自主調査(調査報告)

女性活躍推進に向けた県内企業の取組状況

2020/09/01 :自主調査(調査報告)

─女性がより能力を発揮できる職場にするために─

はじめに

少子高齢化を背景に人口の減少が進んでいる。日本経済が今後も成長を続けていくためには、女性の就労を促進するとともに、女性が個性と能力を発揮して活躍することが不可欠である。また、女性活躍推進法が施行されるなど、女性にとって働きやすい環境を整えることがより一層企業に求められている。

本稿では、女性活躍推進の現状について整理するとともに、積極的に女性活躍推進に取り組んでいる県内企業の事例を踏まえたうえで、取り組みのポイントを整理する。

1女性活躍推進法の概要

(1)女性が働きやすい環境づくりを求める

女性活躍推進法とは、女性が働きやすい環境づくりを企業に求める法律で、正式名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」である。喫緊の課題である女性活躍推進に向けて短期間で集中的な取り組みを進める必要があることから、10年間の期限がある時限立法として2016年4月に施行された。

内容は国・地方公共団体、常時雇用する労働者が301人以上の事業主について、①自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析、②その課題を解決するのにふさわしい数値目標と具体的な取り組みを盛り込んだ行動計画の策定・届出・周知・公表、③自社の女性の活躍に関する情報の公表を求めるものである。

(2)改正女性活躍推進法が2020年4月から順次施行

2019年5月に女性活躍推進法の一部を改正する法律が成立し、20年4月から順次施行されている。具体的には、女性活躍に関する情報の公表項目が拡大されるなど、より一層強化が図られた。なお、22年4月には前述①~③について、常時雇用する労働者が301人以上の事業主から101人以上の事業主まで拡大され、より多くの事業主が対象となる予定である。

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新潟県企業動向調査 2020年上期

2020/08/03 :自主調査(調査報告)

はじめに

新型ウイルス感染症(COVID-19)の影響により県内経済は厳しい状況にある。また、先行きについても不透明感が増している。

こうしたなか、県内景気の現状と先行きを把握するため、県内企業1,000社を対象にアンケート調査を実施した。

1業況感

(1)全産業

─ リーマン・ショック後の2009年10-12月期以来の低水準にまで悪化─

2020年1-3月期における県内企業の業況判断BSI(※)は▲26.6となった。暖冬少雪により季節商品・サービスが低調であり、19年10-12月期の▲25.5から1.1ポイント低下した(図表1)。

続く20年4-6月期(含む実績見込み) は▲52.8となり、同1-3月期と比べて26.2ポイント低下した。新型ウイルスの影響から、リーマン・ショック後に景気低迷が続いていた09年10−12月期(▲58.5)以来、10年半ぶりの低い水準となった。

先行きを示す見通しBSIは20年7-9月期が▲63.9、続く同10-12月期は▲57.9と、同4-6月期の実績見込みに比べて一段の悪化が見込まれている。

(2)業種別

─ 製造業、非製造業とも先行きはさらに悪化する見通し─

業況判断BSIを業種別にみると、製造業は20年1-3月期が▲25.8となり、19年10-12月期比ほぼ横ばいとなった(図表2)。

続く20年4−6月期は▲53.6と、同1-3月期に比べて27.8ポイント低下した。窯業・土石は上昇したものの、それ以外のすべての業種で低下し、特に電気機械、その他製造業、輸送機械が大き低下した。

なお、回答企業からは「台風19号の復旧工事向けの出荷が好調」(窯業・土石)との声がある一方、「新型ウイルスの影響で受注済みのリフォーム案件が延期となった」(木材・木製品)との声が寄せられた。

非製造業は20年1-3月期が▲27.2となり、19年10-12月期比2.7ポイント低下した。

続く20年4−6月期は▲52.2と、同1-3月期に比べて25.0ポイント低下した。すべての業種で低下しており、なかでも新型ウイルスの影響で人やモノの流れが停滞するなか、運輸の低下幅が特に大きかった。

非製造業からは「巣ごもり消費の増加で関東方面の量販店向け商材が堅調である」(卸売)との声がある一方、「貸切、乗合バスとも売り上げが急減し、業況が悪化している」(運輸)といった声が聞かれた。

