12月2019

今すぐできる選りすぐりのアイデア 第45回

2019/12/02 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

出張先でみかけたユニークなお土産

講演出張先ではいろいろなものを目にします。そしていろいろな人からいろいろな話を聞きます。そこには商売とビジネスに役立つ新鮮な発見があります。移動中には本を読んでいますが、そこにも新たな発見があります。

右の写真は長崎県の対馬市に出張したとき、空港の売店でみかけたものです。『対馬に旅行してきました。ほんの気持ちです。』と書かれたポスター…ではないのです。

実はこちらはポスターではなく、商品POPでもなくて、これ自体が商品そのものなのです。『対馬に旅行してきました。ほんの気持ちです。』と包装紙に大きく書かれているのです。

最近は日本中どこに行っても同じような土産物が多いのですが、これならどこに旅行に行ったときに買った旅土産なのかが一目で分かります。さらに会社の同僚や隣近所にお土産を持っていったときに、相手が不在でも置いておくだけで完璧に用件を伝えることができますね。商品のクオリティで差別化するのは難しくても、パッケージだけでも差別化できる好例です。

2つ目の写真は富山空港でみつけたもの。『ゴリラの鼻くそ』です。商品自体は普通の甘納豆です。

元々は島根県にある和菓子屋で製造されているもので、そのユニークな名前から日本全国の動物園でお土産として売られている大ヒット商品です。この商品はアメリカでも「Gorilla boogers」の名称で販売されています(参照:ウィキペディア)。

こちらも商品のクオリティで差別化するのは難しくても、ネーミングで差別化できる好例です。

3つ目の写真は広島駅でみつけた『カープかつ』。魚肉すり身とイカの粉末をミックスして揚げたカツフライです。なんと私が入ったお店の人気ランキング第2位の商品でした。もちろん「勝つ」と「かつ」の言葉をかけていますね。

私の友人にカープファンがいるのですが、お土産で渡したところ大喜びでした。この商品もロングセラー商品で生産が追い付かないほど売れているそうです。

商品名だけでも差別化できるところが商売のおもしろさです。

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若者は社会で育つ

2019/12/02 :観光イノベーションで地域を元気に

株式会社 井門観光研究所 取締役  井門 隆夫(いかど たかお)氏

─1年間の休学生受け入れのすすめ─

1.大学の顧客は誰?

2020年度に始まる大学共通テストをめぐり、英語の民間試験活用の延期や、国語や数学の記述式問題の是非に関して、連日のように報道がされている。記憶力偏重のテストからの脱却をめざし、英語であれば、会話力や執筆力を測ったり、数学であれば解答ではなく数式も書けたりする等、考えて答える力の養成と定着を図りたいという要請に端を発している。しかし、そもそもそれは誰の要請だったのかが忘れられているような気がする。

先日、ある学生向けのセミナーで、講師が受講生に「大学の顧客とは誰ですか?」という質問をした。

指名された学生は、少し考えて「学費を支払っている学生」と答えた。おそらく、他の学生の多くもそう答えるだろう。お金を払う人が顧客という消費者的発想で答えたとしたら正解である。しかし、講師の先生は、「違うよ、もう少し考えてごらん」と指摘した。もし大学がこの問いに答えたとしたら「顧客は生徒を送ってくれる高校」と答えるかもしれない。それなら、面倒な方向で改革が進む大学入試改革は、顧客のためにはなっていない。

講師は、世界有数の観光研究者として日本政府のご意見番も務めるセントラルフロリダ大学ローゼン・ホスピタリティ経営学部の原忠之先生。先生の答えは「大学の顧客は、学生を採用してくれる産業界であり、地域社会です」というものだった。まさしく、その通りだ。

大学を創設し、運営しているのは、学生でも教師でもない。国公立大学なら、国であり地方自治体であり、私立大学なら、様々な社会の立場の組織である。そうした運営者が望むのは、大学は社会に役立つ人材を養成し、社会に還元することである。学生は顧客ではなく、そのための製品である。もちろん、製品自らも価値を高めるために、自己投資をする、それが学費だ。企業の所有者は株主であるように、大学の所有者は産業界や社会である。

