8月2019

今すぐできる選りすぐりのアイデア 第41回

2019/08/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

初対面で印象を良くする自己暗示

人の印象は3秒で決まるという心理学者がいます。30秒で決まるという学者もいます。3分で決まるという人もいます。何秒であれ、人の第一印象は短時間に決まるということです。

そして、その印象は一生変わらないという学者もいます。とすれば短時間で相手に好印象を与えることができればその後の交渉、営業、接客、コミュニケーションが良好になる可能性が大いに高まります。

今日は出会ってから3秒以内に好印象を与えることができる人がどんなスキルを使っているかを紹介しましょう。

1つ目はマインドスクリプトです。これは自己暗示のこと。

人に好かれるビジネスマンには「自分は人に好かれる人間だ」という自己認識があります。だから、初対面の相手に対しても素の自分のままで自然にコミュニケーションを取ることができます。

しかし、普通の人は初対面のお客様に接する時には心のどこかに「嫌われたらどうしよう」「失敗したらどうしよう」「変なことをいってしまわないだろうか」という不安が少なからずあります。そのため、自然体になることができずに緊張することが多くなります。

そんな時に簡単に役立つのがマインドスクリプト。

実行するのは簡単です。

初対面の人と会う数分前に自分で自分に次のように独り言を口にするのです。

「お客様は私のことが好きになる。私もお客様のことが好きになる。だから絶対に上手くいく」

できれば手鏡に向かっていうとさらに効果的です。

これは伝説の営業マンと呼ばれた加賀田晃氏が生涯にわたって実践している方法です。

毎回、初対面のお客様と会う時にこのマインドスクリプトを繰り返してみてください。3ヶ月もすると「自分は人に好かれる人間だ」という自己認識が生まれます。

私も毎回講演前に実行しています。

「参加者は私のことが好きになる。私もみんなのことが好きになる。だから今日の講演も絶対に上手く行く」

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エモい観光地づくり

2019/08/01 :観光イノベーションで地域を元気に

株式会社 井門観光研究所 取締役  井門 隆夫(いかど たかお)氏

─コトから進化する消費行動─

1.コト消費からトキ消費へ

経済の成熟に伴い、観光消費行動は「モノ(所有)」から「コト(体験)」へとシフトしたといわれている。訪日外国人旅行でも一時の爆買いは下火となり、日本の文化体験や様々なアクティビティが人気となっている。旅行者を受け入れる地域としてもインドアやアウトドアの商品づくりに余念がなく、各地でのディスティネーションキャンペーン(DC)でもコト消費メニューの充実が求められるようになった。

モノからコトへのシフトを促進した背景にはSNSの普及がある。SNSの動画やストーリーで体験を拡散し、発信者の「承認欲求」が満たされることにより、モノでは味わえなかった満足感が得られるようになった。同じ体験でも、自分たちだけの体験で終わるのと他人まで巻き込んで体験を共有できるのでは、まるで意味が違う。モノ(所有)を自慢するのは気が引けるけれど、「コト(体験)の共有」は共感を呼ぶ。そして、提供者サイドとしても、SNSがよいPRメディアとなり、体験を商品として販売しやすくなった。

しかし、「コト消費」はまた次の消費ステージへと移りつつある。

マーケティングの大家、P・コトラーは現在のステージをマーケティング4.0と呼んでいる。製品や商品を売ることを主眼とした頃が1.0。この頃は「4P」モデルがもてはやされ、一方向で全ての人にモノを売る「プロモーション」という言葉が生まれた。続いて2.0の頃に生まれたのが「STP」。もう少し細かく市場をセグメントし、ターゲットを決め、市場におけるポジショニングづくりを目指した。そして21世紀に入り、3.0の時代にはインターネットが登場し、個人の嗜好を通じた検索行動をテクノロジーで読み取り、個人ごとに広告を打つ時代になった。そして、4.0の時代には、SNSを通じた拡散行動が販売を左右する。消費者一人ひとりが推奨者になるステージになっているのが現在である。

