11月2020

ウィズコロナ時代の経営戦略

2020/11/02 :特別企画

─新型ウイルス禍における組織経営と今後の展望─

10月号から12月号までの3回にわたり、新潟県内の各分野を代表する方々からウィズコロナ時代における経営戦略や今後の展望等についてうかがったインタビュー記事を特集します。

予兆を感じ、早期に対策本部を設置

─新型ウイルスにはどのように対応していますか─

私は、今年の2月に第16代の新潟大学長に就任しました。新潟大学は10学部・5大学院研究科に加え、脳研究所及び災害・復興科学研究所、医歯学総合病院などを有する日本海側最大規模の総合大学です。学生数は約13,000人、教職員数は約3,000人にのぼり、活動の場も五十嵐キャンパス、旭町キャンパス、サテライトキャンパス「ときめいと」、佐渡の演習林などと広範です。また学生の6割以上が県外出身者で、海外からの留学生も1,000人を超えています。

このため、私が新型ウイルス感染症(COVID-19)への対策を検討するうえで最も重視したのは、万が一にもクラスターが発生した際に、どうすればそれを最小限に抑え込めるかということでした。

もとより私は医学部出身でもあり、中国・武漢市で感染が確認された昨年12月頃からパンデミックの予兆を感じて、新型ウイルスの動きには細心の注意を払っていました。そこで私は、2月に学長に就任すると素早く対策本部を設置して、大学における感染対策の指揮系統の一本化を図り、学務や行事、教職員の職場環境等に関する検討を進めてきました。この検討会議は、現在も毎週定期的な開催を継続しており、新型ウイルスに関連した学内の情報共有化に役立っています。

オンラインによる非対面式の授業を導入

─ 新型ウイルスにより、大学の行事や授業にはどのような影響がありましたか─

新潟大学では例年、3月の卒業式と4月の入学式を朱鷺メッセで開催していましたが、今年は感染防止の観点からいずれの式典も中止して、私からのビデオメッセージなどに切り替えました。また新学期の開始についても、当初予定していた4月8日から2週間延期して、4月20日に変更しました。

肝心な授業の仕方ですが、3月の早い段階でオンラインを利用した非対面式授業の導入を決定し、それに先駆けて学内の各種会議をオンラインに移行する措置を取りました。なおオンライン導入にあたっては、私自身が学会などでオンライン会議を行なった経験を踏まえ、利便性を重視してZoomの導入を決めました。

さらに6月以降になって感染拡大が落ち着きをみせたため、現在は実験・実習科目の一部で対面式の授業を再開しており、これまで全面的に停止していた部活動などの課外授業に関しても条件付きで一部緩和しました。しかし授業については、2学期も原則として非対面方式での実施を継続していきます。

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第56回

2020/11/02 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

最高の学習法

ある経営者の方がこう言っていました。

「本を読んでいて良い言葉だな、素敵な格言だな、心に響く文章だなと思ったら、これをすぐに周りの人に言ってまわります。何人にも伝えます。するとその言葉を自然に覚えられるのです」

この話を聞いて私は30代前半に都内の専門学校に通ってパソコンのインストラクターの資格を取ったときのことを思い出しました。

インストラクターの資格試験に合格するとすぐに知り合いが経営するパソコン教室から「インストラクターとして生徒を指導して欲しい」と頼まれました。

その瞬間に私は「よし、いよいよインストラクターデビューだ!」とは思いませんでした。私はこう思ったのです。

「はたして私に教えることができるだろうか?」専門学校に通い、勉強して、知識と操作方法を学び、試験に合格したことは事実です。でも、とても不安でした。「勉強したことを全部覚えているだろうか?知らないことを聞かれたらどうしよう?私の知識だけで対応できるだろうか?」

その後、何度か知人の教室で生徒に指導をして、個人レッスンもするようになり、自分でパソコン教室を開校しました。

その間にアプリケーションのバージョンも変わり、パソコンのOSも変わり、操作方法も変わっていきました。その都度、新しい操作方法を覚えていったわけですが、その間、知識と操作方法の習得に一番役立った勉強法は本を読んだり、動画を観たり、教材で学ぶことではありませんでした。

