々に増えたため支出は半年前より増えた」(60代女性)など外出自粛を緩めているといった声がある一方、「夏の賞与がなくなったため、お金を使う機会を減らしている」(40代男性)など収入の減少を背景に節約を意識しているとの声も聞かれた。また、「外食費や交際費は減ったが、日用品や衛生用品への支出は増えた」(30代女性)といった消費支出の総額は同程度であっても、新型ウイルスの影響による生活の変化に伴い、支出の内訳が変わったとの声も多く聞かれた。

今後半年間の消費支出についても同様に尋ねたところ、消費支出予想CSIは▲5.8となった。足元のCSIと比べて2.3ポイント低くなっており、先行きの消費支出にはやや消極的な姿勢がうかがえる。

3今後半年間における消費支出項目

今後半年間の消費支出について「増えそう」な支出項目と「減りそう」な支出項目をそれぞれ尋ねた(複数回答)。

〈消費支出が増えそうな項目〉

─サービス消費関連の割合が上昇─

「増えそう」と回答した割合が最も高かったのは、「食費(外食費を除く)」で48.6%となった(図表3)。次いで「日用品(生活雑貨・消耗品等)」「保健医療費」などの順となっている。

前回調査と比べると、「外食費」「趣味・娯楽費(書籍・スポーツ・アウトドア用品等)」など外出を伴うサービス消費関連の割合が上昇しており、外出自粛はやや緩和傾向にある模様である。

〈消費支出が減りそうな項目〉

─「旅行(国内旅行・海外旅行)」には依然慎重姿勢─

「減りそう」と回答した割合が最も高かったのは、「外食費」で57.5%となった(図表4)。以下「旅行(国内旅行・海外旅行)」「衣類・ファッション」などの順となっている。

前回調査と比べると、「旅行(国内旅行・海外旅行)」の割合が上昇している。回答者からは「外出は少し増えたが、旅行にはまだ行けない」(40代男性)といった声が聞かれるなど、依然として旅行には慎重な姿勢が続いている。外出自粛を緩める動きは出てきているものの、近場への外出にとどめている模様でありレジャー関連のなかでも需要の戻りに違いがみられる。

4キャッシュレス決済の利用状況

政府の「キャッシュレス・消費者還元事業」終了後におけるキャッシュレス決済の利用状況について尋ねた。

(1 )「キャシュレス・消費者還元事業」

終了後の利用頻度の変化

─キャッシュレス決済が増えたのは3割台半ば─

「キャッシュレス・消費者還元事業」(19年10月~20年6月末、以下キャッシュレス還元事業)期間中と終了後でキャッシュレス決済の利用頻度の変化を尋ねたところ、20年7月以降キャッシュレス決済の頻度が「増えた」「やや増えた」を合わせた『増加派』の割合が36.8%となった(図表5)。一方、「変わらない」は50.9%、「やや減った」「減った」を合わせた『減少派』は6.3%、「利用していない」は6.0%となった。

キャッシュレス決済の利用状況を決済手段別にみると、『増加派』の割合は「クレジットカード」(30.1%)で最も高く、以下「QRコード決済(PayPay、LINEPay等)」(22.3%)、「カード型の電子マネー(Suica、WAON等)」(12.0%)などの順となった。

当センターではキャッシュレス還元事業の期間中であった20年4月に「キャッシュレス決済に関するアンケート調査」で、キャッシュレス還元事業終了後のキャッシュレス決済の利用意向について調査している。調査対象などに違いがあるため単純に比較はできないものの、「増えると思う」「やや増えると思う」を合わせた『増加意向』の割合は25.3%となっていたのに対し、事業終了後に尋ねた今回の結果では『増加派』が36.8%と10ポイント以上高くなっており、キャッシュレス決済は想定よりも増加したことがうかがえる。