マーケティング4.0のステージは進化し、近年はコト消費から「トキ消費」へと移行している。トキ消費という言葉は博報堂生活総研が使い始めた。コト消費の中でも、タイミングが限定的で「今だけ消費」ともいえるだろうか。例えば、ハロウィンやフェスなどがあてはまる。コト消費は「身内同士での消費」だったのに対し、トキ消費はその「共有する時間と場」を参加者全員で消費する。受け身的に体験をするだけではなく、その場に「参加」することによる「一体感を伴った周囲とのつながり」が消費目的になっている。

トキ消費を生んだ背景には、そんじょそこらの体験では「いいね!」が取れなくなったこともあるだろうし、SNSでの見えないつながりではなく、リアルな他者とのつながりが欲しいという人間性の復活とも読み取れる。これは観光にとってはよいことである。そうした時限的かつリアルな機会をいかに作るかという発想に徹すれば、新たなコンテンツを生み出すことができるからだ。「その季節になったね」をいかに推奨し、拡散していくかだ。

例えば、アウトドアメーカーのスノーピークは、高級グランピングを長野県白馬村の山の上で時限的に展開している。あるいは松之山温泉では、地元にゆかりのあるシェフを呼び、美人林を高級レストランに仕立てる「松之山ダイニング」を折々の季節に開催している。今だけという「時限性」と、山の上あるいは森の中という「場違い感」、そしてその場を共有する人たち同士の「一体感」が人気を呼んでいる。時間はかかるが回数を重ねるごとに拡散効果も享受できることだろう。

どこでもできそうなトキ消費が、レンタルスナックである。スナックのママになるのは、ふだんのママではない。旅館の女将がママになってもいいし、お客様をママやマスターに仕立ててしまえれば、夜のトキ消費を生み出すことができる。松之山温泉で始め通称キャマクラと呼んだ大学生運営のかまくらバーは、2月の恒例行事としての日本酒バルに進化した。愛知県のアサリの名産地では、大学生が休業中のバーを借り、一週間限定の「おあさりバー」を夏に開く。ふざけたネーミングは仲間の一体感を醸成するとともに初期の拡散力を発揮する。

ただし、トキ消費にも課題は残る。それは、拡散された頃にはすでに体験できず、次の機会を待たなくてはならないことだ。

(注)「エモい」:感情が動いた様を表現する造語。若者を中心に使われていて、TwitterなどSNSでよく目にする。「emotional(エモーショナル)」の「エモ」に接尾語「い」を付けたもの。「感情が動かされた」といった意味で使われている。

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第29回 上海/ホーチミン

2019/08/01 :海外現地レポート

ホーチミン        第四銀行  営業本部

ベトナム 過熱する不動産市場

成長著しい新興国では見慣れた風景かもしれませんが、ベトナム都市部は建設ラッシュ真っただなかです。現在、建築されている物件の多くは近代的な高層マンションです。昨年8月には、東南アジア一の高さをもつ『ランドマーク81』がオープンし、その周りをベトナム最大の不動産ディベロッパーが建設した高層マンション群が囲み、ベトナムの好景気を表しているかのようです。また、2021年完成予定の地下鉄沿線を中心に、他の地域でも次々と都市開発が行なわれ街の景色を一変させています。

ベトナムの不動産市場は2015年7月に施行された改正住宅法により、一部外国人にも開放されました。外国人に開放されているのは、「個人名義での購入」「物件全体に対する外国人の所有制限」等の制限があるものの、若い人口構成や著しい成長を遂げる経済に期待する多くの投資家たちの注目を集めています。ホーチミン中心部から東へ進んだBinhTan区の物件は、2015年の完成前価格で2,000USD/㎡でしたが、2019年の現在では3,700USD/㎡にまで高騰しています。また、市内中心部よりサイゴン川を挟んだ新しい開発区域にある物件は現在建設途中でありますが、5,000USD/㎡もの価格がつけられ、不動産市場が更に加熱していることを示しています。

