酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

今すぐできる選りすぐりのアイデア 第37回

2019/04/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

大リーガーの作文

「ぼくの夢は一流のプロ野球選手になることです。そのためには、中学高校と全国大会に出て活躍しなければなりません。活躍できるためには練習が必要です。(中略)そしてぼくが一流の選手になったら、お世話になった人に招待状を配って応援してもらうのも「夢」のひとつです」

これは大リーグで活躍している有名選手が小学校6年生のときに書いた「ぼくの夢」という題名の作文です。紙に書いたことは実現する…とは自己啓発書で良く目にしますが、この大リーガーもまさに紙に書いたこと、いやそれ以上のことが実現しています。

正直にいうと私は40歳までは「紙に書いて実現するなら苦労しないよ」と思っていました。当時、無職無収入で全治6か月の怪我で入院していた私は藁にもすがる思いで次のようにノートに書きました。

「退院して再起業して3月末日までに売り上げ※※を実現する」

…事実だから書きますが1カ月遅れでそれは実現しました。自分でもかなり驚いたことを今でも覚えています。

思い返すと私は小学生くらいのときから言葉を紙にデカデカと書いて自分の部屋の壁や天井にぺたぺたと貼っていました。テストの間際になると「目標80点。根性!」などと習字の筆で紙に大きく書いて勉強机の前に貼り、満足していました。

その習慣は中学、高校、大学、会社員、独立後も続きました。実は今でも仕事場の壁に書き込みをした紙がたくさん貼ってあります(写真参照)。

私は目標が実現できない要因は次の3つだと考えています。
(1)目標がない
(2)目標があいまい
(3)目標を忘れる

そもそも(1)では目標を実現はできません。(2)も「幸せになりたい」「自由に生きたい」「いつか海外で暮らしたい」などというあいまいな目標では神様も対応に困るはずです。そして、私は案外(3)も目標実現を妨げる要因として多いのではないかと考えています。

この記事が掲載されるのは4月号ですが、さてあなたは2019年のお正月に立てた今年の目標を覚えていますか?もしかすると忘れている方も多いのではないでしょうか。

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第36回

2019/03/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

保有効果

先日、知人が車の下取り査定について次のような話をしていました。

「10年も大切に乗ってきた愛車の査定をしてもらったのだけれど、驚くほど安い価格査定にとてもがっかりした。車が可哀そう」

人は車を買い替える時には新車の値引き額よりも自分が今まで乗っていたクルマの下取り価格の方に強い関心があるといわれています。

しかし、あなたもご存知のとおり車は買った瞬間から価値が下がり始めます。1年で10%程度その価値は下がりますので10年も乗ればその車の価値はゼロになります。

でも、10年の間に一緒にいろいろな場所に移動して、思い出をたくさん作ってくれた愛車の下取り価格がゼロだと聞かされるとかなりショックです。この心理は人間には所有したものに高い価値を抱きやすくなり愛着が生まれる傾向があるところから生まれます。

年々車の価値は下がるけど、反比例してオーナーの車への愛着の度合いは増え続けることになります。これを心理学では保有効果といいます。

人は自分の所有しているものに高い価値を感じ、愛着を抱くようになります。

だから、人間心理をよく知っている商売人やセールスマン、販売員はお客様に次のようにいうことになります。

「どうぞご試着ください」

「手にとってお試しください」

「試乗してみますか」

「無料ですので2週間お試しください」

「30日後でも返品可能ですので使ってみてください」

人は一度、所有する、身につける、試着する、試乗する、モニターの使用をすると、保有効果が動き出しその商品に愛着が湧き価値を感じるようになるわけですから、上記のような販売方法は理にかなっていることになります。

ここ数年、断捨離がブームになっていますが、これは家の中のものを片付けられない、自分が持っているものを捨てることができないという人が増えているということです。あなたにも長年使ってきた腕時時計を捨てることができない、以前使っていたガラケーやスマホを捨てることができない、昔着ていたスーツを捨てることができないという経験はないでしょうか。

これも保有したものをなかなか手放すことができないという人間心理を考えると納得できます。人はいったん手に入れたものを手放すのが難しいのです。

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第35回

2019/02/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

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1,000円のスーツ

ちょっと前の話になりますが、その日、私はスーツを買いに出かけました。

しばらく店内を歩いていたら女性スタッフが近づいてきてこういいました。

「スーツは2着目が1,000円です」

その瞬間、私はそのスタッフが何をいっているのか理解ができませんでした。

「えっ! スーツが1,000円?どういうこと?」

スーツが1,000円です。隣接しているレストランのランチより安いかもしれません。

もちろん1着目のスーツが一定額以上の商品であることが前提ですが、それでも「2着目はスーツの代金は1,000円です」といわれたので大きなインパクトがありました。

そして、次の瞬間に私はこう思ったのです。

「それなら、このお店で買わないと損だ。ここでスーツを探そう」

その日、私は何軒かのお店を回る予定でしたが止めて、結局そのお店でスーツを買いました。つまり、2着目が1,000円という販売方法が私に競合店を回って商品と価格を比較させることを断念させたわけです。