なぜ、入試改革をするかといえば、顧客である産業界や社会が「近年の学生は考える力が弱い」といっているからである。

しかし、そうであれば、本来、社会に役立つ人材養成のために、カリキュラム改革や学修スタイルそのものの変革を抜本的に進めるべきで、大学に入学する高校生の選別方法を変えることは本筋ではないと思うのは私だけだろうか。

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第33回 ホーチミン/香港

2019/12/02 :海外現地レポート

ホーチミン        第四銀行  営業本部

ベトナム人材市場の変化

ベトナム駐在を続けるなかで最も多いご相談が「ベトナム人材」についてです。ベトナム全体の人口は約9,500万人ですが、労働人口の中心とも言える15歳~49歳までの就業者数はベトナム統計総局の発表で、約5,300万人と豊富な労働力を有しています。日本に住む外国人技能実習生の数としてもベトナム人は最も多く、全国各地で活躍をしています。現在も、将来的にも人手不足に悩む日本にはベトナム人材の受け入れは有効な解決策の一つです。また、昨年11月からは介護分野など技能実習生の受入可能業種の拡大、更に今春には長期での就労を可能とする改正出入国管理法が施行され、受け入れの幅が広がりました。こういった動きからも引き続き注目のベトナム人材の受け入れですが、当のベトナムからの人材供給は安定的に続くのでしょうか?

実は、ベトナムにて活動をしているなかで、在ベトナム日系企業からよく聞かれる悩みが「人材不足」です。この人材不足には大きく分けて2種類あるのですが、ひとつが「マネジメント層の不足」、もうひとつが「ワーカーの不足」です。

「マネジメント層の不足」は、1975年のベトナム戦争終結、1986年の市場開放といった歴史的転換点からまだ日が浅く、マネジメントにあたる世代で日本語能力やマネジメントに必要なスキルを身につけている人材が少ないこと、転職経験がキャリアとされる現地での意識から長期雇用が難しいことなどに起因しているといわれています。「ワーカーの不足」については、急速な経済発展、外資の相次ぐ進出により、少しでも良い職場環境・賃金待遇を目指すワーカーの転職に起因しているといわれています。

人材不足に悩む在ベトナム日系企業は、残業を意識的に発生させ従業員の実質賃金を向上させる、従業員に会社負担で民間の医療保険を付保するなどの対策を講じ、人材の安定的確保に努めています。また、ベトナム現地の大学で奨学金を設定する、設備を寄付するなど、青田買いの対策を講じる企業もあらわれ、ベトナム国内では都市部を中心に人材獲得競争の様相を呈してきています。

外国向けの人材紹介会社、人材送り出し機関も人材確保のために同じく対策を行なっています。ベトナムのある技能実習生送り出し機関の代表は、自社の強みについて「地方政府と提携しており、今年も数百人の学生を確保している」と自負しています。これは反面、地方政府とのコネクションがない限り、安定的な人材確保が難しいともいえます。技能実習生の認定送り出し機関だけとっても国内では2019年10月現在でも329社もあり、こちらでも過酷な人材獲得競争が繰り広げられているのです。

日本の企業や団体もベトナム人材確保への対策を始めています。ある大手建設会社はベトナムに独自で職業訓練校を開設し、実務研修、日本語教育を行ない、育てた人材を日本に送り出していますし、人材紹介会社でも、ベトナムの大学内に自社の日本語コースを設置し、日本企業向けに紹介する学生の囲い込みを図っています。

これまでは企業優位の「買い手市場」ともいえたベトナム人材の採用ですが、今後は応募者優位の「売り手市場」に変化していくものと考えられます。そういったなかで、日系企業はベトナム国内企業、欧州企業や韓国企業をはじめとした諸外国の企業との競争に打ち勝つ人材を確保しなければなりません。ベトナム国内、国外の採用に関わらず、ベトナム人材の確保に向け、応募者のニーズを的確に捉え、戦略的に人材獲得に動き出す必要がありそうです。