ではベトナムでの不動産投資にはリスクはないのでしょうか?ここでは、2つの問題をご紹介致します。

まず1点目は、外国人とベトナム人の2重価格の発生です。前述しました通り、外国人がベトナムで不動産を購入する際には、「物件全体に対する外国人の所有制限」、いわば「外国人枠」から購入をしなければなりません。例えば、一般的なマンションであればビル全体の総戸数の内30%の部屋数のみ外国人の所有が認められ、残り70%に空室があったとしても購入することはできません。戸建て住宅を購入する場合でも、1街区につき250戸までという上限があります。旺盛な投資意欲に対し、供給量が限られている現状では投資先の物件は通常ベトナム人が購入する場合よりも高い値がつけられます。不動産投資の場合、賃貸収入を得る、売却益を得ることが目的となりますが、ベトナム人よりも高く取得した物件では、価格競争が激しく、利益を得ることも難しくなるのではないでしょうか。

2点目は、資金回収についてです。外国人の不動産投資については、2015年に始まったばかりでもあり、ベトナム国内で法律的にも実務的にも投資のスキームが整っているとはいえません。例えば、購入した物件によっては転売が一部制限されていたり、投資によって得た利益を国外に持ち出そうとする場合に、銀行によっては送金を拒否されるといったケースが報告されています。いずれもベトナム国内で一律に規定されておらず、購入した物件のディベロッパーや行政官庁、送金銀行によって対応が分かれており、不明瞭な運営がなされているのが現状です。

ある不動産ディベロッパーは、ベトナムの人口統計や都市部の人口密度、建物の供給量から考えると、市場の好況は少なくとも今後数年間は続くであろうと予想しています。ただし、投資先はあくまで新興国ベトナム。幅広い角度から情報を収集し、投資国固有のリスクについても充分に注意する必要があります。

(ホーチミン派遣  今井 雅也)

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株式会社 内山熔接工業

2019/08/01 :探訪

現状に満足することなく、常に未来に向かって技術力を高めていきたい 株式会社        内山熔接工業

未来を先読みした事業展開で、自動車部品から業務用厨房機器、真空チャンバー、半導体設備などに至るまでの幅広い分野に及ぶものづくりを続ける、株式会社内山熔接工業。創業の経緯や今後の事業展開について、内山社長からお話をうかがいました。

株式会社  内山熔接工業

代 表 者 内山 繁男

所 在 地 新潟市西蒲区

創  業 1977年

社 員 数 162名

資 本 金 8,000万円

事業内容  自動車部品、医療機器、業務用厨房機器、半導体製造設備、液晶用有機EL用真空チャンバー

U R L https://uchiyama-inc.co.jp

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新潟県企業動向調査2019年上期

2019/08/01 :自主調査(調査報告)

1業況感

(1)全産業

─業況感は製造業を中心に悪化─

2019年1−3月期における県内企業の業況判断BSI(※)は▲5.1となった(図表1)。国内需要は堅調であるものの、米中貿易摩擦の影響により海外情勢の不透明感が増していることなどから、18年10−12月期の1.2から6.3ポイント低下した。県内企業の業況感は2四半期連続で上昇していた反動もあり、3四半期ぶりの悪化となった。

続く19年4−6月期(含む実績見込み)は▲13.6となり、同1−3月期と比べてさらに8.5ポイント低下した。

先行きを示す見通しBSIは19年7−9月期が▲16.0、続く同10−12月期は▲19.9と、同4−6月期の実績見込みに比べてさらに悪化が見込まれている。

(※)BSI (ビジネス・サーベイ・インデックス)とは、アンケートの回答結果を指数化したものである。本稿でのBSIとは、業況あるいは先行きの見通しなどが「良い」か「悪い」かという質問に対して「プラス(良い、増加等)」「中立(不変等)」「マイナス(悪い、減少等)」の3つの選択肢を用意して、「プラス」と回答した企業の割合から「マイナス」と回答した企業の割合を差し引いた数値のことをいう。