(2 )「マイナポイント事業」の申し込み状況

─『利用意向あり』は48.3%と5割弱─

20年9月から「マイナポイント事業」が開始された。「マイナポイント事業」は、マイナンバーカードを使って予約・申し込みを行ない、選んだキャッシュレス決済サービスでチャージや買い物をすると、利用金額の25%分のポイントがもらえる仕組みとなっている。現在の申込状況を尋ねたところ、マイナポイントについて「利用する予定であり、申し込み手続きが完了している」「利用する予定であり、申し込み手続き中である」「利用する予定だが、まだ申し込み手続きをしていない」を合わせた『利用意向あり』の割合は48.3%となった(図表6)。一方、「利用する予定はない」は51.7%となった。

調査時期や調査対象などに違いがあるため単純に比較はできないものの、株式会社ICT総研「マイナポイント利用状況に関する調査」(20年8月)によると、全国では「マイナポイント制度に登録している」「今後、登録・利用したいと思う」を合わせた割合は44.6%となっており、県内の利用意向(48.3%)は全国をやや上回っている。

5商品やサービスの購入・支出時の行動

─「 できるだけ長期間にわたって使用できるものを買う」割合が高い─

最近の消費意識や行動の特徴を探るために商品やサービスを購入・支出時にどのような点を重視しているかを尋ねたところ、「あてはまる」「ややあてはまる」を合わせた『肯定派』の割合は「できるだけ長期間にわたって使用できるものを買う」(72.3%)、「定価ではなく値下げされた『お買い得』なものを買う」(69.3%)で特に高くなった(図表7)。以下「価格が品質に見合っているか検討してから買う」(64.5%)、「事前に機能や品質など情報収集をしてから買う」(58.8%)などの順となっている。一方、『肯定派』が低い項目は「ものを買って所有するよりもレンタルやサブスクリプションを利用する」「環境に配慮した商品を選んで買う」などとなっている。なお、「環境に配慮した商品を選んで買う」「中古品を買うことに対する抵抗感がない」については『肯定派』の割合と、「あてはまらない」「ややあてはまらない」を合わせた『否定派』の割合が拮抗しており、意見が割れている。

6ボーナス支給予想

今冬のボーナスが昨年の冬と比べて「増えそう」と回答した人の割合は2.3%、「減りそう」と回答した人の割合は34.8%となった(図表8)。ボーナス支給予想CSIは▲32.5となり、参考までに19年冬の調査と比べると23.5ポイント下回り、10年冬の調査(▲36.0)以来の低い水準となった。

年代別にみると、「増えそう」の割合に大きな差はみられなかった一方、「減りそう」は40代(42.7%)と20代(41.3%)が4割を超えて高くなった。

7ボーナスの使途

─「 預貯金等」が大幅上昇し、過去最高水準に─

今冬に「ボーナス支給がある」と回答した277人を対象に、ボーナスの使途について尋ねたところ(複数回答)、「預貯金等」の割合が67.1%となり最も高くなった(図表9)。これは、調査方法が異なるものの1975年夏の調査開始以来過去最高となった88年冬の調査(67.1%)と同じ水準となっている。以下「買い物」「生活費の補填」などの順となった。

参考までに2019年冬の調査と比べると、「預貯金等」の割合が17.1ポイントと大幅に上昇した。年代別にみると、すべての年代で「預貯金」の割合が最も高くなっており、特に30代と40代では71.9%と7割を超えている。

まとめ

今回の調査結果をみると、新型ウイルスの影響により「収入」が低水準のまま横ばいで推移するなか、「消費支出」は3期ぶりに上昇した。「新しい生活様式」が定着するなか、自宅で過ごす時間を充実させるための支出増加のほか、段階的ではあるものの徐々に外出を伴うレジャーなどを再開させる動きが出てきたことが要因と思われる。

ただし、先行きの「消費支出」は足元に比べ低下し、ボーナスの使途では「預貯金」の割合が過去最高水準に上昇するなど、新型ウイルスの感染再拡大が懸念される冬を前に家計への防衛意識の高まりもみられる。したがって、個人消費の回復は緩やかなものにとどまることが予想される。

(2020年11月 近)

続きを表示…

このページのトップへ

「新型ウイルスが生活に与える影響」に関するアンケート調査

2020/12/01 :自主調査(調査報告)

