2月2020

今すぐできる選りすぐりのアイデア 第47回

2020/02/03 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

良い印象を作る要約

先日、運転中にラジオを聴いていた家内がこういいました。

「このパーソナリティは毎回番組の最後にその日のゲストと話したことをもう一度まとめて話しているのでとても印象がいい。丁寧な人柄が感じられる」

そのラジオ番組は毎回ゲストを招いているトーク番組です。パーソナリティが質問をしてゲストが答える形で番組が進行します。普通の番組は終了時間になると

「では、今日はこのへんで!さようなら」

と終わる番組が多いのですが、この番組のパーソナリティはゲストとのトークが終わった後で

「さて、今日はゲストの○○さんから※※※についてのお話を伺いました。ご活躍の陰では□□□といった努力をされているのですね。個人的にはお話の中に出てきた△△という言葉が私はとても印象に残りました。また、プライベートでは**な面もあるということが分かり意外で驚きました。それではまた来週お耳にかかりましょう」

と、その日の話を要約して総括するのです。その最後の部分に家内は丁寧な人柄を感じたのです。

家内の言葉を聞いたときに、私は以前にあるカリスマ講演家から教えていただいたことを思い出しました。そのカリスマ講演家は次のようにいっていたのです。

「プレゼンテーションを行う時や人前で話す時には一通りの説明をしたらそのまま終了してはいけない。最後の最後にもう一度その日の話した内容を要約する、大事なポイントを再度簡単に要点をまとめて説明することが大切。そうすると聞き手の頭に残りやすい」

つまり、

「…さて、ここまでにコスト削減について1時間にわたってお話をしてきましたが、最後にもう一度要点をまとめてみましょう。コスト削減のポイントは3つありました。みなさん、覚えていますか?1つ目は…。2つ目は…。そして3つ目は…です」

というように大切な点を最後にもう一度説明するのです。こうすると受け手の記憶に残りやすくなり、印象もよくなると教えていただいたことがあります。

プレゼン、交渉、セールス、スピーチでは相手に良い印象を残したい、記憶にとどめてもらいたい場合には最後に要約して総括するのが良いようです。
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日本の決定的弱点

2020/02/03 :観光イノベーションで地域を元気に

株式会社 井門観光研究所 取締役  井門 隆夫(いかど たかお)氏

─生産性の低い理由はPCリテラシー─

1.不安の原因

近年稀にみる暖冬と雪不足、緊迫する中東情勢で幕を開けた2020年。記念すべき東京五輪の年とはいえ、地球温暖化の影響で毎年のようにやってくる豪雨災害や高まる地震リスクがあちこちでささやかれている。

観光需要を予測する際、国内観光旅行実施率には「前年の実質賃金」が影響しており、その数値を把握できれば翌年の観光の動向がある程度予測できるが、実質賃金は、2018年には微増傾向だったのとはうって変わり、2019年は全く上昇しなかった。つまり、2020年の国内旅行実施率は残念ながら下落すると予想できる。

日本の実質賃金は1997年から下落傾向が顕著で、賃金は年々上昇するのが当たり前の世界の国々の中にあって、国際的にも大きく取り残されている。GDPの伸びとも連動せず、金融緩和をしても給与に反映されない理由として、企業が全て貯金にまわし、内部留保しか増えていかないことや、日本企業の労働生産性の低さが指摘されている。

内部留保ばかりが増える背景は「将来不安」のひと言で説明できるだろう。若者が増えない人口構成、雪だるま式に増えていく社会保障費、高齢者しか増えない労働者構成における人件費上昇リスク、今後進めていきたいICT投資、目先の債務の返済、そして万一の天災リスクへの備え。企業が資金を貯めておきたい理由を数えると限りがなく、増えゆく内部留保については仕方がないと考えるしかない。

一方、労働生産性の低さについては、長年OECD加盟国中低い順位を続けており、仕方がないと考えるには無理があり、この点が日本の決定的な弱点であり、消えない不安の原因といっても過言ではない。

