自主調査(調査報告)

地域商社の現状と運営のポイント

2019/04/01 :自主調査(調査報告)

─地域経済の活性化に向けた打開策として、設立の動きが広がりつつある─

はじめに

近年、少子高齢化や人口減少などによる地域経済の縮小が懸念されている。そのようななか、地域経済の活性化に向けた打開策として、「地域商社」の取り組みが注目を集めている。

本稿では、地域商社の現状について整理するとともに、県内外の事例を踏まえ、その運営のポイントについてまとめた。

1地域商社の概要

(1)地域商社とは

中小企業庁の「中小企業白書(2015年版)」によると、地域商社は「全国ではなく、地域に密着して、地域資源の発掘、地域資源の活用法検討、市場調査、商品開発、販路開拓(商談・ビジネスマッチング)、販売促進活動、販売、メーカーへの販売情報の提供など、地域の生産者の活動を全面的にサポートするとともに、全国(海外)へ積極的に地域の商品(特産品等)を売り込んでいく取組または機能」とされている。

端的にいえば、地域商社とは地域資源を発掘し地域内外への販路を開拓していく存在であり、地域産品を取り扱う卸売業者や自治体が大都市で運営するアンテナショップなども含まれる。また、地域固有の観光資源を活用することで地域外から旅行者を呼び込み、飲食や物販サービスを提供する観光事業者なども地域商社の一つと考えられる。

(2)地域商社の役割

地域商社の役割は幅広く、事業内容や組織体制も一様ではない。しかし、いずれの地域商社においても、程度の差はあるものの、以下に挙げる3つの役割を担っている。

一つ目は「地域資源の発掘」である。地域には地域内外で稼げる魅力的な資源があるものの、地域で生活する住民にとっては当たり前のものとされ、その資源が活用されていないケースがある。地域商社はこうした地域資源を発掘する役割を担う。例えば、実際に生産者のもとに足を運び、地域の特色や特産品などの現状を把握することで、魅力的な地域資源を見つけ出していくことが期待されている。

二つ目は「地域産品の高付加価値化」である。地域商社は発掘した地域資源について、付加価値を引き出し、その魅力を磨いていく役割を負っている。具体的には、生産者の顔・生産過程の情報を発信することや地域独自のブランドを立ち上げてデザイン性の高い商品に仕上げていくことなどが求められる。

三つ目は「地域産品の販路開拓」である。これまでも地域産品を扱う卸売業者は数多くあったものの、主に大量生産が可能で安定的に供給できるものが取り扱われてきた。一方で、少量多品種の地域産品の多くは販路に恵まれてこなかった。こうした未だ知名度が低い地域産品について、地域内外の百貨店・スーパーや農産物直売所などに働きかけて販路を開拓していくことが期待されている。

(3)地域商社の類型

こうした役割を持つ地域商社を、主な活動内容により整理すると、「小売型」「卸売型」「観光型」の3つに分類することができる。

「小売型」とは道の駅や農産物直売所、通販サイトなど、地域内外に店舗や売り場を持ち、地域産品や地販売・提供している事業者を指す。なお、「小売型」については、対面販売を中心とした「直販型」とインターネット販売を中心とした「通販型」に分けられる。

「卸売型」は地域の生産者から地域産品を仕入れて地域内外の小売業者や卸売業者に販売する事業者を指す。

「観光型」は地域固有の観光資源を活用した観光商品の企画・販売を行うことで地域外から旅行者を呼び込む事業者を指す。

(4)国の取り組み

国は「まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、地域商社の設立・普及を重要な取り組み分野としており、さまざまな支援策を講じている。内閣官房まち・ひと・しごと創生本部などがまとめた「地域商社に関する支援メニュー」によれば、「組織・事業立ち上げ」「開発・ブランディング」「市場展開」の3分野で18事業に取り組んでいる(図表1)。

例えば「組織・事業立ち上げ」の分野では、地方創生推進交付金を使い、これまで100カ所以上の地域商社事業に対して組織設立や戦略策定事業等にかかる費用の一部を補助するなどの支援を行ってきた。また、約3カ月に1回の頻度で「地域商社協議会」を開催し、先行事業者による講演や、全国の先進的な事例紹介などを行っている。同協議会には、地域商社の設立・支援に関心のある自治体や民間事業者などが参加しており、事業者同士のマッチングや地域商社の取り組みに向けた機運の醸成を進めている。

「開発・ブランディング」「市場展開」の分野では、地域資源を活用した新商品・新サービスの開発や販路開拓を支援するため「ふるさと名物支援事業」などに取り組んでいる。同事業では、中小企業や小規模事業者等を対象として、市場調査費や新商品の開発にかかる材料費などの費用の一部を補助している。

なお、国によると他地域のモデルとなるような地域商社事業に取り組む「モデル的地域商社」の設立数は2017年度時点で16社となっており、国は地域商社の設立・普及の支援に引き続き取り組むことで、20年までに100社の設立を目指している。

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産業用ロボットの現状と活用状況

2019/03/01 :自主調査(調査報告)

─産業用ロボット導入を成功させるためのポイント─

はじめに

産業用ロボットは、これまで自動車産業や半導体産業などの大企業を中心に導入が進んできた。

しかし近年は、生産年齢人口の減少に伴う人手不足への対応や生産性の向上、作業従事者の負担軽減などに向けた取り組みとして、企業の規模・業種を問わず産業用ロボットを導入・活用する動きが広がりつつある。

本稿では、産業用ロボットの現状を確認するとともに、すでに産業用ロボットを導入している県内企業の活用事例を踏まえ、導入を成功させるためのポイントを整理する。

1産業用ロボットについて

(1)産業用ロボットとは

産業用ロボットは、一般に「センサーなどを用いて得られた情報を処理し、自立性を持って動く、産業に使用される機械」とされる。24時間安定した稼働が可能となるほか、人のように作業スピードに大きな差が生じない。さらに汎用性が高くさまざまな作業に対応させることが可能となるなど、産業用ロボットは、人手の確保が困難な企業にとっては頼りになる存在といえる。