(ホーチミン派遣 今井 雅也)

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テンプスタッフフォーラム株式会社

2019/12/02 :探訪

企業と人との「幸せな出会い」を創出し続ける会社を目指す      テンプスタッフフォーラム株式会社

総合人材サービス業として、自社の派遣スタッフを多くの県内企業等に供給しているテンプスタッフフォーラム。創業者である廣田代表から、事業の概要やこれまでの経緯、今後の展望などについて、お話をうかがいました。

 代 表 者 廣田 靖人(代表取締役CEO)

苅部 雄一(代表取締役社長COO)

所 在 地 新潟市中央区

創  業 1988年

資 本 金 5,150万円

社 員 数 136名

事業内容 総合人材サービス業( 労働者派遣事業、有料職業紹介事業、業務委託・請負事業)

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新潟県消費動向調査2019年冬期

2019/12/02 :自主調査(調査報告)

─「ボーナス支給予想」は低下。一方、「ボーナスの使途」では「買い物」「旅行・レジャー」が上昇しており、明るさもみられる─

はじめに

新潟県内の個人消費関連の経済指標をみると、百貨店・スーパー販売額は衣料品が低調だったことなどから前年を下回って推移していたものの、消費税の引き上げ直前には酒類や日用品のまとめ買いによって売上高の押し上げがみられた(図表1)。ただし、前回増税時に比べると伸び率は小幅にとどまった。家電大型専門店販売額はパソコンや4Kテレビ、白物家電などを中心に、好調に推移している。一方、乗用車(軽含む)新規登録・届出台数は人気車種のモデルチェンジの効果や駆け込み需要が幾分みられたことから前年を上回る推移が続いたものの、増税後は反動減などにより減少している。消費増税という特殊要因があったことから、増税前後で大きな振れ幅をともなう動きとなっており、足元の個人消費は駆け込み需要の反動が一部にみられる。

こうしたなか、個人消費の実態と先行きの動向を把握するため、9月上旬から下旬にかけて県内勤労者等2,000人(有効回答1,525人)を対象に、収入や消費支出の状況、今後半年間における消費支出項目の増減、近年登場した商品・サービスの利用状況、ボーナス等についてアンケート調査を実施した。

1収入の推移

─収入は2期ぶりに上昇─

〈半年前と比較した収入について〉

半年前と比べて収入が「増えた」と回答した人の割合は15.1%、「減った」と回答した人の割合は16.2%となり、収入CSIは▲1.1となった(図表2)。収入CSIは2019年夏の調査と比べて4.1ポイント上回っており、2期ぶりに上昇した。

年代別でみると、19年夏の調査と比べて「増えた」と回答した人の割合は40代を除くすべての年代で上昇している一方、「減った」と回答した人の割合はすべての年代で低下している(図表3)。

〈今後半年間の収入について〉

今後半年間の収入についても同様に尋ねたところ、収入予想CSIは▲10.8となった(図表2)。収入予想CSIは足元の収入CSIと比べて9.7ポイント低くなっており、慎重な見通しが示されている。

年代別では、足元の収入CSIと比べて収入予想CSIが上昇しているのは50代、60代以上のみとなっている。

※ CSI(Consumer Survey Index)

アンケートの回答結果を指数化したもので、ここでは「増えた・増えそう」と回答した人の割合から「減った・減りそう」と回答した人の割合を差し引いた数値のことをいう。CSIは、収入・消費支出が増加(改善)基調か減少(悪化)基調かといった「変化の方向」と、拡張・後退が速いか遅いかといった「変化のテンポ」を示すものである。