先行きは製造業、非製造業ともにさらに低下する見通しが示されている。

2雇用

─ 雇用BSIは6年ぶりの水準にまで急上昇。雇用の不足感は緩和─

正社員の充足状況をみると、今期の雇用BSI(「過剰」-「不足」)は前期比19.3ポイント上昇し、▲20.7となった。14年上期(▲19.1)以来6年ぶりの水準となり、雇用の不足感は急速に緩和している(図表3)。

業種別にみると、製造業は前期比22.1ポイント上昇の▲6.0となり、3期連続で前期を上回った。精密機械や食料品、鉄鋼などの上昇幅が大きくなり、雇用の不足感は解消に向かいつつある。一方、非製造業は前期比16.7ポイント上昇し▲31.7となった。すべての業種で上昇し、雇用の不足感が和らいでいる。

回答企業からは「新型ウイルスの収束が見込めないなかでは雇用の維持も難しくなる可能性がある」(サービス他)といった声が聞かれた一方、「新型ウイルスの影響が小さい建設業が求職者から見直され、人材確保が好転するとの期待がある」(建設)との意見もあった。

3設備投資

(1)設備投資計画

─ 20年度の設備投資額は前年度比17.2%減の見通し─

20年度における設備投資の実施企業割合(含む計画)は52.6%となり、19年度実績を12.5ポイント下回る見込みとなった(図表4)。

実施企業割合を業種別にみると、製造業が62.4%、非製造業が45.5%となっている。

20年度の設備投資額(含む計画)は、19年度実績比17.2%減と前年度を下回る見通しとなった。新型ウイルスの影響による需要の減少や先行き不透明感の高まりから、設備投資に対する慎重な姿勢がみうけられる。

業種別にみると、製造業は19年度実績比21.6%減となった。内訳をみると、すべての業種が前年度実績を下回っており、なかでも電気機械や食料品などが大きく減少している。一方、非製造業は同10.4%減となった。小売や運輸が増加しているのに対して、卸売やサービス他などが減少している。

規模別にみると、中堅企業が19年度実績比22.4%増と前年度を上回っている一方、大企業が同7.2%減、中小企業が同28.6%減と前年度を下回っている。

(2)設備投資の目的

─「省力化・合理化」「情報化(IT)投資」などが上昇─

20年度における設備投資の目的をみると(複数回答)、「既存機械・設備の入れ替え」(67.0%)の割合が最も高く、以下「省力化・合理化」(26.6%)、「店舗・工場等の新設、増改築」(26.3%)などの順となった(図表5)。19年度実績と比べると、「省力化・合理化」「情報化(IT)投資」などが上昇した一方、「土地購入」「既存機械・設備の入れ替え」などが低下している。

4経営上の問題点

─「先行き見通し難」が調査開始以来、初のトップ─

経営上の問題点を尋ねたところ(複数回答)、「先行き見通し難」(60.8%)の割合が最も高くなり、継続的に「経営上の問題点」の調査を開始した1978年5月の調査以来、初めてトップとなった(図表6)。以下「生産・受注・売上の不振」(56.4%)、「人材不足」(44.3%)などが続いている。

19年下期調査と比べると、「人材不足」「仕入価格の上昇」などの割合が低下した一方、「先行き見通し難」「生産・受注・売上の不振」などの割合が上昇している。

回答企業からは、今年度が政府の「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」の最終年度であることから「来年度以降の公共工事の発注が心配」(建設)といった声のほか、「米中貿易摩擦に加え、新型ウイルスの影響により、先行きの予測を立てられない」(金属製品)、「新型ウイルスの影響は観光業界にとって甚大で回復がみえない」(サービス他)など、今後、新型ウイルスが業績に与える影響を懸念する声が挙げられた。

まとめ

今回の調査結果をみると、20年4-6月期の「業況感」は新型ウイルスの影響により大幅に低下した。新型ウイルスの感染拡大は、外出自粛といった需要減少だけでなく、感染防止のための店舗や工場の休業など供給面の制約も加わることで、多くの業種で業況感が悪化している。

先行きを示す見通しBSIはさらなる低下が見込まれており、また経営上の課題でも「先行き見通し難」が最も高くなるなど、不透明感の高まりから慎重な見方が広がっていることがうかがえる。先行きが見通せない状況のなか、企業の設備投資需要は低迷しており、経済全体への影響が懸念される。

今後も感染防止の観点から、需要面・供給面ともに制約があるため、新型ウイルスの完全な収束までは経済の本格的な回復は難しいと思われる。

(2020年7月 近 由夏)

