8月2018

サッカー日本代表 西野朗監督に見るリーダーの条件

2018/08/01 :青空 青島 青い論

青島 健太(あおしま けんた)スポーツライター&キャスター1958年生、新潟市出身。1985年ヤクルトスワローズに入団、5年間プロ野球選手として活躍。現在、スポーツライター及びテレビキャスターとして活躍中。

幕を閉じたサッカーワールドカップ・ロシア大会。当初は「おじさんジャパン」や「忖度ジャパン」とその平均年齢の高さやビッグネームのベテランを数多く選んだことを揶揄された日本代表だったが、始まった大会では、そうした批判を見返す見事な快進撃を披露した。残念ながらアルビレックス新潟出身の酒井高徳(ハンブルガーSV)の出番は少なかったが、今回の経験は、彼にとっても新たな飛躍の発奮材料になることだろう。

日本代表の活躍(ベスト16)の要因はさまざまあるが何といっても西野朗監督がみせた選手起用を含めた采配の妙と個性派集団をひとつに束ねたチームマネジメントは秀逸だった。

西野監督とは何度か仕事でご一緒しているが、バックステージでは口数の少ない穏やかな人だ。誕生日が同じ(4月7日)なので、より一層親近感を持っているが、高校も同じ埼玉県内の学校を卒業している。彼の通った埼玉県立浦和西高校は、県内有数の進学校でありながらも、極めて自由な校風で当時から私服(制服がない)で通う男女共学の学校だった。ちなみに当方の母校・県立春日部高校は、バンカラが校風の男子校だった。西野監督が今大会でみせた柔軟で自由な発想は、高校時代に身に付けたスタイルのように思えてならない。

彼の柔軟な姿勢と価値観がよく表れていたのは、23人の代表メンバー発表のときだった。

続きを表示…

このページのトップへ

今すぐできる選りすぐりのアイデア 第29回

2018/08/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

マジックナンバー

時折、私は無性にカレーを食べたくなるときがあります。

そのため家にはレトルト・カレーが常備してあります。

以前、スーパーに買い物に行ったときにどうしても常備したくなったのが写真のレトルト・カレーです。なぜ、買ったのか?

もちろんネーミングに惹かれたためです。

『100時間かけたカレー』なんてどう考えても美味しそうではありませんか?

「100時間」という数字が「そんなに時間をかけたのならきっと美味いに違いない」というプラスのイメージを生みだしています。

ちなみに“100”という数字は人間心理として「長時間である」「長期間である」「何度も繰り返している」「量が多い」ということの意味にプラスのイメージを与えるマジックナンバーです。

たとえば「逆上がりの練習を何度もしました」よりも、「逆上がりの練習を100回しました」の方が「かなり真剣に練習に取り組んだのだな」という良い印象が付加されます。

「長時間煮込みましたから柔らかいですよ」というよりも、「100時間煮込みましたから柔らかいですよ」の方が長時間煮込んだという事実にさらにプラスのイメージが付加されていることがわかるはずです。

「本をよく読みます」よりも、「年間に本を100冊読みます」の方がより肯定的で具体的なイメージが加わります。

昔から日本には「お百度参り」「読書百編」「一文惜しみの百知らず」「可愛さ余って憎さ百倍」「三つ子の魂百まで」「酒は百薬の長」等、“100”に関する言葉が沢山あります。日本人にとって“100”というのは大きさ、豊富さ、長期間、手間、節目を表現したプラスの数字なのです。

だから私の新刊本のタイトルも「心理マーケティング100の法則」と名づけました。

あなたの商品やサービスの名前、あるいはショルダーコピーにも次のように応用できるかもしれません。

『プロ100人が推奨する※※※(商品やサービス名)』

『当社のサービスを利用すべき100の理由』

『ABCシステムの導入で業績が100%変わる!』

『100年人生に備える老後・相続・墓・葬式相談会』

さて、あなたの会社やお店にもウリとなる“100”がないでしょうか?