─衛生意識の向上や感染予防対策から、「キャッシュレス決済」や「オンラインショップ」の利用が増加─

はじめに

新型ウイルス感染症の拡大は、働き方や消費行動など生活に大きな変化をもたらしている。そこで、新型ウイルスが生活に与える影響について把握するため、9月中旬から下旬にかけて県内勤労者400人(有効回答400人)に対してインターネットによるアンケート調査を実施した。

1消費支出の現状

─ 前年割れが続くものの、生鮮食品や衛生用品などへの支出は増加─

総務省の「家計調査」により、消費支出(二人以上の世帯、実質)をみると、今年2月頃から新型ウイルスの影響がみられ始め、緊急事態宣言(注)が発出された5月は前年比16.2%減と大きく減少した(図表1)。その後、やや持ち直しているものの前年比大幅な減少が続いている。

消費支出の内訳をみると項目ごとに違いがみられる。消費支出が大幅に減少した項目として、外食やパック宿泊費、鉄道運賃といった外出型の消費があげられる(図表2)。また、口紅は化粧する機会の減少やマスク着用が定着化したことで使用頻度が低下し消費の落ち込みがみられる。一方、消費支出が増えた項目では、生鮮食品(青果、肉類、鮮魚など)や酒類といった飲食料品のほか、ゲーム機などがあげられる。自宅で過ごす時間が増えたことで自炊傾向が高まったことや家の中でも楽しむことができるモノへの支出を増やす動きがみられた。なお、衛生意識の向上や感染予防のため保健用消耗品(マスクなど)は4月以降前年を大きく上回る支出が続いている。

このように新型ウイルスの影響で生活の場が外から内に変化するのに伴い、消費行動や支出の内容にも大きな変化が生じている。

注: 緊急事態宣言期間:新潟県では4/16~5/14、全国では4/7~5/25

続きを表示…

このページのトップへ

新潟県の景気の現状と先行き見通し

2020/11/02 :自主調査(調査報告)

─悪化が続いているものの、下げ止まりつつある新潟県経済─

1景気の現状と先行き

現 状

◎ 悪化が続いているものの、下げ止まりつつある県内経済

県内主要経済指標等から景気の現状を概観すると、設備投資と公共投資は減少している。雇用状況は悪化している。一方、生産活動と個人消費は下げ止まりつつある。総じてみると、県内経済は新型ウイルス感染症の影響により悪化が続いているものの、下げ止まりつつある。

先行き

◎持ち直しに向かうものの、戻りは緩やかに

経済活動再開の動きが徐々に広がるなか、県内経済は持ち直しに向かうとみられる。新潟県が公表している景気動向指数(先行指数、3カ月移動平均)をみても、新型ウイルスの感染拡大に伴い2020年初から大幅に低下していたものの、足元で下げ止まりやや持ち直しつつある(図表1)。

ただし、感染拡大防止と両立しながら経済活動の正常化を図る必要があることから、県内経済が感染拡大前の水準に回復するには時間を要すると予想される。

生産活動は工場の稼働状況が戻りつつある一方、世界的な需要低迷を背景に増産や設備投資などの動きが期待できないため、持ち直しの動きは緩やかなものにとどまると予想される。個人消費は大きく落ち込んでいた外食や旅行などのサービス消費が低水準ながら緩やかに持ち直しつつある。ただし、感染状況次第で外出自粛傾向が高まることから、個人消費が下振れする可能性に注意する必要がある。雇用状況は一段の悪化が懸念される。雇用の不足感は急速に緩和しており、雇用調整助成金の特例措置などを活用し、雇用を維持している企業も多い。今後、経済活動への影響が長期化すれば倒産や休廃業に追い込まれる企業が増えるとみられ、離職者の増加から有効求人倍率のさらなる低下が見込まれる。

2生産活動の現状と先行き

現 状

◎下げ止まりつつある

生産活動は下げ止まりつつある。新潟県の鉱工業生産指数(季節調整値)は、20年4-6月期に前期比9.2%低下の89.1と大幅に低下し、3四半期連続で前期を下回った(図表2)。ただし、7月は86.1と6月の85.3から上昇しており、生産活動は下げ止まりつつある。