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新型ウイルス感染症(COVID-19)が県内経済に及ぼす影響調査②

2020/08/03 :自主調査(調査報告)

─20年4-6月期の『売上高が減少』した企業は7割弱。約1割は売上高が「50%以上減少」に─

はじめに

新型ウイルスが県内経済に与える影響について、県内企業や団体などに対しヒアリング調査を実施し、「新型ウイルス感染症(COVID-19)が県内経済に及ぼす影響調査①」として先月号に掲載した。本稿では県内企業へのアンケート調査の結果を掲載する。

最近の県内経済の経済指標等をみると、新型ウイルスの影響から国内外の需要が急速に減少するなか、生産活動は低下している。一方、外出を自粛する動きが広がったことで、一部食料品販売などには「巣ごもり消費」で売上高が堅調となった業態があるものの、外食や旅行といったサービス消費は落ち込んでおり、個人消費は減少している。

こうしたなか、県内企業1,000社を対象に、新型ウイルスの影響を把握するためアンケート調査を実施した。

1新型ウイルスの企業活動への影響

(1)全産業

─8割超の企業が『マイナスと判断』─

すべての企業に新型ウイルスの企業活動への影響を尋ねたところ、「マイナスの影響がある」と回答した企業は54.6 %、「ややマイナスの影響がある」は29.2%となり、この両者を合計した『マイナスと判断』している企業の割合は83.8%となった(図表1)。一方、「影響はない」が10.1%、そして「ややプラスの影響がある」「プラスの影響がある」を合わせた『プラスと判断』している割合は4.7%にとどまった。

(2)業種別

─ 製造業は非製造業に比べて『マイナスと判断』している割合がやや高い─

業種別にみると、『マイナスと判断』している企業
の割合は製造業で86.4%、非製造業で82.0%となり、
製造業の割合が非製造業をやや上回った。

さらに詳しくみてみると、製造業で『マイナスと判断』している企業の割合は酒類、繊維、電気機械、輸送機械(いずれも100.0%)で特に高くなったほか、一般機械(94.7%)、精密機械(94.1%)、金属製品(90.4%)で9割を超えた(図表2)。一方、窯業・土石(58.8%)などでは比較的低くなっている。

これに対して、非製造業で『マイナスと判断』している企業の割合は飲食業、ホテル・旅館、住宅建築、不動産で特に高くなり、100.0%となった。一方、食品スーパーなどが含まれる大型小売店(22.2%)や測量・建設コンサルタント(50.1%)などでは低くなっており、業種間で大きな差がみられた。

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新潟県消費動向調査 2020年夏期

2020/07/01 :自主調査(調査報告)

─新型ウイルスの影響により「収入」「消費支出」とも大幅に低下─

はじめに

新潟県内の個人消費関連の経済指標等をみると、新型ウイルス感染症(COVID-19)の影響に伴う外出自粛や商業施設・飲食店などの営業休止等によって、外食や旅行などのサービス消費は急減している。一方、ドラッグストアや百貨店・スーパーなどは食料品や日用品の販売が堅調なことから、売上高が前年を上回っている。業態によって販売動向は大きく異なっているものの、全体でみると個人消費は減少している。

こうしたなか、個人消費の実態と先行きの動向を把握するため、4月中旬から下旬にかけて県内勤労者400人を対象に、収入や消費支出の状況、ボーナスの支給予想、新型ウイルスの影響等についてインターネットによるアンケート調査を実施した。

1収入の推移

─ 収入は10年夏の調査以来の水準にまで大きく低下─

半年前と比べて収入が「増えた」と回答した人の割合は5.0%、「減った」と回答した人の割合は28.2%となり、収入CSIは▲23.2となった(図表1)。参考までに2019年冬の調査と比べると、収入CSIは22.3ポイント下回り、リーマン・ショック後に収入が低迷していた10年夏の調査(▲31.1)以来の水準にまで低下した。

なお、回答者からは「勤務先の業績が良く収入が増えた」(40代男性)といった声が聞かれた一方、「新型ウイルスの影響で仕事が全くなくなり、収入が減った」(30代男性)、「働き方改革による残業削減で残業代を見込めなくなった」(40代女性)との声が寄せられた。

今後半年間についても同様に尋ねたところ、収入予想CSIは▲32.5となった。足元のCSIと比べて9.3ポイント低くなっており、先行きについても一層慎重な見方をしていることがうかがえる。

