1月2021

新潟県における銀行業の発展⑩─小千谷および小出地域での銀行の設立と展開─

2021/01/18 :郷土の近代化を振り返る

京都産業大学   経営学部   マネジメント学科教授  松本 和明 (まつもと   かずあき)  氏

小千谷は、江戸時代中期の1724(享保9)年に会津藩の領地となり、55(宝暦5)年に代官所がおかれるとともに、「小千谷縮」および原料の苧麻の売買がさかんとなり、魚沼郡の中心地として栄えた。

明治維新後には、1874(明治7)年に国学者の山本比呂伎をはじめ商人の山本安兵衛や広川利兵衛などによる織物の生産や米などの物産販売を目的とした機会社(資本金1,000円)、80年5月に山本および五十嵐麗景や井口官蔵などによる金融業および諸物産売買を目的とした保進社(資本金3万3,000円)が立ち上げられた(小千谷市史編修委員会編『小千谷市史 本編下巻』小千谷市、1967年)。時代の変化のなかで、近代的組織をいち早く取り入れており、地域の先駆性をみいだしえる。

山本は、私財1,000両を投じて、1868(明治元)年に「小千谷校」を下タ町(現・小千谷市元町)の五智院に創設した。同校は日本初の公立小学校で、小千谷小学校のルーツである。ちなみに、翌1869年に京都で住民自治組織による番組小学校が立ち上げられている。

1873(明治6)年に第四国立銀行、78(明治11)年の第六十九・七十一・百十六国立銀行、79年の第百三十九国立銀行と新潟県内での銀行の設立が相次ぐなかで、小千谷でも金融機関の設立の機運が高まっていった。

1880(明治13)年11月に、西脇吉郎右衛門・山口権三郎・山田権左衛門・大塚益郎・蕪木八郎右衛門が発起人となって、資本金15万円で銀行類似会社を創設することを決めた。 続きを表示…

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新型コロナウイルス感染症禍でのベトナム輸出における、それぞれの新たな挑戦

2021/01/18 :寄稿 海外レポート

ジェトロ・ホーチミン事務所   Consultant for trade and investment   大 桃  伊 代 菜  氏

ベトナム国内の新型コロナウイルス感染症の状況

ベトナムでは4月中旬から7月下旬までの99日間、そして9月初旬から11月末までの87日間、海外からの入国者を除くベトナム国内での新規感染者はゼロとなっている。そのため、いつ自分が感染するか分からないという逼迫した状況が継続しているわけではなく、その分、「新しい生活様式」は定着していない。例えば、飛沫感染防止のためのアクリル板が設置された場所は少なく、レジ待ちの間隔開けも5月以降はほとんど見なくなり、在宅勤務も普及していない。このように新型コロナウイルス感染症による日常生活への影響が比較的少なく見えるベトナムでも、経済面では非常に大きな影響を受けており、他国同様に失業、労働時間短縮による収入減に苦しむ人が多い。ベトナム統計総局が発表した9月までのデータによると、国内で新型コロナウイルス感染症により収入が減少した人は2,200万人(全人口の約23%)にものぼった。また、ベトナムでは観光業がGDPの約9%を占めているため、3月下旬からの入国制限の影響は特に大きく、ホーチミン市1区でも特に観光客が多かったエリアでは、空き物件が目立つ状態が4月以降続いている。

このように感染への不安と同時に、収入減に対する心理的不安が高まり、新型コロナウイルス感染症発生以前に比べて人々の外食機会は減っているようである。主に中間層から富裕層、そして外国人観光客をターゲットとする日本食料理店にヒアリングしたところ、売り上げは前年比70%程度で推移しているようである。ベトナムの食品輸入企業の主な卸先はホテルや飲食店などのHorecaの比率が大きい。そのため、新型コロナウイルス感染症発生以降は、積極的に新しい商品を輸入して取り扱い品目を増やすよりも、市場のニーズが高いものに集中して買い付けたいという声が多く聞かれた。特に、ベトナムの消費者は元々、サプリメント等の健康食品や、赤ちゃんや子供も食べられる安全な食品への関心が非常に高かったが、新型コロナウイルス感染症発生以降、ベトナム人の健康志向が更に高まっているといわれている。この傾向から、ジェトロ・ホーチミン事務所が開催したオンライン商談会(6月に1回、10月に2回、11月に3回開催)でも、参加したベトナムバイヤーは健康に関連する商品に関心を示していた。