労働生産性が低い理由については、企業の多くを占める中小企業の収益性の低さが犯人とされることが多い。では、仮にそうだとして、なぜ中小企業の収益性が低いのか。

それは規模の恩恵にあずかれないという理由や、都市と地方における需要の差であるとか、サービス業が多い、給与制度や就業形態が旧来のまま、株主と経営者が同じため株主圧力がない等、様々な理由が考えられると思うが、そのなかでも私は「PCリテラシーの低さ」が致命的という仮説を持っている。

これは、高齢社員が多いからという理由だけではない。若者でもPCを操作できない人が実に多い。そこで必ず出てくるのが「スマホを使えればいいじゃん」という言い訳だが、日本でしか通用しないフリック入力の速さを競ったところで、ガラパゴス化した日本で低い賃金のまま生きていくことしかできない。大学生でも、学力の低い学生はPC操作が苦手だし、偏差値の低い大学ほど扱えない。人差し指でキーボードをたたく大学生たちが世界中でどこにいるだろうか。グラフを作らせたり、論文を書かせたりすると如実に差が表れる。採用時も面接に時間をかけるより、目の前でPC操作をさせてみることで簡単に選考が終わるはずだ。

世界の国々と比べても、日本の子供のPC所有比率は圧倒的に低い。それは親が使わないからだろう。加えて、学校の教員も使えない。これでは、労働生産性の低い国民を再生産するだけだ。

そのため、大企業では入社前のPC学習が必ず行なわれ、ExcelやWordについて一定程度のレベルの作業ができることが求められる。卒業直前になり、焦ってPCに向かう学生の姿を冬になるとよくみかけるのはそのせいだ。大学でも卒業論文指導の8割までがPC操作(文章の書き方、集計・分析のしかた、グラフの作り方等)だという現実を誰が知っているだろう。新入社員に対して「大学で何を学んだの」という指摘はまさにその通りだ。日本のPCスキルは学校ではなく、企業で学んでいる。

それでは、中小企業では入社前もしくは社員のPC教育が行なわれているだろうか。PCを使い数値を分析し、様々な相関値を出して、将来を予測し対策を練るといったマネジメントを繰り返しているだろうか。日常的にデータが共有されているだろうか。観光地でも同じく。DMOでは、そうした分析に基づくマーケティングを実践できているだろうか。

国も焦っているのか、小学生にプログラミングを教えることになったが、そもそもそれ以前にもっと簡単なことから始めてはどうだろう。

つまり、国内観光旅行の実施率を上げるには、日本人の実質賃金と労働生産性の向上が必要であり、そのためにはPC操作が他の国々並みにできるようになることが必要だと思う。

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第35回 上海/バンコク

2020/02/03 :海外現地レポート

バンコク        第四銀行  営業本部

早すぎた高齢化社会

多くの人が東南アジア諸国に対して、出生率が高い「若い国」という印象を持っているのではないでしょうか。意外かもしれませんが、タイは経済発展の過程で「高齢化社会」が急速に進んでいる国の一つです。今回はタイの高齢化社会とそれに付随する医療・介護についてレポートします。

国連が発表した統計によると、タイは総人口のうち65歳以上が占める割合(高齢者割合)が7%以上という「高齢化社会」に突入しています。さらに、2030年には同割合が21%以上である「超高齢社会」と近い状況になることが予想されています(下図)。タイの高齢化は日本を上回るスピードで進行しており、近い将来、高齢者への生活支援が社会問題化する可能性が極めて高いといわれています。

タイの合計特殊出生率(一人の女性が産む子供の数の平均)は年々低下しています。2019年の同国の出生率は1.50と予想されており、人口を維持できる水準である2.07を大きく下回っています。日本でも少子化が社会問題となっていますが、2018年の日本の出生率は1.42となっており、タイは日本とほぼ同水準になりつつあります。主な要因は、教育レベルが上昇したこと(タイの大学進学率は50%超でASEAN1位)、女性の社会進出が多くなったことがあげられ、バンコクに住むタイ人女性に限ると、およそ3割が未婚であるといわれています。