なお、国内の規制により最大出力が80ワット以上の従来の産業用ロボットは、人との接触事故を回避するために製造ラインを柵で囲み、人の作業スペースと分離し活用することが定められていたが、技術革新による産業用ロボットの小型化や安全性技術の向上等を背景に、製造ラインを柵で囲むことが不要となったことから、人と産業用ロボットが共同で作業を行うことができる「協働ロボット」とよばれる産業用ロボットの普及が進んでいる。

(2)産業用ロボットの種類

産業用ロボットには多くの種類がある。ロボット本体に組み込まれている軸(関節)の数やモーター、取り付けるアーム(人間の手のように、掴む・放す・運ぶなどの作業をする産業用ロボットの腕)により分類され、作業できる範囲もそれぞれ異なる(図表1)。

主な産業用ロボットをみると、「垂直多関節ロボット」は、人間の腕のような構造を持ち、複雑な動きが可能なことから最も普及している。ロボットアームとも呼ばれ、汎用性が非常に高く、溶接や塗装、組立てなど幅広い工程で活用されている。

また「水平多関節ロボット」は、水平方向にアームが動く産業用ロボットである。英語では「selective compliance assembly robot arm」となり、その頭文字をとって「スカラ(SCARA)ロボット」とも呼ばれている。3つの軸(関節)を持ち、水平方向へのスムーズで滑らかな動きが特徴であることから部品の押し込み作業、半導体の搬送、基板の組立てなどに適している。

このほか「パラレルロボット」は、リンク(アームとロボット本体を繋ぐ部分)がパラレル(並列)に設置された産業用ロボットである。複数のモーターの出力を1点に集中させることにより高速動作が可能なため、部品の仕分けや部品を探し出し選び取るピッキングなどに活用されている。

なお上記のように、産業用ロボットは軸の種類や構造からアーム等の可動範囲、速度、精度などの特性が異なる。そのため、導入を予定している作業にはどのような産業用ロボットが適しているのか、事前によく検討することが重要となる。

(3)専用機と産業用ロボットの違い

 産業用ロボットの特徴を工作機械に代表される専用機と比べて示すと、まず専用機は、特定の作業を行うために設計・製作された文字通り専用の機械をいう(図表2)。特定の用途に特化させることで作業スピードや精度において高い性能を追求できるが、一般に特注品となることから初期投資は高額となる場合が多い。

一方、産業用ロボットは、特定の作業のために作られた専用機とは異なりパワーやスピードが劣る場合もあるが、産業用ロボットを起動させるためのプログラミング(主にロボットシステムの構築)を行うことにより、作業内容を自由に変更できるなど汎用性を持った機械であることが大きな特徴となっている。

なお、現時点では、パワーや作業スピードが勝る専用機の方が産業用ロボットより普及が進んでいる。ただし、産業用ロボットは、その汎用性の高さからある程度の作業変更には柔軟に対応できるとともに、繰り返しや大量の作業も行うことができる。そのため、産業用ロボットのメリットを十分活かしつつ得意とする領域を正確に見定めることが可能となれば、導入後は大きな成果を期待できる。

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新潟県企業動向調査2018年下期

2019/02/01 :自主調査(調査報告)

─業況感は四年半ぶりの高水準。先行きは慎重な見通し─

1業況感

(1)全産業

─業況感は4年半ぶりの高水準。先行きは慎重な見通し─

2018年7−9月期における県内企業の業況判断BSI(※)は▲2.9となった。海外需要が堅調であるほか、東京オリンピック・パラリンピックに向けた建設需要がみられたことなどから、18年4−6月期の▲8.5から5.6ポイント上昇し、県内企業の業況感は改善した(図表1)。

続く、18年10−12月期(含む実績見込み) は1.2となり、同7−9月期と比べてさらに4.1ポイント上昇した。消費税率引き上げによる駆け込み需要があった14年上期調査(14年1−3月期:20.0)以来、4年半ぶりの高水準となった。

先行きを示す見通しBSIは19年1−3月期が▲12.8、続く同4−6月期は▲13.7と、18年10−12月期と比べて悪化が見込まれており、先行きは慎重な見通しとなっている。

(※)BSI (ビジネス・サーベイ・インデックス)とは、アンケートの回答結果を指数化したものである。本稿でのBSI とは、業況あるいは先行きの見通しなどが「良い」か「悪い」かという質問に対して「プラス(良い、増加等)」「中立(不変等)」「マイナス(悪い、減少等)」の3つの選択肢を用意して、「プラス」と回答した企業の割合から「マイナス」と回答した企業の割合を差し引いた数値のことをいう。

(2)業種別

業況判断BSIを業種別にみると、製造業は18年7−9月期が10.4となり、18年4−6月期比12.8ポイント上昇した(図表2)。

続く18年10−12月期は15.9となり、同7−9月期に比べてさらに5.5ポイント上昇した。内訳をみると、繊維や窯業・土石、食料品といった業種で上昇している。

なお、最近の業況などに関して自由回答形式で尋ねたところ、製造業からは「工場設備投資やマンション・ホテル建設等の旺盛な民需により出荷が好調となっている」(窯業・土石)、「災害への警戒感が高まり保存食の需要が増えた」(食料品)、「スマートフォン用部材の販売が好調である」(化学)といった声がある一方、「一部の半導体関係の受注が急ストップした」(精密機械)、「鋼材、ボルト等の確保が難しくなり、生産に悪影響が出ている」(金属製品)、「米中貿易摩擦の影響が出てきた」(一般機械)といった声が寄せられた。

非製造業は18年7−9月期が▲12.0となり、同4−6月期比0.9ポイント上昇とほぼ横ばいで推移した。

続く18年10−12月期は▲8.9となり、同7−9月期比3.1ポイント上昇した。内訳では、建設や小売などで上昇している。

非製造業の業況については「東京オリンピック関連需要による首都圏の建設工事が依然堅調に推移している」(建設)との声がある一方、「地震等の天災が相次ぎ宴会などが自粛ムードである」(卸売)といった声が聞かれた。

先行きについては製造業、非製造業ともに18年10−12月期と比べて低下する見通しとなっている。

(3)規模別

業況判断BSIを規模別にみると、大企業では、18年7−9月期が13.8となり同4−6月期比10.8ポイント上昇した後、同10−12月期が10.3とやや低下した(図表3)。中堅企業では、同7−9月期が▲2.0と同4−6月期比4.2ポイント低下し、同10−12月期が▲7.7とさらに低下した。中小企業では、同7−9月期が▲3.8と同4−6月期比6.1ポイント上昇し、同10−12月期が1.6とさらに上昇した。