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今すぐできる選りすぐりのアイデア 第58回

2021/01/18 :酒井とし夫の街でみつけた『商売繁盛心理学』

ビジネス心理学講師/米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター/米国NLP心理学協会認定コーチ/ランチェスター経営認定講師 酒井とし夫 氏

こんにちは、ビジネス心理学講師の酒井とし夫です。

私はどんな商品やサービスを扱っていても、どんな業界で働いていても、ビジネスにはひとつの共通項があると考えています。

それは…、お客様は『人』である、ということ。

そして、人は『心』で好き嫌いを感じ、『心』で興味を抱き、『心』で買うか買わないかの行動を決定します。

そのため、どんな業界や職種の方々であっても、ビジネスに関わる方は人の『心』に影響を与える心理学の知識やスキルを理解しておくと、交渉、打ち合わせ、営業、広告、販促、プレゼンテーション、接客、コミュニケーションで優位に立つことができます。

私が日常生活のなかでみつけた商売に役立つ心理学的なヒントやアイデア、ノウハウを毎月紹介します。是非、あなたのご商売や会社経営に応用するにはどうしたら良いのかを考えながらお読み下さい。

新春万福

新年明けましておめでとうございます。2021年は丑年。

十二支の2番目の干支になります。子年に蒔いた種がこれから発芽して成長する時期であり、あまり先へ先へと急がず目の前にあることを着実に進めることが成功につながっていく年となります。

ところで、なぜ牛は干支の1番目ではなかったのでしょうか?それは昔、昔、大昔のこと。神様が動物たちに次のようにいいました。

「正月の朝、新年のあいさつに来た順番に十二番目までをその年一年の動物の大将にしてあげよう」

それを聞いた牛は「私は足が遅いから皆よりも早めに準備をして出発しよう」と支度を始めました。その牛の様子を天井裏から眺めていたねずみがパッと牛の背中に飛び乗りました。

歩くのが遅い牛が神様の御殿にやってくるとまだ誰も来ていません。「よし!一番乗りだ」と思ったその瞬間にねずみが背中から飛び降りて一番乗りをしたそうな…。

牛は2番になってはしまいましたが「牛も千里馬も千里(うしもせんりうまもせんり)」といいます。多少の遅い早いの違いはあっても牛はちゃんと目的地にたどり着いています。牛歩であっても早めの準備を行ない、コツコツと行動を続ければ上位にいけるということです。

2021年は「呉牛、月に喘ぐ(ごぎゅうつきにあえぐ)」といわれるようにいらぬ取り越し苦労を避けて、「商いは牛の涎(よだれ)」の言葉のように牛のよだれが切れ目なく長く垂れるように根気強く努力を続けて目的に向かっていけば、「牛に引かれて善光寺参り」のごとく思いがけない縁を得て良き方向へ導かれていく一年となるはずです。

さて、今回は新春号ですので2021年を前向きに過ごすことができる簡単な心理テクニックを紹介しましょう。

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中小企業の進化に向けて

2021/01/18 :観光イノベーションで地域を元気に

株式会社 井門観光研究所 取締役  井門 隆夫(いかど たかお)氏

─地方の中小宿泊業を例に─

2021年、新型肺炎禍の2年目が幕を開けた。2020~21年の2年間は時代が変わった年として長く記憶に残る年になるだろう。よくない話題ばかりで「よい話はないのか」と聞かれることも少なくない。しかし、それは受け止める立場や考え方によって変わる。現在は厳しくとも、3年後、5年後まで先読みができれば、なかなか変われなかった日本社会の仕組みや制度が変わるきっかけとなったことで、よい機会になったと考えることができる。