最も勉強法として役立ったものは『教えること』でした。座学で知識として学んだことを相手に教えることにより自分の知識が全体として体系化されました。

また、相手から質問を受けると、そこで新しい操作方法に関してテキストで学び、そしてそれを何人もの人に教え、さらに質問を受けるとまた調べる。そして調べたことをまた何人もの人に教える…この繰り返しが一番自分自身の勉強になりました。

教えることが自分の一番の学びになったのです。

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観光はレジャーと限らない

2020/11/02 :観光イノベーションで地域を元気に

株式会社 井門観光研究所 取締役  井門 隆夫(いかど たかお)氏

─必要な逆転の発想─

1.ごほうび旅行

Go Toトラベルキャンペーンで観光地がにぎわっている。東京都が適用となったことや秋の行楽シーズンが重なったこと、15%相当の地域共通クーポンが付くようになったこと、高速道路も周遊割引が効くようになったことなどから、週末だけではなく平日にも観光客が戻ってきて、なかには年明けまで満館という宿も散見されるようになった。おそらく、やっとキャンペーンが認知されてきたことに加えて、周囲も出かけているから大丈夫と同調圧力も解け、長い自粛生活からのごほうび需要が生まれているのだろう。

しかし、「率」で割り引かれる方式であることから、今回のキャンペーンでは高額な宿や商品に傾斜してしまっていて、低価格の宿との差が生まれている。大浴場で他者と接しない露天風呂付客室や食事を部屋提供する旅館などが売れ、宿泊事業者や旅行会社もさらに様々な付加価値を付けてより高額で販売しようとしている様子が感じられる。

あるいは、自動車教習所と提携し、合宿教習料金が割り引かれる商品まで登場し、観光の趣旨から外れているのではないかという意見も出ている。ただし、観光とはレジャーだけではない。人の移動はすべて観光であると広義にとらえることも必要だ。今こそ、1970年代から続いてきた「観光=レジャーという呪縛」から解放されるときではないかとも思う。

おそらく「観光=レジャー」という発想が今後も続く限り、需要は有名観光地や有力旅館に一層集中していくと思う。アナログからデジタル時代へと変わり、情報源がガイドブックやパンフレットといった客観情報からクチコミサイトや友人のSNSという主観情報へと変わり、クチコミやSNSで情報発信の多い観光地や宿にどんどん集中するようになっているためだ。これは、簡単には後戻りできない現象である。

そのため、もし有名観光地でも有力旅館でもない地域や宿が挽回するとすれば、同じ「レジャー」という土俵で勝負するのではなく、「広義の観光」をとらえていく必要がある。

少なくとも江戸時代の旅は「不要不急のレジャー」ではなく、湯治場で病を治癒するためであるとか、飢えをしのぎ豊作を祈るために講を組んで寄進を募り、社寺への祈願参拝を目指すなど「人々の悩みや願いの解決」という目的があった。しかし、時を経て、1970年代に変動相場制が導入されることによる急激な円高へのシフトから海外旅行が一般化し、内需拡大に向けた国債発行と公共事業による国土整備が開始されて国内旅行の大衆化が始まった。同時に、旅行会社がパック旅行を開発して、観光のレジャー化が本格化していった。そして、団塊の世代がその伝道かつ実践者となり、50年間観光市場を支えてきた。

ところが、その世代も70歳代となり、日本の最多人口はまもなくその世代から24歳若返り現在の40歳代へとバトンタッチする。その世代は、経済成長とともにした団塊の世代と違い、社会に出てから不況が続き「氷河期世代」と呼ばれるデフレしか知らない世代だ。加えて、職場では一人一台のパソコンがあり、検索エンジンで情報を検索するのは当たり前になった世代でもある。

ちょうどこの世代交代とほぼ同時に新型肺炎に襲われ、アナログが主流の高齢世代が支えてきた「観光=レジャー」も様変わりしようとしている。今、若い世代がごほうびで来ていたとしても、これからもずっと同じようにレジャーで来るとは限らない。冬のボーナスが減額となり、年収ダウンとなった途端、旅行には渋くなるはずだ。これまで需要を支えてきた高齢者層も自粛が解けず、減少していくのが確実だ。そのため、2021年は「広義の観光」を考えなくてはならない時代に突入するだろう。もう一度、発想を200年前の江戸時代への回帰させる逆転の発想が求められている。