タイでは、医療技術の進展による平均寿命の延伸も高齢化の要因となっています。タイの平均寿命は2010年頃には70才前後でしたが、近年では75才前後にまで延びました。

医療技術や衛生管理などの病院のレベルを測る世界的に有名な基準として「JCI(医療施設認定合同機構)認証件数」といった基準があります。タイ国内でJCI認証を受けた病院数は68件(2019年9月末時点)とASEAN10カ国で最多となっており、また世界的にみても日本が12位であるのに対し、タイは4位と高水準の医療が提供されていることが窺えます。同国は既に高い医療技術を持っていますが、国策としてロボットや次世代自動車と並び「医療・健康分野」についてもさらなる発展のため、推進を図っています。

高齢者の割合が大きくなるにつれ、介護需要が増加することは明らかです。タイには公的な介護保険制度がないことから、家族による自宅内での介護が一般的となっています。またタイの国民には「家族が一番大切」とする文化が強く残っており、家族の一員を介護施設に預けることは「親不孝だ」といった価値観があることも介護に対する考え方に大きく影響しています。日本では被介護者に対して「自立支援」を促すこともサポートの一つといった見方がありますが、タイでは「家族に無理にリハビリをさせたくない」といった考えをもつ家族も多く、介護に対する概念は日本とは異なっています。しかし、予想を上回るペースの高齢化によって、今後はタイ人の介護に対する価値観も変化していくかもしれません。

タイは高齢化社会に対して、年金などの社会保障施策や子育て支援等の財源が大幅に不足しているなど、多くの課題を抱えています。経済発展レベルからみると、タイは「早すぎた高齢化社会」といわれており、タイ政府は早急な対策を迫られています。

(タイ派遣 小池 貴大)

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株式会社 美装いがらし

2020/02/03 :探訪

ブラウス製造のトータルカンパニーを目指す  株式会社   美装いがらし

婦人用ブラウス等の製造販売を行なう株式会社美装いがらし。近年は、ガーゼ素材を使った自社ブランド「ao」が百貨店などで人気を呼んでいます。創業以来の経緯やブランド展開の狙いなどについて、五十嵐社長からお話をうかがいました。

代 表 者 五十嵐 紘英(いがらし・こうえい)

所 在 地 糸魚川市大字中宿

創  業 1967年

資 本 金 2,000万円

社 員 数 62名

事業内容  レディースシャツ・ブラウスの企画・製造・販売 続きを表示…

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新潟県企業動向調査 2019年下期

2020/02/03 :自主調査(調査報告)

─業況感は一時的に持ち直すも再び悪化。「経営上の問題点」では「生産・受注・売上の不振」「人材不足」の割合が上昇─

1はじめに

最近の国内経済の動向を実質GDP成長率(季節調整済・2次速報値)によりみると、2019年7-9月期は前期比0.4%増と4四半期連続で前期を上回った。輸出の減少により外需は低迷したものの、個人消費や設備投資など内需が牽引し緩やかな回復が続いている。

一方、県内経済においては米中貿易摩擦などを背景に海外からの受注が減少し、生産活動は低調に推移している。個人消費は消費増税前に駆け込み需要がみられた後、10月以降は耐久消費財などに反動減が生じている。これに対して、19年度の県などの公共工事関連の予算が前年度を上回っていることから、公共投資は緩やかに増加しており、県内経済を下支えしている。

こうしたなか県内景気の現状と先行きを把握するため、県内企業1,000社(有効回答705社)を対象にアンケート調査を実施した。

2業況

(1)全産業

─業況感は悪化。先行きも慎重な見通し─

2019年7-9月期における県内企業の業況判断BSI(※)は▲10.4となった(図表1)。公共工事の増加や消費増税前の駆け込み需要などを背景に、19年4-6月期の▲13.6から3.2ポイント上昇した。

続く19年10-12月期(含む実績見込み)は▲25.5となり、同7-9月期と比べて15.1ポイント低下した。天候不順や自然災害の影響、駆け込み需要の反動などから非製造業を中心に低下し、19年上期調査時点における見通しBSI(▲16.0)も下回った。