先行きは中堅企業でやや上昇するものの、大企業や中小企業では低下する見通しである。

2生産・売上

─生産・売上は4年半ぶりの高水準─

18年7−12月期(以下、今期)の生産・売上BSI(「増加」−「減少」)は1.7となった (図表4)。同1−6月期(以下、前期)から5.5ポイント上昇し、消費税率引き上げによる駆け込み需要があった14年上期調査(14年上期:1.9)以来、4年半ぶりに高い水準となった。

業種別にみると、製造業は12.2となり前期から8.0ポイント上昇した。内訳をみると、窯業・土石、金属製品などが上昇している。また、非製造業は▲5.6となり、前期から4.0ポイント上昇した。内訳では、卸売、小売などで上昇している。

生産・売上については「設備導入により増産となった」(金属製品)、「外国人旅行者の宿泊が増えている」(サービス他)といった声が聞かれた。

先行きを示す19年1−6月期(以下、来期)のBSIは、▲14.8と今期に比べて大幅に低下する見通しとなっている。

3仕入・販売価格

(1)仕入価格

─4期連続で上昇─

今期の仕入価格BSI(「上昇」−「低下」)は48.3となった(図表5)。前期から2.3ポイント上昇し、4期連続で上昇した。

業種別にみると、製造業は58.1となり前期から3.2ポイント上昇した。内訳をみると、金属製品、繊維などの業種で上昇している。非製造業は41.5となり、前期を1.9ポイント上回った。内訳では、建設、サービス他が上昇している。

仕入価格については「材料費、梱包(副資材)費の高騰により利益が減少している」(金属製品)、「資材の値上がりにより収益性の悪化がみられる」(建設)との声があった。

来期のBSIは46.0となり、今期に比べて2.3ポイント低下する見通しとなっている。

(2)販売価格

─5期連続で前期を上回る─

今期の販売価格BSI(「上昇」−「低下」)は10.4となった(図表5)。前期から1.3ポイント上昇し、5期連続で前期を上回った。

業種別にみると、製造業が8.1となり前期から3.2ポイント上昇した。また、非製造業は12.0となり前期から0.1ポイント低下と概ね横ばいで推移している。

販売価格については「販売価格の上昇により採算が好転している」(木材・木製品)、「高額商品への関心は高くなっている」(繊維)といった声がある一方、「荷主から運賃改定の良い回答は得ているものの、実施時期が先延ばしになっている」(運輸)といった声が寄せられた。

来期のBSIは11.5となり、今期に比べて1.1ポイント上昇する見通しとなっている。

4採 算

(1)採 算

─2期ぶりに改善─

今期の採算BSI(「好転」−「悪化」)は▲9.0となった(図表6)。前期比2.6ポイント上昇し、2期ぶりに改善した。

業種別にみると、製造業は▲4.4となり前期比6.4ポイント上昇した。内訳をみると、食料品、窯業・土石などの業種で上昇している。非製造業▲12.2となり、同0.1ポイント低下した。内訳では、建設、サービス他で低下している。

採算については「5年ほど高どまりしていた仕入れ価格が低下し利益が出やすくなった」(食料品)、「販売価格の上昇により採算が好転している」(木材・木製品)といった声がある一方、「資材、労務費の値上がりにより収益性が悪化している」(建設)、「残業抑制により外注割合が上昇している。人件費上昇のため外注単価もアップしている」(その他製造)、「西日本豪雨の影響で関西方面からのお客様が減少し採算が悪化した」(サービス他)といった声も聞かれた。

来期のBSIは▲13.7となり、今期に比べ4.7ポイント低下する見通しとなっている。

(2)採算好転・悪化の理由

─ 好転要因では「売上数量の増大」「販売価格の上昇」、悪化要因では「売上数量の減少」「仕入価格の上昇」が上位─

今期の採算が「好転」したと回答した企業にその理由を尋ねたところ(複数回答)、「売上数量の増大」(74.4%)の回答割合が最も高く、以下「販売価格の上昇」(25.6%)、「高付加価値製(商)品の比率拡大」(16.7%)、「経営の合理化」(14.4%)などが続いた(図表7)。

なお、18年上期調査と比べると、「販売価格の上昇」の割合が大きく伸びたほか、「経営の合理化」などの割合がやや高くなっている。

一方、今期の採算が「悪化」したと回答した企業にその理由を尋ねたところ(複数回答)、「売上数量の減少」(71.3%)の回答割合が最も高く、以下「仕入価格の上昇」(37.3%)、「人件費などの固定費負担の増加」(26.0%)などが続いた(図表8)。

なお、18年上期調査と比べると、「販売価格の低下」や「輸入品との競合」などの割合がやや高くなっている。

5雇 用

(1)全産業・業種別

─雇用の不足感が一層高まる─

正社員の充足状況をみると、今期の雇用BSI(「過剰」−「不足」)は▲ 41.5となり、前期比2.9ポイント低下した(図表9)。継続的に雇用BSIの調査を開始した1993年下期調査以来最も低い水準となり、雇用の不足感は一層強くなっている。

業種別にみると、製造業は前期比2.2ポイント低下し▲33.0となった。内訳をみると、食料品や化学などで雇用BSIが低下している。非製造業は前期比3.1ポイント低下し▲47.3となった。内訳では、サービス他、建設などで低下している。

雇用については「人材不足により生産性低下を招いている」(その他製造)、「人員不足により時間外労働が増え、人件費も増加した」(サービス他)、「技術者が不足している」(建設)などといった声があった。

(2)職種別

─「生産・建設」「運輸」などで不足感が拡大─

職種別の雇用BSIをみると、「専門・技術」で▲42.8となり不足感が最も強く、以下「生産・建設」(▲33.9)、「営業・販売」(▲32.1)などが続いている(図表10)。

