11月2019

今すぐできる選りすぐりのアイデア 第44回

2019/11/01 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

1に差別化

以前、私が主催したセミナーに神奈川県相模原市で文具販売店・菊屋浦上商事株式会社を経営している浦上裕生社長が参加してくださいました。浦上社長は客層の差別化で成功しています。さて、どんな客層に的を絞って文具店を経営されていると思いますか?

…浦上社長は左利きの人に特化した事務用品や文具を販売しているのです。

日本人の左利き人口の割合は全体の1割程度といわれます。しかし、世の中に存在する事務用品や文具はそのほとんどが右利き用に開発されています。

そのため、左利きの方は勉強や仕事において不便を感じることが多くなります。その不便を取り除くべく、左利きの人から「こんなものはないの?こういうのがあったら便利だね!」という質問やアドバイスを今でも受けながら左利き文具の品ぞろえを拡張しています。

ちなみにロナルド・レーガン、ジョージ・ブッシュ、ビル・クリントン、バラク・オバマといったアメリカ大統領は左利きだそうです。また、宇宙飛行士の野口聡一さんは日本人として初めてNASAのスペースシャトル機体修理を担当するのではないかと話題を集めていましたが、実際には補修は他のメンバーが行ないました。その理由は補修用道具が右利き用しかなかったためなのだそうです。

(参照:菊屋浦上商事株式会社ホームページ)

客層の差別化のみならず浦上社長は青年会議所に所属していた頃からマスコミとのタイアップ企画の経験が多く、どのようにすればメディアで取り上げてもらえるかを熟知しています。

そのため、客層を左利きに絞った浦上社長のお店自体も日本で唯一の実店舗を持った左手用グッズの専門店として新聞、雑誌、TV、ラジオの各メディアでも紹介されています。

客層での差別化、商品での差別化、さらにはPR戦略で差別化を実行しているため小さな会社ではありますが他者の追随を許していないオンリーワンの成功事例です。

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人口減少下の地方創生

2019/11/01 :観光イノベーションで地域を元気に

株式会社 井門観光研究所 取締役  井門 隆夫(いかど たかお)氏

─地域のイノベーションに向けて─

1.中小企業革新の時代

秋も深まり、冷たい風が吹くような季節になったからではないが、中小企業の経営環境も曲がり角を迎えるタイミングに差し掛かりつつある。それを冷たい風と受け取るのではなく、将来に向けた事業モデルや稼業のポジティブな転換と受け止め、新しい時代に向けて船を漕ぎ出すための追い風と理解するのが正しい解釈だろう。

古い歌で恐縮だが、私の心から消えない曲がある。吉田拓郎が歌った「イメージの詩」だ。「古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう」「なぜなら古い船も新しい船のように新しい海へ出る」「古い水夫は知っているのさ、新しい海の恐さを」という歌詞が人生の曲がり角でいつも浮かんでは消えた。新しい時代になるとわかったときは、後進に舵を預ける。悔しい反面、その大切さを拓郎は伝えてくれたと思っている。

人口構成では、あと数年で団塊の世代が最多人口ではなくなり、現在40代が最多人口に代わる。すなわち、経済成長期を生きた世代から、経済成長期を知らない世代へ、アナログ世代から、デジタル世代へと代わる。おそらく市場傾向もがらりと変わっていくだろう。国際的にも、東アジアや欧米の各国で高齢化が進み、生産人口比率が下がっていく。各国がこれまで日本で起こったような長期デフレに入らないとも限らない。女性や高齢者の労働参加が限界まで達するときまでに、経済・経営・社会のICT化を進め、労働生産性を高めていなくては経済成長を維持できない。また、景気循環も下降期に入りつつある。

そうした経済環境にあり、国内金融面では、金融庁による金融検査マニュアルが廃止され、金融機関は、単純な債権分類基準から、事業モデルの将来性と持続可能性へとリスク評価や支援基準を変えつつある。

国が事業承継税制を改正し、事業承継を推進しようとしているのも、そうしたことが背景にある。時代にあった持続可能な事業モデルへの転換が待ったなしとなっている。

とりわけ、地方の観光業においては、持続可能かどうかの判断材料として「労働生産性の向上が見込める事業モデルか」、言い換えれば「1人当たりの所得をいかに増やすか」が重要な判断基準だ。これができない限り、高生産性の業種や地域へと人材は流れていく。