先行きを示す見通しBSIは20年1-3月期が▲28.5、続く同4-6月期は▲27.9と、19年10-12月期の実績見込みに比べてやや悪化が見込まれており、慎重な見通しとなっている。

(※)BSI(ビジネス・サーベイ・インデックス)とは、アンケートの回答結果を指数化したものである。本稿でのBSIとは、業況あるいは先行きの見通しなどが「良い」か「悪い」かという質問に対して「プラス(良い、増加等)」「中立(不変等)」「マイナス(悪い、減少等)」の3つの選択肢を用意して、「プラス」と回答した企業の割合から「マイナス」と回答した企業の割合を差し引いた数値のことをいう

(2)業種別

業況判断BSIを業種別にみると、製造業は19年7-9月期が▲21.6となり、19年4-6月期比5.6ポイント低下した(図表2)。

続く19年10-12月期は▲27.1と、同7-9月期に比べてさらに5.5ポイント低下し4四半期連続で悪化した。一般機械が横ばいとなったものの、それ以外のすべての業種で低下しており、特に繊維、木材・木製品、窯業・土石、鉄鋼などが大きく低下した。

なお、最近の業況などに関して自由回答形式で尋ねたところ、製造業からは「五輪関連の建設が活況を呈しており業況は改善している」(金属製品)との声がある一方、「米中貿易摩擦によって業界全体で受注量が減少している」(その他製造)といった声が寄せられた。

非製造業は19年7-9月期が▲2.4となり、19年4-6月期比9.5ポイント上昇した。公共工事の増加や消費増税前の駆け込み需要から、建設や小売などの業種で上昇した。

続く19年10−12月期は▲24.5となり、同7-9月期比22.1ポイント低下した。前期に大きく上昇した反動もありすべての業種で低下し、なかでも卸売や小売の低下幅が大きかった。

非製造業の業況については「公共工事の発注増加により売上高が増加している」(建設)との声がある一方、「増税前の7-9月期には荷動きが増加し業況が改善したものの、10月以降は荷動きが停滞していると感じる」(運輸)といった声が挙がった。

先行きは製造業、非製造業ともにさらに低下する見通しが示されている。

(3)規模別

業況判断BSIを規模別にみると、19年7−9月期は大企業が6.3、中堅企業が20.8、中小企業が▲13.6となり、19年4-6月期と比べてすべての規模で上昇した(図表3)。

続く19年10-12月期は大企業が▲9.4、中堅企業が▲29.2、中小企業が▲26.1となり、同7-9月期比でいずれも低下した。

先行きは大企業や中堅企業で概ね上昇する一方、中小企業では低下が見込まれている。

3生産・売上、在庫

(1)生産・売上

─2期連続の低下。先行きも低下する見通し─

19年7-12月期(以下、今期)の生産・売上BSI(「増加」−「減少」)は▲16.9となった(図表4)。19年1-6月期(以下、前期)から7.4ポイント低下し、2期連続で前期を下回った。

業種別にみると、製造業は▲22.9となり前期から7.6ポイント低下した。化学や木材・木製品などが上昇しているものの、食料品や電気機械などが低下している。また、非製造業は▲12.6となり、前期から7.1ポイント低下した。小売が上昇しているものの、運輸やサービス他などが低下している。

生産・売上については「大手ECサイトへの出店により売上高が増加した」(卸売)との声がある一方、「値上げした商品の販売が減少しており、消費マインドの低さを感じる」(食料品)といった声が聞かれた。

先行きを示す20年1−6月期(以下、来期)のBSIは、▲27.2と今期に比べ低下する見通しである。

(2)在庫

─2期連続で在庫は積み上がり─

今期の製・商品在庫BSI(「過剰」−「不足」)は5.2となった(図表4)。前期から1.7ポイント上昇し、2期連続で前期を上回った。

業種別でみると、製造業は10.3となり前期から7.1ポイント上昇した一方、非製造業では1.7と前期から2.1ポイント低下している。

来期は4.3とほぼ横ばいで推移する見通しである。

4仕入・販売価格

(1)仕入価格

─2期連続で低下し、低下傾向が続く見通し─

今期の仕入価格BSI(「上昇」-「低下」)は35.9となった(図表5)。前期から5.4ポイント低下し、2期連続で前期を下回った。

業種別にみると、製造業は42.5となり前期から6.3ポイント低下した。木材・木製品、繊維などの業種で低下している。非製造業は31.2となり、前期を5.0ポイント下回った。すべての業種で低下しており、特に運輸、卸売などの低下幅が大きくなっている。