18年上期調査と比べると、「生産・建設」「運輸」などの職種で不足感が拡大した。

(3)正社員不足への対処法

─7割以上の企業が「中途採用の実施」と回答─

「(1)全産業・業種別」で、正社員の充足状況が「不足」と回答した企業に正社員不足への対処法を尋ねたところ(複数回答)、「中途採用の実施」(75.2%)の回答割合が最も高く、以下「新卒採用の実施」(42.9%)、「定年延長や再雇用などによる雇用延長」(20.6%)、「非正社員(パート、派遣社員)の募集」(14.6%)などが続いた(図表11)。

6賞与・一時金の状況

─ 賞与・一時金の増額に前向きな企業の割合は前年を下回る─

18年度の冬季における賞与・一時金の支給について尋ねたところ、「未定」とする回答が多いものの、「増額する」と回答した企業の割合は10.3%、「増額を検討中」が18.6%となっており、これらを合わせた『増額に前向き』な企業の割合は28.9%となっている(図表12)。

ただし、前年同時期に行なった17年下期調査と比べると、『増額に前向き』な企業の割合は2.3ポイント下回っている。

7設備投資

(1)設備投資計画

─18年度の設備投資額は前年度を上回る見通し─

18年度における設備投資の実施企業割合(含む見込み)は61.7%となり、17年度実績を4.1ポイント上回る見込みとなっている(図表13)。

実施企業割合を業種別にみると、製造業が73.0%、非製造業が53.9%となった。

18年度の設備投資額(含む見込み)は、17年度実績比33.5%増となる見通しであり、18年上期調査(20.8%増)より上方修正されている(図表14)。

業種別にみると、製造業は一部大手企業の大型設備投資もあり、17年度実績比57.4%増となっている。内訳をみると、その他製造、精密機械などの業種で増加している。また、非製造業も同7.1%増となっており、サービス他、運輸などの業種で増加している。

規模別にみると、すべての規模で17年度実績を上回っており、大企業が前年度比74.9%増、中堅企業が同2.0%増、中小企業が同10.7%増となった。

なお、19年度の設備投資計画は、現時点では未確定とする企業が含まれていることもあり、実施企業割合、投資額とも前年度実績を下回る見通しとなっている。ただし、前年同時期調査(17年下期調査)での実施企業割合(18年度計画:45.2%)、投資額の前年度比増減率(18年度/17年度:▲37.5%)をそれぞれ上回っている。

(2)設備投資の目的

─「 情報化(IT)投資「」省エネルギー・環境問題への対応」などが上昇─

18年度における設備投資の目的をみると(複数回答)、「既存機械・設備の入れ替え」(66.7%)の回答割合が最も高く、以下「生産能力増大のための機械・設備導入」(27.9%)、「省力化・合理化」(24.9%)などの順となっている(図表15)。

17年度実績と比べると、「情報化(IT)投資」「省エネルギー・環境問題への対応」などが上昇した一方、「既存機械・設備の入れ替え」「土地購入」などが低下した。

8経営上の問題点

─5期連続で「人材不足」がトップ─

経営上の問題点を尋ねたところ(複数回答)、「人材不足」(64.3%)の回答割合が最も高く、以下「仕入価格の上昇」(37.7%)、「先行き見通し難」(35.1%)、「生産・受注・売上不振」(33.9%)、「競争の激化」(28.2%)、「人件費の増加」(26.5%)などが続いている(図表16)。

18年上期調査と比べると、順位に大きな変化はないものの、「競争の激化」「生産・受注・売上不振」「先行き見通し難」などの割合がやや低下した。

9軽減税率制度導入の準備状況

─ 3割超の企業が軽減税率制度導入の準備に未着手─

19年10月1日から、消費税率引き上げと同時に実施される予定となっている軽減税率制度導入の準備状況を尋ねたところ、「準備が必要な業務はない(対象品目を取り扱っていない)」(32.4%)と回答した企業の割合が最も高く、以下「準備に取り掛かり始めている」(30.6%)、「準備に取り掛かっていない」(27.5%)、「準備に何が必要かわからない」(5.0%)、「準備は完了している」(0.9%)などとなっている(図表17)。

なお、「準備に取り掛かっていない」と「準備に何が必要かわからない」を合わせた『軽減税率制度導入の準備が未着手』の企業の割合は3割を超えている。

まとめ

─業況感は改善するも先行きは慎重な見通し─

アンケート調査結果をみると、県内企業の「業況感」は18年7−9月期、同10−12期連続で上昇した。

一方、先行きを示す見通しBSI(19年1−3月期、同4−6月期)は18年10−12月期と比べ悪化している。原材料価格の高騰などによる仕入価格の上昇や人手不足が企業の採算を圧迫していることに加えて、米中貿易摩擦が懸念されることなどから、先行きについては慎重な見方が示されている。

今後、こうした懸念材料に警戒しながら、米中間の交渉経緯の行方や米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策、為替動向などを注視していく必要があろう。

(2019年1月 久住 正人)

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正社員の中途採用に関する経営者アンケート調査

2019/02/01 :自主調査(調査報告)

─新潟経済社会リサーチセンター・ホクギン経済研究所 共同調査─

一般財団法人 新潟経済社会リサーチセンターと株式会社 ホクギン経済研究所は2018年10月1日の「第四北越フィナンシャルグループ」設立後、初の試みとして、特別調査「正社員の中途採用に関する経営者アンケート調査」を共同で実施した。

要旨

〇正社員の中途採用活動の有無

─8割超の企業が正社員の中途採用活動を「実施したことがあり、今後も実施したい」との意向─

過去3年間(2015年12月から現在までの間)で正社員の中途採用活動を実施したかどうかを尋ねたところ、「実施したことがあり、今後も実施したい」と回答した割合は83.9%となった。業種別にみると、「実施したことがあり、今後も実施したい」と回答した割合は、製造業で81.1%、非製造業で85.7%となっている。

〇正社員の採用状況

─半数以上が予定人数に達していない─

採用活動を実施した先に採用状況を尋ねてみると、「予定していた人数を下回った」と回答した割合が55.7%と最も高く、半数を超えた。一方、「予定どおりの人数だった」と回答した割合が42.3%、「予定の人数を上回った」の割合が2.0%となり、これらを合わせた『予定以上の人数だった』の割合は44.3%となった。規模別にみると、「予定していた人数を下回った」の割合が大企業で50.0%、中堅企業で72.9%、中小企業で54.5%となり、すべての規模において半数以上が予定の採用人数に達していなかった。水準に差はあるものの、企業の規模に関わらず採用活動は厳しいことがうかがえる。