そして今、これができない企業(特に中小企業)不要論や廃業支援までが進められようとしている。こうしたことに対して反論を重ねるばかりではなく、危機感をもって、これまでにない事業モデルの創造を地域あげて検討し、地域のしがらみやタブーを超えて、実践していく時代に差し掛かっている。そうしないと、観光業の灯が地域から消えていきかねない。

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第32回 上海/香港

2019/11/01 :海外現地レポート

香港        第四銀行  営業本部

香港の消費税

日本では今年10月1日から消費増税となりましたが、香港には消費税が存在しないことはご存知でしょうか?消費税に注目し、日本と香港の税制の違いについてレポートしたいと思います。

香港では事業所得税、給与所得税、印紙税等で歳入全体の約70%を占めます。更に香港ならではの、土地に関する歳入(Land premium※)を加えると約90%を占めます。一方、日本では所得税、法人税、印紙税等で歳入全体の約43%を占める(消費税収の約19%を含めれば約62%)程度です。日本は税収の不足分を公債金(借金)で賄っており、公債金は歳入全体の約3分の1に相当します。この様に日本と異なり、香港は税収で歳入の大部分を確保していることがわかります。

香港には消費税のみならず、贈与税、相続税、キャピタルゲインへの課税、住民税もなく、日本に比べて個人・法人ともに納めるべき税金が少なく、シンプルでわかりやすい税制度となっています。更には税率自体も低いという点が大きく異なっています。

香港の税制に魅力を感じる外国企業の多くが集まることで税収が増え、その税収を基にインフラ整備を進めることで、さらに企業が集まり税収が増えるという正のスパイラルが続き、消費税等がなくても十分に税収を確保することが可能となっています。

香港政府は2006年に幅広い財源確保のため、日本の消費税にあたる5%の販売税(Goods and ServicesTax)の導入を検討したことがあります。香港政府は香港の税制には財源の種類が少ないことが課題であるとし、景気低迷時には大きく影響を受ける事業利益、給与収入、不動産価格よりも、より影響の小さい個人消費に課税することで、安定的な財源が確保できると主張し導入の検討を行ないました。しかし、消費税よりも高い土地価格の負担解消が優先事項である等の主張から、市民の理解は得られず、導入には至りませんでした。

今回の日本の消費増税は、増収分の約半分が「教育・子育ての充実」と「社会保障の充実」に充てられます。日本の2019年度予算の社会保障費は33.9兆円であり、一般歳出(歳出全体から地方交付税交付金等と国債費を除いたもの)の約56%を占めていますが、年々増加する社会保障費を賄うため、消費増税が行なわれます。一方で、香港の2019年度予算では社会保障費に該当するもの(「SocialWelfare」+「Health」)は1,858億HKD(約2兆6千億円)と歳出の約30%を占める程度で、日本に比べて社会保障負担はあまり大きくないということがわかります。

香港はシンプルな税制度と低税率を売りに、多くの外国企業、投資家を呼び込むことで経済成長を続けてきました。しかし昨今は香港内外において情勢が大きく変化しており、これまでの経済成長を維持し、現行の税制度を継続できる保障はありません。香港も日本と同様に高齢化が進行し社会保障の必要性が増しており、将来の財源確保のため改めて香港も消費税導入を検討する可能性はあります。今後、香港の情勢の変化により、税制にどのように影響を及ぼすのか注目していきたいと思います。

※ 香港では土地は政府が保有しており、不動産会社はその土地のリース権を競売で購入し住宅を建設しています。Land premiumはその競売により政府が得る収益です。土地価格が高騰すれば政府が得る収益が大きくなり、市民の負担が増えるため間接的な税金ともいえます

(香港派遣 石塚 隆史)

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フラー株式会社

2019/11/01 :探訪

日本発・世界一のIT企業を目指す フラー株式会社

スマホアプリの分野において、今や世界中から注目を集める存在となった「フラー株式会社」。創業者である渋谷社長から、創業に至った経緯や事業の内容、出身地である新潟への想いなどについて、お話をうかがいました。

代 表 者 渋谷 修太
(代表取締役社長)
櫻井 裕基
(代表取締役副社長)

所 在 地 本  社/千葉県柏市
新潟支社/新潟市中央区

創  業 2011年

資 本 金 7億3,611万円
(資本準備金を含む)

