寄稿

経済レポート  コロナ禍でも企業倒産は減少

2021/06/01 :寄稿

みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社   調査部 経済調査チーム エコノミスト 川畑 大地 氏

~今後は資金繰り支援の「出口戦略」が重要に~

大幅に減少した2020年の倒産件数

2019年末、中国・武漢で発見された新型コロナウイルスは、世界的な感染拡大(以下、「コロナ禍」)を引き起こし、世界経済を急速に悪化させた。感染拡大防止のため、各国が相次いでロックダウン(都市封鎖)に踏み切ったことで、かつてない規模で経済活動が停滞した。日本も例外ではなく、2020年の実質GDP成長率は▲4.8%と、リーマン・ショック直後である2009年(▲5.7%)以来の大幅なマイナス成長となった。ヒトの移動や接触が制限される中で、外食・旅行・娯楽などの対人接触型サービス消費が落ち込んだことが主因だが、最初の緊急事態宣言が発令された昨春は、製造業など他の業種も甚大な影響を受けた。業績の急激な悪化を受けて、中小企業を中心に倒産件数も急増するかに思われた。しかし、2020年の倒産件数(東京商工リサーチ)は7,773件と2019年の8,383件からむしろ減少(前年比▲7.3%)した。業種別にみても、サービス業(宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業等)の倒産件数はリーマン・ショック時に近い水準まで増加したが、その他の業種は全般的に当時を大きく下回る件数にとどまった。

全文PDFtip_pdf

このページのトップへ

マーケットレポート

2021/05/06 :寄稿

第一生命経済研究所      常務取締役・首席エコノミスト      嶌峰 義清 氏

2021年度上期のマーケット 金利・為替・株価 経済正常化とともに訪れる政策正常化が市場を 揺さぶる

2020年度下期の市場振り返り

2020年度下期のマーケットは、新型コロナウイルスに対するワクチンの開発成功と接種開始を受けて、世界的に株高傾向が一段と強まった。昨年11月に行われた米大統領選挙で民主党のバイデン候補が勝利し、その後議会上下院での民主党の勝利が決まったことで、超大型の追加景気対策が現実味を帯びたことも、米国経済の加速期待に繋がり、市場の楽観的な見方を後押しした。NYダウやS&P500など米国の主要株価指数は過去最高値を更新し、上昇傾向が続いた。日経平均株価は1990年8月以来となる3万円台を回復し、続いてTOPIXが1991年5月以来となる2000ポイント台を回復したのも、日本国内に独自の好材料があったというよりは、世界的な新型コロナウイルス感染症収束、世界経済の本格回復期待が演出した側面が大きいと判断される。

全文PDFtip_pdf

 

 

このページのトップへ