2消費支出の推移

─消費支出は急速に低下し、過去最低水準に─

半年前と比べて消費支出が「増えた」と回答した人の割合は13.3%、「減った」と回答した人の割合は23.3%となり、消費支出CSIは▲10.0となった(図表2)。参考までに19年冬の調査と比べると、消費支出CSIは34.4ポイント下回り、継続的に消費支出CSIの調査を開始した1988年冬の調査以来、最も低くなった。

消費支出については「新型ウイルスの影響で自宅にいることが多くなり、食費や光熱費が増えている」(30代女性)との声がある一方、「消費増税後は外食や買い物を控えている」(50代男性)、「新型ウイルスの影響で外出の予定が減り、支出が少なくなっている」(20代女性)などの声が聞かれた。

今後半年間の消費支出についても同様に尋ねたところ、消費支出予想CSIは▲25.2となった。足元のCSIと比べて15.2ポイント低くなっており、先行きの消費支出は一段と低下する見込みである。

3今後半年間における消費支出項目

今後半年間の消費支出について「増えそう」な支出項目と「減りそう」な支出項目をそれぞれ尋ねた(複数回答)。

〈消費支出が増えそうな項目〉

─「食費(外食費を除く)」「日用品」などが上位─

「増えそう」と回答した割合が最も高かったのは、「食費(外食費を除く)」で52.4%となった(図表3)。次いで「日用品(生活雑貨・消耗品等)」が続いており、自宅で消費する項目が上位となった。

〈消費支出が減りそうな項目〉

─「外食費」が6割を超えトップ─

「減りそう」と回答した割合が最も高かったのは、「外食費」で62.4%となった(図表4)。以下「旅行(国内旅行・海外旅行)」「衣類・ファッション」などの順となっている。新型ウイルスの影響で消費行動の抑制が続くことが予想されるなか、外出を伴うサービス消費関連の割合が特に高くなった。

4ネットショッピングの利用状況

最近半年間でのネットショッピングの利用状況について尋ねた。

(1)半年前と比較した購入額

─半年前よりも「増えた」は2割超─

ネットショッピングによる商品・サービスの購入額について、半年前と比べて「増えた」と回答した人の割合は23.5%、「変わらない」は54.0%、「減った」は16.8%となり、「増えた」の割合が「減った」を6.7ポイント上回った(図表5)。なお、「増えた」「変わらない」「減った」を合わせた『ネットショッピングを利用している』割合は94.2%となった。一方、「ネットショッピングをしない」は5.8%にとどまった。

年代別でみると、「増えた」の割合は30代(32.9%)と20代(30.4%)で高くなった一方、60代(14.1%)で最も低くなった。

(2)購入した商品・サービス

─「日用品」が6割弱でトップ─

『ネットショッピングを利用している』と回答した人に、最近半年間においてネットショッピングで購入した商品・サービスを尋ねたところ(複数回答)、「日用品」と回答した人の割合が57.3%と最も高くなった(図表6)。以下「衣類・ファッション」(40.2%)、「飲食料品」(38.5%)、「書籍・雑誌」(29.1%)などが続いている。調査対象や設問項目などに違いがあるため単純に比較はできないものの、当センターが17年4月に実施した「ネットショッピングに関するアンケート調査」(以下、2017年調査)と比べると、今回の調査では「日用品」「飲食料品」の割合が上昇している一方、「衣類・ファッション」「家電」などが低下している。新型ウイルスの影響により外出を控えるなか、日用品や飲食料品など生活に不可欠な商品をネットショッピングでも購入する傾向が強まっている模様である。

5ボーナス支給予想

─ ボーナスの支給予想は11年夏の調査以来の水準にまで低下─

今夏のボーナスが昨年の夏と比べて「増えそう」と回答した人の割合は3.3%、「減りそう」と回答した人の割合は33.3%となった(図表7)。ボーナス支給予想CSIは▲30.0となり、参考までに19年夏の調査と比べると23.4ポイント下回り、11年夏の調査(▲33.5)以来の低水準となった。

年代別にみると、「増えそう」の割合が最も高かったのは20代(8.9%)である一方、「減りそう」は40代(39.4%)で最も高くなった。

6ボーナスの使途

─「旅行・レジャー」が大幅に低下─

今夏に「ボーナス支給がある」と回答した259人を対象に、ボーナスの使途について尋ねたところ(複数回答)、「預貯金等」の割合が59.1%となり最も高くなった(図表8)。以下「買い物」(27.0%)、「生活費の補填」(26.6%)などの順となった。