仕入価格については「原材料の供給状況が不安定であることから、価格面・調達面の予測ができず苦慮している」(食料品)との声や「燃料価格が以前より下落した」(運輸)といった声もあった。

来期のBSIは32.3となり、今期に比べて3.6ポイント低下する見通しとなっている。

(2)販売価格

─小幅ながら2期連続で低下─

今期の販売価格BSI(「上昇」-「低下」)は6.0と前期に比べて2.8ポイント低下し、2期連続で前期を下回った(図表5)。

業種別にみると、製造業が2.4となり前期から2.8ポイント低下した。また、非製造業は8.5となり前期から2.7ポイント低下している。

販売価格については「値上げ交渉できる環境になってきている」(運輸)といった声がある一方、「取引先から要請された予算内での製造が求められ、価格の引き上げは難しい」(金属製品)といった声が寄せられた。

来期のBSIは1.8となり、今期に比べて4.2ポイント低下する見通しとなっている。

なお、販売価格BSIと仕入価格BSIの差は▲29.9と前期から2.6ポイント上昇した(図表5)。仕入価格、販売価格ともに低下しているものの、仕入価格の低下幅の方が大きくなっており、価格転嫁がやや進んでいる。

来期のBSIは仕入価格、販売価格とも低下が予想されている。

5採算

(1)採算

─2期連続で前期を下回った─

今期の採算BSI(「好転」-「悪化」)は▲17.4となった(図表6)。前期比5.2ポイント低下し、2期連続で前期を下回った。

業種別にみると、製造業は▲22.9となり前期比2.7ポイント低下した。化学やその他製造は上昇した一方、鉄鋼や電気機械などが低下している。非製造業は▲13.6となり、同6.9ポイント低下した。全業種で低下しており、特に運輸や建設などが大きく低下している。

採算については「仕事の平準化やコスト削減により、収益が向上した」(輸送機械)といった声がある一方、「販売は好調だが、競争激化により販売価格が低下しているほか、原材料の高騰により採算が悪化している」(化学)といった声も聞かれた。

来期のBSIは▲24.3となり、今期に比べ6.9ポイント低下する見通しとなっている。

(2)採算好転・悪化の理由

─悪化要因では「売上数量の減少」がトップ─

今期の採算が「好転」したと回答した企業にその理由を尋ねたところ(複数回答)、「売上数量の増大」(61.5%)の割合が最も高く、以下「販売価格の上昇」(26.2%)、「経営の合理化」(21.5%)などが続いた(図表7)。

なお、19年上期調査と比べると、「経営の合理化」や「仕入価格の低下」が高くなった一方、「売上数量の増大」が大幅に低下している。

一方、今期の採算が「悪化」したと回答した企業にその理由を尋ねたところ(複数回答)、「売上数量の減少」(76.6%)が最も高く、以下「人件費などの固定費負担の増加」(35.1%)、「仕入価格の上昇」(30.9%)などが続いた(図表8)。

なお、19年上期調査と比べると、「売上数量の減少」や「人件費などの固定費負担の増加」などの割合が高くなっている。

6雇用

(1)全産業・業種別

─ 製造業は雇用の不足感が緩和傾向にある一方、非製造業では不足感が強まる─

正社員の充足状況をみると、今期の雇用BSI(「過剰」-「不足」)は▲40.0となった。前期比0.1ポイント低下しほぼ横ばいで推移したものの、依然として雇用の不足感は強い状況にある(図表9)。