社 員 数 70名

事業内容 アプリ分析支援事業、スマホビジネス共創事業

 

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景気の現状と先行き見通し

2019/11/01 :自主調査(調査報告)

─横ばいで推移している県内経済─

1景気の現状と先行き

現 状

◎県内経済は横ばいで推移している

県内主要経済指標等から景気の現状を概観すると、公共投資は持ち直している。個人消費は緩やかに持ち直しており、設備投資と住宅投資は概ね横ばいで推移している。一方、生産活動は弱含んでいる。総じてみると、県内経済は横ばいで推移している。

先行き
◎生産活動は弱含みが続く

生産活動は内需が堅調さを維持しているものの、米中貿易摩擦などの影響により外需が落ち込んでいることから、引き続き弱含むとみられる。個人消費は消費増税の実施により、消費マインドの落ち込みが懸念される。ただし、軽減税率制度の導入など家計への負担を緩和させるための各種経済対策が講じられていることもあり、消費の低迷は一時的にとどまるとみられる。一方、公共投資は政府の「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」により、インフラの維持を中心に、国や県などで公共工事関連の予算が前年と比べ増額となっていることから、今後も持ち直しの動きが続くと思われる。

総じてみると、リスク要因はあるものの、県内経済は横ばいで推移するとみられる(図表1)。

2生産活動の現状と先行き

現 状

◎弱含んでいる

新潟県の鉱工業生産指数(季節調整値)は、19年4-6月期に前期比4.0%低下の101.5と大幅に低下し、3四半期連続で前期を下回った(図表2)。

生産指数を業種別にみると、汎用・生産用・業務用機械や化学は海外からの受注が減少しており、弱い動きとなっている。輸送機械は海外で新車販売が低迷していることから、自動車部品などの生産に落ち込みがている。食料品は包装米飯や水産練製品などが好調なことから、堅調な動きとなっている。

国内向けの比重が比較的高い業種は底堅く推移している一方、海外向けの製品を生産している業種では「受注の減少が続いているため、受注残高が減り生産水準にも影響が出てきた」との声が挙がっている。

先行き

◎ 弱含みが続く。外需の落ち込みが内需に波及する可能性に注意

生産活動の先行きを業種別にみると、汎用・生産用・業務用機械は米中貿易摩擦など不透明な海外情勢が続くなか、中国などで設備投資に慎重な動きがみられており、弱い動きが続くと見込まれる。輸送機械は中国やインドなど新興国を中心とした新車販売の減速を背景に、自動車部品の輸出が減少している影響から低調に推移すると思われる。一方、金属製品は東京オリンピック・パラリンピック関連の建設工事に落ち着きがみられるものの、大都市圏で大規模な再開発が計画されていることから、作業工具や建設用金属製品への需要は続くと予想される。

在庫循環図(3カ月移動平均)(注)をみると、4-6月期は「意図せざる在庫増加局面」にあり、徐々に「在庫調整局面」に近づいていることがわかる(図表3)。今後「在庫調整局面」に移行し、企業が生産水準を下げて在庫減少を図る可能性もあるため、在庫の動きを注視していく必要がある。

このように、今後も低調な外需を内需の底堅さが下支えする状況が続くと予想されるため、生産活動全体では弱含みながらも急速に悪化する可能性は小さいと思われる。ただし、海外経済の下振れによって国内経済が減速し、これまで底堅さを維持していた内需が弱含むことになれば、生産活動の大幅な落ち込みが懸念される。

(注)在庫循環図:出荷と在庫の伸び率を比較することによって景気循環を判断する図。景気循環に応じて、①意図せざる在庫減少局面→②在庫積み増し局面→③意図せざる在庫増加局面→④在庫調整局面、という動きとなり、理論上は反時計回りで変化する

3設備投資の現状と先行き

現 状

◎概ね横ばいで推移している

当センターが2019年上期に実施した「企業動向調査」によると、19年度の設備投資額(含む見込み)は前年度実績比4.6%下回る見通しである(図表4)。投資額が高水準であった18年度実績をやや下回る見通しであるものの、概ね横ばいで推移している。