続きを表示…

このページのトップへ

旅館革命を導く業法改正

2018/08/01 :観光イノベーションで地域を元気に

株式会社 井門観光研究所 代表取締役  井門 隆夫(いかど たかお)氏

─分散型ホテルで地域は滞在型に─

1.アルベルゴ・ディフーゾ

2018年6月15日、住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行され、民泊が正式に合法化されたニュースばかりが注目を浴びているが、同日に施行された改正旅館業法にこそ、地域にとって今後重要になってくる要素が秘められている。今回の旅館業法改正は、とりわけ、通過型観光地と揶揄されたり、観光資源は何もないと思われていたりするような地域にとって、滞在型観光地へと転換できるほど影響のある改正になった。

今回の改正で重要な点は2つある。1つ目は「最低室数の撤廃」である。これまでは旅館は5室、ホテルは10室と客室数の規定があったがそれがなくなり、1室の建物でも旅館・ホテルとして許可を受けられるようになった。2つ目は「フロント(帳場)」がなくてもよくなったことだ。また、3月には建築基準法も改正となり、こちらでは、建物の用途変更に関して建築確認申請を省略できる基準が100㎡以下から200㎡以下へと多少緩和された。

これらの要素で何が可能となるのかといえば、複数の古民家や空き家を活用した「分散型ホテル(まちぐるみ旅館)」が1軒の旅館・ホテルとして認められるようになる。

分散型ホテルとして世界的に知られているのが、イタリアで1980年代に始まり、欧州全体へと広がりを見せている「アルベルゴ・ディフーゾ」(イタリア語で分散型ホテルの意)だ。1976年に北イタリアで発生して大きな被害をもたらした地震復興の一環として、空き家となった複数の伝統的家屋を客室とし、周辺のレストランや商店など集落全体をホテルと見立てたのがその始まりである。もともとは、宿泊施設もなかったような村ばかりだが、地元の人には当たり前でも観光客にとっては美しい景観のなかで暮らすように滞在できることから一躍観光客に脚光を浴びるようになり、今ではイタリア国内だけでも100を超えるエリアで誕生している。

日本でも、2000年代後半に同様の動きが生まれてくるようになる。

例えば、兵庫県篠山市では、2005年、兵庫県職員として丹波県民局で勤務していた金野幸雄さんが、町家の消滅に危機感を覚えた仲間たち(まちづくり、建築士、景観等の専門家5人)と「NPO法人たんばぐみ」内に「まちづくり部会」を設立し、公的資金に依存せず、市民の資金とボランティアで空き町家の改修や活用する方法の研究を開始した。この動きが、後々、「集落丸山」や「篠山城下町ホテルNIPPONIA」といった日本を代表する分散型ホテルの礎となっていく。

2009年に、古民家等の再生整備と滞在体験施設としての運営を行なう一般社団法人ノオトが設立され、古民家を改修して宿泊施設化するプロジェクトとして最初に手掛けたのが、市内から車で10分ほど離れた丸山集落の古民家群。12軒中7軒が空き家となった黒豆畑に囲まれた限界集落で、このうち3軒の古民家について10年間の無償貸与を受け、地元工務店を使い改修を行なった。改修費用の半額は国や県の補助金を活用したが、所有者をはじめ市民からの出資や銀行からの借入れも受けた。PRや営業はノオトが行なったが、施設管理はNPOを作った集落に一任をすることで、集落自らが経営する分散型ホテル「集落丸山」が誕生した。

海の向こうで民泊予約サイトのAirbnbが誕生したのが2008年。リーマンショック前夜でもあったこの頃、京都では京町家を改修して1棟貸しする動きがスタートした。高松では仏生山商店街に1棟貸しの客室を造り、町の温泉銭湯や食堂も宿の機能に見立てた「まちぐるみ旅館」というコンセプトが生まれた。宿が変わっていく時代の胎動は、今から10年前のこの頃に始まった。