本コラムでは、毎年1月号は「その年の観光トレンド予測」を執筆している。2020年はオリンピックイヤーのはずだったが、「ワーケーションが普及する」という点のみ予測通りになったものの、その他は「ぴえん」(悲しいの意の2020年流行語)となってしまった。本年も明るい話題を予想しようと思ったが、それ以上に日本の社会経済の転換年であることを鑑み、今年起き始めるであろう中小企業のあり方の変革プロセスについて、宿泊業を例に予測をしてみたいと思う。

1.中小企業の進化

近年、日本の中小企業は労働生産性が低いと指摘され、論争が起きている。そのために最低賃金を上げよとか、再編を促せとか、政策も動き出している。

しかし、低いのには理由がある。最大の理由は収益性が低いことであるが、労働集約型のサービス業が多いという背景もある。加えて、担保力も資本力も小さな中小企業の場合、経営者個人や保証協会が債務を保証するという債務保証がある。大企業の経営者であれば、そうした負担はなく、内部留保を貯めることだけを考えれば済むのだが、中小企業の場合、そうした負担のために経営者個人でも資産を貯めていかなくてはならない。そのため、収益性を犠牲にしてでも節税をする等して保証に備えていく必要があるというハンデがある。長きにわたる伝統の続く欧米の国々と違い、日本は敗戦を機にリ・スタートした。ぺんぺん草しか生えていないわずかな土地を担保に這い上がってきた国だ。全国の中小企業が、地域での雇用や経済循環を生み、地域社会に貢献をしてきた。そうした背景をふまえたうえで、中小企業のあり方を議論して欲しいと願っている。

とはいえ、時代環境が変わってきた。株主やコンプライアンス重視の経営が大企業に普及するなかで、このままでは収益性に差が生まれるばかり。労働人口が減っていく時代にあって、都市の大企業に人は集中していってしまうのは自明の理だ。地域を存続させ、事業の灯を守るためにも、中小企業も変わらなくてはならない。

その進化プロセスについて、宿泊業を例にとって考えてみる(図参照)。図では、縦軸は「宿泊施設を所有・運営するのは『別企業』か『同一企業』か」、横軸は「運営する施設や業態は『複数』か『単一』か」を表している。

まず、多くの中小宿泊業の立ち位置は図の右下のポジションになる。例えば、1軒の旅館を経営する中小企業がそこにあたる。しかし、そうした企業の中には、後継者がなく、あるいはいたとしても先々の不安から、現在の給付金やキャンペーンが終了した際には廃業もやむなしと考えている企業も少なくない。そのため、ポスト新型肺炎には多くの宿泊業の灯が消えてしまうおそれをはらんでいるのが現状だ。そうした事情もあり、観光庁では次年度には廃屋の撤去費用の予算化も検討している。但し、廃業が増えてしまえば、地域の雇用は萎み、経済効果も薄れていってしまう。これ以上、地域の灯を消してはならないと首長には宣言をして欲しい。

 

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2021年新潟県経済を占う 県内主要団体に聞く

2021/01/18 :自主調査(調査報告)

─極めて厳しい1年となった前年からの持ち直しに期待新型ウイルスの影響長期化が懸念される一方、「ウィズ/アフターコロナ」を見据えた新たな取り組みへの着手も─

はじめに

感染症の世界的な感染拡大に伴う経済活動の停滞から、年前半は急速に悪化した。その後、経済活動の段階的な再開や政府による各種経済対策の効果により、生産活動や個人消費は低水準ながら緩やかに持ち直しつつある。総じてみると、足元の県内経済は持ち直しの動きがみられる状況にある。ただし、本格的な冬を前に新型ウイルスの感染者が増加しており、景気の先行きが懸念されている。

こうしたなか、当センターでは県内の主な業界団体や商工会議所・連合商工会の42団体にご協力をいただき、2021年の見通しについてうかがった。以下はその調査結果である。

1.2021年の県内景気見通し

─厳しかった前年から持ち直す見通し─

 