(2)業種別
業況判断BSIを業種別にみると、製造業は2四半期連続で大幅に上昇した反動もあり、19年1−3月期が▲7.0となった(図表2)。18年10−12月期比22.9ポイントの低下となった。

続く19年4−6月期は▲16.0となり、同1−3月期に比べて、さらに9.0ポイント低下した。化学や繊維といった業種で上昇したものの、電気機械や輸送機械などで低下した。

なお、最近の業況などに関して自由回答形式で尋ねたところ、製造業からは「首都圏を中心とした再開発などを背景に建機の出荷が堅調に推移している」(一般機械)、「ここ3〜4年間で設備の近代化投資を行なったため、品質の高い製品が合理的に生産できた」(繊維)といった声があるものの、「中国の景気悪化により業況が悪化した」(電気機械)、「米中貿易摩擦、英国のEU離脱問題などで需要が減少しており、この先もこの環境が続くと思われる」(輸送機械)といった声が寄せられた。

非製造業は19年1−3月期が▲3.8となり、18年10−12月期比5.1ポイント上昇し、3四半期連続で改善した。

続く19年4−6月期は▲11.9となり、同1−3月期比8.1ポイント低下した。運輸が上昇したものの、小売やサービス他などが低下した。

非製造業の業況については「ドライバーの労働環境や待遇改善に向け、適正な運賃・料金収受に努めたことで業況は少し改善した」(運輸)との声があるほか、「競合激化により販売価格が低下傾向にあることや人材不足により人件費も上昇しており、業況感は厳しくなっている」(サービス他)といった声が聞かれた。

先行きについては製造業、非製造業ともに19年4−6月期と比べてさらに低下する見通しとなっている。

(3)規模別

業況判断BSIを規模別にみると、19年1−3月期は大企業が6.1、中堅企業が11.5、中小企業が▲7.1となった(図表3)。18年10−12月期比で、中堅企業は上昇したものの、大企業や中小企業は低下した。

続く19年4−6月期は大企業が▲6.1、中堅企業が▲1.9、中小企業が▲14.9となった。同1−3月期と比べると、すべての規模で低下した。

先行きは大企業で上昇するものの、中堅企業や中小企業では低下する見通しである。

2生産・売上

─生産・売上は2期ぶりの減少─

19年1-6月期(以下、今期)の生産・売上BSI(「増加」−「減少」)は▲9.5となった (図表4)。18年7-12月期(以下、前期)から11.2ポイント低下し、2期ぶりに前期を下回った。

業種別にみると、製造業は▲15.3となり前期から27.5ポイント低下した。食料品が上昇しているものの、鉄鋼や窯業・土石などが低下している。また、非製造業は▲5.5となり、前期並みとなっている。小売や運輸などは低下しているものの、サービス他は上昇している。

生産・売上については「県や市からの公共工事の受注が安定しているため、業績も上向いている」(建設)との声がある一方、「19年に入って、受注が少し弱含みとなってきており、先行きが心配される」(鉄鋼)といった声が聞かれた。

先行きを示す19年7-12月期(以下、来期)のBSIは、▲19.2と今期に比べて大幅に低下する見通しとなっている。

3仕入・販売価格

(1)仕入価格

─5期ぶりに前期を下回った─

今期の仕入価格BSI(「上昇」−「低下」)は41.3となった(図表5)。前期から7.0ポイント低下し、5期ぶりに前期を下回った。

業種別にみると、製造業は48.8となり前期から9.3ポイント低下した。鉄鋼、輸送機械などの業種で低下している。非製造業は36.2となり、前期を5.3ポイント下回った。運輸、卸売などが低下している。