続きを表示…

このページのトップへ

第17回 上海/香港

2018/08/01 :海外現地レポート

香港  第四銀行コンサルティング推進部

香港のフィンテック振興への取り組み、仮想銀行の導入

金融・保険サービスは、香港にとって貿易、不動産と並ぶ主力産業の一つとなっています。しかし、香港では他国・地域と比べてITを融合した金融サービスであるフィンテック分野の発展の遅れが指摘されてきました。そこで香港金融管理局(以下、HKMA)は、その後れを取り戻すべく、幾つかのフィンテック振興策を進めており、その取り組みのなかで『仮想銀行』の導入があります。

仮想銀行とは、実店舗を持たずに個人や企業に向けて全方位的な金融サービスを提供する銀行のことを指します。仮想銀行は、現時点でリテール業務が主体になるとみられており、インターネットを通じて口座開設や預貯金、金融商品の売買など一連の銀行サービスを展開することが予想されています。

また一部の仮想銀行では、電子商取引(EC)業者と連携してネット通販時に資金を貸し出したりするほか、スマートフォン向けアプリだけでサービスを提供したりするなど、従来にない生活に密着した銀行サービスの提供が想定されています。早ければ年末にも第一弾となる仮想銀行の免許が発給される見通しとなっており、香港では仮想銀行に関するニュースが多く報じられています。

HKMAは、5月30日に仮想銀行の認可に向けた改正ガイドラインを発表しました。今回のガイドラインでは、仮想銀行認可の条件として資本金が3億香港ドル(約42億円)以上であることなどが定められており、条件を満たせば金融機関以外の企業の申請も認めることとしています。

HKMAによると、昨年9月に仮想銀行認可に向けた計画を始動して以降、香港フィンテック企業「WeLab」や中国モバイル決済サービス「銭方好近(QFPay)」など、50社を超える企業が仮想銀行の開設に興味を示しています。また、中国電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を運営する「螞蟻金服(アントファイナンス)」や微信(ウィチャット)で知られる中国IT大手「騰訊(テンセント)」も、免許取得に意欲的な企業として名前が挙がっています。

更に、英系金融大手のスタンダード・チャータード銀行は、香港の大手行では初めて仮想銀行の免許取得を目指すことを表明しました。同銀行によると、仮想銀行は実際の店舗を持たずに低コストで銀行業務を手掛けられるので、これまで手が届きにくかった中小企業向け事業を強化したいとの狙いがあるとのことです。

またHKMAは、仮想銀行を育成・発展させていくための布石として、「フィンテックを活用した個人向け融資審査を認める」新たなガイドラインも銀行に通達しています。これまで、銀行は個人向け融資審査において、個人の償還能力を評価するために住所証明や所得証明の提示を求めていましたが、今後はフィンテックを活用した新しい信用リスク管理ツール(※)を採用できるようになりました。将来的には、法人向け融資でもフィンテックを活用した審査を段階的に認めていく可能性を示唆しました。

香港市民は「仮想銀行の導入に伴う銀行業界での競争によって、金融サービスの手数料が下がりサービスの質自体も上がる」と期待しており、今後の動向にも注目が集まっています。

(※) ビッグデータや取引履歴などを通じてパターン分析を行ない、顧客の信用リスクを診断するツール。

(香港派遣 相澤 寛行)

続きを表示…

このページのトップへ

株式会社 飯塚鉄工所

2018/08/01 :探訪

先見の明を持ち、常に情熱をもって新しいことに挑戦を続ける 株式会社 飯塚鉄工所

現状に甘んじることなく、緻密な計算に基づいた大胆な投資と新たな分野への挑戦によって、3代に渡って成長を続けてきた株式会社飯塚鉄工所。

創業から現在に至るまで、さまざまな分野に挑んでこられた経緯と思い、今後の展望について飯塚社長にお話をうかがいました。

代 表 者 飯塚 肇

所 在 地 柏崎市

創  業 1953年

社 員 数 105名

資 本 金 2,500万円

事業内容 流体機器の部品製作、ポンプ、バルブOEM製作

続きを表示…

このページのトップへ

新規学卒者を対象とした正社員の採用活動に関するアンケート調査

2018/08/01 :自主調査(調査報告)