2消費支出の推移

─消費支出は2期ぶりに低下するも、先行きは上昇する見通し─

〈半年前と比較した消費支出について〉

半年前と比べて消費支出が「増えた」と回答した人の割合は30.0%、「減った」と回答した人の割合は5.6%となり、消費支出CSIは24.4となった(図表4)。消費支出CSIは19年夏の調査と比べて3.1ポイント下回って2期ぶりに低下した。調査時期が消費税引き上げの直前であったものの、目立った駆け込み需要は生じなかった模様である。

〈今後半年間の消費支出について〉

今後半年間の消費支出についても同様に尋ねたところ、消費支出予想CSIは28.4となった(図表4)。

消費支出予想CSIは、足元の消費を示す消費支出CSIと比べて4.0ポイント高くなっており、先行きの消費は緩やかに増加する見通しが示されている。

年代別でみると、30代を除くすべての年代で足元に比べて先行きの消費支出の増加が見込まれている。

3今後半年間における消費支出項目

─「増えそう」は「食費(外食費を除く)」がトップ─

今後半年間の消費支出について「増えそう」な支出項目と「減りそう」な支出項目をそれぞれ尋ねた(複数回答)。

〈消費支出が増えそうな項目〉

「増えそう」と回答した人の割合は「食費(外食費を除く)」が最も高く、41.0%となった(図表5)。以下「日用品(生活雑貨・消耗品等)」「教育費(学費・学習塾・教材費等)」などの順となっており、比較的購入頻度の高い項目が上位となっている。

〈消費支出が減りそうな項目〉

「減りそう」と回答した人の割合は「趣味・娯楽費(書籍・スポーツ・アウトドア用品等)」が最も高く27.1%となった(図表6)。以下「外食費」「小遣い(含む交際費)」などの順となっており、余暇関連の項目が上位に挙がっている。

4近年登場した商品・サービスで半年以内に利用したもの

─「ネットショッピング」が7割近くでトップ─

近年登場した商品・サービスのうち、最近半年以内に利用したものを尋ねたところ(複数回答)、「ネットショッピング」が66.0%と最も高くなった(図表7)。以下「定額制の映像配信・雑誌読み放題・音楽配信等サービス(Amazonプライム・dマガジン・Applemusic等)」(17. 1%)、「フリマアプリ(メルカリ、ラクマ等)」(14. 2%)、「オンラインゲーム」(12.2%)などの順となっている。一方で、「家計簿アプリ」(4.9%)、「ネットスーパー」(4.4%)、「投資アプリ」(4.3%)などの利用は一部にとどまっている。

調査対象などに違いがあるため単純に比較はできないものの、当センターが12年4月に実施した「ネットショッピングに関するアンケート調査」によると、「ネットショッピング」の利用について「半年に1回程度以上」と回答した人の割合は51.3%となっていることから、約7年間で15ポイント程度上昇している。

性別では、男女とも「ネットショッピング」の割合が最も高くなっているものの、男性は女性に比べ「ネットオークション」「オンラインゲーム」などの割合マアプリ」などが高くなっている。

年代別にみると、「ネットショッピング」のほか「定額制の映像配信・雑誌読み放題・音楽配信等サービス」「フリマアプリ」など、主にスマートフォンを使ったサービスの利用については若年層ほど高い割合になっている。

5ボーナス支給予想

─ボーナスの支給予想は18年冬の調査に比べて低下─

今冬のボーナスが昨年の冬と比べて「増えそう」と回答した人の割合は6.3%、「減りそう」と回答した人の割合は15.3%となった(図表8)。ボーナス支給予想CSIは▲9.0となり、18年冬の調査に比べて2.8ポイント下回ったものの、基調としては横ばい圏内で推移している。

今冬のボーナス支給予想CSIを18年冬の調査と比べると、「増えそう」と回答した人の割合は40代、50代でわずかに上昇している(図表9)。一方で、「減りそう」と回答した人の割合はすべての年代で上昇している。

6ボーナスの使途

─「預貯金等」がトップ─
 
今冬にボーナス支給があると回答した1,115人を対象に、ボーナスの使途について尋ねたところ(複数回答)、「預貯金等」の割合が49.6%となり最も高くなった。(図表10)。以下「買い物」「生活費の補填」「旅行・レジャー」などの順となった。