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新潟県の景気の現状と先行き見通し

2020/11/02 :自主調査(調査報告)

─悪化が続いているものの、下げ止まりつつある新潟県経済─

1景気の現状と先行き

現 状

◎ 悪化が続いているものの、下げ止まりつつある県内経済

県内主要経済指標等から景気の現状を概観すると、設備投資と公共投資は減少している。雇用状況は悪化している。一方、生産活動と個人消費は下げ止まりつつある。総じてみると、県内経済は新型ウイルス感染症の影響により悪化が続いているものの、下げ止まりつつある。

先行き

◎持ち直しに向かうものの、戻りは緩やかに

経済活動再開の動きが徐々に広がるなか、県内経済は持ち直しに向かうとみられる。新潟県が公表している景気動向指数(先行指数、3カ月移動平均)をみても、新型ウイルスの感染拡大に伴い2020年初から大幅に低下していたものの、足元で下げ止まりやや持ち直しつつある(図表1)。

ただし、感染拡大防止と両立しながら経済活動の正常化を図る必要があることから、県内経済が感染拡大前の水準に回復するには時間を要すると予想される。

生産活動は工場の稼働状況が戻りつつある一方、世界的な需要低迷を背景に増産や設備投資などの動きが期待できないため、持ち直しの動きは緩やかなものにとどまると予想される。個人消費は大きく落ち込んでいた外食や旅行などのサービス消費が低水準ながら緩やかに持ち直しつつある。ただし、感染状況次第で外出自粛傾向が高まることから、個人消費が下振れする可能性に注意する必要がある。雇用状況は一段の悪化が懸念される。雇用の不足感は急速に緩和しており、雇用調整助成金の特例措置などを活用し、雇用を維持している企業も多い。今後、経済活動への影響が長期化すれば倒産や休廃業に追い込まれる企業が増えるとみられ、離職者の増加から有効求人倍率のさらなる低下が見込まれる。

2生産活動の現状と先行き

現 状

◎下げ止まりつつある

生産活動は下げ止まりつつある。新潟県の鉱工業生産指数(季節調整値)は、20年4-6月期に前期比9.2%低下の89.1と大幅に低下し、3四半期連続で前期を下回った(図表2)。ただし、7月は86.1と6月の85.3から上昇しており、生産活動は下げ止まりつつある。

業種別にみると、汎用・生産用・業務用機械は一部で中国向けの製品が回復しているものの、企業の設備投資需要の減退から弱い動きとなっている(図表3)。金属製品は工場や住宅の建設が低迷するなか、作業工具や建設用金属製品の受注が落ち込んでおり低調に推移している。輸送機械は生産水準が前年を下回っているものの、完成車メーカーの生産正常化に伴い自動車部品などが大幅な減産から持ち直しつつある。食料品はいわゆる「巣ごもり消費」が堅調であることから、家庭用商品を中心に高水準での生産が続いている。

 

先行き

◎緩慢な持ち直しにとどまる

汎用・生産用・業務用機械は中国向けの生産が回復している一方、中国を除く海外及び国内企業の設備投資意欲は減退しており、弱い動きが予想される。輸送機械は新車の販売低迷に加え、生産の合理化や環境対策・デジタル化への対応などから、完成車メーカーは戦略的に既存車種を縮小させており、自動車部品を中心に低水準での推移が続くとみられる。金属製品は家庭向け製品などが伸びているものの、住宅や工場の建設需要の落ち込みから、作業工具や建設用製品の需要低迷が見込まれる。一方、食料品は大幅な増産に落ち着きがみられるが、内食・中食の定着から高い水準での生産を維持すると思われる。