〇採用段階での課題

─「応募が少ない」が7割超─

採用段階での課題を尋ねたところ(複数回答)、「応募が少ない」(74.2%)と回答した割合が7割を超えて最も高くなった。以下「応募者が自社に適した人材かの見極めが難しい」(46.1%)、「応募者のスキルや能力が採用基準に達しない」(33.8%)などが続いている。

はじめに

新潟労働局の「労働市場月報」によると、県内における正社員の有効求人倍率(2017年度・原数値・平均)は1.10倍となった(図表1)。リーマン・ショック後の10年度から上昇傾向が続いており、統計の公表が始まった05年度以来、最も高い水準となっている。また、県内企業からは人手不足に直面しているとの声が多数あがっており、企業の中途採用に対する意欲は高まっている。

そこで、県内における正社員の中途採用活動の現状と課題を把握するために、県内企業1,440社(有効回答768社)を対象に当センターとホクギン経済研究所が共同でアンケート調査を行った。以下はその結果である。

1正社員の中途採用活動の有無

─ 8割超の企業が正社員の中途採用活動を「実施したことがあり、今後も実施したい」との意向─

過去3年間(2015年12月から現在までの間)に正社員の中途採用活動を実施したかどうかを尋ねたところ、「実施したことがあり、今後も実施したい」と回答した割合は83.9%となった(図表2)。以下、「実施したことがなく、今後も実施するつもりがない」(6.9%)、「実施したことがあるが、今後は実施するつもりがない」(4.7%)、「実施したことはないが、今後は実施したい」(4.6%)となった。

「実施したことがあり、今後も実施したい」と回答した企業の割合を業種別にみると、製造業が81.1%、非製造業が85.7%となっている。特に、運輸(95.1%)、建設(94.5%)、一般機械(91.7%)、金属製品(88.1%)などで高くなった。

規模別では大企業で86.2%、中堅企業で86.4%、中小企業で83.5%となり、大きな差はみられなかった。

なお、「実施したことがあり、今後も実施したい」と「実施したことはないが、今後は実施したい」を合わせた『今後実施したい』の割合は88.5%となった。

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2019年新潟県経済を占う 県内主要団体に聞く

2019/01/04 :自主調査(調査報告)

県内景気は横ばいながらやや慎重な見通し。人材確保・育成、消費税増税・軽減税率制度への対応が課題

はじめに
2018年の新潟県経済を振り返ると、住宅投資や公共投資は弱い動きが続いた一方、海外経済の回復などから生産活動は緩やかに持ち直し、設備投資は増加傾向に推移した。総じてみると、足元の県内経済は緩やかに持ち直している状況にある。

こうしたなか、当センターでは、県内の主な業界団体や商工会議所・連合商工会の42団体にご協力をいただき、2019年の見通しについて伺った。以下はその調査結果である。

1.2019年の国内景気見通し

─先行きには慎重な見方が広がる─

新年(2019年)の国内景気の見通しを尋ねたところ、前年と比べて「変わらない」と予想する回答が26団体と最も多く、調査対象42団体(業界団体32団体、商工会議所・連合商工会10団体)のうち6割超の団体が現状維持で推移するとみている(図表1)。

ただし、前年調査(2018年見通し)と比較すると、「好転」「やや好転」が減少する一方、「やや悪化」が増加するなど慎重な見方をする団体が増えている。

2.2019年の県内景気見通し

─前年に比べやや慎重な見通し─

新年(2019年)の県内景気の見通しについては、前年と比べて「変わらない」と予想する回答が27団体と最も多くなった(図表2)。ただし、「やや好転」が3団体にとどまる一方、「やや悪化」は12団体となった。

前年調査(2018年見通し)と比較すると、「やや好転」や「変わらない」と予想する回答が減少する一方、「やや悪化」が増加している。県内景気の先行きについては、前年と比べてやや慎重な見通しが示されている。

3. 県内各業界・各商工会議所管内の業況判断

─ 業況見通しは「やや好転」「変わらない」が減少する一方、「やや悪化」が増加─
(1)2018年の業況

2018年の業況について好況か不況かを尋ねたところ、「どちらとも言えない」と回答した団体が42団体中22団体と約半数を占めた。一方、「好況」が1団体、「やや好況」が6団体となったのに対して、「やや不況」が10団体、「不況」が3団体となった(図表3)。

(2)2019年の業況見通し

2019年の業況見通しを尋ねると、「変わらない」と回答した団体が26団体と最も多く、次いで「やや悪化」が14団体、「やや好転」が2団体となった(図表3)。前年調査と比べると、「やや好転」「変わらない」の回答が減る一方、「やや悪化」が増えている。

業況見通しについては、「東京オリンピック需要はまだ旺盛である」「消費税増税前の駆け込み需要が期待される」といった前向きな声がある一方、「原材料価格や人件費が上昇しており、経費が増加している」「消費税増税後の景気悪化や消費税の軽減税率制度への対応が負担となる」「米国の通商政策の影響が懸念される」といった慎重な声もあった。

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新潟県消費動向調査 2018年冬期

2018/12/03 :自主調査(調査報告)

─「収入」は97年冬の調査以来、21年ぶりの水準に回復─

はじめに

新潟県内の個人消費関連の経済指標をみると、乗用車(軽含む)新規登録・届出台数は西日本豪雨の影響による納車遅れの反動などから前年を上回っている。また、小売業販売額※1はスーパーで比較的単価の高い生鮮食品や惣菜の売れ行きが堅調であるほか、ドラッグストアでは積極的な新店舗出店により好調で推移するなど、前年を上回って推移しており、個人消費全体としては緩やかに持ち直している状況が続いている(図表1)。

こうしたなか、個人消費の実態と先行きの動向を把握するため、9月上旬から下旬にかけて県内勤労者等2,000人(有効回答1,580人)を対象に、収入や生活実感、消費支出の状況、今後半年間における消費項目の増減、購入・支出を予定している商品、ボーナス等についてアンケート調査を実施した。