そのお店の周りには何軒かの競合店があります。そのため多くのお客様は何店舗か回って、商品と価格を比較検討してから買うことが多くなるはずです。しかし、一旦、「このお店で買わないと損だ。ここで探そう」と思わせることができると、お客様が競合店に流れる確率が下がります。

もちろん、今ではスーツ専門店の多くが同じような販売方法を展開していますので、以前ほどの効果はなくなっているかもしれませんが、情報過多の社会になって購買行動がAIDMAからAISAS※になっている時代には「他店と比較検討されない」ということも商売では大切なのです。

ご存知の通り、AIDMAは人が購買に至るプロセスであるAttention(注意喚起、あるいは認知)→Interest(興味)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(購買行動)の頭文字で表現したものです。簡単にいうと

「Attentionあれは何だろう?→Interest面白そう!→Desire欲しいかも!→Memory忘れられない→Action買おう!(購買行動)」ということ。

しかし、ネットの出現で顧客が手に入れる情報が膨大になっている現代のお客様の購買行動はAttention(注意喚起)→Interest(興味)→Search(検索)→Action(購買行動)→Share(シェア)となっています。

つまり、「Attentionあれは何だろう?→Interest面白そう!→Search他のお店も調べて比較してみよう→Action買おう!→Shareシェアして皆に教えてあげよう」ということです。

この購買行動の変化がもたらした最大の違いはあなたの商品やサービスは比較されるということです。

※「AISAS」は株式会社電通の登録商標です

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第34回

2019/01/04 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

健康で長生きの秘訣

新年明けましておめでとうございます。

2019年は亥年。亥は猪突猛進という言葉で知られるイノシシ・猪のことですが、動物の猪の肉は万病も防ぐといわれています。そのため亥年は無病息災で病気にはなりにくい年なのだそうです。

今年一年が皆様にとりまして健康で、お仕事ご商売がますます勢いよく猛進する年となりますことを祈念申し上げます。

新年の記事として今回は健康で長生きするための秘訣というテーマでお話をしようと思います。あなたは健康で長生きする職業のベスト3をご存知ですか?

ある方の調査によると第一位は僧侶。第三位は政治家なのだそうです。

では第二位は何でしょうか?

それは事業主です。

自営、フリー、個人事業、法人を問わずご自身でご商売をされている方は健康で長生きができるようです。生涯現役で仕事を行なうことが長寿社会を健康に生きる秘訣なのです。

私は昨年11月3日に都内の全電通労働会館にて82歳の現役講演家・田中真澄先生にお会いしてお話を伺う機会を得ました。田中真澄先生は累計講演回数が8,000回を超えており、現在、日本一の講演家といえば田中真澄先生の名前が真っ先に挙がります。

出版書籍も「臨終定年」「人生の勝負は後半にあり」「100歳まで働く時代がやってきた」「情熱の人生哲学」「生きる力がわいてくる生活習慣塾」「田中真澄の88話」「百年以上続いている会社はどこが違うのか?」「商人道に学ぶ時代がやってきた」「実践的人間力講座」「江戸時代に学べ」「老舗に学ぶ個業繁栄の法則」をはじめとして累計で90冊以上あります(写真は最新刊)。

その日は田中先生が一般向けとして実施する最後の講演会でした。82歳の田中先生は会場を埋め尽くした全国から集まった400人の聴衆を前に2時間にわたり舞台狭しと動き回り、大きな声で、エネルギッシュな講演をされました。その目の力、身体から放たれる迫力、動きの軽やかさはとても82歳にはみえませんでした。

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第33回

2018/12/03 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

大人買い

右の写真はある街の書店でみつけた陳列棚です。

POPには「大人買いいかがですか?」と書かれています。

ある本のシリーズの大人買いを薦めているわけですが、とても良いコピーですね。

子供の頃にはお小遣いが少なかったので、欲しい漫画コミックがあっても全巻は買えません。お小遣いを貯めて「今月はこの巻だけ買おう」といったようにどれか1つに絞らざるを得なかった。同様に駄菓子屋で欲しいお菓子があっても、あれも、これもとたくさんのお菓子を買うことができず、どれか1つとか、コレは高いから我慢しようとか…そんな子供の頃の買い物経験があなたにもあるでしょうか。