したがって、家庭向け製品の生産は堅調に推移するものの、国内外の需要回復に大きな期待ができないことから持ち直しの動きは緩やかなものにとどまると思われる。

3設備投資の現状と先行き

現 状

◎減少している

設備投資は減少している。当センターが20年上期に実施した「企業動向調査」によると、20年度の設備投資の実施(含む計画)企業の割合は前年度比12.5ポイント減、設備投資額も同17.2%減となり、いずれも前年度を下回る見込みとなった(図表4)。製造業では、国内外の需要低迷を背景に、輸送機械や食料品などで生産能力増大に向けた設備投資が減少している。また、先行きの不透明感から投資の延期や縮小の動きがみられる。非製造業では、情報化を中心とした投資が引き続き増加しているものの、卸売やサービス他で前年の大型投資の反動がみられており、投資額は前年を下回っている。

先行き

◎設備投資への慎重な姿勢は続く

設備投資について、企業からは「足元の稼働状況の低下に加え今後の受注状況も見通せないため、当初の計画を見直した」との声や「今年度は最低限の投資にとどめる」との方針が聞かれており、慎重姿勢が強まっている。

一方、新型ウイルスの影響によるテレワークの広がりから、必要な機器を整備する企業が増えている。「IT導入補助金」など政策面での支援もあり、今後もテレワーク関連の情報化投資は増加すると思われる。ただし、全体としてみると企業業績の悪化を背景に、設備投資に対する慎重な姿勢が続くことが予想される。

4雇用の現状と先行き

現 状

◎悪化している

雇用は悪化している。20年4-6月期の有効求人倍率(パートを含む全数、季節調整値)は1.25倍となり、2期連続して大幅に低下した(図表5)。その後も7月は1.20倍、8月は1.16倍と低下傾向が続いている。

先行き

◎一段の悪化が懸念される

雇用の先行指標となる新規求人数(パートを含む全数・実数)をみると、20年4-6月期に前年比24.7%減と6四半期連続で前年を下回っている。

雇用調整助成金の拡充などの政策を下支えに、企業都合による離職者数は現状低水準に抑えられているものの、企業の業績悪化に伴い、労働時間の短縮や新規採用の抑制などの動きは続いている。企業業績の早期改善が見通せない状況にあることから、今後雇用の維持が困難となった企業からの離職者が増え、雇用状況が一段と悪化することが懸念される。

5個人消費の現状と先行き

現 状

◎下げ止まりつつある

個人消費は下げ止まりつつある。20年4-6月期の小売業販売額(全店)(注)は前年比6.7%増と2期連続の増加となった(図表6)。その後、7月は5.8%増、8月は6.6%増と前年を上回る推移が続いている。新型ウイルスの影響による巣ごもり需要の高まりから、食料品や日用品の販売が増加し、食品スーパーなどが堅調となっている。また、家電大型専門店は在宅での勤務・学習用のパソコン関連商品が伸びているほか、特別定額給付金の支給が追い風となり販売は好調に推移している。一方、外食や旅行・観光といったサービス業は厳しい状況が続いている。緊急事態宣言中と比べると持ち直しているものの、感染対策として客数や営業時間に制限を設けていることもあり、売り上げの戻りは緩やかとなっている。

乗用車新規登録・届出台数(軽含む)は20年7-9月期に14.8%減と4四半期連続の減少となった。販売台数は戻りつつあるものの、完成車メーカーの生産調整に伴う納車の遅れや前年に生じた消費増税前の駆け込み需要の反動から、大幅な減少となった。

(注) 小売業販売額:経済産業省「商業動態統計」の百貨店・スーパー、家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストアの全店販売額を合計したもの

先行き

◎ 感染の状況や雇用・賃金への不安から悪化する可能性も

県内事業者へのヒアリングによると、今後の消費者行動については「新型ウイルスの感染状況次第」との見方が大勢となっている。サービス業は緩やかながら持ち直しの動きが続くとみられるものの、感染が拡大し外出自粛の動きが強まれば、再び悪化に転じる懸念がある。食品スーパーでは食料品のまとめ買いが一服している一方、「新しい生活習慣」で自宅での食事が定着しつつあることから、堅調な推移が続くと思われる。

また、乗用車新規登録・届出台数は完成車メーカーの挽回生産により納車の遅れが解消に向かっているほか、一部の新型車の販売が好調であることから持ち直しに向かうことが期待される。