参考までに19年夏の調査と比べると、「預貯金等」「買い物」などの割合が上昇した一方、「旅行・レジャー」が大きく低下した。

7新型ウイルスの影響

新型ウイルスの影響による生活や働き方の変化について尋ねた。

(1)生活の変化

─「 テレビを観る」ことが増えた一方、「旅行」「飲み会・宴会」は減る─

生活の変化を尋ねたところ、以前に比べて「テレビを観る」頻度(時間)が「増えた」「やや増えた」と回答した人の割合が合わせて45.0%と最も高くなった(図表9)。以下、同様に「ソーシャルメディアの利用」(32.2%)、「食事のデリバリー・テイクアウトの利用」(32.1%)、「家族とのコミュニケーション」(29.5%)、「ネットショッピング」(23.7%)などの順となっており、自宅で過ごす時間が増えていることがうかがえる。

一方、「やや減った」「減った」と回答した人の割合の合計は「旅行」(84.7%)、「飲み会・宴会」(83.7%)が特に高くなった。以下「演劇・コンサート・映画鑑賞」(79.3%)、「外食」(75.8%)などの順となっており、外出を伴うレジャー関連が抑制されている。

(2)勤務先で実施されたこと

─「 職場の宴会・レクリエーションの自粛」がトップ。「テレワーク」の実施は1割─

新型ウイルスの影響により勤務先で実施されたことを尋ねたところ(複数回答)、「職場の宴会・レクリエーションの自粛」と回答した人の割合が28.2%で最も高く、以下「出張の自粛」(23.8%)、「大規模な集合型会議の中止・延期」(23.3%)などの順となった(図表10)。なお、「テレワークの実施」は10.0%となった。産業構造や調査対象などに違いがあるため単純に比較はできないものの、パーソル総合研究所「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査(第2回)」(20年4月)によると、全国でのテレワークの実施割合は27.9%となっており、県内での実施割合を約18ポイント上回っている。

回答者からは「会社の休みが増え、収入が減った」(40代女性)、「在宅勤務になったため、営業手当が付かなくなってしまった」(20代男性)といった声も聞かれ、収入などにも影響を与えている模様である。

まとめ

今回の調査結果をみると、新型ウイルスの影響により「収入」や「ボーナス支給予想」が大きく低下した。また、収入の低下や消費行動の抑制を背景に、「消費支出」も急減した。ただし、「食事のデリバリー・テイクアウトの利用」「ネットショッピング」などの利用頻度が上昇するなど、家の中での生活を楽しむ、いわゆる「巣ごもり消費」が広がっていることがうかがえる。

こうしたなか、緊急事態宣言が解除され、経済活動が徐々に再開されているものの、感染症対策として外出を伴う消費行動は抑制されることから、個人消費は当面、弱い動きが続くと思われる。

(2020年6月 近 由夏)

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「キャッシュレス決済」に関するアンケート調査

2020/07/01 :自主調査(調査報告)

─キャッシュレス還元事業開始(19年10月)以降、キャッシュレス決済が増えたのは約6割─

はじめに

2019年10月から「キャッシュレス・消費者還元事業」が開始された。対象となるポイント還元額が想定を上回ったため、関連予算が追加計上されるなど、当制度が後押しとなりキャッシュレス決済の普及が進んでいる。こうしたなか、県内のキャッシュレス決済の利用動向を把握するため、4月中旬から下旬にかけて県内勤労者400人に対してインターネットによるアンケート調査を実施した。

1キャッシュレス・消費者還元事業

(1)キャッシュレス・消費者還元事業とは

─19年10月から20年6月末まで9カ月間の実施─

キャッシュレス・消費者還元事業(以下、キャッシュレス還元事業)は、消費税率引き上げに伴う需要の平準化と、キャッシュレス決済比率の向上などを目的としており、実施期間は19年10月から20年6月末までの9カ月間となっている。

消費者は対象の店舗においてキャッシュレス決済で支払いをすると、最大で5%分のポイントが還元される仕組みである。対象となる決済手段は「一般的な購買に繰り返し利用できる電子的な決済手段」であり、具体的には、「クレジットカード」「デビットカード」「電子マネー/プリペイドカード」「スマートフォン」などとなっている。