業種別にみると、製造業は前期比2.9ポイント上昇の▲28.1となり、2期連続で前期を上回った。化学、鉄鋼などでは低下したものの、木材・木製品や一般機械などが上昇した。一方、非製造業は前期比2.4ポイント低下し▲48.4となった。2期ぶりの低下となり、非製造業の雇用の不足感は継続的に雇用BSIの調査を開始した1993年下期調査以来、最も強くなっている。卸売は上昇したものの、小売、運輸では低下している。

雇用については「人手不足で受注増加に対応できない」(その他製造)、「人員確保が新規出店において最大の障害となっている」(小売)といった人手不足による機会損失を挙げる声が挙がっている。また、「求人広告などの費用が増大しているうえ、最低賃金の上昇などにより常に給与の見直しが必要となっている」(サービス他)など、人件費の増加に苦慮する声も聞かれた。一方、「人手不足、人件費高騰を背景に、物流システムの合理化・省力化の引き合いが増えている」(一般機械)、「業界全体で人手不足が大きな問題となっていることから、新しい技術取得に向けて取り組んでいく必要がある」(建設)といった、人材不足を契機とした新たな動きもみられる。

(2)職種別

─「専門・技術」「営業・販売」などで不足感が強まる─

職種別の雇用BSIをみると、「専門・技術」で▲41.8となり不足感が最も強く、以下「営業・販売」(▲34.5)、「生産・建設」(▲29.5)などが続いている(図表10)。

前期と比べると、「営業・販売」や「専門・技術」で不足感が拡大している。また、「生産・建設」は不足感がやや拡大しているものの、内訳を業種別にみると建設業が大きく低下している一方、製造業では上昇している。

7経営上の問題点

─「 生産・受注・売上の不振「」人材不足」などの割合が上昇─

経営上の問題点を尋ねたところ(複数回答)、「人材不足」(63.5%)の割合が最も高く、以下「生産・受注・売上の不振」(43.3%)、「先行き見通し難」(35.7%)、「人件費の増加」(30.9%)などが続いている(図表11)。

業種別にみると、製造業は非製造業に比べて「仕入価格の上昇」「生産・受注・売上の不振」の割合が高くなっている一方、非製造業は製造業に比べ「人材不足」「競争・競合激化」の割合が高くなっている。

また、19年上期調査と比べると、「仕入価格の上昇」などの割合が低下した一方、「生産・受注・売上の不振」「人材不足」などの割合が上昇している。

8設備投資

(1)設備投資計画

─19年度の設備投資額は前年度並みとなる見込み─

19年度における設備投資の実施企業割合(含む見込み)は63.6%となり、18年度実績を5.2ポイント上回る見込みとなっている(図表12)。

実施企業割合を業種別にみると、製造業が78.3%、非製造業が53.2%となり、いずれも18年度実績を上回っている。

19年度の設備投資額(含む見込み)は18年度実績比1.8%増となっている(図表12)。前年度並みで推移する見込みとなっているものの、19年上期調査(4.6%減)より上方修正されている(図表13)。

業種別にみると、製造業は18年度実績比0.7%増となっている。内訳をみると、金属製品や繊維などで減少しているものの、電気機械や窯業・土石などで増加している。また、非製造業は同4.2%増となっている。建設やサービス他が減少しているのに対して、運輸や小売などが増加している。

規模別にみると、中堅企業が18年度実績比21.7%減と前年度を下回っている一方、大企業が同4.1%増、中小企業が同3.0%増と前年度を上回っている。

(2)設備投資の目的

─「 情報化(IT)投資「」既存機械・設備の入れ替え」などが上昇─

19年度における設備投資の目的をみると(複数回答)、「既存機械・設備の入れ替え」(68.6%)の割合が最も高く、以下「省力化・合理化」(26.8%)、「生産能力増大のための機械・設備導入」(27.6%)などの順となっている(図表14)。18年度実績と比べると、「情報化(IT)投資」「既存機械・設備の入れ替え」などが上昇した一方、「生産能力増大のための機械・設備導入」「省力化・合理化」などがやや低下した。