設備投資の目的をみると(複数回答)、製造業では「既存機械・設備の入れ替え」の割合が最も高く、以下「省力化・合理化」「生産能力増大のための機械・設備導入」などの順となっている(図表5)。一方、非製造業では「既存機械・設備の入れ替え」の割合が最も高く、以下「情報化(IT)投資」「店舗・工場等の新設、増改築」などの順となっている。企業へのヒアリングでは、製造業から「前年度に比べて生産能力増大のための投資は抑える一方、新製品開発など中長期的な視点に立った投資を行なう計画である」との声が聞かれる。非製造業では「情報化投資を引き続き実施するほか、軽減税率制度やキャッシュレス・消費者還元事業に対応するため、情報システムやレジの導入費用も計画に組み入れた」との声が挙がっている。

なお、他機関の調査結果をみると、調査時期や調査先の違いなどによって差はあるものの、19年度の計画は18年度実績とほぼ同水準となっている。

先行き

◎横ばいでの推移が続く

18年度補正予算では「ものづくり・商業・サービス補助金」「IT導入補助金」など、設備投資を推進する補助金制度を一体化し、「中小企業生産性革命推進事業」として大規模予算が組まれており、企業の採択が順次決定している。今後、これらの補助金を活用した設備投資が見込まれる。

企業にとって生産性の向上が喫緊の課題となっているなか、情報化及び省力化・合理化への投資が重要かつ不可欠になっており、今後も生産性向上に向けた設備投資は続くものと思われる。一方、景気の先行きに対する不透明感の高まりから、投資を先送りする動きが出てくる可能性に注意する必要がある。

4雇用の現状と先行き

現 状
◎ 有効求人倍率は高水準にあるものの、やや低下している

19年1-3月期の有効求人倍率(パートを含む全数、季節調整値)は1.66倍と15四半期ぶりに前期を下回り、続く4-6月期も1.66倍となった(図表6)。その後、7月は1.63倍、8月は1.59倍と低下している。有効求人数が19年3月から6カ月連続して減少していることなどから、有効求人倍率は高水準ながら足元ではやや低下しており、労働需給は緩和方向にある。

先行き

◎ 新規雇用には慎重な姿勢がみられ、労働需給の緩和が続く

雇用の先行指標となる新規求人数(パートを含む全数・実数)をみると、19年1-3月期に前年比0.6%減、続く4-6月期に同3.9%減と2四半期連続で前年を下回っている。なかでも製造業は、19年2月から8月まで7カ月連続で前年を下回っており、景気の先行き不透明感から新規雇用に対して慎重な姿勢であることがうかがえる。

「企業動向調査」によると、19年上期の従業員の過不足を示す雇用BSI(「過剰」-「不足」)は依然として低水準にあり、雇用の不足感の強い状況が続いているものの、6期ぶりに上昇に転じている(図表7)。実際、企業からは「雇用のひっ迫は続いているものの、幅広い職種で人手を確保しようといった前年までの募集状況を改め、足元では職種を絞り必要な人数を見極めて募集している」など、採用方法を変化させる動きが複数の業種から聞かれている。

今後、求職者の大幅な増加が予想し難いなか、有効求人倍率は高水準で推移するとみられるものの、米中貿易摩擦などを背景に製造業の生産は弱含んでおり、引き続き新規雇用に慎重な姿勢で臨むことが予想される。したがって、労働需給は緩和方向での動きが続くと思われる。また、景気の先行き不透明感の高まりから、製造業のみならず他の業種でも新規雇用を見合わせるといった、雇用状況の下振れリスクに留意する必要がある。

5個人消費の現状と先行き

現 状

◎緩やかに持ち直している

小売業販売額(全店)(注)は、19年4-6月期に前年比0.3%増となった(図表8)。内訳をみると、百貨店・スーパーは百貨店で衣料品販売が振るわなかったことなどから、前年を下回った。また、天候不順により園芸用品の販売が落ち込んだことなどから、ホームセンターも低調に推移した。一方、家電大型専門店では生活家電や4Kテレビ、パソコンなど幅広い商品で売れ行きが好調となった。買い替え需要に加え、消費増税前の駆け込み需要があったとみられる。ドラッグストアでは新店出店が続いており、前年を上回って推移した。

乗用車新規登録・届出台数(軽含む)は、19年4-6月期に前年比1.9%増となった後、19年7-9月期に同8.9%増となった(図表8)。人気車種のフルモデルチェンジがあり売り上げが伸びたことに加え、消費増税を意識した需要が幾分みられたことから、2四半期連続で前年を上回った。