業種別にみると、汎用・生産用・業務用機械は一部で中国向けの製品が回復しているものの、企業の設備投資需要の減退から弱い動きとなっている(図表3)。金属製品は工場や住宅の建設が低迷するなか、作業工具や建設用金属製品の受注が落ち込んでおり低調に推移している。輸送機械は生産水準が前年を下回っているものの、完成車メーカーの生産正常化に伴い自動車部品などが大幅な減産から持ち直しつつある。食料品はいわゆる「巣ごもり消費」が堅調であることから、家庭用商品を中心に高水準での生産が続いている。

 

先行き

◎緩慢な持ち直しにとどまる

汎用・生産用・業務用機械は中国向けの生産が回復している一方、中国を除く海外及び国内企業の設備投資意欲は減退しており、弱い動きが予想される。輸送機械は新車の販売低迷に加え、生産の合理化や環境対策・デジタル化への対応などから、完成車メーカーは戦略的に既存車種を縮小させており、自動車部品を中心に低水準での推移が続くとみられる。金属製品は家庭向け製品などが伸びているものの、住宅や工場の建設需要の落ち込みから、作業工具や建設用製品の需要低迷が見込まれる。一方、食料品は大幅な増産に落ち着きがみられるが、内食・中食の定着から高い水準での生産を維持すると思われる。

したがって、家庭向け製品の生産は堅調に推移するものの、国内外の需要回復に大きな期待ができないことから持ち直しの動きは緩やかなものにとどまると思われる。

3設備投資の現状と先行き

現 状

◎減少している

設備投資は減少している。当センターが20年上期に実施した「企業動向調査」によると、20年度の設備投資の実施(含む計画)企業の割合は前年度比12.5ポイント減、設備投資額も同17.2%減となり、いずれも前年度を下回る見込みとなった(図表4)。製造業では、国内外の需要低迷を背景に、輸送機械や食料品などで生産能力増大に向けた設備投資が減少している。また、先行きの不透明感から投資の延期や縮小の動きがみられる。非製造業では、情報化を中心とした投資が引き続き増加しているものの、卸売やサービス他で前年の大型投資の反動がみられており、投資額は前年を下回っている。

先行き

◎設備投資への慎重な姿勢は続く

設備投資について、企業からは「足元の稼働状況の低下に加え今後の受注状況も見通せないため、当初の計画を見直した」との声や「今年度は最低限の投資にとどめる」との方針が聞かれており、慎重姿勢が強まっている。

一方、新型ウイルスの影響によるテレワークの広がりから、必要な機器を整備する企業が増えている。「IT導入補助金」など政策面での支援もあり、今後もテレワーク関連の情報化投資は増加すると思われる。ただし、全体としてみると企業業績の悪化を背景に、設備投資に対する慎重な姿勢が続くことが予想される。

4雇用の現状と先行き

現 状

◎悪化している

雇用は悪化している。20年4-6月期の有効求人倍率(パートを含む全数、季節調整値)は1.25倍となり、2期連続して大幅に低下した(図表5)。その後も7月は1.20倍、8月は1.16倍と低下傾向が続いている。

先行き

◎一段の悪化が懸念される

雇用の先行指標となる新規求人数(パートを含む全数・実数)をみると、20年4-6月期に前年比24.7%減と6四半期連続で前年を下回っている。

雇用調整助成金の拡充などの政策を下支えに、企業都合による離職者数は現状低水準に抑えられているものの、企業の業績悪化に伴い、労働時間の短縮や新規採用の抑制などの動きは続いている。企業業績の早期改善が見通せない状況にあることから、今後雇用の維持が困難となった企業からの離職者が増え、雇用状況が一段と悪化することが懸念される。

5個人消費の現状と先行き

現 状

◎下げ止まりつつある

個人消費は下げ止まりつつある。20年4-6月期の小売業販売額(全店)(注)は前年比6.7%増と2期連続の増加となった(図表6)。その後、7月は5.8%増、8月は6.6%増と前年を上回る推移が続いている。新型ウイルスの影響による巣ごもり需要の高まりから、食料品や日用品の販売が増加し、食品スーパーなどが堅調となっている。また、家電大型専門店は在宅での勤務・学習用のパソコン関連商品が伸びているほか、特別定額給付金の支給が追い風となり販売は好調に推移している。一方、外食や旅行・観光といったサービス業は厳しい状況が続いている。緊急事態宣言中と比べると持ち直しているものの、感染対策として客数や営業時間に制限を設けていることもあり、売り上げの戻りは緩やかとなっている。