ところが大人になって自由に使えるお金が増えると欲しい漫画コミックも、食べたいお菓子もごっそりとひとまとめで買うことができるようになります。好きな漫画コミックをごそっと大人買いしたときのあの快感はまさに「大人になってよかった」としみじみ思う瞬間です。

私は大人になってから好きな映画ロッキーのDVDを全巻フルセットでボックス買いしたときの喜びと高揚感と興奮をよく覚えています。

「大人って最高だ。もう子どもには戻りたくない」

もしかするとあなたもこんな大人買いの感動を味わったことがあるかもしれませんね。

と、いうことはこの「大人買い」の切り口はビジネスに使えるかもしれません。

焼肉店なら「大人食い焼肉」メニューができます。

スイーツショップなら「大人買いスイーツ」セットが考えられます。

衣料品店なら「大人買いコーディネイト」ができますね。

化粧品店でも「大人買いコスメ」でパッケージ商品ができます。

カーアクセサリーショップでも「大人買いパーツ」をセットできます。

ジュエリーショップでも「大人買いジュエリー」を用意できます。

マッサージ店でも「大人買いフルコース」をメニューにできます。

フラワーショップでも「大人買いアレンジメント」が可能。

ラーメン店でも「大人買い中華フルコース」ができます。

玩具店なら「大人買いおもちゃセット」はまさに宝箱のようです。

世の中には子供の頃に実現できなかった「まとめ買い」をしたい大人がたくさんいるはず。そんな大人買いの快感をあなたのお店や会社でも提供できるのでは?

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第32回

2018/11/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

アル・パチーノの営業力

『摩天楼を夢見て』…これは私の好きな映画の1本です。

主演はアル・パチーノ。脇役にジャック・レモン、アレック・ボールドウィン、エド・ハリス、ケヴィン・スペイシー、アラン・アーキンという豪華な顔ぶれ。

映画はニューヨークの不動産会社で働く4人のセールスマンのお話。

かつてはナンバーワンの営業マンだったけれど今では落ち目のレーヴィン( ジャック・レモン)、愚痴ばかりこぼしている営業成績の悪いモス(エド・ハリス)とアーロナウ(アラン・アーキン)、そして営業成績がダントツトップのリッキー・ローマ(アル・パチーノ)が4人のセールスマンとして登場します。

映画のなかで営業成績がふるわないレーヴィンとモス、アーロナウの3人は見込み客に必死に電話をかけてセールスをしますが全然契約が取れません。

一方、アル・パチーノが演じるトップセールスマンのリッキー・ローマはバーで酒を飲みながら、カウンターに隣り合わせたお金を持っていそうな見ず知らずの相手に酔ったふりをして近づき、リゾート地の不動産物件の販売に成功します。

この映画はピューリッツァー賞文学賞を受賞した名作戯曲が原作なのでストーリー自体もかなり面白いのですが、アル・パチーノが人間心理を理解したうえで行なう見込み客へのアプローチ方法や話法、説得の仕方がとても上手く、セールスに大いに役立つ映画です。

たとえば、アル・パチーノが演じるリッキーは、見込み客をみつけてもビジネスの話を全くしません。雑談をしながら人生のこと、女性のこと、仕事のことなどを面白おかしく延々と話します。こうして少しずつ少しずつ相手の警戒心を解くのです。ここにかなりの時間をかけます。

そして、会話のなかでなにげなくボソっと次のようにいうのです。

「病気、株の暴落、飛行機事故?そんなことで不安を抱いてもしょうがない」

この言葉を聞いて見込み客は頷きます。

リッキーはこの言葉で暗に「リスク」や「不安」を打ち消しているのです。

その後、また世間話を続けながら酔ったふりをしてこういいます。

「金なんか貯めてどうするんだ。貯めておいたって無意味だ。みんな不安からお金を貯めようとするがそんなことは無意味だ。墓には持っていけない」

この言葉で見込み客の「不安」を取り除き、さらに「お金を手元に残しておくことの無意味さ」を心に打ち込みます。

さらに、何気ない会話のなかでこんなこともいいます。

「株や美術品、不動産はただのチャンスだ。金を儲けるただのチャンスに過ぎない」

こういった言葉をさりげなく会話に挿入しながら、「不動産=チャンスである」という暗示を投げかけます。

この時点では相手はリッキーが不動産のセールスマンだとは知りません。バーでたまたま出会った話の面白い奴だとしか思っていません。でも、リッキーと会話をするうちに酔いも手伝って徐々に相手の心には無意識のうちに「不安の除去」「金を手元に残しておくことの無意味さ」「不動産は金儲けのチャンスである」といった言葉がじわじわと浸透していきます。