18年冬の調査と比べると「買い物」「旅行・レジャー」などの割合がやや上昇した一方、「生活費の補填」「預貯金等」などの割合が低下した。

ボーナスの使途を年代別にみると、全ての年代で「預貯金等」が第1位となった(図表11)。第2位は10~20代で「旅行・レジャー」、30代で「買い物」となっており、40代、50代、60代以上で「生活費の補填」となった。

まとめ

今回の調査結果によると、19年夏の調査と比べて「収入」は上昇した。一方、「消費支出」は足元では低下したものの、先行きをみると増加する見通しとなっている。

ただし、今後半年間で「消費支出が増えそうな項目」には「食費(外食費を除く)」「日用品(生活雑貨・消耗品等)」といった購入頻度の高い項目への支出が上位に挙がっているのに対して、「消費支出が減りそうな項目」では「趣味・娯楽費(書籍・スポーツ・アウトドア用品等)」「小遣い(含む交際費)」といった余暇関連への支出が上位となっており、節約志向がやや高まっていることがうかがえる。これらを踏まえると先行きの消費支出の増加は、購入頻度の高い項目への支出が消費増税にともなって増加することを見越している面もあり、一概に積極的な消費拡大の表れとは言い難い。

一方で、「ボーナスの使途」においては「買い物」「旅行・レジャー」の割合が上昇するなど明るさもみえることから、消費マインドが過度に悪化していく可能性は小さいと思われる。加えて、消費増税にあわせて軽減税率制度やキャッシュレス・消費者還元事業といった政府による家計への負担軽減対策が手厚く講じられていることなどから、駆け込み需要の反動減によって消費支出が落ち込むことはあっても一時的なものにとどまるとの見通しが一般的となっている。

ただし、米中貿易摩擦などによって企業の業績が下振れすることで雇用・所得環境が悪化することになれば、消費増税による節約志向の高まりと相俟って消費マインドの低下が長期化する可能性があり、注意が必要である。

(2019年11月 近 由夏)

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「キャッシュレス決済」に関するアンケート調査

2019/12/02 :自主調査(調査報告)

─今後、クレジットカード、カード型の電子マネー、QRコード決済を中心にキャッシュレス決済が増える見込み─

はじめに

2019年10月より「キャッシュレス・消費者還元事業」が開始された。これは、消費税が引き上げられる10月1日から9カ月間、対象となる中小の小売店や飲食店等で、クレジットカードや電子マネー等を使って代金を支払うと、最大で5%分のポイントが戻ってくる政府の取り組みである。こうしたなか、県内のキャッシュレス決済の利用動向を把握するため、9月上旬から下旬にかけて県内勤労者等2,000人(有効回答1,492人)に対してアンケート調査を実施した。

1キャッシュレス決済の現状

(1)キャッシュレスとは

─ 物理的な現金(紙幣・硬貨)を使用しなくても活動できる状態─

キャッシュレスについては統一的な定義が存在しない。そのため、経済産業省では「キャッシュレス・ビジョン(平成30年4月)」において、「物理的な現金(紙幣・硬貨)を使用しなくても活動できる状態」をキャッシュレスとしている。

また、一般社団法人キャッシュレス推進協議会では店頭での主なキャッシュレス決済を「接触型」「非接触型」「コード型」の3つに分類している(図表1)。

本稿では上記などを踏まえ、「クレジットカード」「電子マネー」「デビットカード」「QRコード決済」「非接触型決済」などを具体的なキャッシュレス決済手段とした。

(2)キャッシュレス決済金額の推移

─キャッシュレス決済金額は拡大が続く─

日本銀行の「キャッシュレス決済の現状」などを参考に主なキャッシュレス決済である「クレジットカード」「電子マネー」「デビットカード」の決済金額を合わせると、増加傾向で推移している(図表2)。2014年に合計で約51兆円だった決済金額は18年までに約74兆円まで増加している。