乗用車新規登録・届出台数(軽含む)は20年7-9月期に14.8%減と4四半期連続の減少となった。販売台数は戻りつつあるものの、完成車メーカーの生産調整に伴う納車の遅れや前年に生じた消費増税前の駆け込み需要の反動から、大幅な減少となった。

(注) 小売業販売額:経済産業省「商業動態統計」の百貨店・スーパー、家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストアの全店販売額を合計したもの

先行き

◎ 感染の状況や雇用・賃金への不安から悪化する可能性も

県内事業者へのヒアリングによると、今後の消費者行動については「新型ウイルスの感染状況次第」との見方が大勢となっている。サービス業は緩やかながら持ち直しの動きが続くとみられるものの、感染が拡大し外出自粛の動きが強まれば、再び悪化に転じる懸念がある。食品スーパーでは食料品のまとめ買いが一服している一方、「新しい生活習慣」で自宅での食事が定着しつつあることから、堅調な推移が続くと思われる。

また、乗用車新規登録・届出台数は完成車メーカーの挽回生産により納車の遅れが解消に向かっているほか、一部の新型車の販売が好調であることから持ち直しに向かうことが期待される。

総じてみると、個人消費は緩やかに持ち直しに向かうとみられる。ただし、感染が再び拡大した場合や経済活動の停滞が長期化し雇用・所得への不安が高まった際には、個人消費は悪化する可能性がある。

6住宅投資の現状と先行き

現 状

◎弱含んでいる

住宅投資は弱含んでいる。20年4-6月期の新設住宅着工戸数は前年比1.6%減と2期ぶりの減少となった(図表7)。その後、7月は25.3%減、8月は20.8%増と、振れを伴いながらも基調としては弱含んでいる。新潟市中心部を中心に分譲マンションの建設が相次ぎ、分譲住宅が前年を上回った一方、持家は3四半期連続で前年を下回った。

先行き

◎持家、貸家は弱い動きが続く

県内の住宅メーカーからは、新型ウイルスの影響により所得環境が悪化した顧客から住宅購入を見合わせる動きが出てきているとの声も聞かれている。先行きの不透明感から、住宅購入や不動産投資に対する意欲低下が広がりつつあり、持家や貸家は弱い動きが続くとみられる。

7公共投資の現状と先行き

現 状

◎減少している

公共投資は減少している。公共投資の発注動向を表す公共工事請負金額は、20年4-6月期に前年比8.0%減と7期ぶりに前年を下回った(図表8)。その後、7月は9.2%減、8月は21.8%減と前年を下回る動きが続いている。今年度は政府の「防災・減災、国土強靭化のための3か年計画」の最終年度となっており、国からの発注は前年をやや上回っている一方、新潟県では財政悪化を背景に20年度の公共工事関連予算が前年度比減額となっていることから、県など地方の機関からの発注が減少している。

先行き

◎県や市町村の公共工事関連予算の大幅増額は期待薄

政府の今年度の補正予算は新型ウイルス感染症対策関連が中心となっており、今後も重点的に予算が計上されるとの見方が多い。一方で、大規模な自然災害が相次ぐなか、国土交通省は来年度以降も防災・減災対策への予算確保を求めており、今後の予算編成が注目される。

また、県など自治体においても新型ウイルス対策が最重要課題となっており、優先的に予算が充てられることが予想される。新型ウイルスの影響で税収は大幅に減少しており、一段と厳しい財政が続く状況下で公共工事関連への配分は相対的に小さくなることが懸念される。したがって、県や市町村では公共工事関連予算の大幅な増額は期待できないと思われる。

(2020年10月 近)

全文PDFtip_pdf

 

 

このページのトップへ

県内サービス産業におけるICTの活用とポイント

2020/11/02 :自主調査(調査報告)