9消費増税の影響

(1)売上高

─7割超の企業が売上高は「変わらない」と回答─

消費税が引き上げられた10月以降、消費増税の影響で売上高が変化したかを尋ねたところ、「変わらない」の割合が最も高く、70.2%となった(図表15)。以下「やや減少している」(14.6%)、「減少している」(6.0%)などの順となり、この両者を合計した『どちらかといえば売上高が減少している』の割合は20.6%となった。設問の仕方や調査対象などに違いがあるため単純に比較はできないものの、当センターが前回増税後の14年5月に実施した14年上期企業動向調査によると、増税後の反動減について『反動減が生じた』と回答した割合は45.9%となり、今回調査の結果を大きく上回っている。現時点で増税の影響による売上高の落ち込みは、前回増税時よりも小幅にとどまっている模様である。

業種別にみると、『どちらかといえば売上高が減少している』と回答した割合は製造業で17.8%、非製造業で22.5%となっており、なかでも小売(52.2%)、繊維(42.9%)、木材・木製品(33.4%)などで高くなっている。

(2)終息時期

─『19年度内に終息』が約半数を占める─

『どちらかといえば売上高が減少している』と回答した企業に、消費増税の影響による売上高減少の終息時期を尋ねたところ、「わからない」(36.6%)の割合が最も高くなった(図表16)。以下「2020年1〜3月頃」(22.1%)、「2019年内」(20.7%)の順となっており、この両者と「既に収束している」を合わせた『19年度内に終息』の割合は49.7%と約半数を占めている。

なお、「わからない」と回答した企業の割合は製造業で44.2%、非製造業で32.3%となっており、消費増税の影響について製造業の不透明感が高くなっている。

10社員教育

(1)実施内容

─8割以上の企業が社員教育を実施─

人手不足が続くなか、企業では社員の能力の向上が課題のひとつとなっており、その解決手段として社員教育が注目されている。

そこで社員教育の現状を尋ねたところ(複数回答)、「資格取得支援制度」「計画的なOJTの実施」「OFF-JTの実施」など何らかの『社員教育を実施している』企業の割合は81.4%となった(図表17)。なお、社員教育の具体的な内容をみると、「資格取得支援制度」(48.1%)と「計画的なOJTの実施」(46.4%)の割合が特に高くなっており、以下「OFF-JTの実施」(40.4%)、「計画化されていないOJTの実施」(27.2%)などが続いている。

規模別にみると、いずれも「資格取得支援制度」の割合が最も高くなっているものの、大企業は他の規模に比べて「通信教育等、自己啓発への金銭的支援」や「スキルマップの作成」などの割合が高い一方、中堅企業では「社員教育は実施していない」が高くなっている。また、中小企業では「OFF-JTの実施」が他の規模に比べて高くなっている。

(2)OFF-JTの内容

─「 新規採用者など初任層を対象とする研修」が半数超─

社員教育の実施内容のうち、「OFF-JTの実施」と回答した企業に、その詳細を尋ねたところ(複数回答)、「新規採用者など初任層を対象とする研修」(56.7%)の割合が最も高く半数を超えた(図表18)。以下「マネジメント研修」(45.5%)、「技術者・技能者研修」(39.9%)などの順となっている。

業種別にみると、製造業、非製造業ともに「新規採用者など初任層を対象とする研修」の割合が最も高くなっているものの、製造業は非製造業に比べて「労働生産性向上に向けた研修」や「マネジメント研修」が高い一方、非製造業は製造業に比べ「営業・販売研修」や「技術者・技能者研修」が高くなっている。

11まとめ

アンケート調査結果をみると、19年7-9月期の「業況感」は公共工事の増加や消費増税前の駆け込み需要などから上昇した後、同10-12月期には、天候不順や駆け込み需要の反動減などから非製造業を中心に低下したため、業況感は悪化した。