一方、経済産業省の「キャッシュレス・ビジョン(平成30年4月)」によると、国の家計最終消費支出に占めるキャッシュレス決済の比率を諸外国と比較すると、日本のキャッシュレス比率は18.4%と低い水準にあり、大阪・関西万博(2025年)に向けて、キャッシュレス決済比率を40%とする目標が掲げられている。

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グラフで見る県内経済2019年12月(十月の新潟県経済)

2019/12/02 :グラフで見る県内経済

概況:横ばいで推移している県内経済生産活動弱含んでいる

公共投資は持ち直している。設備投資や住宅投資は概ね横ばいで推移している。一方、個人消費は駆け込み需要の反動が一部にみられ、生産活動は弱含んでいる。

生産活動:弱含んでいる

8月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比1.0%低下して101.0となった。出荷指数は同1.0%上昇して102.8となった。在庫指数は同1.9%低下して100.2となった。

汎用・生産用・業務用機械や化学は海外からの受注が減少しており、弱い動きとなっている。

輸送機械は、海外で新車販売が低迷していることから自動車部品などの生産に落ち込みがみられ、低調となっている。

金属製品は作業工具などが底堅く推移している一方、暖房等装置の減産により前年を下回っている。

食料品は包装米飯や水産練製品などが好調なことから、堅調な動きとなっている。

6-8月期の3カ月平均値でみた在庫循環図(注)では、「在庫積み上がり局面」にある。

(注)在庫循環図:出荷と在庫の伸び率を比較することによって景気循環を判断する図。在庫循環図では景気循環に応じて、①意図せざる在庫減局面→②在庫積み増し局面→③在庫積み上がり局面→④在庫調整局面、という動きとなり、理論上は反時計回りで変化する

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もうひとつのキャッシュレス化 ─国庫金の電子収納─

2019/12/02 :感頭言

日本銀行 新潟支店長    佐久田 健司

「キャッシュレス化」という言葉に触れる機会が増えたと感じる方は、きっと少なくないでしょう。確かに、新潟県内でも、「○○ペイ」「××pay」といったロゴを見かけることは、珍しくなくなっています。

「キャッシュレス化」は、別のかたちでも進んでいます。「国庫金の電子収納」がそれです。日本銀行は、政府や金融機関のご協力を得ながら、国の税金など国庫金の電子収納の仕組みを整備し、その利用の拡大に取り組んでいます。例えば、国庫金の納付書に「ペイジー」のマークがあれば、金融機関の窓口に行かなくとも、インターネットバンキングなどで簡単に納付ができます。また、国税の種類によっては、あらかじめ口座振替の手続きをとっておけば、ウェブサイトでの申告と同時に納付ができるようにもなっています。

「そうは言うけど、今まで通り、書類と現金を持って窓口に行けばいいや」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、そうでしょうか。「ペイジー」をきっかけに、インターネットバンキングでより幅広いサービスを利用していけば、メリットは広がります。そこからさらに、企業の経理・会計事務のIT化を図ることもできます。そうなれば、事務効率化や人手不足対策にもつながっていくはずです。少なくとも、できることはやってみる、その積み重ねが大切、とは言えるでしょう。

東京などと比べれば、新潟では金融機関の店舗が近くにないことも少なくありません。そして、夏の暑さや冬の雪、人口の高齢化は、いずれも、人を「出掛けづらくさせる」要因です。とすれば、電子化・IT化のメリットは、新潟のような地域でこそ大きいはずです。このことは、国庫金だけではなく、より広い範囲のことがらにもあてはまるように、私には思われます。

10月には、すべての地方公共団体への電子納税を可能とする「地方税共通納税システム」がスタートしました。さらに便利となる「もうひとつのキャッシュレス化」、ひとりでも多くの方にご利用頂けたら幸いです。

(さくた けんじ)

※ホクギン経済研究所「ホクギンマンスリー」での「窓」と共同掲載させていただきました。

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