(2)キャッシュレス還元事業の現状

─ 対象の決済金額のうちクレジットカードが約64%を占める─

経済産業省によると、6月1日現在でキャッシュレス還元事業の登録加盟店は全国で約115万店となっている。

また、19年10月1日から20年3月9日までの対象決済金額は約6.9兆円、還元額は約2,830億円となったほか、決済金額に占める決済方法は、クレジットカードが約64%と最も高く、QRコード決済が約7%、その他電子マネー等が約29%となっている。

注:「 キャッシュレス・消費者還元事業」の決済手段などを踏まえ、本稿では「クレジットカード」「デビットカード」「カード型の電子マネー」「QRコード決済」「非接触型決済」などを具体的なキャッシュレス決済手段とした

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新潟県における外国人雇用の現状と雇用促進上のポイント

2020/06/01 :自主調査(調査報告)

─誰もが働きやすい職場づくりがポイント─

はじめに

これまでの企業活動はグローバル化する一方、企業における人材不足が深刻化するなか、外国人を雇用する動きが広がってきた。

本レポートでは、新潟県における外国人雇用の現状を整理するとともに、企業が外国人を雇用する際の課題と、雇用促進上のポイントをまとめた。

1外国人雇用の概要

厚生労働省によると、日本において外国人が就労活動を行なうには「出入国管理及び難民認定法」で定められている在留資格の範囲内とされている。在留資格とは、日本国内で外国人が認められる活動を示す資格のことで、具体的な活動内容や在留資格に応じた在留期間等が定められている。

法務省出入国在留管理庁「在留資格一覧表(2019年11月現在)」によると、在留資格は29ある。この29の資格について、厚生労働省や法務省などでは、①制限なく就労可能、②制限付きで就労可能、③許可を受けて一定の範囲内で就労可能の3つの区分から大きく5つに分けている。この5つとは、①専門的・技術的分野の在留資格、②特定活動、③技能実習、④資格外活動、⑤身分に基づく在留資格である。また、19年に創設された⑥特定技能を加えて6つの場合もある。

なお、厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況」によると、19年10月末現在、特定技能の在留資格の外国人労働者数は、全国で520人、新潟県では5人となっており、本格的な増加はこれからとみられる。

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県内企業における健康経営の取り組み

2020/06/01 :自主調査(調査報告)

─企業の持続可能な成長に向けて─

はじめに

従業員などと一緒に健康の保持や増進に取り組むことで、生産性の向上や企業のイメージアップ、将来的な業績向上などを目指す「健康経営(注1)」の取り組みが注目を集めている。

そこで当センターでは健康経営の取り組み状況を把握するため、県内企業を対象にアンケート調査を実施し、「センター月報3月号」にその結果をまとめた。

本稿では、健康経営の現状について改めて整理するとともに、すでに健康経営に取り組んでいる県内企業の事例を踏まえたうえで、健康経営に取り組むためのポイントを整理する。

(注1)健康経営はNPO法人健康経営研究会の登録商標である

1健康経営について

(1)健康経営とは

経済産業省によると、健康経営とは「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」とされている。

企業にとって、健康経営という考えに基づき従業員等の健康の保持や増進を行なうことは、労働生産性の向上、企業のイメージ向上、さらには医療費の適正化などにつながるとされている。そしてこうした取り組みに必要な経費は単なる「コスト」でなく、将来に向けた「投資」であると捉えられている。

(2)健康経営が注目される背景

①少子高齢化の進展と就業者の高年齢化

日本の将来推計人口をみると、年少人口(0〜14歳)と生産年齢人口(15~64歳)が減少する一方で、老年人口(65歳以上)の高齢者が増加すると予測されている(図表1)。こうしたなか、企業の定年延長や再雇用制度等の推進により、60歳以上の就業者数が年々増加しており、2019年では就業者全体の約2割を占め、就業者の高年齢化が進んでいる(図表2)。

②定期健康診断の有所見率の上昇

企業が労働安全衛生法で義務付けられている定期健康診断における有所見率(健診の結果、異常の所見があると診断された労働者の割合)は上昇傾向にある(図表3)。新潟県は全国を下回っていたが、近年では全国と同水準にまで上昇傾向にある。背景としては、労働形態の多様化によるストレスの増加や、働く人の高年齢化などが要因と考えられ、就業者の健康問題による事業継続のリスクが懸念されている。