─学校や学生との繋がりの強化が採用のポイント─

はじめに

 新潟労働局の「平成30年3月高等学校・大学等新規卒業予定者の職業紹介状況(平成30年1月末日現在)」によると、県内における新規学卒者(2018年3月卒)の就職内定率は高等学校卒で97.8%、大学等卒で88.4%といずれも過去最高の水準となっている。一方、県内への就職率(県内就職内定構成比)は高等学校卒で87.3%、大学等卒で58.5%と緩やかに低下しており、最近10年間でみると最低の水準となっている(図表1)。このように就職率が高い、いわゆる売り手市場のなか県外への人材流出もあり、県内企業は新規学卒者の採用に苦労していることがうかがえる。

そこで、当センターでは県内の新規学卒者(高校や大学、専門学校を含む)を対象とした正社員の採用活動の状況を把握するために、県内企業1,000社(有効回答644社)を対象にアンケート調査を行なった。以下はその結果である。

1正社員の採用活動の有無

─6割弱が正社員の採用活動を実施─

 新規学卒者を対象に、2017年度の1年間で正社員(18年4月入社)の採用活動を行なったかどうかを尋ねたところ、「採用活動を行なった」と回答した割合は57.5%となった(図表2)。

規模別にみると、「採用活動を行なった」と回答した割合は、大企業で100.0%、中堅企業で88.9%となっているのに対し、中小企業で52.6%にとどまっている。

続きを表示…

このページのトップへ

新潟県企業動向調査2018年上期

2018/08/01 :自主調査(調査報告)

─業況感は概ね横ばいで推移 先行きは仕入価格や人件費の上昇が懸念材料─

1業況感

(1)全産業

─足元、先行きとも業況感は、横ばいで推移─

2018年1-3月期における県内企業の業況判断BSI(※)は▲2.5となった。海外需要が堅調であるほか、東京オリンピック・パラリンピック開催に伴い首都圏で建設需要が増加したため、17年10-12月期の▲7.1から4.6ポイント上昇し、県内企業の業況感は改善した(図表1)。

続く、18年4-6月期(含む実績見込み)は▲8.5となり、同1-3月期比で▲6.0ポイントと低下したものの、基調としては17年7-9月期以降、概ね横ばい圏内で推移している。

先行きを示す見通しBSIは、18年7-9月期が▲4.8、続く同10-12月期は▲8.4と、同4-6月期の実績見込みに比べ、ほぼ横ばいで推移する見通しとなっている。

(2)業種別

業況判断BSIを業種別にみると、製造業は18年1-3月期が3.8となり、17年10-12月期比0.7ポイント上昇し、3四半期連続で「良い」超となった(図表2)。

続く18年4−6月期は▲2.4となり、同1-3月期比6.2ポイント低下した。内訳をみると、食料品や窯業・土石、一般機械といった業種で上昇したものの、木材・木製品や輸送機械、繊維などで低下した。

なお、最近の業況などに関して自由回答形式で尋ねたところ、製造業からは「受注数量の増加と効率化による改善の結果、業績が好転している」(窯業・土石)、「オリンピック関連の本格的な着工開始や設備投資の増加により、需要は堅調である」(一般機械)、「海外向けの売上が増加している」(電気機械)といった声がある一方、「工場全体の稼動を落としている」(繊維)、「人手不足や原材料入荷の遅れ、受注先自体の生産能力オーバーに伴う受注のキャンセルが響き、業績は上向いていない」(その他製造)といった声が聞かれた。

非製造業は18年1-3月期が▲7.1となり、17年10-12月期比7.3ポイント上昇した。

続く18年4-6月期は▲12.9となり、同1-3月期比5.8ポイント低下した。内訳では、卸売やサービス他などが上昇したものの、建設や運輸で低下した。

非製造業の業況については「海外向けプラントの案件の受注が増えている」(卸売)といった声がある一方、「人材不足により受注量を調整しなければならないときもあり、売上を伸ばせない」(建設)といった声が寄せられた。