総じてみると、個人消費は緩やかに持ち直しに向かうとみられる。ただし、感染が再び拡大した場合や経済活動の停滞が長期化し雇用・所得への不安が高まった際には、個人消費は悪化する可能性がある。

6住宅投資の現状と先行き

現 状

◎弱含んでいる

住宅投資は弱含んでいる。20年4-6月期の新設住宅着工戸数は前年比1.6%減と2期ぶりの減少となった(図表7)。その後、7月は25.3%減、8月は20.8%増と、振れを伴いながらも基調としては弱含んでいる。新潟市中心部を中心に分譲マンションの建設が相次ぎ、分譲住宅が前年を上回った一方、持家は3四半期連続で前年を下回った。

先行き

◎持家、貸家は弱い動きが続く

県内の住宅メーカーからは、新型ウイルスの影響により所得環境が悪化した顧客から住宅購入を見合わせる動きが出てきているとの声も聞かれている。先行きの不透明感から、住宅購入や不動産投資に対する意欲低下が広がりつつあり、持家や貸家は弱い動きが続くとみられる。

7公共投資の現状と先行き

現 状

◎減少している

公共投資は減少している。公共投資の発注動向を表す公共工事請負金額は、20年4-6月期に前年比8.0%減と7期ぶりに前年を下回った(図表8)。その後、7月は9.2%減、8月は21.8%減と前年を下回る動きが続いている。今年度は政府の「防災・減災、国土強靭化のための3か年計画」の最終年度となっており、国からの発注は前年をやや上回っている一方、新潟県では財政悪化を背景に20年度の公共工事関連予算が前年度比減額となっていることから、県など地方の機関からの発注が減少している。

先行き

◎県や市町村の公共工事関連予算の大幅増額は期待薄

政府の今年度の補正予算は新型ウイルス感染症対策関連が中心となっており、今後も重点的に予算が計上されるとの見方が多い。一方で、大規模な自然災害が相次ぐなか、国土交通省は来年度以降も防災・減災対策への予算確保を求めており、今後の予算編成が注目される。

また、県など自治体においても新型ウイルス対策が最重要課題となっており、優先的に予算が充てられることが予想される。新型ウイルスの影響で税収は大幅に減少しており、一段と厳しい財政が続く状況下で公共工事関連への配分は相対的に小さくなることが懸念される。したがって、県や市町村では公共工事関連予算の大幅な増額は期待できないと思われる。

(2020年10月 近)

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県内サービス産業におけるICTの活用とポイント

2020/11/02 :自主調査(調査報告)

─経営課題の解決に向けたICTの使い方─

はじめに

サービス産業※1は日本のGDPの約7割を占め、就業者の6割強が従事する一大産業とされる。一方、製造業などと比べてサービス産業の労働生産性は相対的に低いといわれている。

そうしたなか、サービス産業においても業務効率化を図りながらサービス品質の向上や顧客満足度を高めるために、ICTを活用する企業が増えつつある。

本レポートでは、ICTを導入している県内企業の活用事例を踏まえ、ICT活用のポイントを整理する。

※1: 本稿におけるサービス産業とは、飲食業や宿泊業などのほか、卸売・小売業や運輸・郵便業、情報通信業、不動産業などを含む、いわゆる「第3次産業」全般を指す。

1ICTの活用状況

(1)ICTとは

ICTとは、「Information and CommunicationTechnology」の略称で、一般に「情報通信技術」と訳される。

IT(Information Technology:情報技術)とほぼ同じ意味であるが、ITが情報技術そのものを指すのに対し、ICTは通信技術の活用方法や通信技術を使ったコミュニケーションを指す場合が多い。また、近年はITよりもICTと表現するケースが増えてきている。

なおICTは、電子メールやSNS、ネットショッピングの利用など、既に身近な生活で使われる一方、企業でもさまざまな業務効率化、生産性向上に活用されている。

(2)サービス産業におけるICTの活用

企業におけるICTの活用状況を示した統計がないことから、参考までに独立行政法人 中小企業基盤整備機構がまとめた「IT導入に関するアンケート調査報告書」をみると、サービス産業でITを活用した業務効率化・生産性向上に「取り組んでいる」と回答した企業の割合は39.8%となっている(図表1)。一方、「取り組んでいないが、検討中である」が25.8%、「取り組んでいない」が34.4.%となっている。製造業と比べると「取り組んでいる」の割合は6.7ポイント低く、「取り組んでいない」の割合は8.9ポイント高くなっている。