③逼迫している労働市場での採用活動

経済産業省の調査をみると、就活生がどのような企業に就職したいかについては(複数回答)「福利厚生が充実している」(44.2%)や「従業員の健康や働き方に配慮している」(43.8%)の回答割合がともに4割を超え、高い回答率となっている。経営上の問題点として人材不足があげられるなか、従業員を採用するうえで健康経営に取り組んでいるかどうかが一つの基準となっていることがみてとれる。

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新潟県の景気の現状と先行き見通し

2020/05/01 :自主調査(調査報告)

─急速に悪化している県内経済─

1景気の現状と先行き

現 状

◎急速に悪化している県内経済

県内主要経済指標等から景気の現状を概観すると、公共投資は増加している。一方、生産活動と住宅投資は弱含んでおり、個人消費は減少している。総じてみると、県内経済は新型ウイルス感染症(COVID-19)の影響から急速に悪化している(図表1)。

先行き

◎ 新型ウイルスの影響により、一層下振れする可能性に注意

新型ウイルスの影響で経済活動が停滞しており感染収束の見通しが立たないことから、県内経済は一層下振れする可能性がある。

生産活動は世界的な需要減少などから受注が低下しており、一段と弱含むと思われる。個人消費は新型ウイルスの影響による外出・イベントの自粛から、サービス消費を中心に悪化傾向が続くとみられる。一方、公共投資は新潟県の財政状況の悪化を背景に、20年度の公共工事関連の予算が前年に比べ減額となっており、足元の緩やかな増加傾向が鈍化すると見込まれる。

2生産活動の現状と先行き

現 状

◎弱含んでいる
 
新潟県の鉱工業生産指数(季節調整値)は、19年10-12月期に前期比1.1%低下の100.8となり、2四半期ぶりに前期を下回った(図表2)。

生産指数を業種別にみると、輸送機械は新車販売の減少により、自動車部品を中心に生産水準が低下している(図表3)。汎用・生産用・業務用機械は米中貿易摩擦などを背景とした外需の低迷が続くなか、国内の設備投資需要に一服感が出ており、低調な推移が続いている。金属製品は自動車向けや機械向けの生産が減少していることから、弱めの動きとなっている。一方、食料品は米菓や包装米飯などが好調であり、堅調に推移している。

先行き

◎ 内需の落ち込みにより一段の弱含みも
 
生産活動の先行きを業種別にみると、輸送機械は新型ウイルスの影響による完成車メーカーの生産調整に伴い、自動車部品の減産が見込まれる。汎用・生産用・業務用機械は米中貿易摩擦が完全に終結しないなか、新型ウイルスの影響による先行き不透明感から、設備投資計画を見直す企業も出ており弱い動きが続くとみられる。金属製品は首都圏で再開発が計画されているものの、東京五輪が延期されたことで工事の着工時期などが見直される見込みであり、作業工具や建設用金属製品への需要は不透明となっている。一方、食料品は包装米飯や米菓などが好調であり、底堅さを維持するとみられる。

欧米など世界的に新型ウイルスの感染が拡大していることから、今後影響を受ける業種、企業は増加していくと予想される。また、これまで堅調だった内需にも落ち込みがみられることから、生産活動が一段と弱含む可能性がある。

3設備投資の現状と先行き

現 状

◎概ね横ばいで推移している

当センターが19年下期に実施した「企業動向調査」によると、19年度の設備投資額(含む見込み)は前年度実績比1.8%上回る見通しである(図表4)。

製造業では、生産能力増強への投資がやや減少しているものの、既存設備の更新投資の増加などから、投資額は前年並みとなっている。非製造業では、情報化投資が増加しており、前年をやや上回っている。

その後に実施された他機関の調査をみると、19年度の設備投資額は下方修正されており、足元の業績悪化や先行きの不透明感から設備投資計画を見直す動きが出ている。

先行き

◎今後下振れする可能性が高い

「企業動向調査」によると、20年度の設備投資計画は19年度比18.9%減となっている。調査時点では未確定とする企業も多いことから投資額は前年度実績を下回る見通しであり、機械や設備の更新投資や省力化・合理化投資などが計画の中心となっている(図表5)。

新型ウイルスによる影響から、テレワーク導入に伴う設備への需要は高まるとみられる一方、企業の業績は先行き悪化が見込まれている。そのため、設備投資全体としてみると、今後下振れする可能性が高まっている。