先行きを示す見通しBSIについても、低下が見込まれており、業況感は低水準での推移が続く見通しとなっている。

今後も米中貿易摩擦や中東情勢の緊迫化による原油価格の動向、消費増税後の個人消費の回復状況など国内外で懸念材料が多く、県内企業にとって厳しい外部環境が続くとみられる。ただし、今回の調査では自由回答のなかに「多品種少量生産への取り組みを進めてきた結果、取引先の数と業種が増えたことで、景気の変動があっても一定の受注が確保できるようになった」(金属製品)、「売上高が伸びている部門を増員するなど、人員の配置転換の実施などにより合理化を図っており、生産性は向上している」(卸売)など、外部環境が厳しいにもかかわらず自社の経営努力によって業績を向上させている企業がみられており、このような動きが広がっていくことを期待したい。(2020年1月 近 由夏)全文PDFtip_pdf

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グラフで見る県内経済2020年2月(十二月の新潟県経済)

2020/02/03 :グラフで見る県内経済

概況:横ばいで推移しているものの、一部に弱さがみられる県内経済

公共投資は緩やかに増加している。一方、個人消費は一部で駆け込み需要の反動による減少が続いており、生産活動は弱含んでいる。

生産活動:弱含んでいる

10月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比1.9%上昇して104.6となった。出荷指数は同2.8%低下して99.9となった。在庫指数は同3.5%上昇して103.5となった。

輸送機械は国内外で新車販売が低迷していることから、自動車部品などを中心に生産の落ち込みが続いている。

汎用・生産用・業務用機械や金属製品は米中貿易摩擦などを背景に、海外からの受注が減少しており弱い動きとなっている。

一方、食料品は米菓や包装米飯などが好調であり、堅調な動きとなっている。

8-10月期の3カ月平均値でみた在庫循環図(注)では、「在庫積み上がり局面」にある。

(注)在庫循環図:出荷と在庫の伸び率を比較することによって景気循環を判断する図。在庫循環図では景気循環に応じて、①意図せざる在庫減局面→②在庫積み増し局面→③在庫積み上がり局面→④在庫調整局面、という動きとなり、理論上は反時計回りで変化する

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新潟県人(越後人)とは何か…

2020/02/03 :感頭言

新潟工科大学 学長      大川 秀雄

現在の自宅は新潟市にあるが、長岡市の殿町で生まれ育った。子供の頃はがよく降り積もった。今では死語になったが「白魔」と言う言葉が語られた遠い昔が懐かしい。雪をよく知らない人たちは「しんしんと降る」ことが多量に降ることの形容と思っているらしいが、嘘である。「かさかさと音を立てて降る」が正しい。二回経験したがこれも懐かしい思い出である。

江戸時代の終わりから明治時代に掛けて、越後の国の人口は全国でトップであった。しかし、角兵衛獅子、今で言うところの子供虐待?で象徴されるように、そこまでして銭を稼がなければならないほど貧乏な国でもあった。ずっと謎であったが、昔の新潟市郷土資料館館長の池氏のご講演で納得した。「どんなに記録をあさっても『間引いた記録が出てこない』のが越後の国」だそうだ。「そうか、現金がなくて貧しくとも、命を繋ぐ食べ物はあったのか」と理解した。「こちの風」が吹いて冷害になっても、衛星画像では越後の国だけは雲がなく、それと分かる訳である。

今はどうか。人も物も首都圏への供給県となっている。昔よく言われた。「風呂屋と豆腐屋の多くは越後人」。口数が少なく、まじめでよく働く代名詞であった。池館長の言葉でこれに当たるもう一つもあるが、差し障りがありそうなのでここでは書かない。人口減少で、全国でそして多くの分野や職業で苦しんでいる。個々に挙げても仕方がない。新潟県はいかにすべきか。

できっこないが独立はいかがか。人間、食べ物と水さえあれば取り敢えず生きられる。全国47都道府県、それができるところはほとんどない。「何を言い出すか」と随分前に県会議員氏に叱られた。言いたいことは「心の持ちよう、気概のこと」である。新潟県は「農業の看板」は絶対に外せない。しかし、生きては行けるがそれだけでは豊かになれない。鍵は工業であると思う。何をどのように作るか、それが投げかけられている問題である。

(おおかわ ひでお)

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