※1  小売業販売額:経済産業省『商業動態統計』の百貨店・スーパー、家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストアの全店販売額を合計したもの

1収入の推移

─収入は、97年冬の調査以来の水準に回復─

〈半年前と比較した収入について〉

半年前と比べて収入が「増えた」と回答した人の割合は16.5%、「減った」と回答した人の割合は14.1%となり、収入CSIは2.4となった(図表2)。収入CSIは2018年夏の調査と比べて6.4ポイント上回り、2期ぶりに上昇した。収入CSIがプラスに転じたのは1997年冬の調査以来21年ぶりである。

〈今後半年間の収入について〉

今後半年間の収入についても同様に尋ねたところ、収入予想CSIは▲7.1となった(図表2)。収入予想CSIは足元の収入CSIと比べて9.5ポイント低くなっており、慎重な見通しが示されている。

※ CSI(Consumer Survey Index)
アンケートの回答結果を指数化したもので、ここでは「増えた・増えそう」と回答した人の割合から「減った・減りそう」と回答した人の割合を差し引いた数値のことをいう。CSIは、収入・消費支出・生活実感が増加(改善)基調か減少(悪化)基調かといった「変化の方向」と、拡張・後退が速いか遅いかといった「変化のテンポ」を示すものである。

2生活実感の推移

─生活実感は、2期連続で上昇─

〈半年前と比較した生活実感について〉

半年前と比べて生活実感が「良くなった」と回答した人の割合は4.1%、「悪くなった」と回答した人の割合は17.7%となり、生活実感CSIは▲13.6となった(図表3)。生活実感CSIは2018年夏の調査から2期連続で上昇するなど、改善が続いている。

背景には、収入CSIの持ち直しがあると思われ、所得環境の改善が生活実感にも寄与しているとみられる。

〈今後半年間の生活実感について〉

今後半年間の生活実感が「良くなりそう」と回答した人の割合は3.0%、「悪くなりそう」と回答した人の割合は24.9%となり、生活実感予想CSIは▲21.9となった(図表3)。生活実感予想CSIは、足元の生活実感を示す生活実感CSIと比べて8.3ポイント低くなっている。

3消費支出の推移

─消費支出は、昨冬に比べわずかながら上昇─
〈半年前と比較した消費支出について〉

半年前と比べて消費支出が「増えた」と回答した人の割合は33.0%、「減った」と回答した人の割合は6.0%となり、消費支出CSIは27.0となった(図表4)。消費支出CSIは18年夏の調査と比べて5.3ポイント下回っており、2期ぶりの低下となった。ただし、18年夏の調査で消費支出CSIが大幅に改善した反動などもあり、17年冬の調査と比べれば1.4ポイントの上昇となっている。

〈今後半年間の消費支出について〉

今後半年間の消費支出についても同様に尋ねたところ、「増えそう」と回答した人の割合は31.0%、「減りそう」と回答した人の割合は6.3%となり、消費支出予想CSIは24.7となった(図表4)。消費支出予想CSIは、足元の消費を示す消費支出CSIと比べて2.3ポイント低くなっており、先行きの消費に対してはやや消極的な姿勢がみられる。

4今後半年間における消費支出項目

─「 食費 」「 保健医療費 」「 交通・自動車関係費 」などが上昇─

今後半年間の消費支出について「増えそう」な支出項目を尋ねたところ(複数回答)、「食費(外食費を除く)」が最も高く34.4%となった。以下「教育費(学費・教材費等)」「保健医療費」などの順となっている(図表5)。17年冬の調査と比べると、「食費(外食費を除く)」の割合が2.6ポイント上昇しているほか、「保健医療費」「交通・自動車関係費」などの割合が上昇している。

5今後半年間に購入・支出を予定している商品等

─耐久消費財では引き続き「生活家電」がトップ─

今後半年間で購入・支出を予定している商品等を耐久消費財と非耐久消費財等に分けて尋ねた(複数回答)。

〈耐久消費財〉

耐久消費財では「生活家電(冷蔵庫等)」の割合が17年冬の調査に続き最も高くなった(図表6)。以下「家具・インテリア用品」「スマートフォン」などの順となっている。なお、「生活家電(冷蔵庫等)」については3期連続のトップとなっており、09年以降に実施された「家電エコポイント制度」で購入された家電製品の買い替え需要によるものと思われる。

〈非耐久消費財等〉

非耐久消費財等では「婦人物衣料品」の割合が最も高く、以下「国内旅行」「紳士物衣料品」などの順となった(図表7)。

17年冬の調査と比べると、「海外旅行」「自己啓発(稽古事・資格取得等)」の割合がわずかに上昇した。

6ボーナス支給予想

─ ボーナス支給予想は17年冬の調査に比べて全世代で上昇─

今冬のボーナスが昨年の冬と比べて「増えそう」と回答した人の割合は7.3%、「減りそう」と回答した人の割合は13.5%となった(図表8)。ボーナス支給予想CSIは▲6.2となり、冬の調査としては1997年以来21年ぶりの水準となった。

今冬のボーナス支給予想CSIを年代別に2017年冬の調査と比べると、すべての世代で「増えそう」と回答した人の割合が上昇した(図表9)。特に、10〜20代で「増えそう」の割合が上昇する一方、50代、40代で「減りそう」の割合が低下している。

7ボーナスの使途

─「預貯金等」が約5割でトップ─

今冬にボーナス支給があると回答した1,134人を対象に、ボーナスの使途について尋ねたところ(複数回答)、「預貯金等」の割合が52.4%となり最も高く、次いで「生活費の補填」「買い物」となった(図表10)。

17年冬の調査と比べると「クレジット・借入金返済」「買い物」などの割合が上昇している。一方、「預貯金等」「旅行・レジャー」などの割合が低下している。

ボーナスの使途を年代別にみると、全ての年代で「預貯金等」が第1位となった(図表11)。第2位は10〜20代で「買い物」、それ以外の世代で「生活費の補填」となっている。

まとめ

今回の調査結果によると、消費支出CSIは18年夏の調査と比べ低下したものの、前年同期の調査に比べると1.4ポイント高くなった。また、先行きの消費に対しては、やや慎重な姿勢がみられるものの、「家電エコポイント制度」で購入された家電製品の買い替え需要がみられるなど、消費の下支えも見込まれる。