このように、製造業と比べてサービス業では、ICTの活用が遅れているものの、近年、ICTを活用し省力化や業務効率化を進める取り組みが活発になっている。

例えば、医療・福祉では、従来、手書きしていた各種書類の作成をシステム化して、職員の作業負担の軽減に繋げている(図表2)。また対個人サービスでは、店舗管理システムから得られたビッグデータを分析し、店舗のスタッフの機動的な配置調整等に活用している。

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グラフで見る県内経済2020年11月(九月の新潟県経済)

2020/11/02 :グラフで見る県内経済

概況:悪化が続いているものの、下げ止まりつつある

設備投資と公共投資は減少している。雇用状況は悪化している。一方、生産活動と個人消費は下げ止まりつつある。

生産活動:下げ止まりつつある

7月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比0.9%上昇して86.1となった。出荷指数は同0.5%低下して86.3となった。在庫指数は同1.3%低下して103.9となった。

汎用・生産用・業務用機械は一部で中国向けの製品が回復しているものの、企業の設備投資需要の減退から弱い動きとなっている。

金属製品は工場や住宅の建設が低迷するなか、作業工具や建設用金属製品の受注が落ち込んでおり低調に推移している。

輸送機械は生産水準が前年を下回っているものの、完成車メーカーの生産正常化に伴い自動車部品などが大幅な減産から持ち直しつつある。

食料品は家庭用商品を中心に高水準での生産が続いている。

5-7月期の3カ月平均値でみた在庫循環図(注)では、「在庫調整局面」にある。

(注)在庫循環図:出荷と在庫の伸び率を比較することによって景気循環を判断する図。在庫循環図では景気循環に応じて、①意図せざる在庫減局面→②在庫積み増し局面→③在庫積み上がり局面→④在庫調整局面、という動きとなり、理論上は反時計回りで変化する

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越後の雪椿に学びます

2020/11/02 :感頭言

東北電力株式会社 上席執行役員 新潟支店長  藤倉 勝明 

4月に着任してからの半年間、新型ウイルス禍のため何かと制約の多い日々ですが、新潟の方々に出会い、街を散策し、滋味豊かな食材を食す機会に恵まれて過ごし、次は冬を迎える時期となりました。ふと頭に浮かんだのは「つらくてもがまんをすれば きっと来ますよ春の日が」という「雪椿」の一節。良い春が来るよう期待したいものです。

さて、電気を含むエネルギーは国の重要事項の一つですし、石油・ガスなどは国際商品です。こうした意味で電力会社が大きな課題に直面することは度々ありました。

例えば、1973年の第一次石油危機の後、日本の課題は脱石油でした。東北電力が液化天然ガス(LNG)の調達先としてイランを選び、難航交渉を経て売買契約書の合意見通しに至ったその直後、イラン革命が勃発し契約は断念しました。運よく代替候補としてインドネシアを選定できましたが、振出からのスタートは時間的にも厳しい試練となりました。

現在の課題は、人口減少や少子高齢化、また、脱炭素化、分散化、デジタル化の進展等による電力の事業環境変化です。これに対しては、企業グループとして策定した中長期ビジョンの具現化に取り組みます。新潟県においては、昨年締結させていただいた包括連携協定に基づいて、新潟県のさらなる発展と県民の皆さまのより良い暮らしの実現に貢献させていただくよう努力してまいります。

LNGの話に戻ります。1983年9月、巨大なLNGタンカー「越後丸」がインドネシア産のLNGを満載して新潟東港に初入港しました。以来、東新潟火力発電所と新潟発電所を合わせるとガス火力は約500万kWとなり、東日本大震災時には東北の電気も支えました。さらに現在は、2023年度運転開始を目指す上越火力発電所(ガス火力)を建設中です。

今年の冬には越後の雪椿を見て、しなやかで、たくましく生きることを学びたいと思います。

(ふじくら かつあき)

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