そして、リッキーは相手に身体をぴったりと近づけてこういいます。

「俺はくだらんと思う…あんたがどう思うかは分からないが、俺はくだらんと思う」

といいながら物件のカタログをちらっとみせます。

「俺はくだらんと思うが、これを見てくれ」

といいながらカタログの裏面を広げるとそこには綺麗なピンクフラミンゴと広大に広がる美しいリゾート地の写真が載っています。

その美しい風景写真を目にした相手の興味がぐっと出てきた瞬間をとらえて、リッキーはカタログをみながらこういいます。

「じゃあ、少し物件の説明をしよう…」

こうして最終的にリッキーはバーカウンターで出会った相手と契約書を交わすのです。

一方、売れない3人のセールスマンは雨のなかを夜中まで営業に出かけて行きますが、先々で厳しい断りを受け続けます。

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第31回

2018/10/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

人間心理を考慮した遅刻許容時間

先日、友人と待ち合わせをしました。しかし、時間になっても現れない。

「遅いなあ」と思いながらそのまま友人を待ちました。結局、15分ほど経ってから友人が到着しました。

こんな時、あなたなら何分くらい待ちますか? 10分くらいは待ちますか?それとも20分?あるいは1時間?

ちなみにあるアンケート調査によると人が相手を待つ時間は平均で25.1分なのだそうです。

私はどちらかというと打ち合わせや講演場所には予定時間よりかなり前に行くので、相手を待たせるということはないのですが、20代の頃に広告代理店の営業をしていた時には、スケジュールがタイトで次のクライアントへの訪問時間が遅れることもありました。

そんな時には申し訳ないという気持ちから

「もうすぐ着きます。あと10分くらいで伺えます。すみません!」

と電話を入れてから先方に向かいました。

しかし、そういう場合には時間を短めにいうので、たいてい先方には20分から30分程遅れて到着することになります。するとクライアントは当然機嫌が悪い…。

それは当たり前ですよね。相手はこちらが電話を入れた段階で既に「待たされて」います。さらにそこから「10分くらいで伺えます」と約束したのに実際にはもっと遅れて到着をすると「ウソをつかれ」たうえに「2度待たされた」ことになります。

これでは相手は心情的におもしろくないから怒るわけです。

では、仕事で遅刻しそうな、そんな時にはどうしたらいいのでしょう。

人間心理と平均待ち時間を考慮すると次のようにいった方がいいですね。

「すみません!あと25分でそちらに着きます」

そう伝えてから猛ダッシュで相手先に向かい、なんとか20分以内で到着できるようにしましょう。

すると相手は平均待ち時間の25.1分以下であなたを待つことになり、ウソもつかれていないことになります。さらに「あと25分でそちらに着きます」といったところを20分弱で到着すると心理的には比較の原理が機能して、相対的に遅刻時間を短く感じてもらえることになります。ともあれ万が一遅刻しても相手を待たせるのは25分以内を心がけた方がよさそうです。

(ちなみにデートの待ち合わせをしている女性が待ってくれる平均時間は28分なので、30分以上遅刻すると帰られてしまう可能性が大です)

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第30回

2018/09/03 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

媒体の力

先日、地元の旅行代理店に行きました。

出張が続くので電車やバス、飛行機のチケットの手配をお願いしました。

すると旅行代理店のカウンターでスタッフの女性がいいました。

「酒井さん、この記事を読みましたよ」

と写真の月刊誌を持ってきて広げてくれました。

そうです。一般財団法人新潟経済社会リサーチセンター様発行のセンター月報です。

そのとき、こう思いました。

「媒体の力は大きい」

先月、県内のとある企業様で講演をさせていただきました。そのときに幹部の方に次のようにいわれました。

「センター月報を読んでいますよ」

そのとき、やはりこう思いました。

「媒体の力は大きい」

私は相手の方とは今までに一度も会ったことも、話したこともないわけです。でも、相手の方は私のことを知っていて、私が何をしている人間なのか、どんな考えを持っているのか、どんな顔なのかといったことも知っているわけです。しかも少なからず親しみの感情を持っていてくださっているのです。媒体というのはとても影響力があります。

媒体の一番の特徴は1つのコンテンツ(記事や映像や写真等)を作ると、それが数百人、数千人、数万人の方に訴求できる点です。一の力が数百倍、数千倍、数万倍の影響力を持ちます。

そのため古今東西、TVや新聞、雑誌、ラジオといった媒体の影響力の大きさを知っている企業経営者がTV局や新聞社等のメディア企業を買収して傘下に治めようと試みているわけです。

…ということは、私やあなたも新聞社や雑誌社のように媒体を発行できれば、大きな影響力を手に入れることができる可能性があります。しかも、全国紙を発行する新聞社のように数百万部もの発行部数を持つ媒体を作る必要はないのです。

特定の地域や、特定の客層に影響力を持つ媒体があればいいのです。

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