さらに、収入CSIは18年夏の調査から6.4ポイント上昇し、21年ぶりにプラスに転じたほか、ボーナス支給予想CSIは17年冬の調査から4.6ポイント上昇するなど、1997年冬の調査以来の水準となった。

背景には、景気持ち直しによる企業業績の拡大や、人手不足を受けて待遇を改善する動きが広がっていることなどがあるとみられる。

このように収入やボーナス支給予想の改善が続くなかで、生活実感も同様に改善を続けている。所得環境が引き続き持ち直していくことで消費者心理が好転し、冬物商戦をはじめ個人消費が盛り上がることに期待したい。

(2018年11月 金井 佑太)

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中古品の購入状況に関するアンケート調査

2018/12/03 :自主調査(調査報告)

─購入経験者は全体の5割超。購入場所は「リユースショップ・専門店の中古品コーナー」がトップ─

はじめに

消費者の節約志向や環境意識の高まり、中古品に対する抵抗感の低下などを背景として、中古品市場は年々拡大を続けている。

こうしたなか、県内における中古品の購入状況を探るため、9月上旬から下旬にかけて県内勤労者等2,000人(有効回答1,543人)に対してアンケート調査を実施した。

1中古品市場の現状

─中古品の市場規模は拡大が続く─

中古品市場は、リサイクルショップなどをはじめとする店頭販売と、インターネットオークションやフリマアプリ(フリーマーケットのように個人間で物品を売買するスマートフォン向けのアプリケーション)などのネット販売に大別することができる。経済産業省の調査※1では、2016年の中古品の店舗販売の市場規模は約1兆円、ネット販売は約0.9兆円と試算している。ネット販売の内訳としては、ネットオークションが約0.34兆円(C to Cのみ)、フリマアプリが約0.3兆円、ネットショップ(B to Cのみ)が約0.23兆円となっている。

また、株式会社リフォーム産業新聞社が発行している「リサイクル通信」の推計※2によれば、乗用車と住宅を除く中古品市場は年々増加を続けており、16年の国内の中古品の取引額は約1.7兆円に達した(図表1)。

このように中古品の取り引きが増加している背景には、消費者の節約志向や環境意識の高まり、中古品に対する抵抗感の低下などといった消費者の嗜好の変化に加えて、リユースショップのチェーン化による広域展開、ネットオークションやフリマアプリなどの登場により中古品を購入する場が拡大してきていることなどが理由として考えられる。

 

※1 経済産業省「平成28年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」
※2 リサイクル通信「中古市場データブック2018」

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新潟県の景気の現状と先行き見通し

2018/11/01 :自主調査(調査報告)

─ 緩やかに持ち直している県内経済 ─

1景気の現状と先行き

現状

◎県内経済は緩やかに持ち直している

県内主要経済指標等から景気の現状を概観すると、設備投資は緩やかに増加している。生産活動や個人消費は緩やかに持ち直している。一方、住宅投資は弱含んでおり、公共投資は減少しつつある。総じてみると県内経済は緩やかに持ち直している。

新潟県が公表している景気動向指数(一致指数・3カ月後方移動平均)をみても、2018年第2四半期から緩やかに上昇していることが確認できる(図表1)。

※)景気動向指数とは、生産、雇用、消費など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、景気の現状把握及び将来予測に資するために作成された指標である

先行き

◎概ね横ばい圏内で推移する見通し

個人消費は価格が高くても品質の良いモノやこだわりのあるモノを求める消費行動もみられており、緩やかに持ち直していくとみられる。生産活動は海外からの需要が底堅さを維持するとみられることから、引き続き高水準で横ばいに推移する見込みである。一方、住宅投資は貸家を中心に低水準での推移が続く見通しである。総じてみると、県内経済は概ね横ばい圏内で推移すると思われる。

ただし、米国の通商政策の動向によっては輸出が下振れし、受注の減少などの影響が起きることも想定されるため注視していく必要がある。

2生産活動の現状と先行き

現状

◎緩やかに持ち直している

新潟県の鉱工業生産指数(季節調整値)は、18年4−6月期に前期比5.5%上昇の104.0となり、4四半期ぶりに前期を上回った(図表2)。

生産指数を業種別にみると、はん用・生産用・業務用機械は国内の設備投資の増加を背景に堅調に推移している(図表3)。電子部品・デバイスはスマートフォンや車載向けなどの受注が増加していることから緩やかに回復している。金属製品は首都圏の再開発などから作業工具や鉄骨などが伸びており前年を上回っている。一方、化学は低水準での動きとなっている。

先行き

◎高水準で横ばいに推移する

生産活動の先行きを業種別にみると、はん用・生産用・業務用機械は国内企業の積極的な設備投資計画を受けて生産が増加するほか、海外からの受注が引き続き好調であることから、堅調に推移するとみられる。金属製品は東京オリンピック・パラリンピックに向けたインフラ整備や首都圏の再開発などから、建設用金属製品を中心に好調な動きとなるとみられる。食料品は高齢者や共働き世帯の増加を背景に包装米飯などが伸びているほか、米菓なども安定的な生産が見込まれることから、底堅い推移が続くと思われる。

今後も世界的な景気回復を受けて国内外の受注は堅調に推移するとみられる。ただし、西日本豪雨や台風、北海道胆振東部地震など相次ぐ災害を受け、部材の供給・輸送の停滞などにより生産活動への影響が懸念されることから、生産活動全体としては高水準ながら横ばいで推移すると思われる。

3設備投資の現状と先行き

現状

◎緩やかに増加している

当センターが2018年上期に実施した「企業動向調査」によると、18年度の設備投資額(含む計画)は前年度実績比20.8%増加する見込みとなっている(図表4)。なお、17年度の設備投資額は16年度実績比0.7%減少とほぼ前年並みにとどまったこともあり、18年度は大幅な増加に転じている。