先行きについては製造業では18年4-6月期と比べて上昇する一方、非製造業は低下する見通しとなっている。

(3)規模別

業況判断BSIを規模別にみると、18年1-3月期は大企業が9.1、中堅企業が2.2、中小企業が▲3.5となった。17年10-12月期比では中堅企業や中小企業は上昇したものの、大企業では低下した(図表3)。

続く18年4-6月期は大企業が3.0、中堅企業が2.2、中小企業は▲9.9となった。同1-3月期と比べると、中堅企業は横ばいで推移したものの、大企業や中小企業は低下した。

先行きは大企業や中小企業でやや上昇するものの、中堅企業では低下する見通しである。

2生産・売上

─生産・売上は3期ぶりに「減少」超幅が拡大─

18年1-6月期(以下、今期)の生産・売上BSI(「増加」-「減少」)は▲3.8となった(図表4)。17年7-2月期(以下、前期)から1.5ポイント低下し、3期ぶりに「減少」超幅が拡大した。業種別にみると、製造業は4.2となり前期から6.3ポイント低下した。内訳をみると、木材・木製品、一般機械などが低下した。また、非製造業は▲9.6となり、前期から1.8ポイント上昇した。内訳では、小売、運輸などで上昇した。

生産・売上については「消費者の簡便志向の拡大により、調理済みの商品の販売が好調である」(小売)といった声が寄せられる一方、「統廃合などにより受注先が減少し、売上が減っている」(一般機械)といった声が聞かれた。

先行きを示す18年7-12月期(以下、来期)のBSIは▲2.8と今期に比べて1.0ポイント上昇する見通しとなっている。

3仕入・販売価格

(1)仕入価格

─3期連続で「上昇」超幅が拡大─

今期の仕入価格BSI(「上昇」-「低下」)は46.0となった(図表5)。前期から7.0ポイント上昇し、3期連続で「上昇」超幅が拡大した。

業種別にみると、製造業は54.9となり前期から10.3ポイント上昇した。内訳をみると、鉄鋼、輸送機械などの業種で上昇した。非製造業は39.6となり、前期を4.6ポイント上回った。内訳では、運輸、小売などで上昇した。

仕入価格については「原油価格が3年ぶりの高値となっており、灯油価格の上昇による悪影響を懸念している」(金属製品)、「燃料価格の高騰で利益が減少している」(運輸)との声があった。

来期のBSIは44.3となり、今期に比べて1.7ポイントの低下と概ね横ばいで推移する見通しとなっている。

(2)販売価格

─3期連続で「上昇」超幅が拡大─

今期の販売価格BSI(「上昇」-「低下」)は9.1となった(図表5)。前期から2.1ポイント上昇し、「上昇」超幅が拡大した。

業種別にみると、製造業が4.9となり前期から4.2ポイント上昇した。また、非製造業も12.1となり前期から0.7ポイント上昇した。

販売価格については「売上が好調な冷凍食品向けの商材は値上げができている」(食料品)、「鋼材や消耗品などの価格上昇により、販売価格も上がっている」(鉄鋼)などの声がある一方、「災害復旧工事や新設・保全工事などの大型案件は価格競争が厳しい」(卸売)といった声が寄せられた。

来期のBSIは8.4となり、今期に比べて0.7ポイント低下とほぼ横ばいで推移する見通しとなっている。

4採 算

(1)採 算

─2期ぶりに悪化─

今期の採算BSI(「好転」-「悪化」)は▲11.6となった(図6)。前期比3.4ポイント低下し、2期ぶりに悪化した。

業種別にみると、製造業は▲10.8となり前期比8.4ポイント低下となった。内訳をみると、木材・木製品、鉄鋼などの業種で低下した。非製造業は▲12.1となり、同0.3ポイント上昇した。内訳では、サービス他、建設などの業種で上昇した。

採算については「高付加価値商品を投入したことにより販売価格の引き上げに成功した。その結果、採算が大幅に改善した」(サービス他)といった声がある一方、「最低賃金の上昇やパート比率が低下したことにより、労務費が増加しており、収益性が悪化している」(食料品)、「原材料価格高騰による仕入価格の上昇分を製品の販売価格に反映できず、採算が悪化している」(金属製品)といった声も聞かれた。