仕入価格については「建設資材の価格が上昇している」(建設)との声があるものの、「2月から徐々に原材料価格が低下しており、一時的な落ち着きをみせている」(その他製造)といった声もあった。

来期のBSIは41.0となり、今期に比べて0.3ポイントの低下と概ね横ばいで推移する見通しとなっている。

(2)販売価格

─6期ぶりに前期を下回った─

今期の販売価格BSI(「上昇」−「低下」)は8.8と前期に比べて1.6ポイント低下し、6期ぶりに前期を下回った(図表5)。

業種別にみると、製造業が5.2となり前期から2.9ポイント低下した。また、非製造業は11.2となり前期から0.8ポイント低下している。

販売価格については「同業者数も減ったことなどから仕入価格の上昇を販売価格に上乗せできた」(鉄鋼)といった声がある一方、「材料(鉄鋼)の仕入価格が上昇したが、販売価格への転換が進んでいない」(金属製品)といった声が寄せられた。

来期のBSIは11.3となり、今期に比べて2.5ポイント上昇する見通しとなっている。

4採 算

(1)採 算

─2期ぶりに前期を下回った─

今期の採算BSI(「好転」−「悪化」)は▲12.2となった(図表6)。前期比3.2ポイント低下し、2期ぶりに前期を下回った。

業種別にみると、製造業は▲20.2となり前期比15.8ポイント低下した。木材・木製品や電気機械などで低下している。非製造業は▲6.7となり、同5.5ポイント上昇した。運輸やサービス他などで上昇している。

採算については「取引先の製造業を中心にIT投資が増加傾向にあり、売上・利益が向上する見込みである」(サービス他)、「設備導入や現場改善により製造原価を抑えることができ、収益面が向上した」(金属製品)といった声がある一方、「今年になってから輸入品の値段も下がったため、競合激化により販売に悪い影響を与えている」(木材・木製品)、「取引先が生産数量を減少したため、今年は売上、利益とも大幅に減少する見込みである」(電気機械)といった声も聞かれた。

来期のBSIは▲15.8となり、今期に比べ3.6ポイント低下する見通しとなっている。

(2)採算好転・悪化の理由

─悪化要因では「売上数量の減少」がトップ─
 
今期の採算が「好転」したと回答した企業にその理由を尋ねたところ(複数回答)、「売上数量の増大」(73.6%)の割合が最も高く、以下「販売価格の上昇」(29.2%)、「高付加価値製(商)品の比率拡大」(18.1%)、「新製(商)品の開発・発売」(6.9%)などが続いた(図表7)。

なお、18年下期調査と比べると、「販売価格の上昇」や「高付加価値製(商)品の比率拡大」の割合がやや高くなっている。

一方、今期の採算が「悪化」したと回答した企業にその理由を尋ねたところ(複数回答)、「売上数量の減少」(67.1%)の割合が最も高く、以下「仕入価格の上昇」(37.3%)、「人件費などの固定費負担の増加」(29.7%)などが続いた(図表8)。

なお、18年下期調査と比べると、「人件費などの固定費負担の増加」や「競争・競合の激化」などの割合がやや高くなっている。

5雇 用

(1)全産業・業種別

─6期ぶりに改善するも、雇用の不足感は続く─

正社員の充足状況をみると、今期の雇用BSI(「過剰」−「不足」)は▲39.9と前期比1.6ポイント上昇し6期ぶりに改善した(図表9)。ただし、水準は低く、雇用の不足感は強いままにある。

業種別にみると、製造業は前期比2.0ポイント改善し▲31.0となった。電気機械や鉄鋼などは改善したものの、木材・木製品や一般機械などでは悪化している。非製造業は前期比1.3ポイント改善し▲46.0となった。サービス他、運輸などで改善したものの、小売、卸売では悪化している。