4雇用の現状と先行き

現 状

◎ 逼迫しているものの、有効求人倍率は低下傾向にある

19年10-12月期の有効求人倍率(パートを含む全数、季節調整値)は1.62倍と前期比ほぼ横ばいとなった(図表6)。その後、1月は1.53倍、2月は1.49倍と水準は高いものの、有効求人倍率は低下傾向にある。

先行き

◎悪化へと変化するかを注視
 
雇用の先行指標となる新規求人数(パートを含む全数・実数)をみると、19年10-12月期に前年比5.1%減と4四半期連続で前年を下回っている。

製造業の一部では受注減少による工場の稼働率低下に伴い、従業員の労働時間を短縮させる動きがみられる。一方、非製造業は引き続き人手不足感が強いものの、暖冬少雪や新型ウイルスなどの影響から、サービス業などでは新規雇用に対して慎重な姿勢に変化している業態も出てきている。

新型ウイルスの影響が広がるなか、新潟労働局では雇用調整助成金などの相談件数が増加しており、雇用状況が悪化へと変化するか注視する必要がある。

5個人消費の現状と見通し

現 状

◎減少している

小売業販売額(全店)(注)は、19年10-12月期に前年比3.0%減となった(図表7)。消費増税前の駆け込み需要の反動減が家電や高級品、日用品などで生じたほか、暖冬少雪により冬物商品などが低調に推移し、百貨店や家電大型専門店などが前年を下回った。

続く20年1月は同0.4%減、2月は同7.4%増となった。新型ウイルスの影響により、スーパーやドラッグストアなどで買いだめ需要がみられた一方、外食や観光・宿泊といったサービス業は来客数の減少により売り上げが大きく落ち込んでいる。

乗用車新規登録・届出台数(軽含む)は、19年10-12月期に前年比20.8%減となった後、20年1-3月期に同10.7%減となった(図表7)。消費増税後の落ち込みが想定以上に大きく、弱い動きとなっている。

以上から、個人消費は全体として減少している。

(注)小売業販売額:経済産業省「商業動態統計」の百貨店・スーパー、家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストアの全店販売額を合計したもの

先行き

◎上向く材料は乏しく、悪化傾向が続く

感染収束の時期がみえないなか、外出やイベント自粛の動きは当面続くとみられ、旅行などの余暇関連や自動車など高額な出費は抑制されると思われる。

また、キャッシュレス・消費者還元事業が6月末に期限を迎えることに加え、期待されていた「五輪特需」が延期によって剥落することから、個人消費が上向く材料は乏しく、悪化傾向が続くとみられる。

ただし、家計への生活支援や雇用の維持が盛り込まれた政府の緊急経済対策が下支えとなり、消費の底割れを避けることができれば、感染収束後は個人消費の緩やかな持ち直しが期待される。

6住宅投資の現状と見通し

現 状

◎弱含んでいる

19年10-12月期の新設住宅着工戸数は、前年比5.9%減となり、2四半期連続で前年を下回った(図表8)。新潟市でのマンション建設により分譲が増加した一方、貸家は低調な動きとなっている。その後、20年1月は同5.0%減、2月は同35.8%減となっており、総じてみると、弱含んでいる。

先行き

◎弱含みが続く

利便性が高い土地を中心に潜在的な住宅購入需要はみられるものの、人気が高い新潟市内では土地価格の上昇により住宅購入を断念するケースが生じており、需要とのミスマッチが着工戸数を抑制することも考えられる。

また、新型ウイルスの影響から雇用や賃金に対する不安が高まれば、住宅購入意欲の減退が予想される。

7公共投資の現状と先行き

現 状

◎増加している

公共投資の発注動向を表す公共工事請負金額は、19年10-12月期に前年比6.8%増となり、5四半期連続で前年を上回った(図表9)。政府の「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に伴い18年度補正予算から国の公共工事関連予算が大幅に増額されたほか、県や市町村においても19年度の予算が前年度を上回ったことから、公共投資は増加している。

先行き

◎増加傾向は鈍化へ

新潟県では財政状況の悪化から、20年度の公共工事関連の予算が前年度に比べ減額されており、発注の減少が見込まれる。また、今冬の少雪により除雪を担う建設業者が業況悪化したことへの対応から、県や長岡市では一部工事を予定より前倒して発注している。今後はその反動が出るとみられ、公共投資はこれまでの増加傾向の鈍化が予想される。 (2020年4月 近 由夏)

*県内経済の概況等は本稿で記載していることから、今月号の「グラフで見る県内経済」の掲載はございません。

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