来期のBSIは▲7.3となり今期に比べ4.3ポイント上昇する見通しとなっている。

2)採算好転・悪化の理由

─ 好転要因では「売上数量の増大」「高付加価値製(商)品の比率拡大」、悪化要因では「売上数量の減少」「仕入価格の上昇」が上位─

今期の採算が「好転」したと回答した企業にその理由を尋ねたところ(複数回答)、「売上数量の増大」(74.4%)の回答割合が最も高く、以下「高付加価値製(商)品の比率拡大」(18.6%)、「販売価格の上昇」(15.1%)、「経営の合理化」(12.8%)、「新鋭設備の導入」(9.3%)などが続いた(図表7)。

なお、17年下期調査と比べると、「新鋭設備の導入」と「高付加価値製(商)品の比率拡大」の割合が高くなっている。

一方、今期の採算が「悪化」した理由では「売上数量の減少」(72.7%)の回答割合が最も高く、以下「仕入価格の上昇」(40.0%)、「人件費などの固定費負担の増加」(32.1%)、「競争の激化」(13.9%)などが続いた(図表8)。

なお、17年下期調査と比べると、「仕入価格の上昇」と「人件費などの固定費負担の増加」などの割合が高くなっている。

5雇 用

(1)全産業・業種別

─雇用の不足感が一層高まっている─
 
今期の雇用BSI(「過剰」-「不足」)は▲38.6となり、前期比2.3ポイント低下した(図表9)。継続的に雇用BSIの調査を開始した1993年下期調査以来、最も水準が低かった17年下期調査をさらに下回り、雇用の不足感は一層強くなった。

業種別にみると、製造業は前期比0.8ポイント上昇の▲30.8となり、「不足」超幅が縮小した。内訳をみると、食料品や木材・木製品などで雇用BSIが上昇している。非製造業は前期比4.5ポイント低下し▲44.2となった。内訳では、小売、運輸などで低下した。

雇用については「若い人材の入社が少なく、社内の高齢化が進んでいる」(鉄鋼)、「技術系人員が特に不足しており、受注を受けられない状況となっている」(建設)、「人手不足により人件費が上昇している」(サービス他)などといった声があった。

(2)職種別

─「サービス」「営業・販売」などで「不足」超幅が拡大─

職種別の雇用BSIをみると、「専門・技術」で「不足」超幅が最も大きく、以下「営業・販売」「生産・建設」などが続いている(図表10)。

17年下期と比べると、「サービス」「営業・販売」などの職種で「不足」超幅が拡大した。

6設備投資

(1)設備投資計画

─18年度の設備投資額は、前年度を上回る見通し─

18年度における設備投資の実施企業割合(含む計画)は55.1%となり、17年度実績を4.7ポイント下回る見込みとなっている(図表11)。

実施企業割合を業種別にみると製造業が66.8%、非製造業が46.7%となった。

18年度の設備投資額(含む計画)は、17年度実績比20.8%増となる見通しである(図表12)。

業種別にみると、一部大手企業の大型投資もあり、製造業は17年度実績比30.5%増となっている。内訳をみると、精密機械、その他製造業などの業種で増加している。また、非製造業も同1.3%増となっており、小売、建設などの業種で増加している。

規模別にみると、すべての規模で17年度実績を上回っており、大企業が前年度比40.7%増、中堅企業が同0.5%増、中小企業が同4.1%増となった。

(2)設備投資の目的

─「情報化(IT)投資」「省力化・合理化」などが上昇─

18年度における設備投資の目的をみると(複数回答)、「既存機械・設備の入れ替え」(67.3%)の回答割合が最も高く、以下「省力化・合理化」(30.3%)、「生産能力増大のための機械・設備導入」(29.0%)などの順となっている(図表13)。

17年度実績と比べると、「情報化(IT)投資」「省力化・合理化」などが上昇した一方、「土地購入」「店舗・工場等の新設、増改築」などが低下した。

7経営上の問題点

─4期連続で「人材不足」がトップ─

経営上の問題点を尋ねたところ(複数回答)、「人材不足」(64.9%)の回答割合が4期連続で最も高くなった。以下「生産・受注・売上の不振」(38.9%)、「先行き見通し難」(38.8%)、「仕入価格の上昇」(37.4%)などが続いている(図表14)。