雇用については「人手不足を設備の充実によりカバーしている」(サービス他)などの声もあり、人手不足を積極的な設備投資などで対応する企業もみられた。一方、「機械化ができない手作業が多いため、人材不足は深刻であり、受注量を制限せざるを得ない状況である」(その他製造)、「建設業界全体で人材不足となっており、新規採用も困難な状況である」(建設)などといった声もあった。

(2)職種別

─「生産・建設」「専門・技術」などで不足感が縮小─

職種別の雇用BSIをみると、「専門・技術」で▲39.6となり不足感が最も強く、以下「営業・販売」(▲30.8)、「生産・建設」(▲28.9)などが続いている(図表10)。

18年下期と比べると、「管理」で不足感がやや拡大したものの、「生産・建設」「専門・技術」などの職種で不足感が縮小した。

6賃 金

(1)賃上げの状況

─4割以上の企業がベースアップに前向き─

19年度における賃上げの状況(ベースアップ、定期昇給)について尋ねたところ、ベースアップを「実施した」と回答した企業の割合は30.4%となった(図表11)。また、定期昇給を「実施した」と回答した企業の割合は54.3%となった。

なお、ベースアップを「実施した」と「実施を検討中」を合わせた『賃上げに前向き』な回答割合は46.2%となり、前年同時期に行った「2018年上期企業動向調査(以下、前年調査)」と比べると、概ね横ばいとなっている。

(2)賃金の引き上げ率

─引き上げ率は「1.0%以上1.5%未満」が最も高い─
 
19年度にベースアップもしくは定期昇給を「実施した」または「実施を検討中」と回答した企業に、賃金の引き上げ率について尋ねたところ、「1.0%以上1.5%未満」(29.8%)の割合が最も高く、以下「1.5%以上2.0%未満」(24.4%)、「2.0%以上2.5%未満」(16.9%)などの順となった(図表12)。

(3)賞与・一時金の状況

─夏季の賞与・一時金は約2割の企業が増額に前向き─
 
19年度の夏季における賞与・一時金の支給について尋ねたところ、「未定」とする回答が多いものの、「増額する」と回答した企業の割合は4.8%、「増額を検討中」が15.0%、「据え置く」が42.3%となった(図表13)。「増額する」「増額を検討中」を合わせた『増額に前向き』な企業の割合は19.8%となっており、前年調査と比べると、6.2ポイント下回っている。

7設備投資

(1)設備投資計画

─ 19年度の設備投資額は前年度をやや下回る見通しであるものの、概ね横ばいで推移─
 
19年度における設備投資の実施企業割合(含む計画)は60.7%となり、18年度実績を2.4ポイント下回る見込みとなっている(図表14)。

実施企業割合を業種別にみると、製造業が73.5%、非製造業が51.9%となった。

19年度の設備投資額(含む計画)は、18年度実績比4.6%減と前年度をやや下回る見通しであるものの、概ね横ばいでの推移となっている(図表15)。

業種別にみると、製造業は一部企業で大型投資があった前年度の反動もあり、18年度実績比3.2%減となっている。内訳をみると、その他製造や一般機械などの業種で減少しているものの、輸送機械や窯業・土石などで増加している。また、非製造業も同7.2%減となっている。建設や卸売などで減少しているのに対して、小売や運輸で増加している。

規模別にみると、中堅企業が18年度実績比16.6%減、中小企業が同13.5%減と前年度を下回っている一方で、大企業は同2.9%増と前年度を上回っている。

(2)設備投資の目的

─「 情報化(IT)投資「」既存機械・設備の入れ替え」などが上昇─
 
19年度における設備投資の目的をみると(複数回答)、「既存機械・設備の入れ替え」(68.5%)の割合が最も高く、以下「省力化・合理化」(26.8%)、「生産能力増大のための機械・設備導入」(26.0%)などの順となっている(図表16)。