これらのことから、個人消費全体としては緩やかに持ち直している。

(注)小売業販売額:経済産業省「商業動態統計」の百貨店・スーパー、家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストアの全店販売額を合計したもの

先行き

◎消費増税の影響は一時的にとどまる見通し

小売業販売額は、消費増税による消費マインドの低下から前年を下回る推移が予想されるものの、一時的な落ち込みにとどまると思われる。軽減税率制度の導入により、購入頻度の高い飲食料品の税率が8%に維持されるため、過度な節約志向が緩和されるとみられるほか、キャッシュレス・消費者還元事業の活用も期待される。家電大型専門店では駆け込み需要などによる売上増加がみられたことから反動減が懸念されるものの、サポート終了が予定されているWindows7の買い替え需要や東京オリンピック・パラリンピックを控え、4Kテレビの購入意欲の高まりが予想されることから、大幅な落ち込みは回避されるとみられる。

また、乗用車新規登録・届出台数は駆け込み需要が若干みられたものの、増税後の自動車税引き下げなど、政府の経済対策が講じられていることもあり、前回増税時に比べると盛り上がりに欠けたため、販売台数の減少は限定的とみられる。

総じてみると、個人消費は消費増税による一時的な落ち込みはあるものの、緩やかな持ち直し基調に戻っていくと期待される。

6住宅投資の現状と見通し

現 状

◎概ね横ばいで推移している

19年4-6月期の新設住宅着工戸数は、前年比10.2%増となり、2四半期ぶりに前年を上回った(図表9)。内訳をみると、貸家や分譲は前年を下回る動きが続いている一方、持家は4四半期連続で前年を上回り、住宅投資を下支えした。その後、7月は同13.4%増、8月は同39.5%減と振れ幅が大きくなっており、総じてみると、住宅投資は概ね横ばいで推移している。

先行き

◎横ばいでの推移が続く

県内の住宅メーカーによると、住宅ローン減税の対象期間の延長など、増税後の住宅取得優遇策が手厚いことから、駆け込み需要はほとんどみられず、その後の販売状況にも変化はみられていない模様である。持家は利便性の高い新潟市内を中心に需要が高いことから、底堅い動きとなることが予想される一方、前年にマンション建設が多かったことから、分譲はマンションを中心に前年を下回って推移するとみられる。また、貸家についても、相続税対策が一巡するなか、複数の大手メーカーによる施工不良問題もあり、不動産投資への需要が低下していることから、低調な動きが続くと思われる。

したがって、持家は持ち直しの動きが続く一方、貸家や分譲は弱めの推移となる見込みである。

7公共投資の現状と先行き

現 状

◎持ち直している

公共投資の発注動向を表す公共工事請負金額は、19年4-6月期に前年比2.4%増となり、3四半期連続で前年を上回った(図表10)。18年12月に「国土強靱化基本計画」の見直しと「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」が閣議決定され、18年度補正予算から公共工事関連予算が大幅に増額されている。また、18年は市町村の執行額が大きく減少していたことからその反動もあり、市町村を中心に公共投資は前年を上回る推移が続いている。

先行き

◎持ち直しの動きが続く

「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」によって、国の予算が大幅に増加されたほか、新潟県の19年度予算では公共工事関連が前年度を大きく上回っている。県の予算はインフラを維持するための費用が中心となっており、なかでも河川改修費が大幅に増額されている。河川関連工事は冬場に実施されることから、今後県からの発注が期待される。ただし、新潟県においては財政状況の悪化により「新潟県行財政改革行動計画(案)」が発表され、そのなかで20年度の公共事業費の前年度比削減が盛り込まれていることから、今後の予算編成を注視していく必要がある。

(2019年10月 近 由夏)

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RPAによる業務効率化と導入のポイント

2019/11/01 :自主調査(調査報告)

はじめに

昨今、少子高齢化にともない生産年齢人口(15~64歳の人口)が減少しており、さまざまな分野において労働力不足が顕在化している。そうしたなか、業務効率化や労働環境の改善などに向けた有効な手段のひとつとして、人手を要する事務作業などを効率化する新たな技術である「RPA」が注目を集めている。