17年度下期調査と比べると、「人材不足」「仕入価格の上昇」「人件費の増加」などの割合が上昇した一方、「リスク管理体制の弱さ」「販売価格の低下」「競争の激化」などの割合は低下した。

経営上の問題については、「人手不足や働き方改革による長時間労働の抑制により、外注費が増えており収益悪化の要因となっている」(その他製造)、「売上が伸びている部門はあるが、人件費の増加や運送費の値上げにより利益幅が少なくなっており、改善策を検討している」(小売)などといった声があった。

8賃 金

(1)賃上げの状況

─3割超の企業がベースアップを実施─

18年度におけるベースアップの実施予定を尋ねたところ、「実施した」と回答した企業の割合は32.1%となった(図表15)。また、定期昇給を「実施した」と回答した企業の割合は60.0%となった。

なお、ベースアップを「実施した」「実施を検討中」を合わせた『ベースアップに前向き』な回答割合は46.3%となり、前年同時期に行なった「2017年上期企業動向調査(以下、前年調査)」に比べると、3.8ポイント上回っている。

(2)賃金の引き上げ率

─引き上げ率は「1.5%以上2.0%未満」が最も高い─ 

18年度にベースアップもしくは定期昇給を「実施した」または「実施を検討中」と回答した企業に、賃金の引き上げ率について尋ねたところ、「1.5%以上2.0%未満」(27.0%)の回答割合が最も高く、以下「1.0%以上1.5 % 未満」(26.3 %)、「2.0 % 以上2.5 % 未満」(16.1%)などの順となった(図表16)。

(3)賞与・一時金の状況

─夏季の賞与・一時金増額は約1割の企業が実施─

18年度の夏季における賞与・一時金の支給について尋ねたところ、「未定」とする回答が多いものの、「増額する」と回答した企業の割合は9.9%、「増額を検討中」が16.1%、「据え置く」が42.3%となった(図表17)。「増額する」「増額を検討中」を合わせた『増額に前向き』な企業の割合は26.0%となっており、前年調査と比べると、2.5ポイント上回っている。

まとめ

─先行きの業況感は概ね横ばいで推移する見通し─

アンケート調査結果をみると、県内企業の「業況感」は18年1-3月期に上昇したものの、18年4-6月期(含む実績見込み)は低下し、概ね横ばい圏内で推移している。

また、先行きを示す見通しBSI(18年7-9月期、同10-12月期)は同4-6月期と比べ、概ね横ばいとなっている。海外からの需要は底堅いものの、原材料価格の高騰などによる仕入価格の上昇や人手不足が企業の採算を圧迫している面もあり、先行きについても慎重な見方が示されている。こうしたなか、設備投資の目的において「情報化(IT)投資」「省力化・合理化」などが増えていることは、仕入価格の上昇や人手不足への対策の一環とも考えられる。

一方、米国の通商政策や各国の金融政策を背景とした金利や為替動向など不透明な材料があるなかで、仕入価格の上昇や人手不足が県内経済に与える影響について今後も注視していきたい。

(2018年7月 近 由夏)

このページのトップへ

グラフで見る県内経済2018年8月(六月の新潟県経済)

2018/08/01 :グラフで見る県内経済

概況:横ばいで推移している県内経済。設備投資は緩やかに増加している

生産活動:横ばい圏内で推移している

 

4月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比3.0%上昇して103.2となった。出荷指数は同5.5%上昇して104.4となった。在庫指数は同0.8%上昇して131.6となった。

はん用・生産用・業務用機械は海外からの受注が増えており好調となっている。

輸送機械は北米向けが減少しているものの、国内向けなどが増加しており堅調となっている。

食料品は米菓の減少などから弱含んでいる。

化学は依然として低水準で推移している。

続きを表示…

このページのトップへ

  次のページ»