18年度実績と比べると、「情報化(IT)投資」「既存機械・設備の入れ替え」「技術革新・研究開発・新製品開発」などが上昇した一方、「土地購入」「生産能力増大のための機械・設備導入」「店舗・工場等の新設、増改築」などが低下した。

8経営上の問題点

─「 生産・受注・売上不振「」先行き見通し難」などの割合が上昇─

経営上の問題点を尋ねたところ(複数回答)、「人材不足」(59.0%)の割合が最も高く、以下「生産・受注・売上不振」(37.8%)、「先行き見通し難」(36.6%)、「仕入価格の上昇」(34.7%)、「競争・競合の激化」(29.1%)などが続いている(図表17)。

18年下期調査と比べると、「人材不足」「仕入価格の上昇」などの割合が低下したものの、「生産・受注・売上不振」「先行き見通し難」などの割合が上昇している。

また、業種別でみると、製造業は非製造業に比べて「仕入価格の上昇」や「生産・受注・売上不振」などの割合が高くなっているのに対して、非製造業は製造業に比べて「競争・競合の激化」や「人材不足」などの割合が高くなっている。

まとめ

─ 先行きは慎重な見通し─

アンケート調査結果をみると、県内企業の「業況感」は国内需要が堅調であるものの、米中貿易摩擦の影響から海外情勢の不透明感が増しているほか、製造業を中心にこれまで2四半期連続で上昇していた反動もあり、19年1-3月期、同4−6期と2四半期連続で低下した。

また、経営上の問題点では「生産・受注・売上不振」や「先行き見通し難」などの割合が18年下期調査と比べて上昇していることなどもあり、先行きを示す見通しBSI(19年7-9月期、同10-12月期)は同4-6月期と比べ悪化が予想されている。

こうしたなか、米中貿易摩擦による実体経済への影響のほか、米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策、イラン情勢の緊迫などによる為替の動向にも注視していく必要があろう。

(2019年7月 江口 大暁)

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ソーシャルメディアを利用した情報発信に関するアンケート調査

2019/08/01 :自主調査(調査報告)

─ソーシャルメディアを利用している企業は全体の約3割。利用しているソーシャルメディアは「Facebook」がトップ─

はじめに

スマートフォンの普及によって、SNSやブログといったソーシャルメディア(注)の利用者が増加している。こうしたなか、企業活動においてもソーシャルメディアを活用する動きが広がっている。

そこで、県内企業のソーシャルメディアを利用した情報発信の現状と課題を把握するために、県内企業1,000社(有効回答626社)を対象にアンケート調査を行なった。

(注)総務省の「平成27年度版 情報通信白書」によると、ソーシャルメディアとは、インターネットを利用して誰でも手軽に情報を発信し、相互のやりとりができる双方向のメディアであり、代表的なものとして、ブログ、FacebookやTwitter等のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、YouTubeやニコニコ動画等の動画共有サイト、LINE等のメッセージングアプリがある

1ソーシャルメディアの利用状況

─『ソーシャルメディアを利用している』企業は約3割─

調査対象となったすべての企業にソーシャルメディアの利用状況を尋ねたところ、「Facebook」「YouTube」「Twitter」「Instagram」などのソーシャルメディアを1つ以上「利用している」と回答した企業の割合(以下、『ソーシャルメディアを利用している』)は30.4%、「利用していない」は69.6%となった(図表1)。

 

参考までに、総務省の「通信利用動向調査報告書」(従業者規模100人以上が対象)によると、ソーシャルメディアを利用している企業割合は2018年で36.7%となっている。比較のため、当調査において、従業員規模101人以上(n=179)での利用割合をみると38.5%となっており、県内と全国の利用割合はほぼ同程度となっている。

『ソーシャルメディアを利用している』と回答した割合を業種別でみると、製造業で29.8%、非製造業で30.7%となっており、なかでも食料品(66.7%)、小売(46.5%)、サービス他(35.7%)などで高くなっている。