本稿では、RPAの特徴や機能、導入時のプロセスなどを確認するとともに、すでにRPAを導入している県内外の活用事例を踏まえ、導入に向けたポイントを整理する。

1RPAについて

(1)RPAとは

RPAとは、Robotic Process Automationの頭文字から取った略語で、「ロボットによる業務自動化」を意味する。

「ロボットによる業務自動化」といえば、工場等で活躍する産業用ロボットをイメージする。しかし、RPAはこうした物理的な形を有するロボットとは異なり、パソコン等にインストールされたソフトウェア(以下、ロボット)が、定型的な作業(いわゆる単純作業)を人間に代わり自動処理する「ツール」である。

(2)RPAツール

RPAツールは、「サーバー型」と「デスクトップ型」の2つに大別することができる(図表1)。

主な特徴についてみると、サーバー型はロボットがサーバー内で稼働するため、全社レベルでさまざまな業務を横断的に一元管理することができる。また、サーバー内で100体以上のロボットを同時に稼働させることも可能であるため、大量のデータを処理する場合に適している。

一方、デスクトップ型はロボットが個々のパソコン内でのみ稼働する。パソコン単位で導入できるため、部門・担当者レベルでの小規模な導入に適している。またサーバー型と比べて、一般的に導入コストが低価格であることも特徴となっている。

(3)RPA導入のメリット

①業務の自動化・効率化

RPA導入のメリットのひとつとして、業務の自動化・効率化がある。人間であれば1時間を要する作業がRPAであれば半分や3分の1程度の時間で済む場合もある。またロボットの設定次第では、時間や曜日に関係なく、いつでも作業を行なうことができるため、作業効率の向上が期待できる。

②コスト削減

RPA導入により、人件費の削減なども期待できる。RPAは導入にともない初期コストや定期的なメンテナンス費用などが必要となるものの、従来、人間が行なっていた定型的な作業をロボットが代わりに行なうことで、人件費や外注費などの削減に繋げることが可能となる。

③作業の品質向上

作業ミス(ヒューマンエラー)を払拭できることもRPAのメリットである。人間が集中力を持続できる時間には限界があり、長時間にわたり作業に従事すると、作業ミスが発生しやすくなる。

しかし、RPAでは一度設定したプログラムをロボットが正確に繰り返し、作業し続けることが可能なため、ミスが防がれ、作業の品質向上が見込まれる。

(4)RPAの導入効果が大きい業務

一般的にRPAの導入効果が大きいといわれている業務は、「手順・ルールが決まっている単純作業」や「大量かつ繰り返し行なう定型作業」とされる。

具体的な作業としては、伝票など各種データの入力作業、請求書等の管理・発行作業、インターネット(Webサイト)にアクセスして、特定のデータを収集する作業や社内システムの利用状況をモニタリングして、結果をエクセルで一覧化する作業など多岐にわたる。

ただし、作業プロセスを頻繁に変更する作業、あるいは人の判断を必要とする作業などは、RPAによる自動化そのものが難しく、効果も小さいといわれている。

(5)RPAの導入プロセス

RPAの導入に際しては、一般に「①事前準備」「②試行導入」「③本格導入」「④運用・保守」という4つのプロセスが挙げられる(図表2)。そこで以下では、各プロセスについて説明する。

①事前準備

自社の既存業務を見直し、RPAの対象となる業務の洗い出しを行なう。そしてRPA導入の狙いは何か、対象となる業務を自動化するとどのような効果が得られるのかなど、対象業務や導入目的、導入効果を明確化する。

またRPAの選定では、自社の導入目的に合ったRPAかどうかを見極める必要がある。RPAはそのツールのタイプにより、ロボットの設定・稼働範囲や機能、導入コストなどが異なるため、RPAベンダー(販売会社)やホームページ等を活用しながら情報収集を行なう。

②試行導入

続いて、導入を見込むRPAツールの試行(トライアル)がポイントとなる。

実際にロボットが行なう作業、すなわちシナリオ(ロボットに正確な作業をさせるための具体的な設定や条件)を作成し、必要に応じて複数のRPAを稼働させてみることで、自動化を想定した業務とRPAツールとの親和性を判断するとともに、作業担当者にとっての使い勝手などを検証する機会とする。このほか、試行によりRPAと連携することになる自社のシステム環境や導入後の運用体制などを確認するとともに、本格導入に向けた課題の抽出・整理などを行なう。