業種別にみると、一部大手企業の大型投資もあり、製造業は17年度実績比30.5%増となっている。また、非製造業も同1.3%増と小幅ながら上昇している。18年度における設備投資の目的をみると(複数回答)、製造業では「既存機械・設備の入れ替え」の回答割合が最も高く、以下「省力化・合理化」「生産能力増大のための機械・設備導入」などの順となっている(図表5)。一方、非製造業では「既存機械・設備の入れ替え」の回答割合が最も高く、以下「店舗・工場等の新設、増改築」「情報化(IT)投資」などの順となっている。

なお、県内の工場建設や新規出店などを示す非居住用建築物着工床面積をみると、18年4-6月期は前年比14.8%増となり、2四半期連続で前年を上回った(図表6)。

先行き

◎緩やかな増加傾向が続く

製造業では人手不足を補う目的のほか、生産性向上に向けた取り組みの一環として、省力化・合理化投資や情報化(IT)投資が積極化している。一方、非製造業では店舗の新設や老朽化した店舗の増改築などに着手する動きもみられる。

人手不足の早期解消が見込まれないうえ、働き方改革により労働時間の制約があるなかで生産性向上が今後さらに求められることから、設備投資は緩やかな増加傾向が続くと思われる。

4雇用の現状と先行き

現状

◎改善が続いている

18年4-6月期の有効求人倍率(パートを含む全数、季節調整値)は1.71倍となり、11四半期連続で前期を上回った(図表7)。その後の動きをみると、7月は1.74倍、8月は1.71倍となり、引き続き高い水準で推移している。

先行き

◎高水準が続く

雇用の先行指標となる新規求人数(パートを含む全数・実数)をみると、18年4-6月期は前年比8.2%増と10四半期連続で前年を上回っている。一方、新規求職者数(同)は18年4-6月期に同2.8%減と31四半期連続で前年を下回っている(図表7)。

また「企業動向調査」によると、18年上期の従業員の過不足を示す雇用BSI(「過剰」−「不足」)は2期連続で低下しており、人手不足感の強い状況が続いている(図表8)。

景気が緩やかに持ち直しているなか、企業の活発な人材確保の動きが続く一方、離職者の数は前年を下回って推移しており求職者数の減少傾向は続いていることもあり、県内の有効求人倍率は当面、高水準が続くものとみられる。

5個人消費の現状と見通し

現状

◎緩やかに持ち直している

百貨店・スーパー販売額(全店)は、18年4-6月期に前年比3.3%増となり、4四半期連続で前年を上回った(図表9)。スーパーでは比較的単価の高い生鮮食品や惣菜の売れ行きが堅調であるほか、6月から気温の高い日が続いたことで夏場にかけて飲料などが伸びたため、販売額が前年を上回った。また、家電大型専門店・ドラッグストア・ホームセンターの販売額を合計した専門量販店販売額(全店)は、18年4-6月期に前年比2.9%増となり、10四半期連続で前年を上回った(図表9)。ホームセンターの販売額は前年並みであった一方、ドラッグストアでは積極的な新店舗の出店が続いたことから好調を維持している。

一方、乗用車新規登録・届出台数(軽含む)は、18年4-6月期に前年比1.6%増、7-9月期に同1.9%減となり、17年7-9月期から横ばい圏内での推移が続いている(図表9)。新型車効果の一巡から小型乗用車が振るわなかったものの、高齢者を中心に安全装置が搭載された自動車に買い替える動きなどがみられた。

業態によって販売動向はやや異なるものの、総じてみると、個人消費は緩やかに持ち直している。

先行き

◎緩やかな持ち直しが続く

百貨店・スーパー販売額は、スーパーを中心に緩やかな回復傾向が続くものと思われる。消費者の中食需要の高まりを受けて惣菜などが堅調に推移するとみられる。専門量販店販売額は、ドラッグストアで新規出店が続いていることなどから前年を上回って推移すると思われる。また、乗用車新規登録・届出台数は、年末頃から消費増税前の駆け込み需要が期待されることから前年を上回って推移するとみられる。

一方、物価の変動に対して、賃金が上昇しているかどうかを示す指標である実質賃金指数(現金給与総額・事業所規模5人以上)をみると、18年4-6月期は前年比0.2%減と2四半期連続で前年を下回った(図表10)。名目賃金は緩やかな上昇傾向にあるものの、原油価格などの上昇を背景にガソリン代や電気代などの値上がりから物価も上昇している。そのため、所得環境は前年よりもやや悪化しており、消費者心理にマイナスの影響を与えている。

以上のように、百貨店・スーパー販売額、専門量販店販売額などの各種消費関連の指標は回復しているものの、所得環境の改善がみられないことから、個人消費の持ち直しは緩やかなものにとどまると思われる。

6住宅投資の現状と見通し

現状

◎弱含んでいる

18年4-6月期の新設住宅着工戸数は、前年比18.1%減となった(図表11)。内訳をみると、持家と貸家は2四半期ぶりに前年を下回った。貸家については相続税対策の需要が一巡したことから、同45.0%減と前年を大幅に下回っている。

その後の動きをみると、7月は前年比2.5%減、8月は同22.0%増となり、一進一退での推移となっているものの基調としては弱含んでいる。

先行き

◎減少傾向で推移

県内の新設住宅着工戸数をみると、持家は消費税増税前の駆け込み需要が相応にみられると思われるものの、14年4月に実施された増税時(以下、前回増税時)と比べ引き上げ幅が小さいことや住宅ローン減税の拡充による購入負担の軽減策が期待されることから、前回増税時よりも需要の振れ幅は小さくなると思われる。また、貸家は相続税対策による需要の一巡などから前年を下回って推移するとみられる。これらのことから、先行きの住宅投資は減少傾向となると思われる。

7公共投資の現状と先行き

現状

◎減少しつつある

公共投資の発注動向を表す公共工事請負金額は、18年4-6月期に前年比5.8%増となった(図表12)。公共工事補正予算の執行時期が後ずれしたことなどの影響により、3四半期ぶりに前年を上回った。その後の動きをみると、7月は同9.5%増となったものの8月は同12.0%減と大幅に前年を下回っており、基調としては減少しつつある。

先行き

◎減少傾向となる

18年度の公共工事関連予算は市町村を中心に前年度を下回る計画となっており、大規模な工事の予定もないことから、今後は減少傾向に転じると思われる。

(2018年10月 近 由夏)

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