なお、すべての企業にどのソーシャルメディアを利用しているかを尋ねたところ(複数回答)、「Facebook」の割合が19.5%と最も高くなった(図表2)。以下「YouTube」(7.0%)、「Twitter」「Instagram」(ともに6.7%)などが続いている。

利用しているソーシャルメディアについて業種別にみると、製造業は非製造業に比べ、「YouTube」などの割合が高くなっている一方、非製造業では製造業に比べて「blog」などが高くなっている。

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グラフで見る県内経済2019年8月(六月の新潟県経済)

2019/08/01 :グラフで見る県内経済

概況:横ばいで推移している県内経済

個人消費は緩やかに持ち直している。住宅投資と公共投資は持ち直しつつあり、設備投資と雇用状況は概ね横ばいで推移している。一方、生産活動は弱含んでいる。

生産活動:弱含んでいる

4月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比4.8%低下して99.6となった。出荷指数は同2.7%低下して101.3となった。在庫指数は同2.2%低下して100.0となった。

化学や汎用・生産用・業務用機械は、海外経済の不透明感などから受注が減少しており、弱い動きとなっている。

電子部品・デバイスはスマートフォン向け部品などの生産が落ち込んでおり、低調に推移している。

金属製品は、海外からの受注にやや減速感がみられるものの、国内からの受注が堅調なことから、横ばい圏内での動きが続いている。

食料品は、包装米飯を中心に底堅く推移している。

2-4月期の3カ月平均値でみた在庫循環図(注)では、「意図せざる在庫増加局面」にある。

(注)在庫循環図:出荷と在庫の伸び率を比較することによって景気循環を判断する図。在庫循環図では景気循環に応じて、①意図せざる在庫減少局面→②在庫積み増し局面→③意図せざる在庫増加局面→④在庫調整局面、という動きとなり、理論上は反時計回りで変化する

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グローバルで多様な世界と繋がる新潟の豊かさ

2019/08/01 :感頭言

新潟県立大学理事長・学長       若杉 隆平

新たな時代への期待とともに令和を迎えました。「ビューティフル・ハーモニー(美しい調和)」が共感をもって世界に広まることを目にしつつ、平成の30年間に積み重なった課題への新たな取り組みを考える節目を感じます。量的充足を求めて一途に成長を遂げた昭和の時代と異なり、平成は勢いよく成長する時代ではありませんでしたが、平等の目線からお互いの多様な個性を認め合う民主的基盤やグローバル化を通じて世界の多様な人々と繋がる社会基盤が醸成されたように思います。また個性と多様性の尊重が量から質への豊かさの変化に繋がっていることを感じます。

こうした変化に情報技術(IT)のイノベーションが計り知れない役割を果たしています。ITはモノやサービスの生産と消費のグローバル化を進めました。新潟の企業や農業生産者はサプライチェーンを通じて世界各地の生産者・消費者とリンクしています。新潟の消費者もしかりです。異なる価値観を持った人々が世界各国・地域から新潟を訪れ、外国人労働者が新潟で本格的に就業する日も近づいています。

令和に引き継がれた人口減少、高齢化、所得格差と中間所得層の衰退は地域にとって重い課題ですが、美しい自然や人々の優しい気遣いに優れる新潟の風土は大都市圏にない可能性を秘めています。ITの革新は分散や小規模といった地域のハンディを緩和します。新潟独自の豊かさが世界のモノやヒトとリンクし、質の高さや多様性を求める内外の人々から注目されれば、新潟の新たな発展が見えてきそうです。

こうしたことに大学としても貢献したいと思います。優れた学びを求めて新潟の地に内外から若人が集い、地域に根ざして世界に活躍する人材育成をする高等教育機関の貢献は小さくありません。令和を迎えた本年、新潟県立大学は10周年を迎えました。地域の各界の方々と連携しながら新しい時代にふさわしい役割を担っていきたいと願っています。

(わかすぎ りゅうへい)

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