③本格導入

試行導入での検証を踏まえて自動化の対象業務、RPAツールなどを選定する。

なお、本格導入に際しては、RPAの管理ルール・体制を整備し、専担者を配置する。導入後にRPAツールに不具合が生じたり、RPAと連携した社内システムの変更に備えて、社内業務と社内システムの双方に精通した人材をRPA担当者として登用・育成する必要がある。

④運用・保守

プログラミング停止などRPAを活用する際に生じる可能性がある想定外の不具合を回避すると同時に、作業を行なうロボットの最適化を図るために、適宜、保守・メンテナンスを行なう。また業務の一層の効率化に向けて、自動化する対象業務の拡大や業務プロセスの見直しなどを検討する。

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グラフで見る県内経済2019年11月(九月の新潟県経済)

2019/11/01 :グラフで見る県内経済

概況 :横ばいで推移している県内経済

公共投資は持ち直している。個人消費は緩やかに持ち直しており、設備投資と住宅投資は概ね横ばいで推移している。一方、生産活動は弱含んでいる。

生産活動 :弱含んでいる

7月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比0.6%上昇して101.7となった。出荷指数は同3.2%上昇して101.5となった。在庫指数は同0.1%低下して102.1となった。

汎用・生産用・業務用機械や化学は、海外からの受注が減少しており、弱い動きとなっている。

輸送機械は、海外で新車販売が低迷していることから、自動車部品などの生産に落ち込みがみられる。

金属製品は、作業工具を中心に底堅く推移している。

食料品は、包装米飯や水産練製品などが好調なことから、堅調な動きとなっている。

5-7月期の3カ月平均値でみた在庫循環図(注)では、「意図せざる在庫増加局面」にある。

(注)在庫循環図:出荷と在庫の伸び率を比較することによって景気循環を判断する図。在庫循環図では景気循環に応じて、①意図せざる在庫減少局面→②在庫積み増し局面→③意図せざる在庫増加局面→④在庫調整局面、という動きとなり、理論上は反時計回りで変化する

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新潟県の魅力発信に向けて

2019/11/01 :感頭言

NHK新潟放送局 局長          太田 浩一朗

6月に着任してから、「新潟県の魅力発信」について考えています。

「新潟の人は奥ゆかしくてアピールが不得手」「アピールしたいことが多くて一点に絞ることができない」などという声をよく聞きます。確かに「食」に関してだけでも、米や日本酒は全国的に知られていますが、枝豆やナスなど、まだあまり知られていない特産品が数多くあります。

新潟県は今年、「新潟の魅力を考える懇談会」を新設し、新潟の魅力とは何か、いかに県外に発信するかなどについて、有識者による意見交換を始めています。9月からは新潟県で初めての国民文化祭が開催中で、「食」だけではなく、各地に伝わる伝統芸能や工芸品にもスポットが当たっています。新潟県の魅力を全国に広めようという機運が高まっています。

NHK新潟放送局にとっても、新潟県の魅力発信は真っ先に取り組むべき課題です。NHKは今、「地域改革」を経営計画の柱に掲げ、地域の魅力や課題を広く発信し、多様な地域社会に貢献することをめざしています。新潟放送局でも、去年から金曜夜7時30分からの県域放送「きらっと新潟」の本数を大幅に増やすなど、地域放送の充実強化に取り組んできました。

しかし、広大な面積を有し、上越・中越・下越・佐渡それぞれに多様なくらし・文化がある新潟県には、まだまだ掘り起こすべき宝物があると思います。NHKは転勤が多く、外からの視点があるからこそ、発見できる魅力もあるはずです。

今考えているのは、隣接する県とのインターローカルによる番組企画の開発です。新潟県と隣り合う5つの県との間には、県境を超えた交流があり、共通する文化もあります。例えば、長野県とは「雪国の暮らし」という共通点があり、糸魚川市では富山県や長野県と「北アルプス」周辺の観光等で連携しています。こうしたつながりや連携をより多くの方に知ってもらうことで、隣県との交流人口の拡大に寄与することができないだろうか…。

まずは足元から。そして全国、海外へ。新潟県の魅力発信に向けて、あらゆる可能性にチャレンジしていきたいと思います。

(おおた こういちろう)

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