─経営課題の解決に向けたICTの使い方─

はじめに

サービス産業※1は日本のGDPの約7割を占め、就業者の6割強が従事する一大産業とされる。一方、製造業などと比べてサービス産業の労働生産性は相対的に低いといわれている。

そうしたなか、サービス産業においても業務効率化を図りながらサービス品質の向上や顧客満足度を高めるために、ICTを活用する企業が増えつつある。

本レポートでは、ICTを導入している県内企業の活用事例を踏まえ、ICT活用のポイントを整理する。

※1: 本稿におけるサービス産業とは、飲食業や宿泊業などのほか、卸売・小売業や運輸・郵便業、情報通信業、不動産業などを含む、いわゆる「第3次産業」全般を指す。

1ICTの活用状況

(1)ICTとは

ICTとは、「Information and CommunicationTechnology」の略称で、一般に「情報通信技術」と訳される。

IT(Information Technology:情報技術)とほぼ同じ意味であるが、ITが情報技術そのものを指すのに対し、ICTは通信技術の活用方法や通信技術を使ったコミュニケーションを指す場合が多い。また、近年はITよりもICTと表現するケースが増えてきている。

なおICTは、電子メールやSNS、ネットショッピングの利用など、既に身近な生活で使われる一方、企業でもさまざまな業務効率化、生産性向上に活用されている。

(2)サービス産業におけるICTの活用

企業におけるICTの活用状況を示した統計がないことから、参考までに独立行政法人 中小企業基盤整備機構がまとめた「IT導入に関するアンケート調査報告書」をみると、サービス産業でITを活用した業務効率化・生産性向上に「取り組んでいる」と回答した企業の割合は39.8%となっている(図表1)。一方、「取り組んでいないが、検討中である」が25.8%、「取り組んでいない」が34.4.%となっている。製造業と比べると「取り組んでいる」の割合は6.7ポイント低く、「取り組んでいない」の割合は8.9ポイント高くなっている。

このように、製造業と比べてサービス業では、ICTの活用が遅れているものの、近年、ICTを活用し省力化や業務効率化を進める取り組みが活発になっている。

例えば、医療・福祉では、従来、手書きしていた各種書類の作成をシステム化して、職員の作業負担の軽減に繋げている(図表2)。また対個人サービスでは、店舗管理システムから得られたビッグデータを分析し、店舗のスタッフの機動的な配置調整等に活用している。

続きを表示…

このページのトップへ

女性活躍推進に向けた県内企業の取組状況

2020/09/01 :自主調査(調査報告)

─女性がより能力を発揮できる職場にするために─

はじめに

少子高齢化を背景に人口の減少が進んでいる。日本経済が今後も成長を続けていくためには、女性の就労を促進するとともに、女性が個性と能力を発揮して活躍することが不可欠である。また、女性活躍推進法が施行されるなど、女性にとって働きやすい環境を整えることがより一層企業に求められている。

本稿では、女性活躍推進の現状について整理するとともに、積極的に女性活躍推進に取り組んでいる県内企業の事例を踏まえたうえで、取り組みのポイントを整理する。

1女性活躍推進法の概要

(1)女性が働きやすい環境づくりを求める

女性活躍推進法とは、女性が働きやすい環境づくりを企業に求める法律で、正式名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」である。喫緊の課題である女性活躍推進に向けて短期間で集中的な取り組みを進める必要があることから、10年間の期限がある時限立法として2016年4月に施行された。

内容は国・地方公共団体、常時雇用する労働者が301人以上の事業主について、①自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析、②その課題を解決するのにふさわしい数値目標と具体的な取り組みを盛り込んだ行動計画の策定・届出・周知・公表、③自社の女性の活躍に関する情報の公表を求めるものである。

(2)改正女性活躍推進法が2020年4月から順次施行

2019年5月に女性活躍推進法の一部を改正する法律が成立し、20年4月から順次施行されている。具体的には、女性活躍に関する情報の公表項目が拡大されるなど、より一層強化が図られた。なお、22年4月には前述①~③について、常時雇用する労働者が301人以上の事業主から101人以上の事業主まで拡大され、より多くの事業主が対象となる予定である。

続きを表示…

このページのトップへ

  次のページ»