新年(2021年)の県内景気の見通しを尋ねたところ、前年と比べて「やや好転」と予想する回答が17団体と最も多く、調査対象42団体の約4割を占めた(図表1)。以下「変わらない」が13団体、「やや悪化」が9団体、「悪化」が2団体、「好転」が1団体と続いている。新型ウイルスの影響から国内外経済が急激に減速するなか、2020年の県内景気は極めて厳しい1年となった。2021年は新型ウイルスの影響が続くものの、経済活動の正常化やワクチン実用化に向けた動きへの期待から、前年に比べて徐々に持ち直していくとの見方が多いようである。

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グラフで見る県内経済2021年1月(十一月の新潟県経済)

2021/01/18 :グラフで見る県内経済

概況:持ち直しの動きがみられる

生産活動と個人消費は持ち直しつつある。雇用状況は下げ止まっている。一方、設備投資と公共投資は減少している。

生産活動:持ち直しつつある

9月の鉱工業生産指数(季節調整値)は、前月比4.9%上昇して91.2となった。出荷指数は同0.2%上昇して90.8となった。在庫指数は同0.2%上昇して102.1となった。

食料品は量販店向けが好調であり、前年を上回っている。

電子部品・デバイスはテレワークや5G関連の受注の増加により、堅調な動きがみられる。

輸送機械は完成車メーカーの生産正常化に伴い自動車部品などが大幅な減産から持ち直している。

金属製品は量販店向けが堅調である一方、建設需要の低迷から建設用金属製品が落ち込んでおり、全体としてみると弱含んでいる。

汎用・生産用・業務用機械は一部中国向けの製品が回復しているものの、企業の設備投資需要の減退から総じて弱い動きが続いている。

7-9月期の3カ月平均値でみた在庫循環図(注)では、「在庫調整局面」にある。

(注)在庫循環図:出荷と在庫の伸び率を比較することによって景気循環を判断する図。在庫循環図では景気循環に応じて、①意図せざる在庫減局面→②在庫積み増し局面→③在庫積み上がり局面→④在庫調整局面、という動きとなり、理論上は反時計回りで変化する

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新たな歴史のスタート

2021/01/18 :感頭言

株式会社第四北越フィナンシャルグループ 代表取締役社長  並木 富士雄

平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

はじめに、新型コロナウイルスの感染症によりお亡くなりになられた方々へ衷心よりお悔やみ申し上げますとともに、罹患された方やご家族および関係者の皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。併せて、治療や感染拡大防止に向けてご尽力されている方々に、心より感謝と敬意を表します。

当社グループは、これまで地域経済の金融の目詰まりを防ぐことを第一義に、金融支援をはじめとした多面的なサポートを行ってまいりました。また、昨年11月からは、当社グループ7社がお客さまの抱えるさまざまな経営課題に対してワンストップでサポートする経営相談会を開催しておりますので、何なりとご相談いただきたいと存じます。

さて、本年1月1日に、当社グループ傘下の第四銀行と北越銀行は合併し、「第四北越銀行」として新たな歴史をスタートさせました。両行の合併に際しましては、皆さまよりひとかたならぬご理解とご支援を賜り、改めて深く感謝申し上げます。

当社を取り巻く経営環境は、人口減少などの構造的問題に加え、デジタル技術の加速度的な進展とも相まって、従来の枠組みを超えた異業種との競争も一層激化するなど、かつて経験したことのない大変革期にあります。また、足下では新型コロナウイルスという未曾有の災厄によって、国内外における社会経済の不確実性が高まっています。

当社は、このような経営環境のもと、これまで長きにわたり築きあげてきましたお客さまとの信頼関係を礎に、グループ役職員一丸となって合併によるシナジー効果の発現に取り組み、最大の目的である「地域への貢献」を永続的に果たしてまいる所存です。

地域の明るい未来に向けて新たな一歩を踏み出した第四北越フィナンシャルグループの今後の活動に是非ともご期待いただき、従来にもましてご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

(なみき ふじお)

※ホクギン経済研究所「ホクギンマンスリー」での「窓」と共同掲載させていただきました。

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